【感想】アニメ『錆喰いビスコ』4話 カニの才能 カニ乗りビギナー カマボコみたいな身体とパワーワード連発

ミロ「はっはっは…」

ミロ「はっはっはっは…」

ミロ「はっはっは…」

ミロ「はっはっはっはっは…」

ミロ「はっはっ…ふぅ。良かった。追ってこないみたいだね」

ビスコ「いちいち引っ付くな、馬鹿！ただでさえこっちは厚着なんだ」

ミロ「あ…」

ミロ「ねぇビスコ、進路がずれてる。このまま行くと東の方へ逸れちゃうよ？」

ビスコ「逸れるとか不吉な事、弓使いに平気で言うな。無心人だ。これだから都市育ちの坊ちゃんは…」

ミロ「そうじゃなくて！本当にこっちで良いの？道間違ってない？」

ビスコ「俺は間違った事なんか一度も無い」

ミロ「本当に？だって僕らこれから秋田に…」

ビスコ「っせぇえい！うるせぇパンダだなぁ。誰に向かって物申してんだ！箱入りは黙って付いて来れば良いんだ」

ビスコ「何処まで行ったんだアイツ…」

ミロ「うわぁ～」

ミロ「ねぇビスコ、浮き藻だよ？日光を溜めて夜は光るんだって。それがとっても綺麗だって忌浜でも噂で」

ミロ「どわっ！」

ビスコ「何を呑気な事を！観光気分かコラァ」

ミロ「そんなつもりで言ったんじゃ…」

ビスコ「浮き藻が夜に光りゃ虫や獣を寄せる。だから昼のうちに此処を抜けたいんだ」

ビスコ「油断してっど死ぬぞ」

ミロ「ご…ごめん…」

ミロ「ん…」

ビスコ「ほら」

ミロ「ひぃっ！」

ミロ「んぎゃあっ！」

ミロ「はむっ、ん！にっがぁ…！」

ビスコ「馬鹿だなぁ。噛むなよ。コイツは腸が苦ぇんだ。飲むんだよ、頭からこう…グイっと」

ミロ「飲む？これを！？」

ビスコ「食わねぇと、また歩けなくなんぞ」

ミロ「ねぇビスコ、僕の見立てだとパウーの身体はキノコアンプルのお陰で三ヶ月は持つと思う。だけど問題はジャビさんの方で…」

ミロ「あと一月が限界だと思うんだ」

ミロ「ジャビさんの言う通り秋田の秘境みたいな所に錆喰いがあるだとして、歩いてじゃとても間に合わない。かと言って車拾って忌浜高速道なんか使ったらすぐ自警に捕まっちゃうだろうし…」

ビスコ「お前俺を喧嘩だけのアホと思ってんな？んな事は分かってる考え無しで飛び出してくるわけ無ぇだろ」

ミロ「何かアイデアがあるんだね？」

ビスコ「足尾の骨炭脈の末端が丁度この北辺りまで伸びてる」

ビスコ「炭鉱の中の一番長ぇトロッコ線が山形南部まで続いてるらしい。上手く乗り継げれば二日とかからない筈だ」

ミロ「足尾の炭鉱って…」

ミロ「骨炭脈の中を通ろうって事！？」

ミロ「骨炭脈に潜んでる鉄鼠は恐ろしく凶暴だっていう噂だよ。集団で噛み付かれたら骨になるまで十秒かかんないって」

ビスコ「いくらビスコが強くたって僕らだけじゃ…」

ビスコ「お…」

ビスコ「誰が二人で行くっつったんだよ」

ミロ「ぇえ？だって他に…」

ビスコ「その三人目をなぁ、今見付けた」

ピィーー！(指笛の音)

ミロ「うあっ！」

ビスコ「バーカ、味方だ」

ミロ「そっ、その人…ビスコの…友達？」

ビスコ「兄弟だ」

ビスコ「テツガザミのアクタガワ。壁の東から回り込ませたんだ。こいつは暑ぃの苦手だから土に潜ったろうと思って探してた」

ミロ「それで東に…」

ビスコ「炭鉱に潜む動物は刃や毒が通らねぇ相手には絶対襲い掛かってこねぇ。それにこいつはどんな場所も歩けて」

ビスコ「力も重機より強ぇ」

ミロ「あっはぁ～！」

ミロ「凄い…！」

ミロ「猫柳ミロって言います。よろしくね、アクタガワ」

ミロ「わぁあああああ！」

ミロ「あぐっ！」

ビスコ「な…！馬鹿アクタガワお前っ」

ビスコ「くっひひひひひひひ…」

ミロ「おっ？」

ビスコ「それを着ろ。そういやアクタガワ」

ビスコ「医者は嫌いだった」

ビスコ「ほーーん」

ビスコ「案外サマになってんな」

ミロ「そう？」

ビスコ「見た目だけだ。見た目だけ」

ミロ「大丈夫。敵じゃないよ。僕はミロ」

ミロ「ビスコの新しい相棒なんだ」

ミロ「ビスコと一緒に錆喰いを探す為に」

ミロ「君と旅をしたい」

ミロ(乗れた…っ！)

