【感想】 探偵はもう、死んでいる 4話 眼帯がまさか伏線だったなんて… 新キャラの金髪がポンコツそうで楽しみだ

渚「君塚、昨日の話本当なのよね？」

君塚「信じてくれたから今ここにいるんじゃないのか？」

渚「それは一応…」

君塚「何か不安なことでもあるのか？」

渚「別にないけど、ただなんとなく釈然としないだけ」

君塚「何が？」

渚「結局、君塚がこの件を解決しようとしてること！探偵は私なのに」

君塚「今回はたまたまだ、そのうち俺がお前に助けられる日が来るさ」

君塚（どちらかというと俺は今までそちら側のポジションばっかりだったんだ）

君塚（たまには働かないとお前の心臓に怒られるからな）

君塚「ん、そろそろ開演時間か」

渚「何？やっぱり気になるの？」

君塚「あくまで仕事としてだ、昨日もいっただろ？」

渚「言ったけどさ…演技でそこまでできる？昨日の君塚超きもかったよ」

君塚「超きもかったとか言うな…女子高生から言われる悪口は何より傷つく！ってそんな軽口いってる場合か」

君塚「少し急いでほしい！81には間に合いたいよな」

渚「やっぱりはまってない？」

渚「人手が必要とか言ってたけどすでに2人なんだけど？」

君塚「中に入る手助けをしてもらっただけ十分だ！こっちも文句は言えん！」

渚「そっか…その君塚のいうやつらって潜んでるとしたらどこにいるの？」

君塚「わからん…観客に紛れ込んでるってこともあるし昨日の男みたいにステージ脇に隠れてる可能性もある」

渚「てかそれ暑くない？タクシーにおいてくればよかったのに」

君塚「ああ！ちょっとな！」

観客「L、O、V、E、唯にゃ！！」

君塚「すごい…リハとは大違いだ」

渚「ねえ！私たちの席は？」

君塚「あるわけないだろ！チケットもないんだから」

渚「ああ…」

君塚「とりあえず昨日目星をつけた場所を探すぞ！」

渚「ええ…ああ、待って！！」

加瀬「まったく…人使いの荒いガキだ」

唯「みんな～！ありがとう！」

唯「盛り上がってる？」

唯「ちゃんとみんなのこと見えてるよ」

渚「ねえ、例の曲はまだ先なのよね？」

君塚「ああ、81の次だからな」

渚「そういえばそうだった、昨日のリハ本当に仕事だったんだ」

君塚「疑いすぎだ…」

君塚「ことが起こるとしたらサファイアファンタズムの時だ」

唯「盛り上がってきたところでそろそろアレいくよ！」

君塚「そろそろ81….急ぐか」

君塚「何！？」

渚「そんな….！」

君塚「曲順が変わってる！」

渚「君塚があんなに楽しみにしてた81が！」

君塚「そこじゃないだろ！急ぐぞ！」

君塚「最後に最大のヒットナンバーであるこの曲で」

君塚「彼女はあるパフォーマンスをする」

君塚「それがトリガーになるはずだ」

君塚「そう…奴らが狙っているのは宝物庫のサファイアじゃない」

君塚「奴らが狙っているのは斉川自身、そしてその動機も俺には心当たりがある」

君塚「もう犯人の潜むところをすべて回ってる暇はない」

君塚「こうなったら少しでも斉川の近くに…」

観客「はい！はい！はい！はい！」

君塚「斉川を守り抜ける保障はない…やはりやつを見つけないことには！どこだ！」

君塚「奴らは一体どこに？」

君塚「クソ…！ただでさえ目がやられてるのに歓声も相まって耳が全く使い物にならない」

君塚「だめだ…視覚と聴覚がだめになるとこうも脳みそが働かなくなるのか」

君塚「夏凪の力を借りたいところだが」

君塚「この環境では意思疎通もまともに図れない」

君塚「くそ！音が邪魔で！！」

君塚「….音！？」

君塚「あいつならどこかに潜む敵の心音すらも！」

君塚「俺だ！！聞こえるか？敵はどこにいる？」

君塚「くそ！！」

君塚「もうすぐ大サビ…彼女の封印も解かれる」

君塚「あの眼帯の下こそが斉川唯の封印、俺たちに隠した秘密」

君塚「そう…時価30億円のサファイアというのは」

君塚「斉川唯の左目のことだ！！」

君塚「間に合え…！」

警備「さっきから何をしている？」

警備「止まりなさい！」

君塚「斉川が危ないんだ！！」

渚「とりゃあああああ！！」

渚「君塚！」

唯「君塚さん？？」

唯「全部私が悪いんです」

唯「お話しておくべき情報を隠して…」

渚「えっと、まだ私完全に理解できてはないんですけど」

唯「そうですね、まずはやはりこの左目のことから」

唯「というか結局それがすべてかもしれません」

渚「わあー….」

唯「ええ、これは義眼です…生まれつき左目が見えなくて」

唯「それをコンプレックスに感じていた私は」

唯「とても引っ込みじあんな子供でした」

