【感想】 リゼロ2期 12話(37話) ありうべからざる今を見ろ 世界がスバルに対して辛すぎる……

スバル「うっ…！」

スバル「……」

エミリア「ぅ…ぅ…」

スバル「俺が傍にいなけりゃ、ああなる…」

スバル「何が悲しい顔をさせたくない…だ」

スバル「エミリア、大丈夫か？」

エミリア「ぁ…」

スバル（エミリアを、聖域を、屋敷を救う…。誰もかれも救ってみせる）

スバル（俺の命に懸けて…）

ラム「お加減は大丈夫ですか？」

エミリア「うん、スバルがいてくれたからかな」

スバル（一番の問題はロズワールだ。奴は俺がループしている事を知っていた。その条件が死ぬ事だとは知らないまでも…）

スバル（ロズワールが、叡智の書に従っているのは間違いない。記述との食い違いを許さず、俺のループを利用してやり直しさえも厭わない。何がアイツをそこまでさせている？）

スバル（俺は…）

ロズワール『そうすれば、君も私みたいになれるさ…』

スバル（お前みたいにはならない。絶対に…！）

スバル（だからまた…。お前を頼ってもいいか？）

スバル（確かめたい事、一緒に悩んで欲しい事が山ほどあるんだ）

スバル「俺を呼んでくれ！エキドナ！」

スバル「命なら何度でも投げ出す。プライドだって…何だって捧げる！だから頼む！エキドナ！」

スバル「俺を…！」

スバル「う…」

スバル「ぁ…」

『ありうべからざる今を見ろ…』

エミリア「……き…嘘つき」

エミリア「嘘つき…嘘つき…嘘つき…嘘つき！」 

スバル（何だ？これは…） 

ヴィルヘルム「エミリア様！」

エミリア「スバル！スバル！」

ヴィルヘルム「フェリス、早く来い！火急だ！急げ！」 

スバル（知らない。こんな光景…。俺は知らない。知るはずがない）

スバル（やめろ。無駄だ。そいつはもう死んでるんだ）

ヴィルヘルム「逝かせぬ。こんな形で恩人を逝かせる事などあってたまるか」

フェリス「こんな時に何でこんな…。ふざけないで…。ふざけないでよ！」

スバル（やめろ…やめろ…やめろやめろやめろやめろ！）

フェリス「もうお仕舞だよ。魂がどこにも残ってない」

ヴィルヘルム「なぜ？なぜなのだ…？」

ヴィルヘルム「なぜこうも容易く…。スバル殿、貴方は…」 

フェリス「弱虫。腰抜け。大切な人みーんな置き去りじゃない。辛いのも苦しいのも、全部みんなに押し付けて…」

エミリア「言ったの…。私に好きって言ってくれたのに…」

スバル「…っ！」

スバル「今のは…。うっ…」

スバル「おえぇ…」

スバル「俺が…死んだ後の世界…」

スバル「まさか試練…？過去じゃなく、二つ目の…」

『ありうべからざる今を見ろ』 

スバル「う…」

ユリウス「…！」

エミリア「ス…バル…」

ユリウス「エミリア様…」

ユリウス「彼を…スバルの顔を拭ってやって下さい…」 

エミリア「……」

エミリア「どうして…スバルは何でこんな…。どうしてスバルはこんなになっても…」

エミリア「私を助けに…。ねぇ、どうしてだったの…？」

ユリウス「私はもっと…君と言葉を交わしたかったよ。ナツキ・スバル…」

ユリウス「私は君を、友と呼びたかった…」

スバル「ぅ！」

スバル「ぁぁ…！アァー！アァー！！」

スバル「やめ…てくれ…！はぁはぁ…、もう…」

スバル「やめて…くれ！」

スバル「！」

『ありうべからざる今を見ろ』

ラム「最後の最後まで、わけのわからない事を言い続けて…」