ミロ「うわぁあああ！」

ミロ「いたたたた…」

ビスコ「んでここでこれをギュってやるとグっと曲がる。アクタガワが興奮してワァーってなった場合、コラっつって」

ミロ「擬音ばっかりで全然分かんない…」

ビスコ「まぁなんにせよ、こいつの気持ちが分かれば理屈は要らなくなる。ぼちぼち乗ってみっか？」

ミロ「うん…やってみる」

ビスコ「そんじゃ、お手並み拝見といくか」

ミロ「行くよ、アクタガワ！」

ミロ「ん？」

ミロ「わぁあああ～っ！」

ビスコ「くははははははは」

ミロ「ぐ…くっくぅ…」

ミロ「へへ…手綱の振るい方がマズかったのかな」

ミロ「ごめんね」

ビスコ「手綱に力入れ過ぎなんだよ。力でアクタガワに敵うわけ無ぇだろ」

ミロ「ぉおっ、違っ！そっちじゃな…」

ミロ「おわぁあっ！」

ミロ「ぐっ！」

ミロ「っ！」

ミロ「お！わ！」

ミロ「あ！あ！あ！わ！あ！」

ビスコ「魚心あれば蟹心ありだ」

ビスコ「アクタガワの気持ちになって考えろ」

ミロ「あうあうあ～あう～」

ミロ「あう～ 痛っ！」

ミロ「～～～…！」

ミロ「嫌われてる…」

ビスコ「くっひひひひひひ」

ビスコ「その程度で腐んな。お前だって知らねぇカニが背中に乗ってきたらぶん投げんだろ？」

ミロ「んー……」

ビスコ「あいつだってカニなりにプライドがあんだ。お互い慣れてくしかねぇ」

ミロ「彼のプライドと僕の首の骨のどっちが先に折れるかって事？」

ビスコ「なかなか口の減らねぇパンダだなぁ。アクタガワは俺達の切り札だ。お前も早めに仲良くなっとけよ」

ミロ「なら精神論ばっかりじゃなくてちゃんとした指導が欲しいんですけど」

ミロ「うわぁああああ～」

ミロ(このままじゃ骨炭脈を通り抜けるなんてとても無理だ)

ミロ(ビスコの足手纏いにだけはなりたくないんだ！アクタガワお願い！)

ミロ(速すぎるっ！)

