【感想】アニメ『錆喰いビスコ』1話 あんなデカいキノコ初めて見た！津田健次郎さん演じる黒革がモロ悪役って感じでそそられる

猪茂「あぁ…」

猪茂「あぁん！？」

猪茂「おい太田…太田！お前直したっつったろ！このボケ！全っ然読まねぇじゃねぇか」

太田「え～、またっすか？」

太田「この前直したばっかりですよ」

猪茂「気になるか？」

猪茂「県庁じゃそいつの話題で持ちきりよ。観光名所の赤城山、丸々キノコの山にしちまったってんだからなぁ」

ビスコ「人喰いというのは何故です？」

猪茂「そら喰うんだよ、人を」

猪茂「ふはははは。そう呼びたくもなる大悪党って事よ」

猪茂「テンカトウの坊さんか…ワタリガニワタル？偽名か？こりゃ」

ビスコ「僧名です。ワタリガニワタル」

猪茂「本名は？」

ビスコ「捨てて御座います」

猪茂「はぁ…イミハマ行き、目的は巡業ねぇ」

太田「あれですよね？お弔いの旅ってやつ。ついでに東京の穴ぼこも一目拝んできたらどうですか？」

猪茂「イミハマ県じゃ昔、東京爆心穴観光ツアーなんて企画もあったらしいしなぁ。馬鹿な話だぜ。好き好んで錆び風を浴びに行くヤツなんざ居るわけねぇ」

太田「今じゃお坊さんくらいですよねぇ。こんなとこ通るの。門の向こうには延々と鉄の砂漠が広がってるだけ。もう暇で暇で」

猪茂「馬鹿野郎。気の抜けた事言うなぁ」

猪茂「犯罪者が群馬から逃げ仰せるにはこの南関所から砂漠を通ってイミハマに入るしか無ぇ。言ってみりゃ此処は群馬県の最終防衛ラインなんだぞ？」

太田「はぁい。すんません」

猪茂「少しは緊張感持ちやがれぇ。そこに貼り出してある賞金首連中が…」

猪茂「いつ通りかかるか知れねぇんだ」

ビスコ「人喰い茸の…」

ビスコ「赤星…」

ニュースキャスター「死後の世界」

ニュースキャスター「みんなで行けば怖くない」

ニュースキャスター「明るいお葬式ならバンリョウ寺へ」

行商人「二つで充分ですよ」

女性1「錆にくるまれ眠りなさい！」

女性1「死があなたを救うでしょう」

少年1「あ！自警団だ！」

少年2「かっちぇえなぁ」

自警団員「お前達、ここらでキノコを売り買いしてるヤツを見なかったか？」

少年3「居たかぁ？そんなヤツ」

自警団員「見掛けたら俺達に教えてくれ。いいな？」

少年達「了解であります！」

嬢1「こんにちは。お仕事帰りですかぁ？遊んで行きましょうよ～。ほ～ら、こっちこっち～」

マダム「私が村を出たのはまだ八歳の頃だった」

マダム「お父さんが錆付きで死んだ後、母さんも酷い錆を貰ってね。薄情な村の連中に追い出されるように出ていったのさ」

嬢2「この間の客さー」

嬢2「最悪だったわ。金足りないから～とか言って汚い玩具の人形寄越しやがんの。あり得なくない？」

嬢3「それってフィギュアとかいう発掘品じゃないの？東京が滅びる前のもんだからめっちゃ高く売れんだよ」

嬢2「マジかぁ」

マダム「途方に暮れた私が夜のウキモバラを歩いてるとね、湿原の真ん中にニョキっと黒い棒が立ってるじゃないか」

マダム「こんな大きくてね、玉首を擡げるみたいにこう曲がってる。何だと思うね？」

マダム「そいつはなんと、鉄人の指だったのさ。縁起が悪いったらありゃしない」

マダム「あの時は自分の抑制を呪ったね」

嬢2「鉄人ってあれでしょ？大爆発して東京に穴を空けちゃったっていう日本崩壊の元凶」

嬢4「何を真に受けちゃってんだか」

嬢4「このおばさんの話は適当に聞き流してれば良いのよ」

マダム「聞いてんのかいあんた達！」

嬢5「あ～～ん、くすぐった～い」

ミロ「我慢して」

嬢5「やだぁ、そんなに太いの怖ぁ～い」

ミロ「大丈夫。痛くないから」

嬢5「別に～、ちょっと痛くしても良いけどぉ～」

ミロ「これで熱は下がるから。あとはこの薬を食後に飲む事」

嬢5「ありがとう先生」

ミロ「次の方どうぞ」

採掘人「こいつを先に診てやってください」

ミロ「よし、じゃあここに座って」

ミロ「うん。進行してない。いい子にしてた証拠だね」

少年4「注射する？」

ミロ「うぅん。今日は塗り薬で充分」

採掘人「この前先生が錆付きアンプルを打ってくれたお陰です。でもあんな高い薬…」

採掘人「お金は…」

ミロ「気にしないで。でもあのアンプルでは錆の進行を少し遅らせる事しかできません」

ミロ「壁の外にはなるべく出ないでください」

採掘人「そうしたいのは山々だが仕事柄そうも言ってられねぇ」

ミロ「はい終わり」

少年4「ありがとうパンダ先生」

採掘人「こら、猫柳先生だろう？」

ミロ「大丈夫。パンダ先生で通ってますから。じゃあ次はお父さん」

密売人「良いか？絶対に捕まるな。捕まっても俺の名前は出すな。分かったな？」

饅頭屋「てかこれ、この前のと同じ種類じゃないか？」

密売人「贅沢言うな。イミハマに持ち込むのにどれだけ苦労したと思ってるんだ」

