【感想】 探偵はもう、死んでいる 11話 衝撃の展開でめっちゃホラー 心臓ちゃんが…

君塚「そんな正しさならいらないな」

君塚「自分は何者でもないって」

君塚「まだ何者でもないならこれから何者でもなれるはずだ」

君塚「飛び方を知らないなら誰かに翼の動かし方を習えばいい」

君塚「生き方を知らないなら誰かと一緒に並んで歩けばいい」

カメレオン「そろそろ答えは見つかりましたか？」

君塚「ああ、答えは最初から決まっている」

君塚「夏凪渚は俺より先に死ねないことになっている」

君塚「悪いがそういう約束だ」

カメレオン「ぐあああああ！」

唯「渚さん！！」

唯「遅くなりました！」

君塚「ああ斉川…」

君塚「暗闇でも光るその青いまなざしは」

君塚「確かに30億の価値があるだろうさ」

カメレオン「くう….！」

カメレオン「やってくれますね….！」

カメレオン「もう容赦はしない」

カメレオン「貴方は必ずここで殺して差し上げます」

カメレオン「ふふふ….」

君塚「それはいつだったか」

君塚「俺がシエスタにお前は探偵というよりエージェントみたいだなと言ったときのことだった」

シエスタ「君は私を探偵ではないというけれど」

シエスタ「私が考える探偵という定義はいつだって依頼人の利益を守る存在のことだよ」

シエスタ「私はそんな仕事に誇りを持っている…だから私は今までもこれからもずっと探偵であり続ける」

君塚「シエスタはそうやって自らが探偵であり続けることにこだわり続けた」

君塚「きっとシエスタの場合の依頼人とは」

君塚「彼女以外のすべての人間のことだ」

君塚「それをもって彼女は自らを名探偵体質だと称して笑っていた」

君塚「あまりに眩しい笑顔だった」

君塚（正直ここから先はノープランだ…ギリギリだったが夏凪は助けられた）

君塚（斉川もここに駆け付けたということは他の乗客たちの避難も完了しているはずだ）

君塚（ならもう大丈夫…船と一緒に海に沈むのは）

君塚（俺1人で構わない）

カメレオン「覚悟が座った目ですね…1人で死ぬつもりですか？」

君塚「いいや…悪いがお前も道連れだ」

カメレオン「残念ですが私は貴方にこの命をくれてやるつもりはありませんがね」

カメレオン「そしてあの少女たちも貴方を殺した後にちゃんとその命奪わせて頂きます」

カメレオン「ですがご安心くださいそう簡単には殺しませんから」

君塚「簡単には殺さない…？」

カメレオン「ええ…」

カメレオン「何せあの目と心臓を有しているのですからね…髪の毛の1本1本まで詳しく調査してみる価値はあるでしょう？」

カメレオン「まあ事が済めばもう殺してくださいと懇願するまで痛めつけ」

カメレオン「最後の最後に炙り殺して差し上げます」

カメレオン「さて…少々おしゃべりが過ぎましたね地獄行きの切符の予約は済みましたか？」

君塚「いや、生憎おれの時刻表にはその行先は載ってなくてな」

カメレオン「そうですか…では…」

君塚「死ね…！」

バァン！バァン！バァン！（銃声）

カメレオン「ふっ！甘いんですよ！」

君塚「ぐあ！！」

カメレオン「ただの人無勢が我々に勝てるはずがないでしょ？」

カメレオン「貴方は誰も守れない」

君塚「うるせえんだよ！」

カメレオン「貴方はここで死にあなたが逃がした少女たちも必ず私がこの手で殺す！」

君塚「黙れ！！」

カメレオン「貴方がやろうとしたことは全て無駄だった、貴方も守ろうとした人も皆死ぬ！」

カメレオン「あの忌まわしき名探偵と同じように」

君塚（俺は死ぬ…それはいい…だけど）

君塚（夏凪は…）

君塚（斉川は…）

君塚（2人は守らないと…依頼人の命は守らないと）

君塚（シャルが言ったように俺はただの助手に過ぎない…けれど…）

君塚「名探偵の意思を俺だって引き継いでるつもりだ！」

君塚「はっ！？」

