【感想】 アニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(はめふら)』 12話(最終回) 大団円のラスト カタリナも周りのキャラも魅力的でとてもいい作品だった ２期も楽しみだ

シリウス「お前…どうしてここにいる？」

カタリナ「眠り続ける魔法が解けたので」

シリウス「そうじゃない！あんな目に遭って何故僕の前にノコノコと現れた！」

カタリナ「おお！そういう意味ですか！別にそれほどひどいことをされたようには思えないので」

シリウス「お前、自分がされたことを覚えていないのか？僕はお前の命を奪うつもりだったんだぞ！」

カタリナ「ん～、それは嘘ですね」

カタリナ「だって本当にそうだったら闇の魔法で眠らせるより、その場で殺してしまう方がずっと楽だもの」

シリウス「くっ！」

カタリナ「私がここに来たのはもう1度ちゃんと会長と話がしたかったからです」

シリウス「話？」

カタリナ「そうです」

カタリナ「あの時の会長、すごく苦しそうな顔で泣いてたから…」

カタリナ「だからもう1度ちゃんと話を聞いて欲しかったの」

シリウス「来るな！！」

マリア「いけない！！」

メアリ「マリアさん！！」

マリア「黒い霧がどんどん大きくなっていきます」

ニコル「シリウス…なぜこんなことを？」

ジオルド「闇の魔法をどこで手に入れた？」

ジオルド「答えろ！シリウス・デューク！」

シリウス「ははははは！！」

シリウス「シリウス？そんな奴はいない！」

シリウス「シリウスは死んだ！とっくの昔に」

アラン「どういうことだ！」

シリウス「8年前、僕は大切な人をここで奪われた」

シリウス「あいつらに、幸せを壊されたんだ！」

？？「あなたの淹れてくれるお茶はとても優しい味がするわ」

シリウス「母さんに喜んでもらいたくて練習したんだ」

シリウス母「ありがとう！こんなに素敵な幸せの息子がいて私は幸せだわ」

ガチャ！（ドアを開ける音）

シリウス「はっ！！！」

シリウス「うう…」

？？「子供が目を覚ました、これで始められるわね」

シリウス「わあ！？」

？？「私の愛おしい子…もうすぐ新しい身体が手に入るわ」

シリウス「！？」

？？「さあ、生贄をここに」

シリウス「はっ！！お母さん！！」

シリウス母「やめて！」

？？「その子の身体は雑に扱わないでちょうだい！私の大切なシリウスのものになるのだから」

シリウス母「デューク公爵夫人！私を憎くお想いならどのようにしても構いません！」

シリウス母「ですから、どうか息子だけは！」

デューク公爵夫人「なんと図々しい…私から夫を奪い子供まで授かっておきながらまだ望み言うなんて！」

シリウス母「私は公爵様の気まぐれで一時のお相手を申しつけられただけなのです！」

シリウス母「もう公爵様に近づくつもりもありません！私はただ子供と共に…」

シリウス母「静かに暮らしていきたいだけなのです」

バシィ！！（シリウス母が叩かれる音）

デューク公爵夫人「お前だけ…お前たち親子だけが幸せに生きるなんて許せない！」

デューク公爵夫人「さあ！始めなさい」

シリウス母「な、何を？」

デューク公爵夫人「私の息子は不治の病に侵されているの…可哀想にもう嫁に行く幕もないわ」

デューク公爵夫人「でも闇の魔力があれば心を操作し記憶を移し替えることができる」

デューク公爵夫人「健康な身体さえあれば息子は生きていけるのよ」

デューク公爵夫人「息子の役に立って頂戴！そうしたらあなたを許してあげる！」

魔法使い「オーラヴァリァ・イオラーレヴォン…」

魔法使い「イオラーレヴォン…フェデリトゥクサフェデリン」

魔法使い「イーデガーラフィテンドウィルゴレン！」

シリウス母「はっ！？」

シリウス母「きゃあああああ！！」

シリウス「うっ…うう」

シリウス「母さん！？？」

シリウス母「どうか…仇を取って」

シリウス「母さん！！」

