【感想】アニメ『迷宮ブラックカンパニー』9話 コラボが唐突過ぎて笑った それにしても良い話だったなぁ

二ノ宮「人っ子一人いねえじゃねえか」

シア「いつもなら冒険者達で賑わっている場所なのですが」

シア「魔物でも現れて非難したのでしょうか」

ミルダ「そんな腰抜けがここに居るとは思えないが」

ガドイン「俺、先輩に聞いた事がある」

ガドイン「かつてとある英雄が相棒の魔導士と龍に攫われた恋人を救出に向かったんだって」

ガドイン「英雄はなんとか龍を倒したんだけど」

ガドイン「魔導士の裏切りによって牢獄に囚われてしまい恋人にも会えず」

ガドイン「息絶えてしまった」

ガドイン「それ以来この迷宮では」

ガドイン「英雄の亡霊が現れるらしい…」

クルツ「亡霊の仕業か…？」

二ノ宮「そんなわけないだろう」

ワニベ「ん？」

ワニベ「うわぁああああ！」

ワニベ「あれってぇ！？」

ガドイン「亡霊！？」

シア「いえ、装備を見る限り」

シア「ここに滞在していた冒険者でしょ」

ゾンビ1「うっ！」

ゾンビ1「ううぅ…」

ワニベ「ぇえ！？」

クルツ「嘘だろ！マジかよ！」

エルマン「うわぁー！」

エルマン「ぐっ！この、離せ！」

ゾンビ2「ぐぁあ！」

ゾンビ2「ごにょごにょ…」

エルマン「うわぁー！」

クルツ「エルマン！」

エルマン「う…うぅ…」

ワニベ「仲間になったぁ！？」

ランガ「何…？今の…」

シア「分かりません…ですが、此処にいた皆さんはアレにやられたんでしょう」

シア「追いますよね？二ノ宮さん…ん？…二ノ宮さん？」

一同「……え？」

シア「これは…？」

ワニベ「二宮君のパンツ」

クルツ「あっはっはっはっは。なんだアイツ、フルチンで逃げ回ってんのかぁ？」

リム「ふん、ふんふん…キンジの匂いがする」

シア「分かるのですか？リムさん」

リム「うむ！こっち」

リム「ここ」

シア「ここって…壁ですよ？」

リム「ふん」

リム「わっ！」

シア「隠し扉！？」

ワニベ「いや…」

ワニベ「地下への階段を幻術で隠していたんだ」

クルツ「あのパンツは二宮がヒントに置いて行ったって事か…」

シア「この先に二ノ宮さんが居る事は間違いなさそうですね」

クルツ「あれは…」

クルツ「エルマン！」

ワニベ「何やってるんだろう」

クルツ「ポーション？」

クルツ「…の密造か？」

ゾンビ3「もう嫌だぁ～！」

ゾンビ3「うぅ～！」

クルツ「まずい、こっちに来る！」

ゾンビ3「うわっ！」

ゾンビ3「うぅ…」

ワニベ「噛まれちゃうよ！？」

クルツ「いや…あれは…」

ゾンビ4「お前が…抜けたら…ラインが回らない」

ゾンビ5「辞めるなら代わりを探せ」

クルツ「何してんだ？」

ランガ「あれは呪言だね。言葉の魔法だよ」

ゾンビ3「うわぁああ～～！」

ランガ「あいつらが囁く言葉を間近で聞くと仲間になっちゃうみたい」

シア「感染するわけじゃなかったんですね」

ランガ「で…その魔力の流れは」

ランガ「あれから発生している」

ランガ「特殊な文字で書かれてて読めないけど冒険者たちの呪いを自動管理してるみたい」

クルツ「じゃあ…あれを壊せばみんな元に戻るのかな？」

ランガ「多分」

クルツ「しかしこの状況でどうやってあそこまで行ったものか…」

ランガ「う～～ん…だったら」

シア(な…なんで…)

リム「かぁ～～」

クルツ(まさかこんな方法が通用するとは！)

ランガ「術式は単純なはずだから紛れ込んで仕事しながら隙を探そう」

ゾンビ6「ポーションの調合を一滴でもミスしたら休憩は無しだ！」

クルツ(青の原液を三滴…緑の原液を三滴…)

クルツ(ひたすら同じ作業を繰り返す！これはキツイ！)

