【感想】 リゼロ2期 18話(43話)　レグルス性格最悪だけど強すぎる…

スバル「シーマさん、大丈夫なのか？」

リューズ「スー坊には話したはずじゃな。ワシらの体は、精霊と同じで常に消耗しておると…」

スバル「リューズさんは３交代制でやってるけど、そのローテから外れたシーマさんには、代わりがいない…」

シーマ「エミリア様が戻られるまで持つか、あまり自信が無い…。故に話すべきことを話そう」

ガーフィール「そんな無茶する必要ねぇだろ！ババアの代わりに元気なババアを…」 

スバル「わかりづれぇから、シー婆とリュー婆って使い分けろ」

スバル「それにダメなんだよ、この話は…。シーマさんの口からしか聞けない」 

シーマ「墓所に入り、試練を受けた事のあるワシにしか語れん話じゃからな…」

ガーフィール「…」

シーマ「ワシら複製体にとっての始祖リューズ・メイエル。その人の記憶…」

シーマ「それは、まだこの場所が聖域と名付けられる前のことじゃった…」

シーマ『見知らぬ記憶の始まりは、愛らしい顔立ちの少女…』

シーマ『透き通る様な白い肌に、薄く青み掛かった瞳…』

リューズ「わぁ…」

ベアトリス「何なのかしら」 

リューズ「！」

ベアトリス「そんな目で見ても、何もくれてやらないのよ」

リューズ「…」

ベアトリス「フンッ、まただんまり…。臆病で退屈な娘かしら」

リューズ「…」

？？？「ベアトリス。その態度は何だい？」

ベアトリス「あっ…」

リューズ「エキドナ様…」

エキドナ「私は、君にそう振る舞えと教えたかな？」

ベアトリス「あ…、違うのよ。お母様…。ベティは何にも…。ただこの娘が…」

エキドナ「なるほど…。では、そちらの君にも言い分を聞こうか？」

リューズ「えっ？あの…いえ…」

リューズ「はい…、申し訳ありません。そちらで黄昏ていた姿に見惚れてしまって…」

エキドナ「見惚れて…ねぇ…。ベアトリス、リューズはそう言ってるが…？」

ベアトリス「うみゅう…」 

エキドナ「大人でない君に、大人げないと言うのは正しくないが、少し寛容に欠ける姿勢だ」

エキドナ「君は確かに特別だが、それは他人を見下すためじゃない」

ベアトリス「…」

エキドナ「驚かせたね。この子はベアトリス。私の娘の様なものだ」 

ベアトリス「様なものじゃなくて、娘そのものかしら」

エキドナ「ま、そういう事らしい」

エキドナ「今後も私と一緒に、ここへ足を運ぶ事も増えると思う。仲良くしてあげて欲しい」 

リューズ「は、はい。お任せ下さい、エキドナ様」

ベアトリス「別に、ベティは1人でも全然大丈夫なのよ…」

シーマ『二人の少女は、こうして出会ったのじゃ』

シーマ『その後、魔女様は娘子を連れて、度々集落を訪れた』

リューズ「ふう…」

ベアトリス「なーにをボケっと突っ立ってるのかしら。相変わらず気の抜けた娘なのよ」 

リューズ「ベアトリス様…」

ベアトリス「お母様はあっちでお話し中。終われば戻ってくるから、その鬱陶しい洗濯かごはとっとと片付けてしまうかしら」

リューズ「は、はい…！失礼します…」

リューズ「あの…。ベアトリス様？」 

ベアトリス「何でもないのよ。単なる暇つぶしかしら」

リューズ「…」

リューズ「うん…」

リューズ「ベアトリス様…！あ、あの…、宜しければ…洗濯物を畳むのを手伝って頂けませんか？」

ベアトリス「はぁっ？」

リューズ「…！」

リューズ「…」

ベアトリス「お前１人の手に余るなら、仕方ないからベティが手伝ってやるのよ」

リューズ「え…」

ベアトリス「二度と言わないかしら。ほら、サッサと行くのよ。行くかしらっ！」

