【感想】 リゼロ2期 17話(42話) ロリリアたん可愛すぎる ジュースにノミさんと見どころ満載だった

パック「ごめん…。ごめん…」 

エミリア「何で泣いてるの？」

パック「君を…ずっと…見つけられなかったから…」 

エミリア「でも…ここにいるよ？貴方の名前は…？」

パック「僕の…名前は…」

エミリア「ここって夢の世界なのに、風の匂いも土の感触もあって何だかすごーく不思議ね！」

エミリア「エキドナ…？ねぇ、聞いてる？」

エミリア「ん？」

エミリア「ごめんなさい。大丈夫？私、ちょっと早歩きだった？」 

エキドナ「見え透いた同情で、僕の態度が少しでも変わるとでも？だとしたら浅はかだね」

エミリア「もう…。ただ心配しただけなのに」

エキドナ「君の心配なんて一切不要だよ。少し夢に深く重なり過ぎただけさ。すぐに調整がきく」

エキドナ「この通り…ね…」 

エミリア「わっ…！」

エキドナ「夢の世界とは、あくまで比喩的な表現に過ぎない。正しくは、試練の対象者の記憶を再現し、意識だけを移した別世界と呼ぶべき空間だ」 

エミリア「ありがとう。嫌ってる私にも、ちゃんと説明してくれて」

エキドナ「すごーくいい人、なんて勘違いは絶対にしないで欲しいね。問いかけに答えてしまうのは、単なる僕の性分だ」 

エミリア「はいはい」

エキドナ「前回の試練での、無様な悪戦苦闘の事は覚えているかい？」 

エミリア「その悪態に言い返せないくらい全然ダメな子だったことはね…」

エミリア「きっと見たくないって記憶に蓋をしたのね…。だから、私は自分でそれが思い出せないんだわ…。そして今も、まだ…私の準備が出来てなくて…」

エキドナ「だから今回も失敗しても仕方ないと…？先に予防線を張るとは弱気な事だね」

エミリア「ううん、そうじゃない…。これから、その準備をしに行くのよ」

エキドナ「ただの大樹…と言うわけではないよね？よほど中に閉じ込めておきたいものがあったと見える」

エミリア「ここはお姫様部屋。小さかった私が、いつも遊ばされていた場所よ？」

エミリア「あ…。扉は触れないんだっけ？このまま通り抜けられるの？」

エキドナ「…」

エミリア「あ…」

エキドナ「あの幼子は君だろ？まだ何も知らないとは言え、呆れるほど能天気な顏だね」

エミリア「ちっちゃい私にまで文句言わないで」

エミリア「それに今は…」

エミリア「フォルトナ母様…」

フォルトナ「エミリア、今から大事な用事があるの。だから部屋で大人しくしていてね」 

エミリア「また大事なご用事？」

フォルトナ「エミリアの銀髪は、兄さん譲りね。でも、優しい顔立ちはお母さん譲りだわ。うちのはみんな目つきが悪いもの」

エミリア「私、フォルトナ母様の目、好きだよ？」

エミリア「フォルトナ母様は、お父さんの妹なの。本当のお父さんとお母さんは、忙しくて一緒に居られないからって、私はフォルトナ母様に預けられていたのよ」

エミリア「むぅ～、つまんなーい！」

エミリア「嘘とか隠し事はダメーって、母様は私に言うくせに、ねーっ」

エミリア「お外行きたいなぁ…」

エミリア「…！ ん…？ 妖精…さん…？」

エミリア「あっ、ずるい！待って！」

エミリア「…ぁ」

エミリア「あ…」

エミリア「わぁ！」

