【感想】 探偵はもう、死んでいる 3話 君塚と斎川の絡みの回 夏凪とシエスタの喧嘩見たかった

？？「あの…私」

？？「実はアイドルをやっていて…！」

？？「私、名探偵さんに解決してほしいことがあるんです」

君塚「悪いが」

君塚「俺は探偵じゃなくて」

？？「え？じゃあ….」

渚「このやる気のなさそうなのはただの助手なの」

渚「大丈夫！」

渚「探偵ならここにいる！私が名探偵、夏凪渚」

君塚（探偵はもう死んでいる）

君塚（だけど、どの意思は決して死なない）

唯「私、斉川唯っていいます！アイドルをやっています」

君塚「斉川….唯」

唯「あの…それでその….」

唯「直30億円のサファイアが盗まれるのを未然に防いで欲しいんです！」

唯「実は先日、犯行の予告状が届きまして宝物庫のセキュリティも強化したのですが」

唯「当日SPさんたちは私のライブ会場に…」

君塚「よーし、いい子だ」

君塚「少し落ち着こうな」

CM「今週の注目アイドル！！」

CM「今週の注目は、各アイドルチャートの第一位を獲得する歌って踊れる斉川唯さんの登場です！」

CM「可愛い～～！」

CM「小学6年生の頃から類まれな歌とダンスセンスを持ち合わせ、その愛くるしい表情で世代を問わず人気を集めている」

CM「世界一さいかわ～な斉川唯さんのライブツアーが…」

CM「いよいよ来週からスタートします！！」

君塚「お前….」

君塚「こら！逃げるな！」

唯「何するんですかいきなり！私を誰だと思ってるんですか？」

唯「世界一さいかわなアイドル斉川唯ですよ？」

唯「そんな私に対してあなたは…！」

君塚「落ち着け斉川」

君塚「確かにさいかわなお前の唾液は俺の両手にべったりくっついたが」

君塚「それを後で楽しみつつ綿棒で採取したりしない」

唯「探偵さんかと思ったら変態さんでした…ひょっとしてあなたがあの予告状をよこした犯人ですか？」

唯「誰かお巡りさんを…お巡りさんを呼んでください！」

君塚「悪いな警察と俺は既にずぶずぶの関係だ」

唯「そんな….！この国はすでに下から上まで真っ黒だというのですか」

唯「警察も弁護士も政治家もこの下着ドロボーさんの味方ですと…？」

君塚「おい、ちょっと待て、変態と窃盗犯の組み合わせで俺を下着ドロボーに仕立て上げるな」

君塚「っていうか、俺は変態でも窃盗犯でもない！」

渚「いや、変態罪で懲役2000年でしょ」

君塚「理不尽だ、俺は悪くない」

渚「罪人はみんなそういうの」

渚「ごめんね、今日は私達色々あって詳しい話は明日でもいい？」

唯「そうですか…探偵さんがそう仰っているなら仕方ありませんね」

唯「じゃあ明日！必ず！」

君塚「本当に探偵やるつもりか？」

渚「うん」

渚「気が付いたら勝手に体が動き出しててt」

君塚（あくまで夏凪の前では冷静さを保っているが）

君塚（死んだと思っていたかつての相棒、しかもその心臓だけは生きていてそれが俺の目の前で鼓動を打っている）

君塚（その事実だけでキャパシティーはいっぱいいっぱいだ）

君塚（今は他に気を回す余裕なんてなかった）

君塚（まあ、そんな感傷的なことを言ってたらその元相棒に笑われそうだ）

君塚（さよなら言ってくらい逝けってんだ….）

君塚（いや、だから帰ってきたのか….さよならを言いに…あるいは….）

渚「君塚！」

渚「その…これからもよろしく」

渚「じゃあ、私帰るね」

君塚「お、おう…また明日な」

渚（気づけばずっと誰かを探していた気がするけど、実際のところはこの1年くらいのもので）

渚（というか私のアイデンティティというのが確立されたのもつい最近だったように思う）

渚（私は子供の頃からずっと病気でベッドの上で過ごす毎日で）

渚（ランニングシューズを履いてトラックを駆け回りたい）

渚（放課後、友達みんなと寄り道して遊びたい）

渚（でも、それは叶わないことだから…）

渚（だから、自由なんて必要なかった）

