【感想】 探偵はもう、死んでいる 7話 シエスタ今回も可愛い ほろ酔いシーンいいね

アリシア「それじゃあ！！」

アリシア「いくわよ！！」

アリシア「ほら！！」

アリシア「もっとびしっとする！」

君塚「お前がびしっとし過ぎなんだよ」

アリシア「え？」

君塚「え？じゃないわその格好だよ」

君塚「形から入りすぎだろ」

アリシア「でも、これシエスタさんからのお下がりだよ？」

君塚「シエスタ…お前もか…」

君塚「でも、お前本当に探偵の代行やるんだな」

アリシア「当然！！」

君塚（結局、アリシアは探偵代行としてサファイアの眼探しを受け入れ）

君塚（まずは実地調査からすることになったが…）

アリシア「というわけで！」

アリシア「しゅっぱーつ！！」

君塚「っておい！！」

アリシア「あはは！！」

アリシア「走るのって楽しいね！」

君塚「待て！」

君塚「夏の太陽みたいな笑顔で大変結構なのだが」

君塚「付き合わされる方の身にもなってくれ！」

君塚「はぁ…はぁ…はぁ…！」

君塚「あのな、アリシア！」

君塚「好奇心旺盛なのはいいが、お前は自分が何者かもわからない不思議の国の女の子なんだ」

君塚「少しは俺の言うことを聞いてくれ」

君塚「少しは俺の言うことを聞いてくれ」

アリシア「わかったわよ」

アリシア「わかったから子ども扱いしないで！」

君塚「よし、いい子だ」

君塚「じゃあ行くぞ」

アリシア「って！だからなんで手つなぐのよ！」

君塚「また自然な動作に騙されるところだった！」

君塚「ほらアリシア、横断歩道では手をあげるんだぞ」

アリシア「だから！私はもう17だって言ってるでしょ！」

アリシア「たぶん….」

アリシア「確かにそれくらいの歳だったはずなのにな」

君塚「まあ、あれだ…あんまり気にする必要はない」

アリシア「君塚！あったわよ！」

アリシア「これで解決ね」

君塚「ああ、なるほどな…」

君塚「ん！？」

君塚「待て待て！」

君塚「アレを買わせる気なのか？」

アリシア「買わないの？」

君塚「買えないの」

アリシア「君塚は貧乏なの？」

君塚「うるせえ、あれはただの宝石だ俺たちが探しているのは別物」

君塚「こう…アンダーグラウンド的な何かだ」

アリシア「アンダーグラウンド…」

アリシア「わかった！！」

君塚「わかってない！！」

君塚「絶対わかってないから！！」

君塚「止まってくれ！」

アリシア「ここで間違いないわね！」

君塚「お前の頭が間違いだらけだ」

君塚「あいつ….？」

君塚「どこ行った….？」

アリシア「おー…！」

アリシア「これ甘そう….」

君塚「馬鹿！」

君塚「お前！戻って来れなくなるぞ」

君塚「ああ、疲れる…実地調査というか」

君塚「これじゃお守りだ」

君塚「記憶喪失とわかった時は流石に同情していたが」

君塚「今やすっかり名探偵気分だ」

君塚「楽しそうだな」

アリシア「うん！楽しい！」

アリシア「久しぶりに外に出られたから！」

君塚「そうか…久しぶり…？どういうことだ？」

アリシア「え？」

アリシア「なんで久しぶりなんて思ったんだろ？」

君塚「ずっとどこかの部屋にいたとか？まさか病院とか？」

アリシア「うーん、わかんない」

アリシア「なんか考えてると頭が…」

君塚「まあ無理に思い出そうとしなくていい」

君塚「この手のケースは時間が解決してくれることもある、それにケガが治ればシエスタも…」

アリシア「あ！！」

君塚「何見てるんだ？」

アリシア「これ！」

君塚「少し違うかもな」

アリシア「そっか…違うか…」

君塚「ま、そんなすぐ見つかるもんでもないさ」

君塚「じゃあそろそろ家、戻るか…？」

君塚「ってあれ？」

君塚「なっ！」

君塚「一難去ってまた一難…忙しい日が続きそうだ」

君塚「それじゃあ、シエスタの全快を祝して」

君塚「かんぱーい！！」

君塚「まあ、もう何度目の乾杯か覚えてないけどな」

君塚「ってきり、最後の一杯くらいのノリだと思っていたんだが」

シエスタ「でも、君の好きそうなやつあるよ」

君塚「そうか、じゃあそれだけ頼んでくれ」

君塚「けどもう9時か…」

シエスタ「あ、本当だ」

君塚「シエスタ、辛いのだけはやめとけよ」

シエスタ「うん、またお腹痛くなって眠れなくなるところだった」

君塚「ほれ、どっちにしても胃薬飲んどけまだ食うだろ」

シエスタ「うん、飲んどく」

アリシア「いや…」

アリシア「阿吽の呼吸すぎて怖い」

アリシア「君塚はシエスタさんに自分のこと任せきってるし、シエスタさんは君塚の言うことだけめっちゃ素直に聞くし」