幼いエミリア「フォルトナ母様も隠し事をしてるんだから、おあいこだもん！」

エミリア「こそこそ…」

エミリア「こそ…」

フォルトナ「いつもいつも貴方たちには、お世話になってばっかりね」 

？？？「我々こそ、フォルトナ様にはいつもご負担ばかりお掛けして…」

フォルトナ「それこそお互い様よ。ジュース」

ジュース「それと毎回の確認ではありますが、封印は無事ですか？」

フォルトナ「大丈夫、変わりないわ。万が一があったら、兄さんにも姉さんにも顔向けできなくなるもの」

ジュース「兄上と奥様のことは…」 

フォルトナ「いいの。わかってるから…。ただ、私は私に委ねられた責任の重さを絶対に忘れない。それを放棄したり、半端もしたくない。貴方もそうでしょう？」

ジュース「私は…。私にはそれしかありませんので…」

ジュース「フォルトナ様の責任感とは、また違ったものでしょう。執着、未練、喪章に近いものにすがっているだけで…」

フォルトナ「精霊のおかげで季節の変化はあまり森にないんだけど、それでも衣類や本を持って来て貰えるのは、すごーく助かる。いつもありがとう」

ジュース「本来であれば、貴方がたはこのような場所で不便を強いられるなど、あってはならないことですよ？」

フォルトナ「このような場所なんて言わないの。私たちは森が大好きなんだから」

？？？「フォルトナ様、荷物の受け渡し完了です」

フォルトナ「ありがとう、アーチ」 

ジュース「アーチ殿はまた少し逞しくなられましたね」 

アーチ「いつまでも若輩者扱いされては、次の守り人してやっていけませんから」

ジュース「どうぞそのままご壮健に。森の事や封印、ご家族やご自身の為にも…」

ジュース「あ、そうだ。最後に一つだけ…」

ジュース「エミリア様は、息災であられますか？」

エミリア「…！」

フォルトナ「心配しないで。エミリアは元気ですごーく良い子に育ってる」

フォルトナ「でもごめんなさい。貴方に会わせるわけには…」 

ジュース「良いのです。エミリア様が健やかに育って下さるならば、それで十分。それ以上を望むのは、この罪人たる身には過ぎた願いです」

男「ロマネコンティ司教様。よろしいですか？」 

ジュース「ええ、十分です。さあ、罪深い我々は去りましょう。フォルトナ様、また近いうちに…」

フォルトナ「他の誰が言わなくても、私たちは貴方たちに感謝してる。すごーく本気で」

ジュース「そのお言葉だけで、私は１００年の苦悶の時に身を捧げられる事でしょう」

フォルトナ「はぁ…」 

アーチ「フォルトナ様、お疲れですか？」

フォルトナ「あまり年寄り扱いしないで頂戴。そりゃ若い貴方と比べたら、年寄りだけど…。まだまだ現役よ」

アーチ「そ、そんなつもりは滅相も…。ただ、守り人の役目もあるのに大変では…って」

フォルトナ「じゃあお言葉に甘えて、ここは任せていいかしら？私は、きっと退屈してるお姫様を出てあげにいかなくちゃだから」

エミリア「あっ…！」

エミリア「どうしよう、どうしよう、どうしよう。わ…っ！」

エミリア「どうしよう、どうしよう、どうしよう…」

エミリア「わぁ…」

エミリア「ん…？」

エミリア「すごい…」

フォルトナ「エミリア～、起きてる？」 

