【感想】 アニメ『ひぐらしのなく頃に業』 19話 ハッピーエンドなはずなのに沙都子も梨花ちゃんも見てて辛い　どうしてこうなった…

沙都子「夢…でございますの？私には、梨花が何を言っているのかさっぱりでしてよ？」

梨花「ずっとずっと前から考えていたのです」

梨花「いつか自由に村を出る事が出来る様になったら、今までの僕が知ることも出来なかった全く新しい生活をしてみたい…」

梨花「朝起きて、今日がどんな一日になるのかを想像しながら、カレンダーをめくる。そして、僕の想像を簡単に超えるくらい現実はずっと素敵で、新鮮な驚きに満ちているのです」

梨花「僕は、そんな学園生活を送ってみたいのですよ。もちろん、そこには沙都子も一緒なのです。二人で、ハイソサエティな学校生活を送るのですよ」

梨花「にぱー☆」

沙都子「知らない世界に憧れる気持ちは、私にも理解できますわ。最近の部活も、少々退屈でございますものね」

沙都子「でも…」

沙都子「私たちに受験はまだ早いのではございませんこと？」

沙都子「進学したばかりなんですのよ？受験の事を考えるのは、もっと先でもよろしいのではございません？」

梨花「沙都子は、受験勉強をしたくないだけなのですよ。勉強の事を考えると、頭が痛い痛いになるのです」

沙都子「ぅぅ～…。そんな事はございませんわ。私が少し本気を本気を出せば、勉強なんて余裕でございますのよ？梨花こそ、誰よりも勉強嫌いではございませんの」

梨花「沙都子の言う通りなのです。僕も、勉強は嫌いなのですよ。でも、今までずっと雛見沢の外に出る事も、憧れを口にする事も許されなかったのです」

沙都子「梨花…」

梨花「だから僕は夢の為に、嫌いな勉強も頑張りますですよ」

梨花「そして、出来れば沙都子にも、僕と同じ夢を見て欲しいのです」

沙都子「梨花が頑固なのは相変わらずですわ」

沙都子「仕方ありませんわね。私もご一緒しますわ」

梨花「本当なのですか？」

沙都子「ええ。いつまで続くかは、わかりませんけど。それに、梨花だってすぐに根を上げるのでございましょう？」

梨花「そんな事ないのです。合格まで頑張るのですよ」

梨花「エイエイオーなのです！」

圭一「気をつけ～、礼！」

生徒「先生、さようなら～！」

沙都子「梨花、今日の部活でございますけど…」

梨花「知恵」

沙都子「あ…？」

知恵「どうしたんですか？古手さん」

梨花「教えて欲しいのです」

沙都子「…」

知恵「この問題はね、一見複雑に見えるけど、こっちの公式を使うと…」

沙都子「授業が終わったのに、勉強なんて健全ではございませんわ」

圭一「梨花ちゃん、どうかしたのか？」

沙都子「受験勉強ですのよ」

レナ「えっ、さすがにまだ早いんじゃないかな？」

沙都子「私も言いましたわ」

圭一「志望校はどこなんだ？魅音と同じ興宮の学校か？」

レナ「聖ルチーア学園…？あれ、どこかで聞いた事があるような…」

圭一「そうだ、確か詩音の奴が通ってた…」

梨花「その通りなのですよ。全寮制のお嬢様学校なのです」

圭一「お嬢様か！梨花ちゃんに似合いそうだぜ！」

レナ「はぅ～！校舎も欧風でかぁいいよ～！」

梨花「雑誌を見て、僕も一目ぼれだったのですよ？」

圭一「でも、ここって園崎家みたいなお金持ちの学校なんだろ？」 

 梨花「費用は沙都子の分も一緒に、入江が出してくれることになっているのです」

レナ「あはは…。監督、大丈夫かな？かな…？」

圭一「…って言うか、沙都子もなのか！？」

沙都子「あら？私ほどのレディに、相応しいかどうかはわからないでございますが、梨花たっての願いを無下にはできませんもの」

圭一「いや、沙都子がレディかどうかはともかく、ここかなり偏差値高いぞ？」 

沙都子「おーほっほっ！私の偏差値は、常に１００点満点ですわ！」 

レナ「あはは…」

梨花「僕はこの夢を絶対に叶えたいのです。だから、もし良かったら二人にも勉強を教えて欲しいのですよ」

圭一「そんなのお安い御用だぜ！」

レナ「うん。レナたちで良ければ何でも聞いて！」

