【感想】 探偵はもう、死んでいる 9話 シエスタちゃん…なんかすごい展開になってる

君塚「見えてきた」

君塚「あれがスペースの拠点…」

シャル「例のアリシアって子がいるっていう」

シエスタ「目的は明確だよ」

シエスタ「ヘルの討伐、そしてアリシアの奪還、彼女がジャックザリッパーとして奪った5つ目の心臓はもう機能しないだろうしね」

シャル「つまりは今が最大のチャンス！」

君塚「スペースとの交戦が始まって3年…いよいよか…」

シエスタ「助手！」

シエスタ「頭でも撫でてあげようか」

君塚「どういう流れでそうなった？」

シャル「マアム！私、怖いです！」

君塚「ほんと調子いいなお前は」

シエスタ「君はいいの？」

君塚「あほ！そんな恥ずかしい真似できるか」

シャル「ふん！譲ってあげる！」

シエスタ「おいで」

君塚「頭をなでるにしても大袈裟なポージングだな」

シエスタ「折角だから抱きしめてあげようかと」

君塚「当たり前のように男に○を押し当てようとするな」

シエスタ「君の表現は独特だな」

シエスタ「まあ、いつかね…」

君塚「そんないつかが来るかよ」

シャル「ねえ！さっきマアムに抱きしめてもらえばよかったのに！」

君塚「アホ！そんな情けない真似ができるか」

シャル「後悔するわよそんな意地張ってばかりだと」

シャル「あなたにはマアムしかいないんだから」

君塚「そんなこと…」

君塚「それにシエスタには俺しかいないわけじゃ…」

シャル「いないよ」

シャル「貴方しかいない」

シャル「誰もいないわね」

君塚「最低でも2、3戦は覚悟していたんだけどな」

シャル「何これ…？死体？」

君塚「ケルベロス…いや、お前は…！」

？？「残念ながら我はヘルではない…」

君塚「コウモリ！！」

コウモリ「おうおう、いいリアクションだな！だが俺はコウモリでもない」

シャル「じゃあ何者なの？」

コウモリ「親だよ」

君塚「まさかお前がスペースの？」

君塚「親が子を殺しまくるとか思考回路が化け物のそれだな」

コウモリ「違う…俺は人でなければ化け物でもない」

コウモリ「俺はシード…宇宙からこの星に飛来した植物だ」

コウモリ「植物とは言ってもお前たちの言う分類に当てはめればの話だが」

君塚「おいおい勘弁してくれ…俺たちは一体何と戦ってきたんだ？」

シャル「貴方たちの目的は何？」

君塚「答えろシード！スペースは一体何のためにテロなんて起こしている？」

シード「生き残るためだ」

シード「俺たちの目的はこの惑星を種で埋め尽くす…それだけだ」

シード「生命の最も本能的な目標」

シード「子孫を残すこと」

シード「俺はこうしてクローンを生んで繫栄を求めている」

君塚「それが罪のない人間を殺していい動機になると思っているのか」

シード「生の拡大の邪魔になる外来種を排除することになんの問題がある？」

君塚「外来種はお前たちの方だろ！」

君塚「なっ！？」

シード「ここに生まれた同胞たちの種は今あれに受け継がれている」

君塚「ヘル….か？ヘルはどこにいる！」

シード「ここにはいない…というか一箇所しか考えられないと思うが？」

シャル「君塚！マアムが！」

君塚「ああ、わかってる！急ぐぞ！」

カメレオン「ふふふふふ….！」

カメレオン「こっちでもまた楽しめそうですね」

君塚「まさか…」

君塚「カメレオン？」

シャル「君塚！！」

シャル「いつか後ろに乗せなさい」

君塚（あいつは…カメレオンはこっちでもって言っていた…ってことは）

君塚（クソ…！）

君塚「シエスタ！」

君塚「冗談じゃねえぞ…！」

君塚「俺たちに黙って死んだりしないって約束だろ！」

君塚「なあ…！」

君塚「許してくれよ….」

シエスタ「君がここに来ることは想定してなかったんだけどな」

君塚「うおおおおお！？」