密売人「嫌なら他持ってくぜ？死ぬ前にキノコ食って昇天したいってヤツはいっぱい居るんだ」

饅頭屋「はぁ…分ーかった分かった。ほらよ」

密売人「実は後で仲間が新種を持ち帰る手筈になってる。とびきりの上物だぞ？要るか？」

マダム「私はしばらく鉄人の指を眺めてた。そしてよく見たらね、その指の側に妙な男が一人立ってんのさ」

マダム「じっと鉄人の指を見てその表面の錆をこう削り取って容器に入れてるんだ」

嬢2「売ったら幾らになんのかなぁ。てか私どこやったっけあの人形」

嬢3「なんで私がそれを知ってるんだよ」

マダム「キノコ守りあん時はぞぉっとしたね。連中が錆を広めてるって噂は本当だったんだ」

ミロ「はい、おしまいです。お大事にどうぞ」

患者「ありがとうございます。猫柳先生」

マダム「いいかい？あんた達もキノコ守りだけは客に取っちゃいけないよ。錆を移されちまうからね」

ミロ「今の人で最後ですか？」

マダム「そうだね。今日はこれで全員だ。ありがとうよ、ミロ先生」

マダム「どうだい、遊んでいくかい？先生ならタダで良いよ」

嬢2「じゃあ私が！」

嬢3「いや私が」

嬢4「私私」

嬢6「引っ込めブス！私だよ」

ミロ「気持ちは嬉しいけど」

ミロ「家で姉が待ってますから」

マダム「相変わらずだねぇ。こんな下町に似合わないよくできた先生だよ。どうして県庁の金持ち相手に商売しないんだい？」

マダム「その方がよっぽど稼げるだろうに」

ミロ「この街が好きなんです。僕も姉も」

マダム「先生にもパウーさんにも本当に感謝してるよ」

ミロ「最近は特に錆び風が強いから気を付けて。それじゃ」

嬢達「ばいばい、パンダきゅ～ん」

マダム「こら、先生と呼びな」

饅頭屋「らっしゃ～い」

饅頭屋「あぁ！先生！今日は遅かったじゃないの」

饅頭屋「ワニ2つ、取ってあるよ」

ミロ「どうも。今日はそうだなー…シャコも2つください」

饅頭屋「シャコ2つね～、まいどあり～」

ミロ「パウーの具合が良いんです。元気なうちに食べさせてあげたい」

饅頭屋「そりゃ、何よりだ」

饅頭屋「先生が診てる上にうちの饅頭食ってんだもの。治らない病気なんざありゃしないよ」

饅頭屋「ほい、ワニ肉とシャコ味噌サンドだ」

ミロ「今日は…その…ありますか？」

饅頭屋「あぁ、はいよ。ちょっと待ってくだせぇ」

饅頭屋「今はこれだけしかねぇんだ」

饅頭屋「でももう少ししたら珍しいのが手に入る手筈になってるんで」

ミロ「そうですか。じゃあ一旦帰ってまた来ますね」

饅頭屋「だけど先生もよく分かんねぇお人だねぇ。こんな物騒な物は…」

饅頭屋「けどよぉ、見付からねぇでくだせぇよ。先生がパクられちゃ、この街はお終いだからねぇ」

ミロ「ありがとう。これ少しだけど…」

饅頭屋「駄目だ！猫柳先生から金は取れねぇ。この間だった娘をタダで…」

ミロ「薬が無くなったらまた来てくださいね。いつもの水曜の閉院後に」

饅頭屋「はいよ、まいどありぃ！」

ニュースキャスター「六月初頭より岐阜県、タガクシ県、次いで群馬県と連続的に続くキノコテロは同一犯による犯行と見られ」

ニュースキャスター「イミハマ県庁はテロリストの情報提供を群馬県警に依頼していましたが」

ニュースキャスター「群馬県庁は今日、テロリストは群馬県内にて既に殺害したと発表しました。ただしこの発表を疑問視する声もあり、更に詳細な調査を続行するとの事です」

ミロ「ただいまパウー」

パウー「ミロ、少し遅いから心配した」

ミロ「はいこれ。今日はシャコサンドも買ってきたよ」

パウー「いつもすまない」

パウー「私の身体がもう少し良くなればお前にこんな苦労はかけないのだが」

ミロ「こんなの苦労のうちに入らないよ。大事な姉の為だもん」

パウー「また実験か？ミロ」

ミロ「あ、うん。鉛ザメの肝臓が手に入ったんだ。新薬の材料にならないかと思って。せっかく県庁が最新の調剤機を支給してくれたんだ」

ミロ「使わないと勿体無いからね」

パウー「その事だが、あの黒革知事が何の見返りもなくそんな物を貸してくれるとは思えん」

パウー「あまり借りを作ると厄介な事になるぞ」

ミロ「それは分かってる。でもこの調剤機でサビの治療薬を作れればパウーだけじゃなく錆付きに苦しむ皆を助けられる」

ミロ「今は可能性のある材料を片っ端から調剤してみたい」

ミロ「そう…どんな材料だって…」

猪茂「しっかし、ビスコって名前もなぁ」

猪茂「ははは。おめでてぇこって。どんな親が付けるかねえ」

猪茂「お前さんら巡業の坊主共は知らんだろうが赤星のキノコってのは半端じゃねぇ」

猪茂「こう一発弓を弾くとな、土でも鉄でも狙った所にボンってなぁ。大木みたいなキノコが生えちまう」

猪茂「傍若無人のキノコ守りってんでそう呼ばれてるのさぁ。とは言え心配要らん。天下の群馬県警を出し抜いて他県へ抜けられた悪党なんかいやしないからなぁ。あんたの巡業に障りはねぇ」