梨花「圭一にもレナにも、助けてもらってばかりで申し訳ないのです」

圭一「気にするなって！俺も進学校にいた経験を、やーっと役立てる事が出来るからな」

梨花「ありがとうなのです」

圭一「沙都子も鍛えてやるから覚悟しとけよ！？」

沙都子「わ、私は程々でよろしくてよ！」

圭一「よし！そうと決まれば、今日の部活はエンドレス英単語しりとりだ！」

レナ「おー！」

梨花「おー！なのですー！」

圭一「よーし！やるかー！」

沙都子「梨花の勉強ごっこも、どうせ今だけですわー…」

沙都子「ぅぅ～…」

沙都子「ぁ…」

沙都子「梨花…？」

沙都子「お手洗いですの？」

沙都子「はっ…」

沙都子「梨花」

梨花「あ、沙都子」

沙都子「お寝坊さんの原因は、これでしたのね」

沙都子「水臭いではございませんの。私達、同じ学校を目指すのでございましょう？」

梨花「みー…。本気になった沙都子は、強力なライバルなのですよー」

沙都子「おーほっほっ！勝負でしたら絶対に負けませんわよー！梨花～」

梨花「僕もなのですよ？にぱー☆」

梨花「沙都子、準備は出来たのですか？もう行くのですよ？」

沙都子「待って下さいませ。まだゆっくりしてても、いいのではございませんの？」

梨花「少しでも早く知りたいのです」

沙都子「ちょっと梨花～…！」

沙都子「いよいよですわね…」

梨花「ちゃんとお守りは持ったのですか？」

沙都子「結果はもう出ているのですから、お守りの効果はございませんわ」

梨花「それはわかっているのですよ。でも…」

沙都子「２年半、あれだけ頑張ったんですもの。きっと大丈夫ですわ」

梨花「ぁ…」

沙都子「さあ、覚悟を決めましてよ。梨花！」

梨花「あ…」

沙都子「ありましたの！？」

梨花「…」

沙都子「やりましたわね、梨花！もちろん私は、最初から信じていましてよ？」

梨花「わかっているのですよ。次は沙都子の番なのです」

沙都子「ぁ…。もし…もしですのよ…？」

梨花「？」

沙都子「私だけ不合格だったら…」

沙都子「その時は、私たち別々になってしまいますのね…」

梨花「そんな事は絶対にないのですよ！」

沙都子「そ、そうですわよね！私が梨花に負けるなんてありえませんわ」

梨花「その意気なのですよ！」

沙都子「おーほっほっほ！ひとっ走り見てきますわね！」

梨花「…」

沙都子「無いはずありませんわ」

沙都子「あんなに死にもの狂いで、頑張ったんですもの」

沙都子「勉強なんて大嫌い。それでも我慢したのは、全部…」

沙都子「梨花と離れ離れになりたく…」

沙都子「あっ…」

沙都子「うそ…」

梨花「沙都子…？」

沙都子「あ、ありましたわ…」

校長「当学園は、規律を重んじ、学業だけではなく礼儀や作法、言葉遣いと言った一人の人間として恥ずかしくない教養を身に付けることに何より重きを置いています」

校長「皆さんも、歴史ある聖ルチーア学園の名に恥じない様、日頃から慎みや気配りを忘れず、今も伝統を守り続けて…」

沙都子「ふわぁ～…」

沙都子「このつまらないお話は、いつまで続くのでございましょう？」

梨花「よそ見はダメなのですよ…」

沙都子「やっと終わりましたわ～。退屈過ぎて、もう少しで私のトラップが炸裂するところでしたのよ～？」

梨花「うふふ、かわいそかわいそなのです」

沙都子「もし理事長が圭一さんでしたら、入学式も大盛り上がりでしたのに」

梨花「圭一は、口先の魔術師なのです。比べては可哀想なのですよ？」

生徒「ごきげんよう」

沙都子「何ですの？あの挨拶は…」

梨花「僕はそろそろ寮に戻るのですよ」

沙都子「私もそうしますわ。なぜ一緒の寮じゃないんでございましょう？」

梨花「クラスは一緒だったのです」

沙都子「そうですわね。贅沢は言えませんわ。それじゃ、また明日ですわ」

梨花「また明日なのです」

生徒「ごきげんよう」

梨花「ごきげんよう」

沙都子「さすが猫かぶりの梨花ですわ」

沙都子「ふぅ…」

沙都子「おはようですわ、梨花…」

先生「全員座りなさい」

先生「チャイムと同時に、私語は慎むように」

沙都子「…」