ベアトリス「フン…フン…フン…ッ！」 

リューズ「ぁ…」

リューズ「あ、あの…。もし宜しければ、少し持って頂いてもいいですか…？」

ベアトリス「お前…。あんまり調子に乗るんじゃないのよ」

ベアトリス「ちょっとだけかしら…」

シーマ『そうして、魔女様が用事を済ませている間、娘子の方はリューズ・メイエルの近くで過ごす様になったのじゃ』

？？？「そこの子、すまない」

リューズ「！」

ロズワール「エキドナ様がいらしてるはずなんだが、見ていないかい？」

リューズ「はい？」

リューズ「メ、メイザース様」 

ロズワール「あまり家名で呼ばれるのは、好きじゃないんだ」

リューズ「ロズワールと、そう呼んでくれないかな？」

スバル「ちょっと待て！ベアトリスが聖域に…、それにロズワールまで！？」 

ラム「正確には、何代か前のロズワール様ね。それにしても、ベアトリス様は変わらないわね」

ガーフィール「俺様は魔女の方が気になんな。ここが強欲の魔女の実験場ってのは知ってが、本人の話を聞くって経験はねぇしよ」

スバル「あ？お前、試練で魔女に会った事ないのか？」

ガーフィール「俺様はケジメ付けてきただけだ。魔女には会ってねぇ。大将こそ、今の言い方だったら…」

ラム「バルスは強欲の魔女に会った事があるという事？」

スバル「おう…」

ラム「そう…」

シーマ「あの時代を知らぬ者にとっては、魔女様の存在は確かに遠いかもしれんなぁ…。いや、ワシにとっても他人の記憶で、直接知ってるわけではないないんじゃが…」

リューズ「同じ顔でそう言われると、自分がボケた様に思えてきておっかないのぅ…」

スバル「なんかクーロンのブラックジョーク聞いてる気分だわ…」

シーマ「リューズ・メイエルの記憶には、殊の外ベアトリス様とのものが多い。中々に微笑ましい付き合いだったようでな」

スバル「話の続きを頼む。表面上は穏やかだった聖域で、何が起きた？」

シーマ「破綻…じゃよ…」

シーマ「そして、この聖域が存在する本当の理由が訪れる…」

スバル「ここの存在する本当の理由…？」

レグルス「魔女教大罪司教 強欲担当 レグルス・コルニアス」

エミリア「魔女教大罪司教って…」

ジュース「どうして貴方がここにいる…！この森には、私以外誰も関われないとそ確約があったはず」

レグルス「確約…？お前が勝手に言って勝手に決めただけの協定だろ？それで押しつけがましく他人を従わせようだなんて、木っ端精霊が思い上がったもんだよねぇ」

ジュース「協定が気に入らないのであれば、教会で話し合えば良い事でしょう？ここへ何しに顔を出したっ！？」

？？？「それは、私の指示によるものですよ…？」

？？？「どうされましたか？ロマネコンティ司教」

ジュース「な…ぜ…」

ジュース「何故貴方がここに…。レグルス・コルニアス！何故この方をっ！？」

レグルス「ハッ、ここに来られたのはご本人の意志だよ。何でもかんでも僕のせいにして、僕に何か恨みでもあるわけ～？」

？？？「コルニアス司教。彼は混乱しているのです。あまり責める事のないように…」

レグルス「は…」

？？？「さあ、鍵と封印をここに。私達、魔女教の本懐を成就させるために」

フォルトナ「…パンドラァァアアアッ！！」

パンドラ「あれ？」

フォルトナ「串刺しになって、兄さん達に詫びろぉおおおー！」

フォルトナ「これで消えてなくなれぇーっ！！」

レグルス「あのさぁ…。今のって完全に僕のこと眼中に無かったのに、巻き添えにするように攻撃したのよね？それってさ、僕の命を、僕の存在を、僕の権利を、僕って人間そのものを踏みにじったって事だよねぇ？」