シア「なかなか持ち場を離れることが出来ませんね」

ゾンビ7「お前ぇっ！」

シア「ひっ！…な、何ですか？」

ゾンビ7「これは酷過ぎる」

ゾンビ7「全てやり直せ！」

シア「むぅ…お手洗い行ってきます！」

ゾンビ7「駄目だ！全体の作業が遅れる」

シア「無理です」

ゾンビ7「どうしてもと言うなら」

ゾンビ7「この瓶を使え」

シア「馬鹿言わないでください！」

クルツ「馬鹿野郎！そんな事したら…」

クルツ「っ！囲まれた！」

シア「こうなってしまった以上、強行突破あるのみ！」

クルツ「なに目ぇ輝かせてんだよぉ！」

エルマン「ぉお…」

ミルダ「エルマン！」

クルツ「こんな大量のゾンビどう相手すんだよ！」

ワニベ「僕が盾になるよ！」

ワニベ「僕だって良いところ見せたいんだ！」

クルツ「分かったよ…ランガ、お前が一番身軽だ」

クルツ「あのよく分からんアレ、壊してくれ！」

ランガ「オッケー」

シア「行きましょう！」

クルツ「行くぞ！」

ミルダ「はぁぁぁ！」

ガドイン「うおぉおお！」

シア「はぁぁああああああ！」

シア「せいっ！」

エルマン「あぁああ…」

シア「ふんっ！」

エルマン「うが…」

ガドイン「このっ！」

ガドイン「今だ！」

ミルダ「ふっ！」

ミルダ「来い！」

ランガ「はい！」

ランガ「えぇ～～～～い！」

ランガ「やった！」

社畜1「なんだ…此処は」

社畜2「俺達は一体…」

社畜3「すげぇダルい…」

シア「上手く術が解けた様ですね」

リム「ふあぁ～～～」

リム「くんくん」

エルマン「い…ててて…左脇腹が異常に痛い」

シア「な！…コホン」

ワニベ「あれ…二ノ宮君は？」

ランガ「もう誰も居ないよ？」

シア「似たような場所が他にもあるんでしょうか」

リム「キンジの匂い、こっちから」

ランガ「リムちゃん二ノ宮君とはどんな関係なの？」

リム「う～～～ん…」

リム「前はエサ」

ランガ「えっ！エサ！？」

リム「変わった味がしそうだったから。でも今は一緒にいると楽しい」

ランガ「そうなんだ」

ランガ「僕もご先祖様に一泡吹かせたくてここまで来たけど、何のかんので二ノ宮君達と居るのが楽しいんだぁ」

ワニベ「楽しい…かぁ」

シア(確かに二ノ宮さんは荒唐無稽で自分勝手な守銭奴ですが、一緒に居ると…)