君塚「お互い自分のことより相手のこと信じてるからな」

アリシア「それってつまりバカップ…」

シエスタ「すいません、追加オーダーお願いします」

君塚「さすがは名探偵…子供相手でも容赦はない」

シエスタ「大人を馬鹿にするのが悪い」

アリシア「大人げない大人に言われたくない！」

アリシア「飲み物おかわりする」

アリシア「すいません！シンデレラください！！」

君塚「まあ、とりあえずお前の帰る場所が見つかってよかったな」

アリシア「うん！！昨日教会にいったけど凄い楽しかった！」

シエスタ「まあ、対処療法に過ぎないけどね…アリシアの身元がわかんない限り」

シエスタ「問題の根本的解決には繋がらない」

アリシア「私以外の身寄りのない子供たちがいて一緒に遊んだの」

アリシア「なんか学校みたいで嬉しかった！」

君塚「学校か…」

君塚「確か久しく通ってないよな」

シエスタ「なんで私をみるかな？」

シエスタ「クレープもたこ焼きも美味しかったでしょ？」

君塚「食べ過ぎて腹が痛くなったことしか覚えてないけどな」

君塚「なんか言いたそうだな」

シエスタ「別に…？」

君塚「まあでも…」

君塚「あのリボンは似合ってたか」

シエスタ「やたら見とれてたもんね」

君塚「見とれてねえよ、ちょっと見とれてただけだ」

シエスタ「助手、日本語」

君塚「はて？何かおかしなことを言ったか？」

アリシア「リボンいいなー」

シエスタ「じゃあ」

シエスタ「こんどあげるよ」

アリシア「ほんと？やったー！」

アリシア「私もそれつけて」

アリシア「本当の学校に通ってみたいな」

アリシア「なんてね！私は別に学校なんていいの」

アリシア「今は別にやることがあるの！」

君塚「探偵の仕事か？」

アリシア「そ！だから学校に行ってる暇なんてないの」

シエスタ「にしてはサファイアの眼はまだ見つかってないみたいだけどね」

アリシア「わ、わかってるわよ！見つけてくればいいんでしょ！」

君塚「おいおい今から行く気か？」

アリシア「君塚はついて来なくていいから！」

君塚「やれやれ…相変わらず感情ジェットコースターか」

君塚「もう外暗いぞ？お化けが出るぞ？」

アリシア「やっぱり明日の朝早く起きて出かけようかな」

アリシア「とにかく明日の朝までに絶対みつけて見せるから！」

店員さん「お待たせしました」

店員さん「シンデレラでございます」

君塚「結局、ドリンク飲まないままいったな」

シエスタ「一筋縄ではいかない子だね」

シエスタ「大変だったでしょ？この2週間」

君塚「まあな」

君塚「でも、これからどうする？アリシアのこともヘルのことも」

シエスタ「私は…乗り掛かった舟を降りたことは一度もないよ」

君塚「そうか…もうしばらくこの暮らしは継続か」

シエスタ「そうだね…2人だけの同棲生活だ」

シエスタ「何？」

君塚「いや…なんだか平和だなと思ってな」

シエスタ「感傷に浸ってる」

君塚「そんなんじゃねえよ」

君塚「おい！！これなんだ？」

君塚「まさかお前…！」

シエスタ「ただのジュースだよ」

シエスタ「今日は私のお祝いでしょ？最後まで付き合ってもらうから」

シエスタ「君は何飲む？」

君塚「いや…俺は…」

シエスタ「埋め合わせしてくれるんでしょ？」

君塚「埋め合わせ？ああ、いつかのアップルパイの話か」

シエスタ「いうこと聞いてくれるよね？」

君塚「あと、一杯だけだからな」

シエスタ「うん、約束」

シエスタ「それでね！それでね！」

シエスタ「その頃は私も小さかったからスイカの種を飲んじゃって」

シエスタ「もし胃の中に芽がでたらどうしようって不安になってね」

君塚「そうやって揺れて見えるのは単に俺が疲れてるからか…？」

君塚「後1回だけと約束して…約束して10回くらい約束した気がする」

シエスタ「助手？私の話聞いてる？」

君塚「ああ、聞いてるとも！スイカは野菜なのか果物なのかって話だろ？」

シエスタ「えへへ…じゃあさー」

シエスタ「私は八百屋さんでスイカを頼んだのにメロンが出てきたのは本当驚いたよ

君塚（さっきから話がかみ合ってないうえにつまらない話ばかり聞かされている気がするが…）

君塚（まさか…完全無欠、冷静沈着）

君塚（史上最強の名探偵が無益な話を話すわけがない）

君塚（きっと高尚な話をなさってるのだろう）

シエスタ「ねえ…」

シエスタ「さっきからなんでそんな」

シエスタ「離れてるの？」

シエスタ「こっちおいでよ」

君塚「ベッドにか？」

シエスタ「うん、こっちで一緒にお話ししよ？」

君塚「それはどうなんだ？若い男女が一緒にベッドにって」

シエスタ「だめ…？」