唯「そんな私に両親が与えてくれたのが」

唯「どんな目よりも青いサファイア色の義眼でした」

唯「その美しさに魅せられた私は」

唯「この瞳があるだけで自分に自信が持てるようになったのです」

唯「その頃でした、アイドル活動を始めたのは」

唯「お父さんもお母さんも元気になった私を見て喜んでくれて」

唯「わあ…これが生きるってことなのかって」

唯「大げさだと笑われるかと思いますがそう思ったんです」

唯「ですが、そんな順風満帆な生活も長くは続きませんでした」

唯「３年前、私が11歳の時両親が事故で亡くなったのです」

唯「2人が残してくれたのは大きなおうちと途方もない財産」

唯「そしてこの左目でした」

唯「だからこの瞳は何より大切でむねの中にしまっておきたいものでした」

唯「それゆえ、私は普段から眼帯をつけていたのです」

唯「ただ、大きな舞台のほんの一瞬だけはこの左目を見せることにしていました」

唯「私はここにいるよって天国の両親に届いてもらいたくて」

唯「まさかこの瞳が犯人に狙われていたとは夢にも思いませんでした」

唯「探偵さん、さすがですね」

唯「私の秘密を見抜き、犯人の真の目的にも気づいて助けてくれたんですよね」

唯「やっぱりお二人に依頼してよかったです」

唯「本当に…本当にありがとうございました」

渚「もういいから…顔を上げて？」

君塚（そう、結果的には被害者を助けサファイアを盗まれることもなく事件は、物語は終わりを迎えた）

君塚（そうやってこの場を後にすることもできただろう、むしろ一週間前の俺なら）

君塚（だが…）

君塚（目をつむるのはもうやめた）

君塚「なあ斉川」

唯「はい？」

君塚「俺と夏凪を殺せなかったペナルティについては大丈夫なのか？」

渚「え？」

唯「まったく…」

唯「いきなり何を言い出すんですか？助手さんは」

唯「私がお二人を殺そうとしてたとでもいうんですか？助手さんはミステリー作家のほうがお似合いみたいですね」

渚「ちょっと君塚！」

渚「斉川さんはもう自分の秘密を告白したんじゃないの？私だってそれ以上のことはあんたから聞いてない」

君塚「斉川は確かに自分の秘密を告白した、だがまだ嘘は明かしていない」

渚「嘘….？」

プルルルル…（電話の着信音）

君塚「もしもし？君塚です」

加瀬「こっちは無事終わったぞ？まったく…厄介ごと増やしやがって」

加瀬「お前の言った通り、宝物庫には時限爆弾が仕掛けられていて」

加瀬「爆弾処理班に撤去させた」

加瀬「危なかったな」

加瀬「今頃、木っ端みじんになっているところだったな」

君塚「風靡さんありがとうございました」

君塚「ということだ」

渚「でも、犯人の目的は斉川さんの左目だったはず！どうして斉川さんの家まで？」

君塚「やつらの狙いは2つあったんだ、1つは斉川のサファイアの左目」

君塚「そしてもう1つは…俺と夏凪の命だ」

渚「どういうこと…？」

君塚「斉川は最初から犯人の目的を知っていて…いや、知らされていて俺たちを宝物庫に誘導していたんだ」

渚「そんな…証拠は？」

君塚「風靡さん知らなかったってよ」

君塚「斉川宅に犯行予告が届いてるなんて」

君塚「斉川は特別な用事があって警察ではなく俺と夏凪に相談していたということだ」

渚「どうしてアイドルの斉川さんがそんなこと…？まさか？」

君塚「いや、彼女はスペースの一員ではない」

君塚「脅されてたんだ」

君塚「その左目を失いたくなければ君塚君彦を始末しろとかな」

君塚「でもな斉川、あいつらはそんなに甘くはないあいつらは俺たちの命諸共お前の左目も奪おうとしていた」

君塚「いや、もしかすると奪うどころか破壊しようとしていたのかもしれない」

渚「でもどうして斉川さんの左目にそこまで？」

君塚「斉川の左目にはスペースが固執するだけの理由があるんだ、簡単に言うとあいつの耳と同種」

渚「あいつ…？」

君塚「その義眼は…人造の左目は物体を透視することができるそうだろ？斉川」

君塚「お前の左目には今何が見えている？」

唯「護身用ですか？」

君塚「さすがアイドル、これに気づきながらそんなほほえみを浮かべられるとは」

渚「どうして…？」

斉川「私の左目は渡しません」

君塚「なるほどな….」

君塚「斉川は俺たちがサファイアを盗もうとしているやつだと言いくるめられていたんだ」

君塚「そして俺たち2人の処分に手を貸してやろうと提案を受けていた」

君塚「ったく、そんなものまであいつらに貰っていたのか」

唯「いいえ、これは自前です」

唯「どうして気づいたんですか？」