君塚「シャル….！」

シャル「君塚！伏せて！」

シャル「これでもくらえー！！」

君塚「風靡さん….！」

シャル「ずいぶんと苦戦してるみたいね君塚」

君塚「ったく…最初からこうするつもりだったのか」

シャル「この船に乗った時から忌み覚えのある嫌な気配を感じてたのよ…念には念を入れてね」

君塚「よく来てくれたシャル！」

シャル「というわけで君塚！貴方は下がってなさい！ここからは私のターンよ！」

カメレオン「小癪な….！」

シャル「せいぜい逃げ回りなさい」

君塚「どっちが悪役かわからんな…」

シャル「君塚！！」

シャル「私は貴方のことが大嫌い！でも…でも…マアムに選ばれたのは貴方だった！」

シャル「私じゃなくて」

シャル「私が嫌いな貴方だった…！」

シャル「だったら…だったら託すしかないじゃない…！」

シャル「私が大好きなマアムが…」

シャル「私が大嫌いな貴方を選んだなら」

シャル「私は貴方を頼るしかないじゃない！」

君塚「シャル…」

シャル「君塚…今度は私たち2人でこのミッションを成功させるわよ！」

君塚「ああ、わかってる！最初からそのつもりだ！」

シャル「おらあああああああ！！」

カメレオン「もう…いい！」

君塚「シャル！気を付けろ！」

シャル「やられた….！」

君塚「しまった…！」

カメレオン「フフフフ…こうなったらもう私に攻撃は当たらない…すぐに殺しに行きますので指をくわえてお待ちください」

君塚「くっ…どこにいる？」

シャル「くっ…！」

君塚「シャル！！」

シャル「君塚….そう…わかった」

シャル「私もそろそろこの人も禁煙すべきだと思ってた」

風靡「ったく…仕方ねえな」

カメレオン「ぐああああああ！！」

カメレオン「ああああああ！！」

カメレオン「熱い….死ぬ….！」

シャル「食らいなさい！」

カメレオン「ぐああああ！！」

カメレオン「くそ….くそがああああ！！」

君塚「うおおおおおお！！」

カメレオン「ぐあああああ！！」

君塚「お前だけは必ずここで仕留める…夏凪と斉川は殺させない」

風靡「機体が持たん…戻るぞ！」

シャル「まだよ！！」

カメレオン「場所を…変える！」

シャル「君塚ー！！！」

君塚「シエ…スタ….」

君塚「シエスタ….！」

君塚「ヘル….！」

ヘル「まさか洗脳を破って殴りかかってくるとはね」

ヘル「世界で一番大切に想ってるに決まってるって？全く..」

ヘル「愛の告白は非常にありがたいけど」

ヘル「その愛する人の顔に傷をつけようとしてなかった？」

ヘル「うう….」

ヘル「泣かせてしまったね」

君塚「シエスタ…？」

君塚「お前なのか…？」

ヘル「はっ…！？」

ヘル「そんな…馬鹿なこと….」

ヘル「許さない…勝手に僕の身体を乗っ取るなんてことは…」

シエスタ「黙りなさい、今は私が彼と喋っている」

君塚「シエスタ….お前….」

シエスタ「助手…時間がないからよく聞いて」

シエスタ「実は私の心臓はちょっと特別製でね」

シエスタ「色々策を練ってみたけどこうするしか方法が思い浮かばなかった」

シエスタ「倒すだけなら敵だ、殺すだけなら簡単だった…でも彼女は…アリシアは言った」

シエスタ「生きたいと…学校に通いたいと」

シエスタ「だから私がこの体の中に侵入してヘルの意識を抑え込む…それがたった1つアリシアを救える手段だった」

君塚「そんな…だからって！」

シエスタ「依頼人の利益を守ることが探偵の仕事だから」

君塚「シエスタ…じゃあお前は最初から！」

シエスタ「言ったでしょ？本物の探偵は事件が起こる前に事件を解決しておく…こうなることはずっと前からわかっていた」

君塚「そんな…そんなのありかよ」

君塚「そんなこと1人で勝手に決めるんじゃねえよ」

シエスタ「言ったら君は止めてくれるから」