君塚「いや、問題ない」

シエスタ「こうして一緒に寝るのはさすがにはじめてだね」

シエスタ「凄く近くに君がいる」

シエスタ「やっぱり2日経てば忘れそうな顔だ」

君塚「それ…今言うか…？」

シエスタ「君をいじめるのは楽しいからね」

シエスタ「でも実は、君も私にいじめられるのが好きでしょ？」

君塚「妙な設定を捏造するな」

シエスタ「じゃあ、もう一生君のことをいじらないほうがいい？」

シエスタ「君に話かけないほうがいい？」

シエスタ「やっぱり面白いな君は」

君塚「うるっせえ」

シエスタ「いじけた顔は少し可愛い」

君塚「褒め言葉になっていない」

シエスタ「まあ2日経ったら忘れるんだけど」

シエスタ「でも…」

シエスタ「君と過ごしたこの3年間のことは」

シエスタ「絶対に忘れないよ」

シエスタ「ふふ、なんだか真面目な話をしてしまった気がする」

君塚「お前から真面目を取ったら何が残る」

シエスタ「酷いな..君は私をなんだと思ってるの？」

シエスタ「じゃあ、たまには…」

シエスタ「不真面目なことしてみる？」

君塚「ん….？」

君塚「死にたい…昨日の俺は一体何を考えていたんだ」

シエスタ「うう….」

君塚「お、おはよう…」

シエスタ「助手」

シエスタ「ちょっと腕を出してほしい」

君塚「落ち着けシエスタ…」

君塚「まずはそのぶっとい注射器をしまってから言ってくれ…」

シエスタ「大丈夫、痛いのは一瞬だよ」

シエスタ「この注射器には直近の記憶を消す効能があってね」

シエスタ「ほら、文化祭でトイレの花子さんを捕まえたでしょ？」

シエスタ「実はあの時と同じ成分がちょっとだけ含まれていてね」

君塚「最悪だ…しっかり効果保証されてんじゃねえか」

シエスタ「ほら…助手…腕を出して」

ピンポーン（インターホンが鳴る音）

君塚「ほら、誰か来たみたいだぞ？出なくていいのか？」

シエスタ「チッ….！」

君塚「舌打ちをするな舌打ちを！」

シエスタ「はい？」

アリシア「やたら騒がしかったけど…何してたの？」

アリシア「ミッションコンプリートよ！」

君塚「まさかあの後、本当にサファイアの眼を見つけたのか？」

アリシア「あるかどうかもわからない幻のレンズより」

アリシア「今、確かにあるあなたのその目を大切にするべきよ」

君塚「気づかれたか」

アリシア「そりゃ2週間も一緒に行動してたらね」

君塚（あの時、左目を負傷したせいで）

君塚（俺の視力はだいぶ落ちていた）

君塚（そのせいで街中でアリシアを見失うことがしばしばあった）

アリシア「ちゃんと眼帯しなきゃ治らないわよ」

君塚（どうやら俺はアリシアという人間を少し読み違えてたらしい）

君塚（喜怒哀楽を素直に表現する少女）

君塚（それはただの表層に過ぎない）

君塚（彼女の本質は…きっと…）

アリシア「これが私の答えなんだけど正解？」

君塚「そういうことなのか？」

君塚「これはシエスタが出した課題だったのか？」

シエスタ「け、計算通りだね」

君塚「いや、だから嘘下手か！」

シエスタ「遁辞とかそういうのあまり得意じゃないんだよ」

君塚「久しぶりにお前のあんな顔見たな」

シエスタ「うるさいな…そんなに気に入ったの？」

シエスタ「年下の女の子からのプレゼントが」

君塚「いや、そういう意味じゃなくてな…！」

君塚「貰ったからつけてるだけっていうか」

シエスタ「いや、ごめん違う…」

シエスタ「本当は君の目をそんな風に気遣ってあげるに至らなかった自分を恥じてるだけ」

君塚「はあ、なんだお前もちゃんと人間なんだな」

君塚「ちゃんと些末な感情に振り回される人間なんだな」

シエスタ「そっか」

君塚「シエスタ？」

シエスタ「ううん」

シエスタ「今は…まだ」

ブーーーッ！（携帯の着信）

君塚「はい、もしもし？」

風靡「よ、クソガキ」

風靡「なんとか生きてるみたいじゃねえか、国会議事堂で派手にやったらしいな」

君塚「風靡さん、それはこの間会った時にいうセリフでしょ…」

君塚「元はといえばあんたが持ってきた切り裂きジャック事件のせいで大怪我を負ったんですよ」

風靡「はぁ？いつ私達が会ったって？」

君塚「いや、2週間前ですよ！サファイアの眼がどうこうって話したじゃないですか」

風靡「いやいや、私がお前たちに会ったのはあの教会の時だけだぞ」

風靡「お前、私と誰を勘違いしてんのか？」

君塚「嘘だろ…？じゃあ、あれは？」

君塚（そうだ…彼女は）

君塚（以前俺に渡したはずのライターを持っていた）

風靡「もしもし？君塚？」

シエスタ「助手！！」

君塚「あの時の風靡さんは…まさか！」