ラム「チッ…」

ラム「これも全て貴方の予定通りですか？ベアトリス様」

ベアトリス「どうして…。お前がその人じゃない事ぐらいわかって…」

ベアトリス「でも…」

ラム「はぁ…、何が『大好き』…」

ラム「本当に…救えない話だわ」

『ありうべからざる今を見ろ』

パック「やはり君か…」

ラインハルト「エミリア様もスバルも、もうどこにもいないのですね…」

パック「リアは眠った、永久に。あの子のいない世界に僕は存在したくない。故に、契約に従って僕は世界を凍土に染める」

パック「この身も…、あの男も同罪だ」

ラインハルト「それが、この世界を滅ぼさんとする理由…ですか？」

ラインハルト「これ以上の被害は、防がせて頂きます」

ラインハルト「恨むならこの僕を…」 

パック「恨みはしないさ、ラインハルト。君は…お前は英雄だよ。英雄にしかなれない」

『ありうべからざる今を見ろ』

エルザ「これでもうお仕舞。随分とやりがいの無いお仕事だったわ」

『ありうべからざる今を見ろ』

レム「レムは状況の悪化を防いだだけです」

レム「スバル君は、既に救える見込みのない状況でした。一刻も早く…」

『ありうべからざる今を見ろ』

『ありうべからざる今を見ろ』

『ありうべからざる今を見ろ』

『ありうべからざる今を見ろ』

『ありうべからざる今を見ろ』

『ありうべからざる今を見ろ』

『ありうべからざる今を見ろ』

スバル「……」

『もう…立てなくなってしまいましたか？スバル君』

スバル「嘘だ…」 

レム「嘘じゃありません。スバル君が望んでくれるなら、いつだって傍にいます」

スバル「レム…」 

レム「はい。スバル君のレムです」

スバル「レム…！」

レム「はい、レムです。スバル君専属の万能お役立ちメイドですよ」

スバル「お前…」 

レム「大丈夫ですか？疲れてしまいましたか？」 

スバル「どうだろ…。俺は疲れてんのかな…？まだ何もやり遂げてないのに」

スバル「俺がもっと強くて、もっと賢くて、もっともっとやれる男なら、皆あんな風に苦しんだり、辛い思いをしなくて済んだんだ」

レム「スバル君…」

スバル「俺が死んだ後も世界が続いてたんなら、俺は何回皆を見殺しにしたんだ…！」

レム「スバル君…」

スバル「俺は何回お前を死なせた？俺は何回お前を殺せばいいんだ？」

レム「スバル君」

スバル「え…」

レム「大丈夫ですよ。愛しています…。愛しています、スバル君。だから、全部大丈夫なんですよ」 

スバル「答えに…なってねぇよ…」 

レム「なってますよ…。こうしてレムはスバル君を抱きしめている事が、全部の答えです」

レム「大変だったんですね、スバル君。一人でこんな傷ついて…。でも、もうこんな悲しい思いばかりしなくて大丈夫ですよ」

レム「スバル君の思い、レムが代わります。何もかも全部、レムに預けて、今はゆっくり休んで…」

レム「眠ってしまっていいんです」 

スバル「レム…」

レム『諦めるのは簡単です。でも、スバル君には似合わない！』

スバル「お前、誰だ…？」 

レム「え？」

 スバル「お前は誰だって、そう聞いてんだよ」

レム「ス、スバル君？何を…」

スバル「俺がどうしようもない鈍づまりにいて、膝を抱えてうじうじと悩み続けてる時、お前ならきっと優しく寄り添ってくれると思ったよ。そして、お前は俺の弱音を聞いて、泣き言を吐き出させて、涙も枯れる位まで絞り出させて…」