エミリア「いや～…お、起きてるよ！？でも…」

フォルトナ「な～に？そんなに慌てちゃって…。あ…」

エミリア「えっと…ごめんなさい…。お絵かきの壺をいっぱいこぼしちゃって…」

フォルトナ「あちゃ～…」 

エミリア「フォルトナ母様…？私…」

フォルトナ「もう…心配性ね、エミリア。そんなに怖がらなくても怒ったりしません。それより怪我はしてないわよね？」

エミリア「母様？」

フォルトナ「ううん、何でもないの。ただ、すごーくエミリアに会いたくて…」

エミリア「…？」

フォルトナ「生意気…。ねぇ、エミリア」 

エミリア「？」

フォルトナ「愛しているわ」

エキドナ「少しずつ心の奥底にしまった情景と記憶の景色が、重なってきたんじゃないかな？」

エミリア「意外…。さっきの私とか母様の事を、もっとチクチク言われると思ったのに」

エキドナ「仮にそう思ったとしても、それを相手に伝えるのはお勧めしないな。ただでさえ僕の中で低い君の評価が、それこそ勢いよく下落していくよ」 

エミリア「あ、大丈夫よ。私もこんなことエキドナ以外に言ったりしないわ」

エキドナ「良くも悪くも、君は段々と彼の影響を強く受けつつあるな」

エミリア「ホントに…？ありがとう」

エキドナ「ともかくこれで君は、母親と知人と妖精さんとやらを思い出した。そろそろ過去に望めるかい？」

エミリア「ううん、まだ」

エミリア「まだ…私には足りてない思い出がある」 

エキドナ「他に何が…」

エミリア「封印よ」

エミリア「おいで、妖精さん。今日も脱獄するよ」

妖精「…」

エミリア「え？」

アーチ「エミリア、開けるぞ？」 

エミリア「きゃ…っ！」

アーチ「ん？どうしたんだ？」

エミリア「ア、アーチこそ…大事な御用？」

アーチ「うん。その前におやつ持ってきた。木の実だ」

アーチ「これ食べて大人しくしてるんだぞ？」

エミリア「ありがとう…」

エミリア「最近、アーチがすごーく心配症だから気を付けなくっちゃ」

エミリア「ささっ…」

エミリア「今日もジュースたちが来てる…」

エミリア「もっと楽しいこと隠してると思ったのに…。母様たちったらヘンなの…」

フォルトナ「最近のエミリアったら、すごーく元気でいつも泥だらけにして帰って来るの」

ジュース「ご壮健であられることは何よりです。服を替えもできるだけお持ちしますよ」

フォルトナ「甘えてばっかりなのに催促したみたいでごめんなさい。大人の服もある？」

ジュース「ええ、もちろん。フォルトナ様にも、きっとお似合いの物がありますよ」

フォルトナ「…」

フォルトナ「もう…。長い付き合いだけど、いつからそんな冗談を言うようになったの？」

ジュース「本心を告げたつもりですが…。何か可笑しなことを言ってしましましたか？」

フォルトナ「はぁ…」

ジュース「…ぁ」

フォルトナ「ジュース、これは何？」

ジュース「いえ…。そう言えば随分前に、私と話していて不機嫌だったフォルトナ様は、熱を出されていたことを思い出しまして…。

ジュース「熱はありませんね？」

フォルトナ「そんなの一体、何十年前の話なの？子供扱いしないで。ホントにもう…」

エミリア「むぅ～、ジュースのバカ。あと、アーチもバカ…」

アーチ「へっくし…」