シア「あの向こうに二ノ宮さんが？」

リム「ふんふん…間違いない」

シア「二ノ宮さん、仕方無いんで今助け出してあげます」

シア「でやぁあ～～！」

シア「二ノ宮さん！」

二ノ宮「だーかーらぁ！もっと怨念を滾らせろ！」

魔導士「すみません！」

二ノ宮「何度言ったら分かるんだ！」

魔導士「すみませぇ～ん！」

シア「あの…二ノ宮さん？」

二ノ宮「あ？」

二ノ宮「なんだお前ら、来たのか」

シア「来たのかって…攫われたんじゃないんですかぁ！？」

二ノ宮「あ、そうだなぁ。確かに攫われた」

二ノ宮「お前らがゾンビに」

二ノ宮「襲われた時に」

二ノ宮「壁に吸い込まれて」

二ノ宮「こいつにな！」

魔導士「痛ぁっ！」

シア「その人は？」

二ノ宮「あの昔話に出てくる魔導師様の亡霊だよ」

シア「ぇええっ！」

ワニベ「魔導士に陥れられた英雄じゃなくて？」

魔導士「はぁ」

ワニベ「その魔導士さんがなんでこんな事を？」

魔導士「それは話すと長くなるんですが…」

二ノ宮「簡潔に話せ！」

魔導士「もう何百年も前でしょうか。私、英雄とか呼ばれている剣士とコンビを組んでいたのですが」

魔導士「そいつがまた凄まじく横暴なヤツだったんです」

魔導士「ある日彼が龍に攫われた娘さんを救出する依頼を勝手に受けてしまったので」

魔導士「私は死にそうになりながらも龍を討伐。すると全く戦わず高みの見物をしていた彼が言ったのです」

？「娘ちゃんに粉かけちゃったぁ。お前とのコンビ解消して」

？「娘ちゃんにチェンジもアリだなぁ」

魔導士「長年尽くしてきた仲間への裏切りの言葉を聞き」

魔導士「憤慨した私は結界魔法で彼をこの迷宮に閉じ込めました」

ワニベ「そこが昔話に繋がるんだ」

魔導士「しかし彼は結界を強引に解き…」

魔導士「私は逆に裏切り者のレッテル貼られました。そして社会的信用を失った私は」

魔導士「奴隷同然の扱いでこの迷宮で働かされ」

魔導士「世の全てを憎みながら」

魔導士「過労で死んだのです」

二ノ宮「んで、成仏できずにいたところ迷宮内で亡霊として復活を遂げたそうだ」

魔導士「せっかく復活したので生前の苦しみを人間に味わわせてやりました」

ワニベ「へぇ～、それでなんで二ノ宮君が攫われるの？」

魔導士「醸し出す雰囲気が理不尽な彼と似ている人がやって来たので…」

魔導士「ついカッとなり直接洗脳してやろうと」

二ノ宮「お前みたいな意志薄弱なヤツに洗脳される俺ではないわ！」

ワニベ「魔導士さんも災難だったね」

魔導士「いえ、実は私先ほどまでの二ノ宮さんのレクチャーで決心がついたんです」

ワニベ「え？」

魔導士「ふっふふふ」

魔導士「ふふふふふはっはっはっは」

魔導士「私、外の世界に打って出ます。そして…」

魔導士「世の中全てに限界まで働かされる奴隷の苦しみを味わわせてやるのです！」

魔導士「はっはっはっはっはっは」

シア「これはマズいですよ」

ワニベ「でも…えっと…」

ワニベ「会社の奴隷…社畜ってもう世に蔓延ってるよね…」

魔導士「え？」

ワニベ「あ…」

二ノ宮「言ってやるなよ…」

魔導士「あのう…どういう事ですか？」

二ノ宮「つまりだなぁ」

二ノ宮「お前が打って出ずとも世の中は奴隷同然でコキ使われ限界まで働かされる」

二ノ宮「社畜でいっぱいになっているんだ！」

魔導士「そ、そうだったんだ…」

魔導士「私が手を下さずとも世界は駄目な方向に転がっていたんですね？」

魔導士「だったら…もう思い残す事はありません」

魔導士「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」

魔導士「そして二ノ宮さん」

魔導士「貴方と過ごした最後のひと時、楽しかったです」

魔導士「ありがとうございます」

二ノ宮「ふっ」

ランガ「これで解決だね」

ワニベ(闇が深い話だったなぁ…)

二ノ宮「なんだ？」

シア「なんでもありません！」

ランガ「寂しかったよぉ、二ノ宮くぅん」

リム「キンジー！」

リム「おなかすいた～」

二ノ宮「何のかんので」

二ノ宮「上手くまとまったパーティじゃねぇか」

シンディ「なな…なんてこった…今週の売り上げは大赤字」

シンディ「こんなんじゃまた本部にどやされてちまうだ…」

シンディ「もぉ～！それもこれも全部怨霊魔導士とかいうヤツが好き勝手やりおったせいじゃぁ～！」

シンディ「お陰でお客さん気味悪がってだぁ～れも寄り付かん様になってもうたぁ～」

シンディ「やっぱりウチには商売の才能が無かとやろかぁ～」

二ノ宮「おぉい、店主ぅーー！」

シンディ「は、はい。いらっしゃいま…」

二ノ宮「どうなってんだ！お前とこの商品！」

二ノ宮「見ろこの解れ！」

二ノ宮「明らかに不良品じゃねぇかぁ！」

シンディ(うわぁ…クレーマーさんだべぇ)