シエスタ「参ったな…予定が狂った、君の私に対する愛が想定より重かったのが原因かな」

シエスタ「というか君、救命活動を行うのはいいけど普通はまず自発呼吸があるのか確かめるのが先だよ」

君塚「じゃあお前…最初から心臓は動いて…？」

シエスタ「いや、動いてなかったけど」

君塚「止まってたのかよ」

シエスタ「カメレオンとは微妙に相性が悪くてね…ちょっと面倒だから心臓を止めて死んだふりをしていた」

君塚「止めてた…？心臓を…？」

君塚「3年越しに聞くがお前何者だよ」

君塚「あれ？」

シエスタ「もしかしてホッとして腰が抜けた？私が無事で」

シエスタ「今の私は正直な気持ちを言ってもいい？」

君塚「だめだ！言うな！俺は聞かんぞ？」

シエスタ「君のことをとてもかわいいと思っている」

君塚「あー！全然聞こえねえ！」

シエスタ「どうしよう…やっぱり頭を撫でてあげようか」

君塚「断固拒否する」

シエスタ「抱きしめる？」

君塚「あり得るか」

シエスタ「君流にいうと○を押し当てる」

君塚「そんな気安いこと他の男には絶対やるなよ」

シエスタ「でも、もう○はさっき触られたんだった」

君塚「理不尽だ…シエスタ俺を殺しに来てるな？社会的に」

シエスタ「君をからかうのは本当に楽しい」

シエスタ「本当に楽しかった」

君塚「シエスタ」

君塚「やっぱり一度くらいその○の中で甘えさせてくれ」

君塚「生きてこの島の外で会えたらさ….」

君塚「お前はどっちだ？」

ヘル「この姿を見ればわかると思うけどな」

君塚「ヘル….！」

ヘル「今度こそ…」

シエスタ「私は勝つよ」

シエスタ「そして必ず、アリシアの願いはかなえてみせる」

ヘル「いいや、君は必ずここで死ぬ…僕を救えない」

バァン！（銃声）

バァン！（銃声）

ヘル「笑えるほど必死だね、そんなにご主人様のことが大事なんだ」

君塚「ご主人様…？」

ヘル「気づいてた？この肉体は他のスペース幹部たちと作りが違ってね元は人間なんだよ」

ヘル「だけどこの体はそんな特異性故に色んな実験が施されてきてね」

ヘル「痛い熱い…痛い熱い苦しい…」

ヘル「ご主人様は随分辛い思いをしてきたみたいでね」

ヘル「その苦痛に耐えられなくなったある日、僕はご主人様によって生み出された」

君塚「そういうことか…！」

君塚「実験の苦痛に耐えかねたアリシアが産み出したもう1つの裏人格がそれがヘル」

ヘル「苦しみも半分、悲しみも半分…僕らはそうやって生きてきた」

シエスタ「だったらその悲しみも苦しみも」

シエスタ「今すぐ私が終わらせてあげる」

バァン！！（銃声）

ヘル「きゃああああ！！」

ヘル「君塚….！」

君塚「アリシア！！」

シエスタ「だめだよ」

ヘル「心臓か頭を打ちぬいてたら君たちの勝ちだったのに…そんなにご主人様のことが大事なんだ」

ヘル「だけど、そんな甘い連中には僕は負けない」

君塚「なんだよ…あれ…」

シエスタ「まあ敵の本拠地だからね」

君塚「なるほど…これも想定内ってことか」

ヘル「今度こそ…終わらせる！」

シエスタ「助手…邪魔だよ！」

君塚「理不尽だ」

ヘル「君を殺して」

ヘル「今度こそ僕を…」

ヘル「スペースとしての使命を果たす！」

シエスタ「ああ、やっぱり嘘だったんだ」

ヘル「何が…？」

ヘル「僕の何が嘘だって？」

シエスタ「君はアリシアの防衛本能によって生み出された全く新しい存在」

シエスタ「スペースの能力も、意思を最初に受け継いだのもアリシア」

シエスタ「だから君は必死にスペースに近づこうとしていた」

シエスタ「ただのまがい物だよ」

ヘル「じゃあなんで僕がそんなことをする」

ヘル「僕がそこまでスペースに尽くす理由は？」

シエスタ「愛されたかったのでしょう」

シエスタ「お父さんに」

シエスタ「君はただお父さんに愛されたかった、誰かに認めて欲しかった」

シエスタ「それだけだった」