ジュース「それで…封印の方は大丈夫ですか？」

フォルトナ「変わりなく…よ。毎回欠かさず確かめていくのは律儀よね？」

ジュース「そのための御役目です。今は森の外の情勢が何やらきな臭い」

ジュース「急かもしれませんが、心に留め置いて頂きたく…」

フォルトナ「わかったわ」

ジュース「よろしくお願い致します。エミリア様やあのお二人の為にも…」

エミリア「封印…？」

エミリア「あ…」

エミリア「お願い…ね？」

エキドナ「扉…？」

エキドナ「奇妙な光景だね」

エミリア「これが…封印…」

エミリア「この封印があって…。それで…」

エキドナ「その答えが来たわ…」

エミリア「これが…封印？」

スバル「好きな子に書いたラブレターを、別の奴に先に見られた…。もうお終いだ…」

ガーフィール「いくら何でも落ち込みすぎだろーがよ！シャキッとしろ、シャキッと！」

スバル「まさかガーフィールがケジメを付けに先に入るとは思いもよらず…」

オットー「普段からあれだけ人前でも口説いてるくせに…。いざ文字にした途端に恥ずかしがるのって何なんですかねぇ…」

スバル「いつものはサラッと流されるのを覚悟してるし、実際サラッと流されてるからいいのぉ！でも、今度のは真面目なのぉ！」

スバル「しかも文字通り深夜のラブレター…。一番恥ずい奴…」

ガーフィール「心配すんなよ、大将。むしろ俺様もあやかりてぇって思ったぐらいだ。恋はリングドーンの先人に倣えってな」

スバル「お前にそのつもりはなくても、加害者が言ったら煽りにしかなってねぇんだよ！」

スバル「ガーフィールの時は１時間かかったかってトコだから、同じぐらいかかるかな…？」

オットー「成功した場合はそうですね」

オットー「痛っ…」

ラム「少しは空気を読みなさい」

オットー「あたっ！！」

ラム「場の流れに鈍感で、それでも商人なの？」

オットー「その一言の方が、痛みより痛いんですけど！？」

ラム「ところで…。シーマ様がバルスと話したがっているわ。昨夜の続きを話したいそうよ」

ガーフィール「ばーちゃ…ババアとは、何をどこんまで話したんだよ？」

スバル「言い直さなくっても、お前が婆ちゃん子なのはバレてっからな～」

スバル「大まかに聞けたのは、墓所に入ったお前の話だ」

ガーフィール「そうかよ…」

スバル「昨日は、ガーフィールの攻略法だけで手いっぱいだったからな。大事な話は後回しにしてもらったんだけど…」

ラム「一体何を後回しにしたの？」

スバル「それは…」

リューズ「この聖域を開放する上で… 」

リューズ「避けては通れぬ話をじゃよ…」

エミリア「うんしょ！うんしょ！」

エミリア「どうしてパターンって倒れないんだろう…」

エミリア「ヘンテコリンでよくわかんない。でも、みんなのおかげで見つかったのでした！ぱちぱちぱち！」

エミリア「フンだ。フォルトナ母様が悪いんだもん。ジュースが悪いんだもん。べ～！」

エミリア「よーし、おうちに帰ろ！今日の画伯は、お空を赤くして、森を真っ白にする気分！」

エミリア「？」

エミリア「どうしたの？」

エミリア「ひょっとして…事件の予感？」

ジュース「これは困りましたね…。約束の時間に遅れてしまう」

エミリア「わっ…」

ジュース「ん？」