スバル「さあ、立って下さい。って、そう言うんだ！」

スバル「もう休んで下さい、なんて言わない。諦めて全部レムに任せて下さい、なんて言わない」

スバル「俺を好きで、俺も好きで、俺に優しくて、俺を愛してくれて、世界で誰より俺に厳しくて」

スバル「俺に甘くない女がレムだからだっ！」

レム「違います。聞いてください、スバル君。レムはただ苦しむスバル君を…」

スバル「弱いとこも見せる。脆い所だって見せる。でも、諦めるとこだけは見せねぇ！」

レム『スバル君はレムの英雄なんです』

スバル「出て行けよ、まがい物」

スバル「俺のレムの顔で、声で、俺を甘やかすんじゃねぇ！」

レム「き…聞いてた話と…違う…よ？」

スバル「？」

スバル「お前は誰なんだ？」 

カーミラ「カ…カーミラだよ…。し…色欲の魔女の…。は…初めまして…」

スバル「この訳のわからない空間は、エキドナの夢か？」

カーミラ「え…？」

スバル「さっきのは何のつもりだ？」 

カーミラ「さっきの…？」

スバル「レムの姿で俺の前に立った事だよ！あれがお前の能力か！？」 

カーミラ「ち…違うよ…。わ…私が別の誰かに見えたなら、それは…貴方がそう見たがってたから…」

カーミラ「わ…私は嫌だったのに、エキドナちゃんが…あ…甘やかせばいいって…」 

スバル「やっぱりエキドナの仕業なのか！！」

エキドナ『それ以上は命に関わるよ？』

スバル「ぅ…が…」

スバル「はぁ…はぁ…」 

エキドナ「カーミラの無貌の花嫁は、相対していると呼吸を忘れさせる」

エキドナ「最後には、心臓の鼓動さえもね」

スバル「何を…企んでやがったんだ、エキドナ」 

エキドナ「決まってるだろ？魔女なんだ、悪だくみだよ？」 

スバル「何であんな真似を…」

エキドナ「あれが一番効率的な手段だったから…だよ？あのまま放置すれば、試練で君の心は擦り切れてしまっていたからね」 

スバル「俺を救う為だったって言うのか？」

エキドナ「結果的に、君の心を傷つけた事は言い訳できない。罵倒も甘んじて受けよう」

エミリア「ふっ…」

エキドナ「君が今、最も知りたい事はわかっている。試練の説明をしよう」

エキドナ「第一の試練同様に、第二の試練もまた君の記憶から再現された世界。どこまでもよく出来た非現実だよ」

スバル「あ、それなら…」

エキドナ「ただし、君の死に戻りは嫉妬の魔女の権能だ。第二の試練で君が見たような事が現実にあったのかどうかも、彼女のみぞ知ると言ったところだ」

スバル「じゃあ、あれは全部現実に起きた事だったかもしれないって言うのか？」 

エキドナ「あくまで可能性の話だよ。救えなかったかもしれない多くを数えるより、君は君が救えた多くを数えるべきだ」 

スバル「そんなありきたりな精神論…」

エキドナ「ここに至るまで、君が君なりの全力で全霊で生き抜いてきた事を、僕は知っている。君がこれまで歩いてきた道のりに無駄な事なんて一つもなかった。君は君の出来る全てで、命懸けで、この瞬間まで歩いてきた…」