フォルトナ・ジュース「っ！」

フォルトナ「くっ…」

ジュース「フォルトナ様。ここはエミリア様を連れて、御下がり下さい」

エミリア「母様…」

フォルトナ「エミリア…」

ジュース「ご安心を…。私とて無策で残るなどと申しませんよ」

フォルトナ「必ず…助けに戻るわ！必ず…！」

エミリア「ジュース！！」

エキドナ「試練の事を思えば、自分自身を追うべきだけどねぇ…。どうする？」

レグルス「中々カッコいいじゃないか。でもさぁ、誰に断って逃がしてるわけぇ？それってつまり僕の行動、権利への侵害だよねぇ！？」

ジュース「好きに言えばいい。私は私の存在に賭けて、ここより先に貴方たちを進ませるわけにはいかない！」

レグルス「え？」

レグルス「おい、お前まさか…」

ジュース「私に…これと適合する素養は無い…」

ジュース「故に、ずっとただ託されたものを持つだけでした。ですがそれも、このような時の為…！」

パンドラ「ペテルギウス・ロマネコンティ司教…。良い旅を…」

ジュース「私を…お許し下さい！」

ジュース「フリューゲル様！」

ジュース「ああああああああ……！」

レグルス「馬鹿だ…」

レグルス「あ…？」

パンドラ「素晴らしい…」

パンドラ「レグルス・コルニアス司教」

レグルス「はい」

パンドラ「来ますよ」

レグルス「うぁ…！」

レグルス「ああぁああああ！」

ジュース「言ったはず…です…。ここにあるものは…希望。私を…私としてくれた方々へ…忘れ難い…大恩」

ジュース「だから今、血を吐く価値が私にあるのなら…」

パンドラ「その深紅に染まった瞳に、何を移しているのですか？ロマネコンティ司教…」

ジュース「愛を…」

ジュース「あの二人は追わせない…。ここから先へは、絶対に通さないの…」

ジュース「ですっ！」

ジュース「ああああああ！！」

エミリア「ジュース、何をしたの…！？」

パンドラ「見事な覚悟の証明です」

パンドラ「ペテルギウス・ロマネコンティ司教。この虚飾の魔女の名において、貴方の覚悟と断固たる意志に怠惰の座を与えましょう」

ジュース「そのような座、欲しているとお思いですか？今の私が欲するのは、ただひとつ」

ジュース「あの母子に安寧のあらんことを！」

パンドラ「愛。素晴らしいですね」

ジュース「貴方の空言では、決して実現しえないぬくもり…」

ジュース「デス！」

レグルス「あのさぁ…」

レグルス「僕が来てて、僕が居て、その僕を無視して話を進めるってどういう思考してるのぉ？」

エミリア「嘘…」

ジュース「レグルス…」

ジュース「コルニアス…！！」

レグルス「不愉快だなぁ…！」

レグルス「魔女因子に認められるはずもないお前が、代償も無視して無理やりそれを抑え込んでるだろぉ？」

ジュース「無駄といわれようと、私はっ！」

レグルス「へへ…」

エキドナ「千日手だ。ここが膠着状態の間に、君達の方で進展がありそうだけど…？」

エミリア「この場を離れろって言うの？ジュースがあんなにまでなって必死でいるのに！」

エキドナ「想いの強さが結果に影響するか…。議論の余地はあるけどね」

エミリア「だったら、黙って見てたらいいじゃない。私はここに…」

エミリア「あ…」

エキドナ「どちらがより懸命なのか。君の足りない頭でも理解できたようだね？」

エミリア「…」

エキドナ「場面を切り替える。森へ逃げた君と母親の所までね」

エミリア「嫌っ、嫌だよー！母様ー！」

フォルトナ「お願い、エミリア。すぐに戻って来るわ」

エミリア「絶対に…絶対にダメぇ！フォルトナ母様、ジュースと同じ顏してる！私を置いて…置いて行かないで！」

エミリア「もう嘘もつかない！約束も破らない！良い子になる！良い子になりますからぁ！！」

フォルトナ「エミリア…」

フォルトナ「エミリア…エミリア…」

エミリア「ぅぅー…」

エミリア「フォルトナ…母様…」

エミリア「フォルトナ母様が…私の本当の母様だったら…」

エミリア「フォルトナ母様…愛してる…」

アーチ「フォルトナ様！」

フォルトナ「アーチ…。村の皆は無事なの？」

アーチ「芳しくありません…。司教様がお連れした方々と男衆で応戦しています。このまま森にいてはいずれ見つかります。やつらの目的は…？」

フォルトナ「封印…でしょうね。どこで聞きつけてきたのか…」