君塚「通常、片目しか見えない人は視界が20%以上減退するうえに」

君塚「遠近感もつかみづらくなる」

君塚「それなのにお前は眼帯をしている割に」

君塚「あまりにも不自由のない動きをしていたんだよ」

唯「なるほど最初から信頼されてなかった訳ですか、リハに行きたいと言ったときは何事かと思っちゃいました」

君塚「唯にゃファンになったかと思ったか？」

唯「はい！てっきり私の虜になっちゃったのかと」

君塚「夏凪にもしっかり疑われたけどな」

唯「もしかしてリハの黒づくめの男、あれも助手さんの仕込みですか？」

君塚「勘がいいな、人間は危機的な状況になると本能的な反応を取るからな」

唯「左目の性能を確かめるためにそこまでやります？普通」

君塚「元相棒の教えなんだ」

君塚「これで全部か？お互いの手の内は」

唯「はい、私はもう丸裸ですよ」

君塚「じゃあそのうえで聞くがその銃をおろしてくれないか？」

唯「それは….」

君塚「わかるだろ？」

君塚「俺があの時駆けつけなかったらボウガンの矢は確実にお前の左目を捉えていた」

君塚「俺がお前の敵だとしたらわざわざそんな二度手間を踏むか？」

唯「それは….」

君塚「いいか斉川」

君塚「俺たちを殺しても無駄だ」

君塚「殺した後にお前の左目は本当の敵に奪われるぞ」

唯「そんなことない！！」

唯「本当は…本当はもうわかってるんです」

唯「助手さんたちは私の敵じゃないって」

唯「でも、どうしたら」

唯「どうしたら私はこの左目を守れるんでしょう？」

唯「ダメなんですお父さんとお母さんのいない真っ暗な毎日を生きていくにはこの左目がないと」

君塚（そんなことはないそういってやるのは簡単だ、でもそんなことでは斉川は救われない）

君塚（暗闇の中でアイドルとして必死に戦い、そして今拳銃を握って戦っている）

君塚（彼女を助けられるものは何か？彼女が今一番欲しいもの…それは…）

渚「私たちね、この件が終わったら海に行く予定を立ててたの」

渚「それでね、斉川さんももしよかったら一緒に行かないかなって」

渚「つまりはそう…友達にならないかってそういう話なんだけど」

唯「どうして…？私はあなたたちを殺そうとしたんですよ？」

渚「大丈夫、私たちはそう簡単に死なないから」

唯「だめです…私にはそんな資格ありません」

渚「それを決めるのは私でしょ？」

唯「でも…でも…！」

渚「それを決めるのは私でしょ？私があなたの友達になりたいの」

渚「私のわがまま聞いてくれない？」

唯「おかしいですよ夏凪さん…そんなの…」

渚「そう？でもおかしい人間が友達にいると楽しいって最近はそう思うんだ」

唯「それに仮に友達になれたってなにも問題は解決しない」

唯「それどころか余計に迷惑をかけることになります」

君塚「それはないと思うぞ」

君塚「斉川、お前があいつらに狙われているというのであれば俺も同じだ」

君塚「迷惑なんて思うな、むしろ標的仲間だいっそ同盟を結んだほうが都合がいい」

唯「助けてくれるんですか？」

君塚「ああ、助ける…だから斉川」

君塚「俺たちの仲間になってほしい」

唯「はい….！喜んで！」

？？「マアム…」

？？「マアム！どうして私がこんな男とバディーなんて！」

？？「君塚とバディーを組むくらいなら」

？？「今ここで海に飛び込んだほうがマシです！」

君塚「貴重品なら預かってやるぞ」

？？「私がマアムの一番弟子だったはずなのに！」

シエスタ「一時的な戦略だよシャル」

シエスタ「おいで」

シャル「マアム！！」

シエスタ「よしよし」

君塚「いや、羨ましくないわ」

シエスタ「君たちがもう少し仲良くしてくれたら」

シエスタ「私もやりやすいんだけどね」

シャル「私はまだ君塚と2人で行動することに納得していません」

シエスタ「いい？君たち2人はまだ完璧じゃない助手は頭は切れるけど体力はミジンコ以下」

シエスタ「戦闘には全く向いていない」

君塚「さいですか」

シエスタ「一方、シャルは戦闘の腕は確かだけどその実とんでもなく頭が悪い」

シャル「なんですと！？」

シエスタ「だからこそ今回の作戦は互いが苦手な分を2人で補い乗り越えてほしい」

シャル「でも、それじゃあマアムは1人に…」

シエスタ「舐められちゃ困るな私にはシャルの10倍の武力が、助手の100倍の頭脳がある心配する必要はないよ」

君塚「俺のほうが不当に低い評価なんだが」

シエスタ「いい？」

シエスタ「だから君たち」

シエスタ「これからも仲良くするんだよ…ずっと」

君塚（そうしてその日…名探偵は死んだ）