太田「はい、オッケイ」

太田「直りました」

猪茂「おう若造、悪かったな。続きをやろう。後は…」

猪茂「あの荷物はなんだ？僧の一人旅に何であんな大荷物が要る？」

ビスコ「死体を積んでおります」

猪茂「はぁ！？」

チロル「え？」

チロル「目標捕捉、ファイヤー！」

ミロ「これも駄目か…」

ニュースキャスター「御覧下さい！県西壁から10km地点、埼玉鉄砂漠に中規模のキノコ群が確認されています」

ニュースキャスター「これは一連のキノコテロと同一犯によるものと思われますが、一方で群馬県からはテロリスト赤星ビスコは既に内壁にて」

ニュースキャスター「殺害したと発表があったばかりであり虚偽情報を意図的に流したとして」

ニュースキャスター「イミハマ県庁では強く抗議する方針です。また、黒革知事は一早くイミハマ城壁の防衛を固めるよう指示…」

ミロ「パウー、ちょっと出掛けて来る」

パウー「こんな時間にか？」

ミロ「饅頭屋の娘さんに薬を調合したから早く渡してあげたいんだ」

パウー「用心して行け、ミロ。先頃、テロリストが埼玉鉄砂漠に入ったらしい」

ミロ「テロリストが？」

パウー「人喰茸い茸の赤星。このところ日本人を騒がす凶悪犯。よもやイミハマの壁を越えられる事は無いだろうが気を付けてな」

ミロ「うん。行ってきます」

蟲毒壺売り「毒を以て毒を制すと申しまして」

蟲毒壺売り「最強の毒は最強の良薬ともなります。一家に一台この壷さえあればご家族でも簡単に最強の蟲壺が作れます」

蟲毒壺売り「煎じて飲めば錆知らず。さぁ、買った買った～」

ミロ「ありがとう。助かります」

饅頭屋「任してくんなせぇ」

ミロ「！」

ミロ「ん？あぁ！待って！それは！」

饅頭屋「誰かそのガキ捕まえてくれー！」

少年5「うあぁあああ！」

ミロ「うわっ！」

少年5「女の人…？」

ミロ「女の人を殴る男は最低だよ」

ミロ「良かったねぇ男の人で。君、サソリヤブに刺された所…」

ミロ「放っておいたでしょ。やっぱり。さっき患部が見えたもの。ほらおいで」

少年5「離せ！何すんだよ」

ミロ「刺し傷に針が残ってる。毒が染み切ったら失明しちゃう」

ミロ「おしまい。もしまた腫れたらウチへおいで。パンダ医院。ここの通りを向こうへ抜けて突き当りを右。金物屋さんの隣だよ」

ミロ「あと、それ…」

少年5「ごめんなさい」

ミロ「残念だけどこれお饅頭じゃないんだぁ。内緒だよ」

ミロ「あそこのワニ饅、僕のイチオシなんだ。今度奢ってあげるね。さ、もう行きな」

黒革「おおよそそういう慈善の心、善行等というものは…」

黒革「金持ちがチーズバーガーのピクルスをそこいらの犬に投げて悦に入るような自慰紛いの遊びに過ぎない」

黒革「だが君のそれは違う。猫柳君。この腐った街に咲く一輪の花と言える」

黒革「いや訂正しよう。自分の管理している都市を腐った街と言ってのけるのもなぁ」

ミロ「黒革…知事…」

黒革「他人行儀はよせ。黒革さんで良いじゃないか」

黒革「美形だなぁ、いつもながら…どうだ？新しい調剤機は役に立ってるか？」

ミロ「調剤機の件は…お世話に…」