沙都子「はっ」

沙都子「はわ～…」

先生「古手梨花さん、号令は貴方に任せます」

梨花「…ぁ」

生徒「はぁ～…」

梨花「起立…。礼…」

生徒たち「ありがとうございました」

沙都子「こんなに疲れるとは思いませんでしたわー…」

沙都子「ふぅ…」

沙都子「ぁ…」

生徒「梨花さんとおっしゃるの？素敵な方ですわね」

生徒「宜しければ、私たちとサロンにご一緒しませんか？」

梨花「サロン？」

生徒「梨花さんならきっと上級生にも歓迎されますわ」

生徒「社交界の予行演習と思って、如何かしら？」

梨花「ぁ…」

沙都子「行ってくるといいですわ。何事も経験ですのよ？」

梨花「僕…。ぁ…、私でいいの？」

生徒「もちろんです。さあ、参りましょう」

梨花「沙都子も一緒に…」

沙都子「折角でございますが、私堅苦しいのがごめんですわ」

梨花「沙都子…」

生徒「梨花さんが良ければ、イベントにも参加して欲しいですわ」

沙都子「やっと夢が叶ったんですもの。梨花のお好きになさいませ」

沙都子「それに…」

沙都子「こんな華やかな世界、きっとすぐに飽きてしまいますわ…」

梨花「そう。私たちは、突きつけられた賽の目を、不変のものだと思い込んでしまう」

梨花「蹴り飛ばし、抗い、変えることだってできるのに…」

梨花「それが私の考える運命の定義よ」

生徒「梨花さんがお持ちの世界観は、何度聞いても関心致しますわ～」

生徒「ディベートでは梨花さんに敵いませんね」

生徒「同い年とはとても思えませんわ」

先生「北条さん」

梨花「？」

生徒「梨花さん、どうかされまして？」

梨花「いえ、何でも…」

先生「明日から、放課後は補習授業を受けてもらいます」

沙都子「まだ…これ以上勉強しないといけませんの？」

先生「理由は、言わなくてもわかっていますね？入学時から著しく成績が落ちています。このままでは…」

沙都子「ずっと勉強したんですのよ！？この学園に入るために…」

沙都子「まだ足りませんの？まだ私に頑張れと言うんですの！？」

先生「誤解があるようですね。誰も強制とは言っていません」

沙都子「え…。補習受けなくてもいいんですの…？」

先生「ええ」

沙都子「だったら、補習なんて嫌ですわ。私、勉強なんて大嫌い…」

先生「では、後で職員室まで自主退学の用紙を取りに来て下さい」

沙都子「え…。退学…？」

先生「自主退学です。嫌なら、わかっていますね？」

梨花「沙都子」

沙都子「何でございますの？」

梨花「もし勉強の事で何か悩んでいるんだったら、私が… 」

沙都子「おーほっほっほっ！見くびられたものですわね？私も梨花と一緒で、放課後は何かと忙しいんですのよ？」

沙都子「ごめんあそばせ」

梨花「あ…」

生徒「下品な笑い方ですわね～。あのような品性の持ち主が、この学園の生徒だなんて」

生徒「私たちはサロンへ参りましょう」

梨花「ええ…」

沙都子「ああ…こんなこと毎日続けるんですの？」

生徒「貴方、一年生？」

沙都子「そうですわ…」

生徒「だったら、まだ挽回できる」

生徒「ここにいる子は、ほとんどが二年に上がる時、通常のクラスから落とされた生徒だから」

沙都子「え？」

生徒「この学園はね、何よりも名誉を重んじるの。だから、出来そこないの生徒は卒業の栄誉なんて与えない」

生徒「かと言って、由緒正しい家柄の多いから退学にも出来ない。私達も安くない入学金を出してもらっているから、簡単にはやめられない」

生徒「落ちこぼれが学園にしがみ付くためには、全ての時間を勉強に費やすしかないの。貴方も頑張りなさい。もし成績が上向けば良し。もしダメなら私達みたいに、補習特化の特別クラス行きよ」

沙都子「特別クラス…」

生徒 「そうなったら、もう普通のクラスみたいに自由な時間はないと思った方がいいわ」

沙都子「ねえ、梨花…」

沙都子「貴方、言いましたわよね…」

沙都子「私と一緒に、学園生活を送りたい…。そう言いましたわよね…？」

沙都子「ねえ、梨花…」

沙都子「これは…」

沙都子「どういう事ですの…」