シンディ「申し訳ございません！すぐにお取替え致します！」

二ノ宮「交換じゃねぇ…」

二ノ宮「誠意を見せろと言ってんだ」

シンディ「一体どうすれば…」

二ノ宮「まけろ！途方も無く！」

シンディ「そうは申されましてもそちらの商品は販売時にかなりの値引きをさせて頂きましたので…」

二ノ宮「だったら不良品を引き取ったという事でタダにしてくれ」

シンディ「さすがに無償というわけには…」

二ノ宮「なんだとぉ！？俺がここまで頭を下げてんのにダメだって言うのかよ…」

シア「ちょっと」

シア「二ノ宮さん！」

二ノ宮「いって！」

シア「滅茶苦茶なクレームは迷惑です」

シア「ごめんなさい店員さん」

シンディ「いえいえ～」

二ノ宮「勝手に話を終わらせるな！」

二ノ宮「これから危険の中に飛び込もうってのに俺達は大した資金も装備もねぇんだ！良い人 気取って死んでも良いってのかよ！」

シア「そ…それは…」

二ノ宮「なぁ？どうせお前もライザッハに搾り取られてる雇われ店長なんだろう？」

シンディ「え？」

二ノ宮「良いじゃねぇか一個ぐらい。不良品が混じってましたとかで返品しちまえば」

二ノ宮「こんな店の看板、さして大事に思っているわけでもなかろうに」

シンディ「違います」

二ノ宮「あ？」

シンディ「確かに今はしょぼくれとるかもしれんけど…この店は父ちゃんが残してくれた大事な店だ」

シンディ「ライザッハさんに店の権利を買われてしまってキツいノルマをクリアしながら働かにゃならんのはしんどい…だども！」

シンディ「ウチはいつかこの店を買い戻す」

シンディ「この店は私の生き甲斐なんじゃぁ～！」

二ノ宮「ふっ」

二ノ宮「そういう気概は嫌いじゃない。目標や目的ってのは自分の為にあるべきだ。そこを勘違いして与えられた物で満足する様なヤツには反吐が出る。お前は正しい」

シア(相変わらず敵か味方かでの二極化が激しい人ですね)

