【感想】 探偵はもう、死んでいる 5話 水着回だと思ったら突然のロボ要素 シエスタ成分補給できてよかった

シエスタ「気持ちいいね！！」

君塚「このビーチが気持ちいいことに異論はない、だが本来の目的を忘れてはいないだろうな？」

シエスタ「目的？」

君塚「エメラルドの涙とやらを手に入れて現金を作るんだろ？」

シエスタ「残念、避けられなかったので君は一生わたしの召使いです」

君塚「不意打ちに発生した罰ゲームが重すぎる…」

シエスタ「ほら、打ち返してよ」

君塚「２人でビーチバレーして楽しいか？」

シエスタ「君は私と遊んでも楽しくないの？」

君塚「いや別にそういうわけじゃ….」

シエスタ「じゃああれに乗ろう！」

君塚「本気で１秒も漕がないつもりか？」

シエスタ「召使いとしてのお仕事記念すべき第一回目だからね」

君塚「というか罰ゲーム関係なくいつもお前のいうこと聞いてる気がするが…」

シエスタ「意外と君も鍛えてるんだね」

君塚「やめろ….！」

シエスタ「誰も見てないよ？」

君塚「誰も見てなかったらOKっていう基準もおかしい」

シエスタ「やっぱり楽しくない？」

君塚「そういうわけではなく…」

君塚「思えば遠くまで来たなって思ってな…」

君塚「あの日あの空の上でお前とあって、それから２年も経って」

君塚「今は海の上だ」

シエスタ「それで…？」

シエスタ「君は今楽しいの？楽しくないの？」

君塚「まあ、この旅がいつか終わったときにでも言うさ」

シエスタ「いいよ…君はそれで」

シエスタ「でも私に告白するなら早いほうがいいよ？私はとてもモテるので」

君塚「誰がするか！そして自分で言うな」

シエスタ「それはそうとして」

君塚「どうとして？」

シエスタ「お宝ゲットして美味しいお肉をたらふく食べ尽くしたらどこかに探偵事務所でも構えようか」

君塚「完全なる無一文のセリフとは思えないな」

君塚（そうして束の間の夏休みは過ぎ）

君塚（探偵と助手の理不尽な毎日は続くのであった）

シエスタ「これは…ケルベロスの仕業だね」

君塚「ケルベロスだって？」

シエスタ「変な声」

君塚「血の匂いは嫌いなんだ」

シエスタ「首を曲げるか鼻をつまむのかせめてどっちかにしたら？」

君塚「で？ケルベロスってのが最近現れた切り裂きジャックの正体だと？」

シエスタ「そう…コードネーム”ケルベロス”地獄の番犬は」

シエスタ「人間の心臓を食い散らかすという」

風靡「遅かったな」

君塚「ここ禁煙ですよ？」

風靡「だったらやるよ」

風靡「飛行機の時間だ私は日本に帰る」

君塚「え？もう？つか風靡さんあんたこんなところまで何しに来たんです？」

風靡「出向だよ、それも昨日までだが」

君塚「聞いたことない人事異動」

風靡「そういうわけでお前たちにこのヤマを託す、現代に蘇ったジャックザリッパーでも捕まえてくれ」

君塚「いや、どういうわけで？」

君塚「理不尽だ….」

君塚「なぜ俺が…」

シエスタ「君のそれは？」

君塚「さっき別れ際風靡さんから預かった、やっぱ禁煙するからお前にやるだとよ…」

シエスタ「なるほど…久しぶりに再会した男に自分の一番大切なものを託したと」

君塚「託しすぎだろ…吸いかけの葉巻にライターに連続殺人事件って」

君塚「それで？敵の目的は？なぜケルベロスは人の心臓を奪って回っている」

シエスタ「単独の判断でそんなことをずっと続けていると考えにくい、きっと上からの指示による犯行だと思うけど」

君塚「上…？スペースの？」

シエスタ「まあ、敵の目的は捕まえてから吐かせればいいよ」

君塚「その算段は合っているのか？」

シエスタ「実は私もケルベロスの被害については前から把握していてね」

君塚「まあお前がこんな事件を易々と離すはずがないよな」

シエスタ「敵は鼻がいいみたいでね、どれだけ私が近づこうとしてもずっと逃げ回っていた」

君塚「コウモリは耳でケルベロスは鼻を改造された人造人間ってわけか」

シエスタ「ん～、でもなぜか今」

シエスタ「ケルベロスはこうして私たちが街にいるにも関わらずこうして犯行を行っている」

君塚「罠か？」

シエスタ「チャンスだって話のつもりだったんだけど？」

君塚「そうは言うが具体的にどう追いかけろっていうんだ？」

シエスタ「逆だよ逆、ケルベロスを私たちが追うんじゃなくてケルベロスが私たちを追うんだよ」