ミロ「っ！」

ミロ「アクタガワストーップ！」

ミロ「があっ！」

ミロ「なぁっ！」

ミロ「がぁう…」

ミロ「ごめんなさい」

ミロ「どこか怪我しませんでした？」

チロル「キミさー、すんごいカニ乗ってるね！」

ビスコ「うん、まぁいいか」

ミロ「わぁああ！カニドロボーー！」

チロル「パンダ君！」

チロル「良いから諦めて手ぇ離しなってばぁ！」

ミロ「わぁあああああ～～～！」

ビスコ「何やってんだあの馬鹿」

チロル「ん？」

チロル「うわぁっ！」

チロル「おっ、ぎゃぷ！」

ビスコ「誰のカニに手ぇ付けてんだコラァ！」

ビスコ「そのままエサんなりたいか！」

チロル「おわー！おわわわわわわ！おわー！」

チロル「おわぁっ！」

ミロ「ごふっ」

ミロ「ぐぅぅ…」

ビスコ「この馬鹿！何がどうなったらあんな事になんだ」

ミロ「ごめん。あの娘が手本を見せてくれるって言うから…つい」

ビスコ「もう良い。訓練はまた明日だ」

ミロ「無理させちゃってごめん。薬塗るからじっとしててね」

ミロ「強がっても駄目！」

ミロ「はい、お座り」

ミロ「そう、いい子だね」

ビスコ「お前…これができんのに…なんでに乗れねぇんだ？」

ミロ「ん？これがって…どれが？」

ビスコ「くっ…！ひひひひ。まぁいいよ。予定変更だ。カニの訓練はやめる。お前、カニに関しては才能がある」

ミロ「え？」

ビスコ「初めて見たよ」

ビスコ「カニに乗る前にカニと話せるやつなんて」

ビスコ「ここまで来りゃあ足尾鉱脈は目と鼻の先だ」

ビスコ「なんだありゃあ」

ビスコ「うし、ここで一旦寝る」

ビスコ「お前自分の傷もしっかり直しとけよ」

ビスコ「先客が居んなぁ」

ビスコ「んだよぉ！さっきのカニ泥棒じゃねえか」

チロル「ん…うぇっ、う…え、ぇ…」

チロル「えっ、ぇ…」

ビスコ「ぁあん？そういやお前忌浜でも見たなぁ。テメェ誰かの差し金で俺達を」

ビスコ「なっ！」

ミロ「ビスコどいて！」

チロル「うっうっ…」

チロル「うぷっ」

チロル「おうぇえっ！」

ミロ「胃の中に何か居るんだ。ちょっと荒っぽくなるけど…」

チロル「んんんんんー！」

ビスコ「なんだこりゃあ」

ミロ「フクレガイコだ。昔奴隷に逃げられないために使った虫だよ。最初に卵を飲ませて孵化しないように薬で飼殺す。今だと囚人とか」

チロル「忌浜知事の特務部隊とかに使うって…ゴホッゲホッ！」

チロル「どうりでいっつも変な薬飲まされると思ったんだ。あのインチキ知事」

ミロ「ほら、水飲んで」

ビスコ(こいつ…昼間あんだけコケにされた相手に)

ビスコ(よくもまぁ)

チロル「ぷぅー！助かった…あ…」

チロル「うわぁっ！あああ赤星！？なんでまたアンタが！」

ビスコ「あぁん！？お医者様ありがとうございますの一言がまず先だろうが！」

チロル「くふふふ、冗談を言うよ。旅先で女一人助けるって事はさー」

チロル「つまりぃ…そういう事でしょう？」

チロル「さっきすんごいキスされたし…」

ミロ「ぇえっ！？あれはそんなつもりじゃ…」

チロル「えっへへ、かんわいぃ～。ねぇ先生、さっきの虫、もう一匹お腹の中に居るような気がするんですけど～」

ビスコ「いい加減にしろコラ。テメェのカマボコみてぇな体触って誰が喜ぶんだ」

チロル「赤星君は女を知らないなぁ。ププー。人喰い赤星も一皮剥けばウブなチェリー君ってわけですか～」

ミロ「わぁ～！落ち着いてビスコ」

ミロ「ねぇ君、行商に行くんでしょ？僕達食べ物が足りなくて…良かったら何か分けてもらえませんか？」

チロル「アンタ達、本当に身体目当てじゃないの？だったらどうして私なんか助けたのさ。品物が欲しければ私が死んだ後そっくり持って行けば良かったじゃん」

ビスコ「言われてみればその通りだな」

ミロ「目の前で死にそうな人、放っとくなんてできないよ。ね、ビスコ」

チロル「どうやら天然物のお人好しに助けられちゃったみたいだなぁ。運が良いやら情けないやら」

チロル「まあいいや。そんなら本業でお相手すっかいな」

チロル「魅惑のくらげ商店へようこそ、お二人さん」

ミロ「くらげ商店？」

チロル「あたしの髪、クラゲに見えるでしょう？うちは武器や兵器図面が専門だけど食べ物だって充実してるよ。どう？これなんか純度100のサソリ水、舌がとろけちゃうよ？」