ミロ「あの、姉の治療が…早く帰らないと」

黒革「勿論だ。イミハマきっての名医の時間を無駄にはできん。ましてイミハマ自警団長 猫柳パウーの治療の為となればな」

黒革「しかしどちらが無駄かな…俺とナッツでもつまみながら一番面白い漫画について議論するか、それとも…」

黒革「どうやっても治らない姉の為に気休めに虚しく手を尽くすか」

黒革「お前の行為は美しくそして無駄だ。いくらお前が下町で奮闘しようが金の無い人間は死ぬ」

黒革「さっきのガキもだ。無残にこの街にいたぶり尽くされてなぁ」

黒革「県庁に勤めろ猫柳。お前の技術があれば県外から金がいくらでも入る」

黒革「錆付きのアンプルも買える。そうすれば…」

黒革「お前の姉も助かる」

部下「知事！」

黒革「何ぃ？」

猪茂「死体を積んでるだぁ！？」

ビスコ「終礼呼吸法の修行で毎回死者が出ますので亡骸は錆び風に返します」

猪茂「かぁ～、気味の悪ぃ～！おい太田！あの布捲って見てこい。仏さんの山だとよ」

太田「ぇえ～！」

ビスコ「虫を」

太田「ふひっ！」

ビスコ「腐り避けにムカデを噛ませております。日に当てますと暴れます。手指くらいは食いちぎります」

猪茂「お？」

猪茂「おい」

猪茂「最近のテンカトウインは弓を使うのか？」

ビスコ「あぁ、殺生は禁じられておりません」

猪茂「知ってるよそんな事ぁ。飛び道具は駄目なんじゃなかったか？」

猪茂「殺生の重みを感じないとかで」

猪茂「銃とか矢は駄目って聞いたぞ？」

住人1「キノコ守りだー！」

住人2「キノコ守りが街に！」

住人3「胞子を吸うな！錆びるぞ！」

ミロ「凄い…」

ニュースキャスター「これは現在のカラクサ大通りの映像です」

ニュースキャスター「ご覧の通りキノコの一群が！キノコ守りによるキノコテロです！県民の皆さんは不要不急…」

パウー「キノコ守り、錆の元凶か」

ミロ「パウー、出たんだ、キノコ守りが」

ミロ「カラクサ通りに。凄いんだ。大きなキノコが一瞬で…！」

ミロ「パウー駄目だよ。まだ投薬が終わってない。もう心臓まで錆が届きそうなのに。命より仕事が大事なの！？」

パウー「お前が大事なんだ。ミロ、戻るまで鍵をかけて医院から出てはいけないよ」

ミロ「ここから出ちゃいけないのはパウーの方だろ？」

ミロ「いつもいつも僕が大事だって無茶ばっかりで僕の方の気持ちを一つも考えてないじゃないか」

ミロ「早くそこに寝て自警には僕が話す」

パウー「どうあってもどうお願いしても其処をどいてくれないか？」

ミロ「僕がお願いしてパウーが折れた事があった？僕だって同じだよ」

パウー「そうか、嬉しいよ。ミロ」

チロル「ちょっと！離せよ。自分で歩くってば！うわ！変なとこ触るなぁ！」

チロル「いってぇなぁ！少しは女の…」

チロル「うぇっ…」

チロル「えっへへ…黒革のダンナ様…その帽子…素敵ですね」

ミロ「弟に当て身食らわす姉なんて聞いた事ないよ」

ミロ「見た事無い種類ばっかりだ。これだけあればきっと…」

ビスコ「調剤ができるな、お前」

ミロ「テッ…」

ミロ「テロリスト…」

ミロ「人喰い茸の…」

ミロ「赤星…」

ビスコ「ビスコだ！」