渚（いや、きっと持たないようにしてたんだ）

渚（だけど、そんな私にもある日どうしても叶えたい願いができた、この心臓が叫んでいた誰かに会いたいと叫んでいた）

渚（私は走り出していた）

渚「あんたが名探偵？」

渚（やっと見つけた私の希望はなんか気だるげで何か覇気がなくてもう色んなことを諦めているように見えて）

渚（どこか昔の私に似ていた）

渚（だからそんな私は放っておけなくて）

渚（ついつい叱り飛ばしてしまって）

渚（うっかり泣き顔も見せてしまって…それは、それは不覚だったけれど）

君塚「その心臓が誰のものであっても夏凪は夏凪の人生を歩んでいいんだからな」

渚「そんな言葉をもらってしまった…だから」

渚「私の人生はまた今日、ここから始まるんだ」

唯「えー、ごほん！」

唯「昨日は取り乱してしまいすいませんでした！」

君塚「それよりもまず…」

君塚「遠い！遠すぎる！このテーブル何メートルあるんだよ！」

唯「えー？そうですか？そんなことないと思いますけど～」

君塚「じゃあなんで俺たちはこんな大声で話してるんだよ！」

唯「そんなの普通に話してたら聞こえないからに決まってるじゃないですか！」

君塚「やっぱりお前の家がおかしいんじゃないか」

唯「えー、では気を取り直して」

君塚「そういえばその左目」

君塚「ケガしてるのか？」

唯「これは何というかキャラ付けみたいなものでして…アイドルの生き残りに必死なんですよ」

唯「今回は急にお呼びして申し訳ございません何分もう時間がないもので」

渚「大丈夫、すべてはこの名探偵夏凪渚に任せるといいわ」

君塚「どこからくる自信なんだそれは…」

渚「じゃあ斉川さん、詳しい話を聞かせてくれる？」

唯「はい！実は先日…」

唯「こんなものが届いたのです」

渚「手紙…？」

渚「斉川唯のドームライブ当日、時価30億円のサファイアを頂く」

君塚「今時こんなものを律儀に送り付けてくる窃盗犯もいるもんなんだな」

唯「それを未然に防いで欲しいんです！」

渚「なるほどね…その30億円のサファイアに心当たりはあるの？」

唯「はい…宝物庫にある」

唯「家宝の奇跡のサファイアに間違いないと思います」

君塚「だけど犯行日がわかるなら警備を増やせばいいんじゃないか？」

君塚「この家ならSPだって大勢いるだろ」

唯「いえ、ですからそれは無理なんです犯行当日は私のライブがあるので」

君塚「ああ、SPの人達はライブ会場の護衛にあたるってことか？」

唯「いえ、彼らは私の大ファンなので30億円のサファイアを守るよりも」

唯「私が歌って踊る姿を見る方が大事なのです」

君塚「全員仕事辞めてしまえ！！」

君塚「全く…ふざけているなら帰らせてもらう」

渚「待って君塚！！」

渚「折角私達を頼ってくれてるんだからもう少し話を聞いてみない？」

君塚「どうした？やけに積極的だな」

渚「だってこんな家に住んでる子の依頼なのよ？ってことは」

君塚「そりゃそうかもな…でも探偵は金を稼ぐための職業じゃないぞ」

渚「そうは言ってもお金は必要でしょ？」

君塚（確かに3年間の流王の旅を経験した身からすると確かに金は大切だ、お前はそれを覚悟して…）

渚「新しい水着…」

君塚「おい」

君塚「まあいい、目的は違えど確かに金は大事だ」

君塚「じゃああれか？ライブ当日俺と夏凪でこの家の宝物庫の警備をしてればいいのか？」

唯「あ、はい！そんな感じです！」

君塚「というか、それなら警察に任せた方がいいんじゃないか？」

唯「一度相談したのですがただの予告状では取り合ってくれなくて」

唯「あ、その顔！金をちらつかせて警察を動かせばいいって顔ですね！さすが変態さんの発想です」

君塚「まだ俺は何も言ってない！！図星だ！」

唯「確かにパンがなければパン屋を買収すればいいと考える私ですが」

君塚「マリーアントワネットすらひっくり返る発想だな」

唯「そういうわけで…」

君塚「なあ、なんで今回の依頼主、斉川唯お前なんだ？」