ビスコ「腹が膨れりゃ良いんだ。炭パンとか塩餅はねぇのか？」

チロル「そんな貧乏臭いのウチには無いよ」

ミロ「見てビスコ、ビスコのバター味がある。これもらおうよ。好きでしょ？」

ビスコ「ぁー…いや、食った事ねぇ。キノコ守りはそういうの滅多に手に入らないからなぁ」

ミロ「じゃあ尚更だね。あの、これもらえますか？」

チロル「ぇぇ～？そんなのが良いの？1つ4ニッカだよ」

ビスコ「はぁ！？この期に及んでそんなに金取んのかよ！」

チロル「あったり前だ！たまたまお前に敵わないってだけで賞金丸々損してんだ！ケチ臭い事抜かすんじゃねぇ！」

チロル「あ～あ、つまんない商売だった。あたしもう寝るけど、触ったら100ニッカだからね」

チロル「あ、パンダ君は半額で良いよ」

ビスコ「いいから！もう寝ろや！」

ミロ「ビスコ、怒るとお腹が減っちゃうよ？」

ビスコ「お」

ミロ「どう？自分の名前の由来だよ？想像と違った？」

ビスコ「もっとこう…硬ぇのかと思った。強い子のっつーからよ。味も滋養の為の…なんか熊の肝みてぇな味なのかと」

ミロ「はっはっは。そんな筈ないよ。お菓子なんだから。ねぇ、美味しかった？」

ビスコ「おう、うめぇ」

ミロ「ちょっと食べ過ぎだよ」

ミロ「僕のも取っといてよ～」

チロル「カニ乗り相手じゃ燃料も売れないし」

チロル「これもう古いから捨てちゃお」

ビスコ「なんだなんだ！？おいミロ！起きろ！」

チロル「うわぁああーーー！」

ミロ「センチョウグンは兵器をただ祀ってたんじゃない。寺そのものが動物兵器だったんだ」

チロル「うわぁああー！」

ビスコ「馬鹿野郎！離れろテメェ！」

チロル「やだやだ、置いて行かないで！」

ビスコ「コイツ…なんつー力してやがる！」

ミロ「ビスコーー！」

ミロ「二人共に無事だったんだね！」

ビスコ「ミロ！コイツは骨炭を食う！」

ビスコ「さっきクラゲが捨てた燃料で目ぇ覚ましたんだ！」

ビスコ「このまま足尾鉱脈に突っ込まれたら…鉱脈が爆発して」

ビスコ「トロッコが使えなくなる！」

チロル「うわぁ！あたし死にたくない！」

ビスコ「駄目だ。こっちはクラゲが始末に負えねぇ！お前がなんとかそいつの足を止めろ！」

ミロ「止める！？止めるってこんなのどうやって！？」

ビスコ「眉間をぶち割るんだ！脳みそを揺らしてやればこの砲台共も止まる。アクタガワのハサミで眉間を割らせろ！」

ミロ「いきなりカニ海苔ビギナーに無茶言わないでよ…！」

ビスコ「いっ！」

ミロ「ビスコォーー！」

ミロ(お前がこいつの足を止めろって言ってくれた…僕に出来ると思ったなら…やるよビスコ！)

ミロ「アクタガワ…ここがアイツの弱点」

ミロ「眉間を狙って！」

ミロ「行けぇっ！」

ミロ「アクタガワァアアアアア！」

ビスコ「ミロ！」

ミロ「ぁあっ！」

ミロ「ビスコ！」

ビスコ「言っただろが！お前、カニの才能あるってよ！」

ミロ「ぃいいいっ！」

ミロ「ねぇビスコ…」

ミロ「いつもこんな凄い相手と戦ってるの？」

ビスコ「いや、流石に寺相手に戦ったのは初めてだな。でも明日はきっともっと凄ぇヤツと戦う。そういう星なんだ。キノコ守りの生き方ってのは」

ミロ「キノコ守りのっていうより、ビスコの星だと思うけど…」

ビスコ「鉱山の入り口だ。危ねぇとこだった。あのままアイツを走らせてたら」

ビスコ「アイツもろとも」

ビスコ「炭鉱が吹っ飛ぶところ…」

ビスコ「な…！」

ビスコ「ぁあああ畜生！」

ビスコ「こんなんアリかよぉっ！」

ミロ「ビスコ…」

ビスコ「…まだ可能性が消えたわけじゃねぇ。駄目なら別の道を行くだけだ」

ビスコ「それにこのデカブツにこんだけキノコが噛めばここいら一帯からも錆がそのうち消える」

ビスコ「テメェの命より」

ビスコ「そっちにジジイは喜ぶ」

ミロ「あぁあああああ！」

ミロ「あの娘逃げちゃったみたい。バッグのお金全部盗られた」

ビスコ「あのクラゲ…捕まえて蒸し焼きにしてやろう」

ミロ「ひぃ～、ビスコと財布分けといて良かったよ」

ミロ「あ…」

チロル「パンダ君」

チロル「赤星が死んだらあたしと組もうね」

ミロ「あの娘、僕らに色々見繕ってくれたんだね。お金だけ盗られたと思った」

ビスコ「要は押し売りじゃねぇか。似たようなもんだろ」

ビスコ「お前…いつの間にアクタガワを…」

ビスコ「その傷…」

ビスコ「くっ…きっひひひひひひ」

ミロ「なんだよぉ！」

ビスコ「べっつに～」

ぐぅ～～～(お腹が鳴る音)

ミロ「うぅ…お、お腹減った…」

ビスコ「あっ！」

ビスコ「スッ、スイカだ！」

ミロ「スイカ！」

ビスコ「ぉおおい！」

少年「え？」

ビスコ「おい待て！そいつは俺の！」

ビスコ「待てコラァ～！」

ビスコ「おらぁガキ！寄越せぇっ！」

ミロ「ビスコやめなってばー」

バァン！(銃声)

ビスコ「っ！」