君塚「まさか俺を囮にするつもりか？」

シエスタ「君もいい推理をするようになったね」

シエスタ「さあ、打ち合わせがてらアフタヌーンティーにでも行こうか」

君塚「殺人現場からアフタヌーンティーに直行できる人間は世界中でお前だけだよ」

君塚「というかここに来る前からサンデーローストを平らげてただろ」

シエスタ「私は普段から脳を酷使しているから三大欲求が人より強めなんだよ」

君塚「だからしょっちゅう昼寝しているのか」

シエスタ「寝起きの悪い君に言われたくないな」

君塚「三大欲求が人より強め…」

シエスタ「食欲と睡眠欲の間違い」

シエスタ「君と世界を旅するようになってからもうすぐ３年」

シエスタ「なんだかあっという間だったね」

君塚「唐突に過去を懐かしむな、俺が殺される前に助けてくれるんだよな？」

君塚「いくら助手としても命まで差し出すつもりはないぞ」

君塚「それで本当にこの部屋にケルベロスは来るんだろうな」

シエスタ「大丈夫」

シエスタ「私の読み通りにいけば今夜君はケルベロスに食い殺される」

君塚「殺されてるじゃねえか」

シエスタ「正直言うと今日がその日かどうかなんてわからないよ？」

君塚「それもそうか…シエスタと別れた俺を狙ってる可能性が高いというわけだしな」

シエスタ「一応策はもう施しているから」

シエスタ「襲われたとしても万に一つ助かるよ」

君塚「万に一つしか助からないのか俺は」

シエスタ「近くには行けないけど」

シエスタ「せめて寂しくないように電話はつないだままにしといてあげる」

君塚「悪いな…殺されかけることには慣れてるんだ」

？？「ちょっと！！」

？？「早とちりしてるんじゃないわよ！」

君塚「シャル…？」

君塚「なんでシャルが…？」

君塚「あ、そういうことかシエスタに頼まれたんだな」

シャル「そうよ…全く力任せに女の子をベッドに押し倒すなんてどういう教育受けてきたわけ？」

君塚「いやそれを言うならお前だって明かりの消えた部屋に侵入して無言で近づいてくるとか怖すぎるだろ」

シャル「それはほら…もうケルベロスに先回りされている可能性もあったから」

君塚「それにしてもシャルに頼んであるなら最初からそう言ってくれればいいのにシエスタのやつ」

シャル「黙っておくのもシエスタの作戦なんでしょ」

シャル「何？」

君塚「お前は…誰だ？」

君塚「シャルはシエスタのことを名前で呼んだりしない」

？？「ふふふ…なるほど見抜かれたか」

？？「ふふふ…」

君塚「そんな能力まで…」

？？「今宵は満月…血がなくなあ」

ケルベロス「その心臓もらい受ける」

君塚「お前がケルベロスか…」

君塚「とりゃあああ！！」

君塚「硬すぎだろ」

君塚「どうにか時間稼ぎをしないと…」

ケルベロス「貴様も中々やるようだ、名探偵の腰巾着だと思っていたがその認識も改めなければならない」

君塚「お前はなんでこんなことをしている？目的はなんだ？」

ケルベロス「動機などない…私は使命に駆られているんだ…貴様を殺すこともまた使命」

ケルベロス「覚悟！！」

シエスタ「伏せて」

ドォン！！（銃声の音）

ケルベロス「ぐああ！！」

君塚「来るのが遅いんだよ」

シエスタ「間に合ったんだからいいじゃないさみしかった？」

ケルベロス「この鼻で観測した限りでは貴様の匂いは感じられなかった…なのになぜ…」

シエスタ「この部屋にはさっきまで特殊なガスが充満していたと思うんだけど？」

君塚「ガス….？」

君塚「まさか….？」

君塚（こうなることを見越して）

君塚（水とは別にガスを仕込んでいた？）

君塚（そのせいでケルベロスの嗅覚が麻痺して）

君塚「相変わらず準備良すぎだろ…」

シエスタ「君は必ずやってくれるって信じてたからね」

シエスタ「そういうわけで私の勝ちだよ」

シエスタ「観念しなさい」

ケルベロス「まだだ！」

ケルベロス「捕まるわけにはいかない！」

シエスタ「無駄だよ」

シエスタ「助手！！」

君塚「逃がすか！」

君塚「ぐは！！理不尽だ！」

ケルベロス「我には使命がある」

ケルベロス「あと一つ…生きた心臓を１つ…」

ケルベロス「手に入れねばならぬ！」

？？「だったら君がおいていけばいい」

君塚「は？」

シエスタ「助手！」

シエスタ「気を付けて！」

？？「こうして実際に顔を合わせるには初めてだね名探偵さん」