君塚「斉川家の家宝が盗まれようとしてるのに」

君塚「父親でも母親でもなく」

唯「両親は3年前に亡くなりました」

唯「だから斉川家の当主は」

唯「斉川唯、私なのです」

唯「こちらが斉川家、家宝の奇跡のサファイアです」

君塚「でかい…流石に風格が違うな」

渚「凄い…きれい….！」

唯「日中は超厳重な警備システムが作動していまして」

君塚「はやくトイレ行って来いよ」

渚「え？なんでわかったの？」

唯「さすが洞察力に優れた変態さん！凡人には真似できませんね！」

君塚「誰かさんに鍛えられたからな」

渚「紅茶を飲みすぎたかも…ちょっとごめん！」

君塚「全く…」

唯「君塚さん」

君塚「わっ！？」

唯「なるほどなるほど！君塚さんは耳に息を吹きかけられることに喜びを感じる変態さんだった」

君塚「勝手な解釈で俺を変態に仕立てあげるな…なあ、これは？」

唯「これは初ライブの時の写真です！ネットでも出回っていない超レアな写真ですよ！」

　　唯「やっぱり私のことが気になっちゃいんました？ファンになっちゃいました？好きになっちゃいました？」

唯「でもごめんなさい、私アイドルなので恋愛はNGなんですまた来世でお願いしますね」

君塚「勝手に告白させて勝手に振るな」

君塚「というか、あいつはまだ戻らんのか？」

唯「めちゃくちゃ美人さんですよね！」

君塚「まあ、見てくれはな…性格はアレだったりするが」

唯「あ、夏凪さんもですが私がです」

君塚「自分を褒め称えることに躊躇がないな」

唯「これくらい自信を持っていないとアイドルの世界で生き抜くのは大変なんですよ」

唯「ライバルに衣装を破かれたり靴に画鋲が入ってるのも日常茶飯事」

唯「でも、そんなライバル達も翌日には表舞台から消えているそうです」

唯「偶然だよな…きっとそうだよな？」

唯「君塚さんはリアクションがいいから好きです、ジョークですよジョーク！」

君塚「どこからどこまでがジョークなんだか…」

唯「君塚さんのことが好きがジョークです！」

君塚「なるほどよくわかったお前俺のこと舐めてるな」

唯「えへへ、いまのこそが冗談ですよ」

君塚「お前は何が本音で何が建前なのかつかみどころがない、つくづくアイドルというのは難儀な職業だな」

君塚「今更だが色々大丈夫か？」

唯「え？何がです？」

君塚「日曜はドームライブだろ？それなのに予告状が届いてその…メンタル的にだな」

君塚「1人で背負うには重すぎないか？大丈夫か？」

唯「大丈夫です」

唯「私は1人じゃないので」

唯「優しいんですね君塚さんは！」

唯「もしかすると」

唯「人の心が芽生え始めたのかもしれません！」

君塚「俺を博士と過ごすうちに感情が芽生えたロボットみたいに扱うな」

唯「やっぱり君塚さんは面白いです」

君塚「もう少しこの部屋を見せてくれ」

唯「どうぞご自由に！」

君塚「思ったより厄介なことになりそうだな」

君塚「どうだ？この依頼解決できそうか？」

渚「思ってたのと違ったって言ったら怒る？」

君塚「怒るかよ」

渚「探偵って思ったより大変ね、脱走した子猫を探すとかそういうのだと思ってた」

君塚「お前は今すぐ全国の探偵業者に謝れ」

渚「昨日さ」

渚「夢みたんだ….シエスタさんの」

君塚「おお….そうか…あいつ元気そうにしてたか？」

渚「めちゃくちゃ美人でビビった」

君塚「だろ？」

渚「そこで君塚が得意気なのは意味わかんないけど」

君塚「何か話したか？」

渚「なんかめちゃくちゃ喧嘩した」

君塚「夢で初対面の相手とめちゃくちゃ喧嘩するな…まあ何となくわからないでもない」

渚「好き放題言われて中々分かり合えなくて、でも最後にはあんたを任せるってそういわれた」

君塚「…..ってか喧嘩の原因俺かよ」

渚「違うから！君塚の取り合いしてたとかじゃないから！」

君塚「え、何その反応逆に困るんだが」

渚「あーあー！この話題は終わり！」