二ノ宮「本来ならこの俺、二ノ宮キンジが誰かの面倒を見るなど滅多に無いのだが今回は特別だ」

シンディ「？」

二ノ宮「俺はこの店を客で溢れかえらせてやろう」

シンディ「！？」

二ノ宮「その代わり、成功した暁にはこの店で一番良い装備を超従業員価格で買わせてもらう」

二ノ宮「一緒に仲良く反逆しようぜ」

二ノ宮「早速だがシンディ、この店のウリになりそうなものはあるか？」

シンディ「うーん…そっただまな…」

二ノ宮「なんでも良い。売れずに残っている物でもなぁ」

シンディ「…だったら！」

シア「滅茶苦茶見覚えのある商品ですね」

シンディ「先日の亡霊魔導師騒動でみんなが作らされとったポーションだぁ」

シンディ「会社に無理やり買い取らされてなぁ。数だけなら相当なもんだべぇ」

シンディ「だどもあまり質の良いもんではないから売るにしても二束三文だべなぁ」

二ノ宮「いいや…」

二ノ宮「ウリが無ければ作れば良いだけの事だ」

冒険者1「こいつら手強いぞ！」

冒険者2「気を付けろ！」

冒険者2「ひぃ～～！」

クルツ「はぁ～！」

冒険者2「ぉお～」

クルツ「無事か？」

冒険者2「あ、あんた達は？」

クルツ「ただの通りすがりの冒険者だ」

リム「シュタッ」

クルツ「ここは俺達に任せて下がっていろ」

リム「キラーン」

クルツ「と、その前に」

クルツ「漲ってきたぁ～～！」

リム「きたぁ～～！」

クルツ「戦闘時の栄養補給 デッドカウ！」

クルツ「だぁあ～～！」

リム「だぁあ～～！」

クルツ「ふっ！」

リム「ちぃ～ん！」

冒険者2「つえぇ～」

冒険者1「なんだ？さっきの飲み物は…ポーションか？」

エルマン「あれはデッドカウさ」

冒険者1「え？」

冒険者2「誰？」

エルマン「濃縮されたマナ1000㎎配合。戦う冒険者に捧げる新感覚ポーション。それが、デッドカウ」

冒険者1「おぉ～！」

冒険者2「デ…デッドカウ！」

ランガ「こんにちはぁ～」

ランガ「あともう一歩頑張り抜きたい時の、デッドカウ」

ミルダ「今なら無料で配っている」

冒険者2「無料！？」

冒険者「だったら貰おう！」

ランガ「はぁ～い！どうぞどうぞぉ」

ミルダ「取り扱いは地下三階、冒険者の砦内シンディ商店で行っている」

ランガ「気に入って頂けたらぁ、ご検討くださぁ～い」

シア「ください…」

総統「んあー 夜勤明けでクタクタじゃ」

吉田くん「今日は世界征服頑張れそうにありません」

レオナルド博士「だったらこれだ」

レオナルド博士「デッドカウ」

総統「んぐんぐんぐ」　吉田くん「んぐんぐんぐ」

総統「！」　吉田くん「！」

吉田くん「わっはー 元気三億倍！」

総統「漲ってきたぁ～！」

勇者「これなら168時間戦える！」

じいさん「翼と永久歯がもう一回生えてきたぁ！」

男「ヘソからビームが撃てる様になりました！！」

吉田くん「死んだお婆ちゃんも生き返ったー！」

総統「やったぁー！」

吉田くん「一瓶3万キロメートル デッドカウ」

総統「お求めはシンディ商店で！」

ランガ「はぁ～い！ありがとうございまぁ～す」

シンディ「お客さんがあんなにいっぱい…」

シンディ「デッドカウ、そったらもんよく思い付くな」

二ノ宮「大事なのはイメージだ。自己満足の背中を押してやることが重要だ」

シンディ「なるほどなー」

二ノ宮「それに加えて軽い中毒性も持たせてある」

二ノ宮「一度服用すればロングランヒットして廃れる事の無い完璧な商品だ」

シンディ「はー…ん？中毒？」

シンディ「中毒ってこれ駄目な飲み物なん…」

二ノ宮「声が大きい！」

二ノ宮「中毒性と言ってもコーヒーよりも少し強い程度だ。問題無い！」

二ノ宮「いいかシンディ、みんな嬉しそうにこの商品を買って行ってるぜ。お前が見たかったのはこういう光景だろ？」

シンディ「う…うん…」

二ノ宮「こうして俺達の店を盛り上げてくれるお客様は神様だ」

シンディ「お客さんが神さん…そっただ事考えた事も無かったけんども…」

シンディ「そうだな。そういうもんかもしれん」

二ノ宮「ただぁ…」

二ノ宮「俺より優れた神など居ないがなぁ！」

二ノ宮「ふっふふふふふふふふ」

二ノ宮「いっはっはっはっはっは」

二ノ宮「ひゃーっはっはっはー！」

二ノ宮「ひゃっひゃっひゃっひゃひゃひゃ！」

社員「本日をもってデッドカウの取り扱いを禁止とする」

シンディ「な、なな、なんでだべぇ？」

社員「デッドカウからは本社の基準値を遥かに超える」

社員「催眠効果が確認されたのだ」

シア「はぁ…」

二ノ宮「手早い商品の拡散を狙って仕上げに混乱草を使っていたのがバレたか…」

二ノ宮「デッドカウの原料になったポーションは魔導士の亡霊が此処の連中を操って作らせていた物だ」

二ノ宮「その魔力の残滓が残っていたのではないか？ぁあああん！？」

シア(また適当な事を…)

二ノ宮「意図的ではなく会社の損失の事を考えやむを得ず使用したんだ」

ワニベ(わぁ～！大嘘出たぁ～！)

社員「しかし規定違反である事には変わりはない。本部で説明してもらおう」

二ノ宮(こうなったら仕方ねぇ)

二ノ宮「シンディ、どうやら俺達が手伝えるのはここまでのようだ」

シンディ「！？」

二ノ宮「実は俺達には果たさなければならない重大な使命がある」

二ノ宮「後の事はお前に一任したい」

シア(はぁあ～～～！)

ワニベ(逃げる気だぁ～！)

シンディ「でっ、でも…」

二ノ宮「魔導士の絡んでいない素材で作ったデッドカウなら販売可能だ」

二ノ宮「きっと…きっと店を大きくするんだぞ」

二ノ宮「頑張れ！」

シンディ「…はい」

二ノ宮「という訳だ！さっさと準備しろ！出発だぁ～！」

シンディ「問題を解決して颯爽と去って行くなんて…」

シンディ「なんて素敵なお方だべぇ！」

シア「ちょっと二ノ宮さん！」

シア「急に逃げるなんて人としてどうなんですか！？ちゃんと彼女を助け…」

二ノ宮「あいつはちゃんと成長できるヤツだ」

シア「う…」

二ノ宮「いつまでも傍に居てあいつの考える機会を奪い続ける方がよっぽど罪だろう」

二ノ宮「ま、戻った時にまだグズグズしている様なら喝を入れるくらいはしてやるさ」

シア「この間の魔導士といい今回の事といい、まったく…素直に人助け出来ない人ですねぇ」

二ノ宮「此処が地下四階…」

二ノ宮「信じられねぇ…此処は本当に迷宮の中なのか？」