ジュース「おや？そこの可愛いお尻はどなたですか？」

エミリア「うっ…ぅぅ…」

エミリア「節度ある待遇を求めます…」

ジュース「これはこれは…。随分と可愛らしいお嬢さんがお出ましに…」

ジュース「ッ！」

ジュース「お、お嬢様…？いえ…貴方はまさか…」

エミリア「ジュース…？大丈夫？」

ジュース「…っ！」

ジュース「ええ、ええ。大丈夫ですとも…。何の問題もありません」

ジュース「だって私は…。私は今…。たった今…」

ジュース「これ以上ないものに、救われたのですから…！」

エミリア「そうなの？助けてもらえたのに泣いてるの？」

ジュース「悲しいから泣いているのではありません。嬉しいから…喜ばしいから…」

ジュース「幸せだから…そんな幸いも暖かな涙もあるのです…ぅぅ…」

エミリア「嬉しくても泣いちゃう…？」

エミリア「大丈夫だよ、ジュース。大丈夫…」

エミリア「大丈夫」

エミリア「こんなにたくさんあったはずの事を忘れて…。でもきっと、ちょっと前の私じゃこれを受け止められなかった…」

エミリア「でも今は、怖いけどうずくまったりしないわ」

エキドナ「泣いて喚いて父親か男にすがる…いやらしい女である君らしい決断をやめるのかい？」

エミリア「それをしても、きっとスバルは許してくれるけど…」

エミリア「弱い私のままでいることを、開き直ったりしたくない」

エミリア「それに、スバルが私に書いてくれたたくさんの言葉を嘘にしたくないの」

エミリア「スバルが信じてくれる。だから私は、その気持ちに恥ずかしくない子でいたい」

エキドナ「好きにしたらいいさ。僕は、せいぜい君の苦悩に溜飲を下げることにするよ」

エミリア「準備が終わったのね」

エキドナ「そうとも。前哨戦は終わりだ。君が挫けた試練が今度こそ」

エキドナ「始まる…」

ジュース「お待ち下さい、エミリア様！そう走り回られては危険ですよ！」

エミリア「やーだよ～だ！捕まえてごらんなさーい！」

ジュース「はぁはぁ…」

フォルトナ「あの子のやんちゃぶりには、私たちも手を焼いてるんだから」

ジュース「元気なのは良い事です…」

ジュース「ですが、危ない事は出来るだけ避けて頂きたく…。家の中で健康的に、日の光を浴びつつ、物を壊す心配なく、跳ねまわれれば…」

フォルトナ「ジュース」

ジュース「え？」

フォルトナ「それすごーく難しい」

ジュース「そ、そうですか…？しかし、エミリア様の為にも私は…私は…」

エミリア「もうっ！母様もジュースも、何で追いかけてきてくれないの！？」

エミリア「今、追いかけっこの途中でしょ？」

ジュース「あぁ…！申し訳ありません！私とした事が一生の不覚！」

フォルトナ「そうやって甘やかさないの！」

フォルトナ「エミリア、ちょっといらっしゃい」

エミリア「なーに？母様。もう、母様ったら甘えん坊なんだから」

エミリア「！」

フォルトナ「はい、残念。エミリアはフォルトナ母様に捕まってしまったのでした～」

エミリア「あ～ずるい！母様のずるっこ！今のはダメ～、卑怯、反省して～！」

フォルトナ「あら～、この子ったらそんな事言って。それじゃあ、エミリアは母様に言われた事、ちゃーんと反省してる？どうして母様とジュースに追いかけられてるのかしら？」