渚「とにかく私は探偵として、君塚は助手としてともに頑張りましょうってことよ！」

君塚「へいへい、水着もかかってるしな」

渚「君塚は見たいでしょ？私の水着姿」

君塚「あー、見たい見たい、ちょー見たい」

渚「ムカつく！！…まあいいけど」

君塚「いいのかい」

渚「無事にこの依頼が解決できたら一緒に海に行かない？」

君塚「突然死亡フラグを打ち立てるな」

渚「死なないわよ」

渚「私は死なない」

渚「あんたをおいて勝手に死んだりなんて」

渚「絶対しないから」

君塚「そうか」

君塚「いぞげ夏凪！そろそろリハが始まるぞ！」

渚「あのさ….それ何なの？」

君塚「それ？どれ？」

渚「それ！！」

渚「あんたこの1週間何やってたわけ？学校には来てないし連絡しても全然返信よこさないし」

渚「やっと返事がきたと思ったら前日のリハーサル見に行くぞって」

君塚「あ、いや唯にゃが出ていたTV番組の過去回を漁ってたらいつの間にか今日になってて」

渚「唯にゃ！？」

君塚「ファンは皆そう呼ぶんだ」

渚「OK、締め殺しにしてやる」

君塚「ギ、ギブ….」

渚「明日が何の日かわかってるの？」

君塚「そりゃ唯にゃのライブだろ？」

渚「それもそうだけど…」

渚「私達の役目は犯人から奇跡のサファイアを守るんでしょ？違う？」

君塚「夏凪の言い分もわかるが依頼主の素性を知ることで見えてくる部分もあるだろ？」

渚「まあ、それは….」

渚「でも、斉川さんに頼み込んでリハーサルを見学するところまで行く？」

君塚「一度引き受けた仕事は徹底的にだ…それに明日は唯にゃの家の警備をしないとだからな」

君塚「その時はいっぱい楽しむぞ」

渚「楽しむって言っちゃってるけど」

君塚「やはり開幕1曲目はラズベリークリスビーだろ」

渚「いや、だからセトリの定番とか知らないっての」

君塚「ほら、リハが始まるぞ」

君塚「フー！フー！」

君塚「フー！フー！」

君塚「置いてかないで～！」

君塚「イェー！！」

渚「マジかこいつ….」

唯「ありがとうございます！」

唯「聞いて頂いたのは2ndアルバムからナインスターは急停車でした！」

渚「いや、止まるんかい」

君塚「細かいことは気にするな」

唯「じゃあ次の曲行きます！」

君塚「くるぞ！」

渚「何が？」

君塚「おいおい、81が来たんだぞ？ということは次の曲は？」

渚「いやいやセトリとかわかんないから！っていうかナインスターを81とか略さないで！」

渚「9×9=81とかそういう略称やめて！！」

君塚「お、さすが名探偵」

君塚「さ、次は唯にゃの十八番だこれを聞きに来たんだろ俺たち」

渚「初耳もいいところなんだけど？」

君塚「知らないか？この曲の大サビだけ唯にゃは封印ととくんだよ」

君塚「そう封印…斉川唯の秘め事」

唯「それでは聞いてください」

唯「サファイアファンタズム」

君塚「いやーよかったな」

渚「斉川さんさすがはプロね」

渚「ん？」

渚「ねえ君塚、あの人おかしくない？」

君塚「どうかしたか？」

唯「キャー！！」

スタッフ「誰だそいつは！取り押さえろ！」

君塚「やっぱりそうか…」

渚「君塚！早く！」

君塚「人として美しい姿…しかしそれは探偵として不要なものだ」

君塚「優しさも思いやりもそれらは時として毒となって帰ってくる」

君塚「それをまだ夏凪は知らない」

君塚「大丈夫か？」

唯「変態さん！」

君塚「この状況で俺を変態と呼ぶな、まあ軽口を叩けるなら上等か」

君塚「しかし、何が起きるかわからんな」

君塚「明日は宝物庫の警備も大事だがこの会場の警備もしっかりした方がいい」

君塚「後でホールの裏を案内してくれ」

唯「はい….」

君塚（探偵という人種の行動はすべて論理におけるものだけだ）

君塚「立てるか？」

唯「はい、ありがとうございます」

君塚（だから、だからこそ疑問が確信に変わり）

君塚（見えてくる真実がある）

君塚（そう、斉川唯は….）

君塚（嘘をついている）