君塚「お前は？」

ヘル「僕の名前はヘル」

ヘル「コードネーム…ヘル…」

君塚「コードネーム…ということはこいつも？」

シエスタ「スペースの最高幹部だよ」

ヘル「さてと」

君塚「なっ！？」

ヘル「これで最後のパーツがそろった」

ヘル「後はこれを持ち帰って作戦を実行に…」

シエスタ「移させると思う？」

ヘル「君は打てないよ」

シエスタ「何を言って….はっ！！」

君塚「シエスタ！！」

ヘル「さあ…」

ヘル「一緒に地獄を見に行こうか？」

君塚「ここは….？」

ヘル「目が覚めたみたいだね」

君塚「ヘル….！」

ヘル「気分はどう？どこか痛いところはない？」

君塚「人を攫ったやつの言葉とは思えないな」

ヘル「パートナーを気遣うことは当然だと思うけど？」

君塚「俺がパートナー？意味がわからん、そんなことをしてお前になんのメリットがある」

ヘル「自己評価が低いんだね」

君塚「謙虚だと言ってくれ」

君塚「お前も笑ったりするんだな」

ヘル「僕をなんだと思ってるの？ただの女の子なのに？」

君塚「ただの女の子があんな風に仲間を殺せると思えないけどな」

ヘル「仲間？あれは計画を完成させるためのパーツに過ぎない」

君塚「そうやって俺のことも使い捨てるつもりか？」

ヘル「そんなことしないって」

ヘル「ただ」

ヘル「聖典に書いてあることは絶対だから」

君塚「聖典…？」

ヘル「アガスティアの葉って言葉を聞いたことは？」

君塚「確か紀元前にとある聖者が書き残した予言の書だとかなんとか」

ヘル「そう…この聖典はそのアガスティアの葉をバックボーンに生まれた」

ヘル「そして君の未来もここに書き記されてるんだよ」

ヘル「まるで信じてない目をしているね」

君塚「ああ…でも気にするな、俺が俺以外に信じている奴は１人しかいない」

ヘル「巻き込まれ体質だったかな」

ヘル「君の体質」

君塚「なぜそれを…」

ヘル「でも僕はその体質少し違うと思うんだよね、巻き込まれるんじゃない君が巻き込むんだよ世界を」

君塚「何をいっている？」

ヘル「君のそれは物事を変化させ事件を引き起こす力…君こそが世界の中心なんだよ」

ヘル「だから…君には僕のパートナーになってもらう」

ヘル「僕とともに」

ヘル「世界を救うためにね」

君塚「世界を壊すの間違いだろ」

ヘル「僕にとってはそれが救いになるんだよ」

ヘル「まあ聖典によれば君が僕のになるのはまだ先の話みたいだからね」

ヘル「ただ早めに事が進んだほうがお父様の…」

君塚「ん….？」

ヘル「でも惜しいな僕のパートナーになってくれたらいろいろ特典があるのに」

ヘル「だからどうかな？」

ヘル「君….僕の相棒になってよ？」

君塚「ああ…もちろん」

君塚「断る！」

君塚「お前だって俺がその手を取ると思ってなかっただろ？」

ヘル「アハハハハ！ばれてた？」

ヘル「じゃあ、代わりといっては何だけどちょっと見て行って欲しいものがあるんだよね」

ヘル「これ」

君塚「なんだ….？」

ヘル「生物兵器だよ」

ヘル「この子はね毒素を含んだ特殊な息を吐くことができるんだよ」

君塚「そいつでテロでも起こそうってのかよ」

ヘル「その通り」

ヘル「そういえばここはどこかっていう君の質問に答えてなかったね」

ヘル「この国の国会議事堂の真下にある地下施設だよ」

君塚「国の中枢地区にこんな場所を構えるなんてそれなりの協力者がいると思っていいみたいだな」

君塚「で？そいつを町に放って人間を食わせる気か？」

ヘル「いや違う違う！餌ならもう十分に与えたから」

君塚「餌を与えた？そういうことか」

君塚「その化け物は人間の心臓を食う」

君塚「それが餌…あるいは動力源」

ヘル「本当に君は勘がいい」

ヘル「ペテルギウス…仕事の時間だよ」

ヘル「いずれ僕のパートナーになる君にはぜひこの先を見届けてほしい」

君塚「いや」

君塚「お前は今ここで止める」

ヘル「どうやって？武器を持たない君にいったい何が」

君塚「いつ俺がお前を止めるといった？」

ヘル「ん？」

シエスタ「助手！」

シエスタ「助手はどこ….？」

シエスタ「ねえ助手…助手がいない…助手！助手！！」

シエスタ「ああ、もう観念…いらない…全部壊す！！」

シエスタ「まったく…世話の焼ける助手だね」

君塚「今更クールぶるのは無理があるぞ」