エキドナ「それは、誇るべき事なんだ」

スバル「お前はどうして、そんなに俺をどうにかしようとしてくれるんだ？」

エキドナ「それは…女の子の口から言わせるのは、少し意地悪が過ぎるじゃないかな？」

エキドナ「おほん…」

エキドナ「契約を僕と交わしてくれないだろうか？ナツキ・スバル」

スバル「契約…」 

エキドナ「そう。強欲の魔女との正式な契約。それを君と僕で交わさないか？」 

スバル「交わしたとして、何がある？」

エキドナ「単純な話だよ。今後、君がどうしようもない障害にぶつかった時、君が自分の罪に潰されそうな時、僕がそれを支えよう」

エキドナ「僕は知識量には自信がある。大概の問題には対処法を用意できるはずだし、何より君の死に戻りを僕は共有できる」 

スバル「何だそれ？お前まさか、契約のセールスポイントを教えてくれてるのか？」

エキドナ「メリットを話しておくのは、当然だと思うけどね。少しでも君の心が契約に傾けば儲けものさ。計算だよ」

スバル「はぁ…」

スバル「それも…いいのかもしれないな…」

エキドナ「という事は！」 

スバル「え！？」

エキドナ「あ…いや…。あぁ、君がどーしてもって言うなら、そういう契約を結んでも…」 

スバル「取り繕っても今更おせぇ！」

スバル「つか、契約ってのはどうやって結ぶもんなんだ？」 

エキドナ「正式な契約を結ぶなら、僕と君との間に魂の繋がりを結ぶんだ」

エキドナ「まずはこうして、互いの掌を…」

スバル「…」

スバル「はぁ…」

ミネルヴァ「その契約…」

ミネルヴァ「待ったをかけるわ！」

スバル「憤怒の魔女…？」 

ミネルヴァ「私は認めない」

エキドナ「君も彼が目当て。やきもちなのかな？」

ミネルヴァ「茶化すのは止めなさい。私、激怒してるから！憤慨してるから！怒髪天を衝く勢いなんだからっ！！」

スバル「なんでアイツがここにいるんだよ？他の魔女を出現させるには、お前と入れ替わらなきゃ駄目なんじゃなかったのか？」

ミネルヴァ「それは嘘よ。そういう理由もない悪ふざけをする性悪なのよ、この子！」

エキドナ「あんまりポンポンと他の魔女を出して、君を誰かに取られたら嫌じゃないか」

ミネルヴァ「アンタも本来、エキドナの口車に乗せられそうになるの止めてよ！イラッとする！だいたい契約した場合の不都合な事は…」

ミネルヴァ「何も！」

ミネルヴァ「聞いて！」

ミネルヴァ「ないでしょ！？」

スバル「待て！不都合って？」 

エキドナ「契約に必要な対価の事だよ。それを不都合と呼ぶのは、少し大袈裟だと思うけどね」

スバル「なら、お前は俺に何を求める？俺が差し出す対価は何だ？」 

エキドナ「簡単な事だよ」

エキドナ「君が感じた事を、君が思った事を、君の心に残るものを、君が知る未来を、君が成す何かを、君から生まれる可能性を、君という存在から派生して行く未知という名の果実を…」

エキドナ「僕に味わわせて欲しい」

カーミラ「ぜ…全部本当だけど、ぜ…全部言ったわけじゃない…よ？」 

スバル「色欲の魔女…」

カーミラ「エ…エキドナちゃん、嘘は言って…ないけど、隠してる事…いっぱいだよ？」

エキドナ「彼女らの言葉に耳を貸すのは止めてくれ、ナツキ・スバル。君が僕と契約した暁には、僕は必ずや、君を君の望む未来へと連れて行く…」

？？？「『最後には…』って枕詞が必ず付いてくる約束さね」

スバル「今度は誰だよ！？」 

セクメト「怠惰の魔女 セクメトさね。はぁ…一応名乗ってはおくけどね。ふぅ…」 

スバル「お前が六人目の…」

セクメト「アタシは、あくまでこの場の公平性を保つためのお目付役さね。ふぅ…。ただ、あの子らの義理は果たす。はぁ…」

テュフォン「おー！バルきたー？…って全員いるのかー？珍しいなー」

ダフネ「わー！お茶会も久しぶりですよねー？ダフネもー、呼んでくださいよー」

スバル「次から次へと何なんだ、お前ら…。俺をどうしたいんだよ！」 

セクメト「言ったはずさね。はぁ…」

セクメト「『最後には…』って枕詞が付く約束だってね。ふぅ…」

スバル「最後には…」

スバル「エキドナ」

スバル「お前は、必ず俺を最善の未来に連れて行くって言ったよな？」 

エキドナ「ああ、言ったとも。事実だ」 

スバル「お前の協力で最善の未来にたどり着くのは…」

スバル「『最善の道』を通ってか？」

エキドナ「……」

スバル「何で無言だ…？答えてくれ！エキドナ！」

スバル「答えろよ！強欲の魔女！」

エキドナ「ふっ…望む未来を掴むためなら、その道のりで出る犠牲は許容する。それが君の覚悟ではなかったのかな？ナツキ・スバル」

スバル「え…。待て待て待て待て待て！」

エキドナ「いーや、待たない。君こそもっと知るべきだ。考えても見てくれ」

エキドナ「君が持つ死に戻り。それは凄まじい権能だ。その真の有用さは君は理解できていない。自分の望む結果に至るまで、幾度でも世界をやり直せる。それは探究者にとって、究極の理想の体現だ」

エキドナ「無論、僕は君に死に戻りを強要したりしない。君は君の望む結果の為にその力を使う。僕もまた君の望みを叶えるために存分に知恵を貸そう」

エキドナ「その過程で生まれる様々な結果こそ、僕の好奇心を満たす事に大いに貢献してくれる事を期待する」

エキドナ「共に同じ問題に悩み、あがき答えを出す。僕たちはそのための最高の関係になれる」

エキドナ「僕は君の力を利用し、君も僕を最善の未来のために利用して欲しい。君を好ましく思って、君の力になりたい乙女心は事実なんだ。都合のいい女として扱われるのも本望さ。君が望むなら慰めに僕の体を使ってくれて構わない」