ヘル「違う！！」

ヘル「いやあああああ！！」

シエスタ「さっき君がアリシアと人格を入れ替えたのはアリシアに痛みを与えるため」

シエスタ「なぜなら君はアリシアに嫉妬していたから」

ヘル「何よ…？」

シエスタ「自分を苦しめるだけ苦しめて、そのくせ助手や私という仲間を作ったアリシアが憎くてそしてうらやましかった」

ヘル「違う！！」

ヘル「違う！違う！違う！」

シエスタ「違わない、君はただ愛されたかった」

シエスタ「仲間が欲しかった」

ヘル「黙れ！！」

ヘル「殺し合え」

君塚「シエスタ…お前は死なない」

シエスタ「助手…君も死なないよ」

バァン！！（銃声）

ヘル「はぁ？」

ヘル「な、なんで…？」

シエスタ「簡単なことだよ私は誰よりも助手のことを信じてるから」

君塚「互いに自分よりも相手のことを信じる…ただそれだけだ」

ヘル「なんだよそれ…そんなことで僕の力が効かないとかご都合主義にも程が…」

君塚「せめて絆といってもらおうか」

ヘル「絆…？そんなもの…！」

ヘル「そんなもの…！」

君塚「ヘル…お前は聖典なんかに従わなくていい人をこれ以上殺さなくていい」

君塚「そんなことしなくても仲間はできる…絆は生まれる…だから」

君塚「無理にあいつの…シードの言うことなんてきかなくていい」

ヘル「だったら！！」

ヘル「負けられない…」

ヘル「認めるよ、僕は愛されたかった..必要とされたかった…生まれた意味を認めて欲しかった」

ヘル「だけど、それは誰でもいいわけじゃない」

ヘル「僕はお父様の為だけに生きて戦う…世界を壊す」

ヘル「それが僕の生存本能だ」

シエスタ「いいよ、そろそろ決着をつけようか」

ヘル「ここで終わりにしよう」

ヘル「うわああああああ！！」

君塚「今度はなんだ！？」

シエスタ「助手！！」

シャル「マアム….！」

ヘル「研究所に隔離されてたはずだけど餌のにおいにつられてきたのかな」

君塚「シエスタ！！」

ヘル「君は少し」

ヘル「動かないでいて欲しい」

ヘル「少し血を流しすぎたね」

ヘル「新しいものに取り換えないと」

君塚「やめろ！！」

君塚「心臓が欲しいなら俺のをくれてやる！」

君塚「だからそいつだけは…！シエスタだけは…！」

ヘル「前に言ったはずだよ？」

ヘル「君はいずれ僕のパートナーになる、だから命は大切にしなくちゃね？」

ヘル「名探偵の心臓は」

ヘル「僕がもらう」

ヘル「ああ、やっとこの身体に相応しい心臓が手に入った」

ヘル「きっとこれでお父様に…」

君塚「返せよ…」

君塚「その心臓はシエスタのだ…返してもらう」

ヘル「それは無理な相談だね…これはもう僕のものだ」

君塚「その汚い手でシエスタに触るな！」

ヘル「君の拳は僕に届かない」

ヘル「その怒りは一体どこから湧く？君たちがさっき言ってた絆が理由？」

ヘル「一体なんだったの？」

君塚「ヘルに言われるまでもなくこれまでずっと考えていた」

君塚「俺は一体シエスタのなんだったのか」

君塚「シエスタにとって俺が一体どういう存在なのか」

君塚「ただ…今となってはもう知る由もない」

君塚「それでも…」

君塚「地上1万メートルの空の上で出会ったあの日から」

君塚「俺たちは3年間も旅を続けてきた」

君塚「決して平穏とは言えない日々」

君塚「何度となく死にかけて」

君塚「馬鹿かとののしられ」

君塚「理不尽な目に遭わされた」

君塚「だけど、その千回の理不尽の中で俺は一番貝和だった」

君塚「シエスタと笑ったんだ」

君塚「俺とシエスタがどんな関係だったかって…」

君塚「俺がシエスタをどんな風に思っていたかなんて」

君塚「そんなの俺が一番わかっている！」

君塚「世界で一番大切に決まってるだろ！」

君塚「うっ！？」

君塚「な、なんだ…？」

君塚「シエスタ….」

君塚「今のは…？」