フォルトナ「あの女まで…！」

フォルトナ「いいわ。とにかく私が出る」

アーチ「いいえ、俺たちが戦います！フォルトナ様はエミリアを連れて森の外へ」

フォルトナ「ここで逃げてどうなるというの！？封印が奴らの手に渡れば、今度こそ世界が滅ぶわよ！」

アーチ「…っ」

フォルトナ「ごめんなさい。私たちを匿っていらない厄介事を…」

アーチ「止めて下さい！誰が家族を疎ましく思うものか！」

フォルトナ「ごめんなさい…」

フォルトナ「エミリア。母様はこれから皆を守るために、大事なお役目に行かなくちゃいけないの。だから、ちょっとの間だけお別れね」

エミリア「嫌だよ…。母様、私…私…」

フォルトナ「お願い…いう事を聞いて。アーチと一緒に森の外へ出ていて欲しいの」

アーチ「フォルトナ様…。俺は…」

フォルトナ「アーチ。少し早いけど、貴方に守り人の使命を託すわ。どうかエミリアを連れて行って」

フォルトナ「生き辛い世界だけど、きっと希望はある。必ずあるから…」

アーチ「そんな…。俺は最後までみんなと…」

フォルトナ「エミリアを…お願い…。私と、兄さんと、姉さんの大切な娘なの」

アーチ「卑怯だ…。そんな事言われて、断れるわけがないってわかっていて…」

フォルトナ「ごめんなさい…。卑怯な私たちを許して」

フォルトナ「エミリア」

エミリア「やだぁー！母様と…母様と一緒にいるのー！お願い！お願いします！一人に…一人になるのは嫌ぁ～…」

フォルトナ「貴方は1人なんかじゃないわ」

フォルトナ「母様はいつだって貴方の傍にいる。目を瞑って、浮かぶ貴方の思いでの中に…」

フォルトナ「腕を抱いて、暖かくなる胸の中に…。声を出して、その声が届く空の下に…。ずっと母様は貴方と一緒。ずっとずっといつまでも一緒よ」

エミリア「嘘だ…嘘だ…母様の嘘つきー！ぁぁ～…」

フォルトナ「エミリア、約束」

フォルトナ「母様とエミリアは、いつまでも一緒。そのことを今、約束するわ」

エミリア「本当に？一緒にいてくれる？」

フォルトナ「ええ、本当に。母様はエミリアを…リアを、この世の誰よりも、すごーく大好き！」

エミリア「う…うん…」

エミリア「うわぁぁぁ～…。フォルトナ母様…。私も…母様が大好き…。大好きぃ～…！」

エミリア「愛してる…。フォルトナ母様を…愛してる…。すごーく大好きで…大好き…大好き…」

フォルトナ「リア、大好き…」

フォルトナ「愛しているわ…エミリア…」

エミリア「何で…どうしてこんな風になったの…？」

エミリア「私が約束破ってお部屋から出たから？」

アーチ「違う。エミリアのせいなんかじゃない。誰のせいでもないんだ！」

エミリア「じゃあどうして！どうしてお別れなの！？一人でずっとお部屋に閉じこもっていればよかった？そうしたら、誰も居なくならなくて皆一緒に…」

アーチ「エミリア…」

エミリア「私、悪い子だった？だから皆に嫌われて、一人になるの…？」

アーチ「違う…。違うよ、エミリア。誰も君を嫌ってなんかいない！世界は皆、君を祝福するためにあるんだ！」

アーチ「ぐあっ！」

アーチ「くっ…」

アーチ「黒蛇…っ！」

アーチ「病魔の坩堝『病魔の魔獣』…！」

アーチ「はぁっ！」

アーチ「ヒューマ！」

エミリア「アーチ…」

アーチ「何でも、ない。大丈夫。大丈夫だから…」

アーチ「く…」

アーチ「エミリア。あの二つの木の間の白い花が見えるかい？」

エミリア「う、うん」

アーチ「その花の方に走れるかな？」

アーチ「花を通り越して、ずっと真っすぐに…」

エミリア「走…れる…。走れるよ…？でも…」

アーチ「大丈夫…。エミリア、君は1人にはならない」

エミリア「アーチ…」

アーチ「さあ、走って！！何が聞こえても振り返らずっ！！」

アーチ「そうだ。それでいい。走って走って…。俺たちをいつも振り回すみたいに…」

アーチ「誰が…行かせるものかよ…」

アーチ「フォルトナ様…。きっとあの子は大丈夫ですよ…」

ジュース「はぁ…はぁ…はぁ…。これだけ…やっても…」

レグルス「あのさぁ…そろそろ無駄だって認めたらどうなんだよ？」

ジュース「ぐあぁああああ！」

レグルス「結局のとこさ、お前の覚悟とか決意とかその他もろもろとかそんなものなんだよ。僕だって別に可逆趣味でこんなことしてるんじゃない。お前が弱いから、いたぶるみたいになってるんだ」