エキドナ「喜んで捧げるよ」

エキドナ「君が進むための力を僕は言葉で与えよう。慰めも発破も愛でもいい。あるいは憎悪でも。僕は君に尽くすよ。尽くせる」

エキドナ「尽くす女の子は好きだろ？」

エキドナ「君には僕が必要なんだ。僕の好奇心は、もはや君無しでは満たされない」

エキドナ「君が誰かを救う為に力を使うなら、僕も救って欲しい。僕は、僕の強欲を抑制できない」

エキドナ「どんな事があっても、必ず僕は君を君の望む未来へ連れて行く。絶対に…絶対にだ」

エキドナ「その先に聖域の開放がある。聖域に囚われた君の思い人も、大切な人々も救い出せる」

エキドナ「その為に僕を奪って、利用して、好き放題にこの強欲を荒らして、未来を掴みに行こう。僕が君に望む君に求める。そして代わりに差し出せるものはそれが全てだ。 僕は全てを、本当に全てを赤裸々に伝えた。情熱的にこれは愛の誓いかもしれない。愛の誓いだ。その僕の愛に君はどう応じる？答えて欲しい」

エキドナ「それもまた僕の好奇心を満たす答えの一つだからね」

スバル「エキドナ…」 

エキドナ「なんだい？」 

スバル「お前は俺を利用するのか？」 

エキドナ「するよ？君も僕をそうするといい。そのための契約だ。君を手放さない為の手段であると、それを責めるなら甘んじて受けるとも。事実だからね」 

スバル「考えない訳じゃなかったさ。お前が１００％善意じゃないってぐらい…。でも…」

スバル「いくらなんでもそれはねぇだろよ」

エキドナ「君が…何を問題にしているのかよくわからないな」

スバル「お前の態度は全部幼稚で薄っぺらい。何もかも上っ面なんだ。笑う時も怒った時すら。お前の態度は…」

スバル「エキドナ、お前は他人の感情が理解できない奴なんだ」 

エキドナ「……」

スバル「ここも怒っていい場面なんだぜ…」 

エキドナ「なるほど。勉強になったよ。次の機会があれば…」

エキドナ「そうさせて貰おう」

エキドナ「まずは座らないかい？契約についてもう少しすり合わせたい」

スバル「一つだけ…。お前に会えたら聞きたい事があったのを思い出した」 

エキドナ「ん、なんだろうね？」

スバル「その答えが聞けたら、俺は選べそうな気がするんだ

スバル「ベアトリスを知ってるよな？」

エキドナ「知っているよ？あの子の生まれに僕は深く関わっているからね」 

スバル「ベアトリスは、契約で『その人』が来るのをずっと待ってる。その契約はお前と結んだもんのはずだ」

エキドナ「確かに。禁書庫を守り。迎えを待つように命じたのは僕だね」 

スバル「なら…『その人』ってのは誰だ？どうすりゃアイツを開放してやれる？」

エキドナ「さぁ？いったい誰なんだろうね？」

スバル「なっ…。はぁ…？お前もベアトリスの待ち人が誰なのか知らないって言うのか！」

エキドナ「僕は知らない」

スバル「なんで……？待つように言ったのはお前なんだろ？」

エキドナ「君は大きな勘違いをしている。僕は、禁書庫を『その人』に渡す為に、ベアトリスに約束させたわけじゃない」

スバル「なに…？」

エキドナ「僕の目的はそんな事じゃない。僕はね、ベアトリスにその人を待つように約束させて、あの子が誰をその人に選ぶのか…」

エキドナ「それを知りたいんだよ」

エキドナ「もちろん誰も選ばず４００年過ごした事も一つの結果さ？これまで出会った誰かを安易に選ばなかった事も、契約に従い続けるか悩んで自分の死を望んだ事も一つの結果だよ？」

スバル「お前はそれをどう思ってるんだ？」

エキドナ「ん？素晴らしいと、そう思っているよ？」

スバル「エキドナ、お前は魔女だ！人智を超えた理解できない怪物だ！」

スバル「俺は…、俺はお前の手は取れない」

スバル「取りたい手は、決めたんだ！」

スバル「お前が好奇心で、悪意もなく言った言葉に４００年も縛りつけられた子がいる」

スバル「決めたよ。俺はあの子の手を取る。お前とは行かない」

魔女たち「あ…！」

ミネルヴァ「来たのね」

カーミラ「い…嫌…もう私は関係ない」

セクメト「面倒な時に面倒な子が面倒しにきたもんさね。ふぅ…」

ダフネ「わぁ～！凄くお腹が空きますよ～」

スバル「…っ！！」

テュフォン「わ～！テラだー！久しぶりだなー！」