エミリア「ち、違うの…、母様…。妖精さんがね、遊ぼうってお外行こうってそれで…」

フォルトナ「人のじゃなくて、妖精さんのせいにする子は母様嫌いよ？」

エミリア「ぅ…。ごめんなさい…。ジュースとお友達になったから、その事母様に教えたくて…。あとジュースが泣き虫だから、助けてあげなきゃって…」

フォルトナ「その気持ちはすごーく大事ね。でも、あそこは行っちゃダメって約束してあったはずよね？」

エミリア「う、うん…。はい…」

フォルトナ「それはすごーくいけないことね。約束は、信じる気持ちの現れだから」

フォルトナ「それを破るのは、信じてくれてる気持ちを裏切ることだからダメ。エミリア、母様と約束して？」

フォルトナ「約束は、今度からちゃんと守るって」

エミリア「はい…。守ります…」

エミリア「ごめんなさい…母様…」

フォルトナ「よし！それならいいの」

エミリア「ぅぅぅ…」

ジュース「うぅっ…」

フォルトナ「それで…ジュースの方は大丈夫？」

ジュース「わ、私には…あまりにも眩しすぎる…光景で…。涙を…涙をこらえられず…ぅぅ…」

フォルトナ「それにしてもエミリア？」

エミリア「？」

フォルトナ「妖精さんって言ってたけど…」

エミリア「あ、うん。妖精さん！前からずっと私を助けてくれて…。おいで！」

フォルトナ「…？」

フォルトナ「ま、まさか…。微精霊？」

フォルトナ「それも…こんなにたくさん…」

ジュース「どうやらエミリア様には、精霊術士としての天稟がお有りのようですね…」

エミリア「びせいれい？精霊術士のてんぴん？」

ジュース「エミリア様が妖精と呼ぶのは、微精霊と呼ばれる存在です。彼らと心を通わせ、契約を結んで力を借りる者を精霊術士と…」

エミリア「私、それになれるの？」

フォルトナ「ちょっと～、変なこと吹き込んじゃダメよー？」

ジュース「エミリア様もいつまでも幼いままではありません。ましてや誰かが傍に居られなかった時、彼らは力になってくれます」

フォルトナ「でも、そんな危ないかもしれないこと…可愛いエミリアに…」

ジュース「ぉぉ…？」

エミリア「私、今日はジュースの味方！絶対、精霊術士になるもん！べぇ」

フォルトナ「ほらー、本気にしちゃったじゃない。どう責任取ってくれるの？」

ジュース「あぁ…いえ…何とも…。困りましたね…」

エミリア「ん～？何かフォルトナ母様とジュースって、お父さんとお母さんみたい」

ジュース「！」

フォルトナ「なっ」

フォルトナ「へ、変な事言わないの！母様とジュースは、もうずっと長い付き合いで…」

ジュース「そうですよ、エミリア様。長い時を生きる私にとって、フォルトナ様ですら幼子の様なものです」

フォルトナ「むっ…！いくらなんでも幼子は言い過ぎよー。私が一体いまいくつなのかわかってるの！？」

ジュース「あっ、いえ…言葉の綾でした…。無論、正確にお歳は把握しておりますし、フォルトナ様は幼子と呼ぶには、美しく成長され過ぎましたが…」

フォルトナ「ふむふむ…。ま、いいわ。許しましょう」

フォルトナ「でも、すごーく反省なさい」

ジュース「はぁ…」

ジュース「ともかく…フォルトナ様とは、長い長い付き合いなのですよ？」

ジュース「それこそエミリア様のお父様とお母様の健在の頃から…」

フォルトナ「ぁ…、ジュース…っ！！」

ジュース「はっ…も、申し訳ありません」

エミリア「お父様とお母様？」

フォルトナ「ごめんなさい、エミリア。そのお話はまた今度。そろそろお部屋に戻って」

エミリア「また今度…。ホントに話してくれる？」

エミリア「ぷ…、ふー…」

フォルトナ「良い子だから大人しく待っていて。ジュースとだってまた今度ちゃんと会わせてあげるから」

エミリア「ホントのホントに？約束してくれる？裏切らない？」

フォルトナ「そう…約束よ…」

フォルトナ「母様とエミリアとの…すごーく大事なお約束…」

エミリア「うん…。わかりました。じゃあお部屋に戻ってるね」

ジュース「あ…」

エミリア「またね、ジュース。あんまり泣いてちゃダメだからね？次に会うまでの約束」

ジュース「はい…。必ずまた次の機会に…」

エキドナ「…！」

エキドナ「来たようだね…」

エミリア「…！」

フォルトナ・ジュース「っ！」

フォルトナ「誰…？」

レグルス「人の名前を尋ねる時は…」

レグルス「まずは自分から名乗るのが礼儀なんじゃないのぉ？」

レグルス「お互い顔を合わせるのは初めて同士。これから関係を築くって意味じゃ、間違いなく対等の立場のはずなのに、どうして一方的に上から目線で名前を質問されなきゃならないんだろうねぇ？」

フォルトナ「男のくせに随分と長話が好きみたいね？」

レグルス「男のくせにって…如何にも比べる男を知らなそうな偏見が垣間見えるよねぇ～」

レグルス「その態度はさぁ…ちょっと見過ごせないよねぇ」

レグルス「僕と言う個人を、その権利を蔑ろにして…」

フォルトナ「いい加減に自分に酔いながら話すのを止めなさい！貴方は何者なの！？」

レグルス「ふふ…」

レグルス「魔女教大罪司教 強欲担当 レグルス・コルニアス…」