シエスタ「君にお願いがある」

君塚「嫌だ….！」

シエスタ「聞いて」

君塚「断る！」

シエスタ「馬鹿か君は」

シエスタ「意地をはってる場合じゃないでしょ？」

シエスタ「私がヘルの凶悪な意識を抑え込んだらこの身体にはもう一度アリシアの人格が目覚めるはずなんだ」

君塚「アリシアが？」

シエスタ「もしかすると彼女はもう1回記憶を失ってるかもしれない、それでも彼女に協力を仰いでそしていつかスペースを倒してほしい」

君塚「だけどそれはお前の意識がヘルと共に消えるということだろ？」

君塚「許さねえからなそんなこと…そんな解決は望んでない！」

君塚「どんな形でもいい…敵としてでもいい！」

君塚「お前が…お前の意識がどんな形でもどこかで生き続けてくれれば」

シエスタ「君はそう言うと思った」

シエスタ「でも大丈夫だよアリシアは私が持っていないものを持っている、きっと彼女となら君はうまくやっていける」

君塚「だから勝手に話を進めるなよ…俺は何も…」

君塚「うぅ…！」

シエスタ「これもそういう因縁なのかな」

君塚「花粉….？そうか….」

君塚「あの文化祭」

君塚「花子さんの事件…俺の中学で猛威を振るっていたあの薬」

君塚「あれは…」

君塚「こいつの身体に咲くものから生まれていたのか…」

シエスタ「でも副作用で記憶が消されるものがあってね」

君塚「嫌だ…」

君塚「忘れたく…ない…」

シエスタ「大丈夫だよ」

シエスタ「まあもしかしたら少しくらいは忘れちゃうかもしれないけどね」

シエスタ「それでも君は私を忘れない決して使命を投げ出さない」

シエスタ「理不尽だって溜息をつきながらアリシアと一緒に仕事を続けてくれる」

君塚「そんな…ダメだ…断る」

君塚「俺はお前の助手なんだ…ほかのやつの相棒になんてならない」

シエスタ「ふふ…最後に嬉しいことを言ってくれるね」

君塚「忘れたくない…お前のこと…俺はずっと…」

シエスタ「大丈夫だよ」

シエスタ「言ったでしょ？私たちは自分よりも相手のことを信じてやってきた」

君塚「だからお前の言葉を信じろって？」

シエスタ「そういうこと…私が間違ってたこと今まであった？」

君塚「ああ、ないな一度もない…お前はいつだって正しかった正しすぎるやつだった」

君塚「だから…たまには…」

君塚「間違えて欲しかった…」

シエスタ「次に君が目覚めた時、もうきっと私はいないけど」

シエスタ「いい？私は君を忘れないたとえ意識を凶悪な敵に奪われても君のことは忘れない」

シエスタ「もしかすると時間はかかるかもしれない」

シエスタ「1週間か1ヶ月か1年か…長い時間はかかるかもしれない」

シエスタ「それでも必ず…もう1度この身体は」

シエスタ「君に会いにいく！」

シエスタ「絶対に…」

シエスタ「絶対に…」

君塚「そうだ…」

君塚「シエスタは言っていた」

君塚「アリシアと共にスペースを倒してくれと」

君塚「それがあいつの最後の願い」

君塚「そして….」

アリシア「リボンいいな…」

アリシア「私もそれつけて本当の学校に通ってみたいな」

君塚「夏凪は…！？」

カメレオン「うおおおおおおお！！」

カメレオン「殺す….」

カメレオン「殺す！！」

カメレオン「うおおおお！！」

君塚（たとえ真実がどんなに残酷でも）

君塚（俺はもう逃げたりしない）

君塚（シエスタとの約束を果たすまでは…！）

君塚「俺は…！」

君塚「うおおおおお！」

シエスタ「馬鹿か君は」

カメレオン「ぐああああ！！」

シエスタ「化け物相手に肉弾戦？」

シエスタ「そういうのは無茶とは言わない…無謀っていうの」

シエスタ「さて、これであなたは」

シエスタ「二度と私に攻撃することができない」

シエスタ「久しぶりだね」

君塚「ああ…昼寝はもういいのか？」

君塚「シエスタ…！」