パンドラ「あまり彼らの事を責めてはいけませんよ、コルニアス司教。誰よりも特別で完成された貴方は素晴らしい。そして、不完全な彼らもまた素晴らしいのです」

ジュース「うっ！」

レグルス「手間ばかりかけさせる…。本当に能無しめ」

フォルトナ「アル・ヒューマ！」

レグルス「ぐぉぉぉぉ…っ！！」

フォルトナ「ジュース！しっかり！」

ジュース「フォルトナ…様…。エミリア様は…」

フォルトナ「アーチに任せて外に逃がしたわ。貴方のおかげよ」

ジュース「それは…良かった…です」

レグルス「良くなんかないに決まってんだろ！」

フォルトナ「！」

レグルス「戻って来たと思ったら、いきなり何様のつもりなのかな？今そいつの頭を踏み潰すところだったんだよぉ！僕は！」

レグルス「何の権利があって、誰の許しがあって、僕の…僕の僕の僕の僕のぉ！邪魔をだよぉ！？」

パンドラ「お待ち下さい、コルニアス司教」

レグルス「ええ…？何です？パンドラ様？」

パンドラ「怒りを抑えて下さい。彼らをここで殺害することは許しません。あの二人を見て、どうも思わないのですか？」

レグルス「僕に、怒りを抑えろと命令したのか？」

レグルス「下手に出てればいい気になんなよっ！女がぁっ！！」

フォルトナ「嘘…」

レグルス「僕にふざけた口を利くからこうなる。僕の邪魔をするなら、僕の話を遮るな」

ジュース「フォルトナ様はどうかお逃げを…」

フォルトナ「バカな事言わないで。エミリアと別れてまで戻って来たのよ」

ジュース「何故そんな…」

フォルトナ「貴方を死なせない為。もし貴方が死ぬのなら、その傍らにいるため…」

ジュース「…」

フォルトナ「貴方がいない世界で、貴方が来なくなった森で、私に何を待てと言うの？貴方という存在のない長い時間を、弱い私は耐えられない…」

ジュース「貴方が弱いなどと…」

フォルトナ「弱いのよ…。貴方とエミリアの前で、強がっていただけで…」

レグルス「長々と僕と言う存在を無視した挙句に、盛り上がるじゃないか。上等だぁ！」

レグルス「二人まとめて分別出来ない屍にぃ～…」

パンドラ「私は待てとそう言いましたよ？コルニアス司教」

レグルス「え…」

パンドラ「貴方の暴挙も、貴方の暴言も、全てを許しましょう…」

パンドラ「既に貴方をお連れした目的は達せられました。もうお帰り頂いて結構ですよ」

レグルス「っ！」

レグルス「連れてきておいて、もう満足したから帰れって！？どこまで人をバカにすれば…！」

パンドラ「そうですか。では、私の方で…」

パンドラ「コルニアス司教が、ここにいるはずがない。彼は自分の屋敷で妻に囲まれて過ごしている」

レグルス「待っ…」

フォルトナ・ジュース「っ！！」

パンドラ「騒がしい殿方には、ご退場願いました。これでゆっくりお話ができますね」

フォルトナ「その前に一ついい？貴方はさっきバラバラになって死んだはずよね？」

パンドラ「もし…？何かの見間違いではありませんか？」

パンドラ「コルニアス司教がいないのですから、コルニアス司教の行いの結果が消えるのは変わり…」

ジュース「っ！これは…！？」

パンドラ「怠惰の魔女因子を取り込んだことまでは書き換えませんよ？私は、貴方の行いと貴方の為に戻った彼女の行いに称賛したいのです」

フォルトナ「…」

ジュース「フォルトナ様！二人で彼女を打倒するのです。今はエミリア様の為に出来る事を！！」

フォルトナ「うん…」

フォルトナ「時の揺らぎさえ白く凍え、魂に永久を強いる古の…」

フォルトナ「魔氷！！」

ジュース「我が命、我が使命、我が親愛の全てをここに！」

ジュース「この為に！！」

パンドラ「さあ、おいでなさい」

パンドラ「その覚悟の果てまで、抱いて味わ合せて下さい」

エミリア「はぁ…はぁ…、フォルトナ母様…ジュース…アーチ…。私は…私は…何か…何かしなくちゃ…」

パンドラ『鍵と封印をここに…』

エミリア「はっ…」

エミリア「封印…」

エミリア「あんなものが欲しいなら、あんなものあげちゃえばいいんだ。あれの場所に…」

エミリア「あ…でも…」

エミリア「ぅぅ…」

エミリア「！」

エミリア「妖精さん…？教えてくれてるの？そっちに行ったらあるの？母様や皆は…助けてあげられる？」

エミリア「はぁはぁはぁ…」

エミリア「私、また皆と…！」

エミリア「私、良い子でいるからぁ！！」

パンドラ「ようこそ」

パンドラ「お待ちしておりました」