デューク公爵夫人「どう？成功したの？」

魔法使い「はい、奥様…文献通り無事に闇の魔力を手に入れることができました」

デューク公爵夫人「そう…」

デューク公爵夫人「では、シリウスの記憶をこの子供の身体に移し替えなさい」

シリウス「うわあああああ！」

デューク公爵夫人「私にはお前だけが頼りなの」

デューク公爵夫人「だから死なせはしない！私のシリウス！」

魔法使い「終わりました」

シリウス「お母さま…」

デューク公爵夫人「シリウス！あなたなのね！」

デューク公爵夫人「闇の魔法は成功したのね！？」

魔法使い「奥様、私の役目は終わりました約束通り家族の元に帰させていただいてもよろしいでしょうか」

デューク公爵夫人「ええ、もちろんよすぐに帰してあげるわ」

魔法使い「ぐあっ！？」

魔法使い「なぜ？俺を騙したのか！？」

デューク公爵夫人「このままあなたを生かしておくのは危険でしょ？」

魔法使い「おのれおのれおのれ！決して許しはしない..必ず地獄へ落としてやる！」

デューク公爵夫人「とどめを」

魔法使い「ぐあああああああ！」

シリウス「シリウスの記憶が教えてくれた、僕の父デューク公爵は遊び心でメイドだった母に手をつけた」

シリウス「あの女は母を憎み、闇の魔力を手に入れるための生贄にしたんだ」

シリウス「あの女の計画通りなら、器のある僕は僕でなくなりシリウス・デュークとなるはずだった！」

シリウス「でも計画は失敗した！シリウスはあの女に縋られ続けただ楽になることだけを望んでいた」

シリウス「僕に移された記憶はただの情報でシリウスの想いなどなかったのだ」

シリウス「それになぜか僕は闇の魔力を手に入れた…復讐を果たすにはピッタリの力だよ」

シリウス「僕はシリウスのフリをしていい子を演じ続けた」

シリウス「デューク家を継ぎ、あの女の大切なものを全てぶち壊すために！」

カタリナ「そんなことが…だからこんなことに」

シリウス「この偽善者が！」

カタリナ「他の奴らのように僕のことも救ってくれるつもりか？聖女カタリナ・クラエス様！」

マリア「これ以上は危険です！」

ジオルド「カタリナ！！」

キース「姉さん！！」

カタリナ「大丈夫よ」

カタリナ「あなたを救うなんて無理だわ、だって私は主人公じゃないもの」

カタリナ「私はライバルの悪役令嬢なんだから、人を救うなんてできるわけないわ！」

カタリナ「あなたが苦しんでいるのを救ってあげるのはできないけど…」

カタリナ「でも、傍にいることはできるから」

カタリナ「みんなが私にしてくれたように傍にいて」

カタリナ「悲しい時、辛い時には話を聞いて」

カタリナ「元気が出るまで一緒にいるわ！」

シリウス「うわ～ん…！ううう…」

シリウス母「どうしたの？」

シリウス母「こんなところで泣いていては辛い気持ちはなくならないわ」

シリウス母「お母さんが傍にいるから…元気がでるまで一緒にいるから」

カタリナ・シリウス母「だから、1人で泣かないで」

カタリナ・シリウス母「ラファエル！」

シリウス「どうして…僕の名を？」

シリウス「うっ！」

シリウス母「ラファエル…」

シリウス母「どうか、生きて..生きて幸せになって！」

シリウス母「愛してるわ…！」

？？「何をしている？こんなやつのいう事なんて聞くな！」

？？「こいつらを人質にすればまだ逃げられる！」

シリウス「嫌だ！僕はもう復讐なんてしない！」

？？「何！？」

シリウス「全部思い出した！母さんの最後の言葉も…母さんは仇を取れなんて言わなかった！」

シリウス「お前は一体誰なんだ？」

魔法使い「気が付いたか…」

シリウス「お前は母さんを殺した…！僕の中に入りこんでずっと僕を操っていたんだな！」

魔法使い「お前の望みを叶えるために手を貸してやっただけだ」

シリウス「確かにあいつらが…あの女が憎い！でも僕が生き残ったのは復讐のためなんかじゃない」

シリウス「僕は幸せになるために生き残ったんだ！」

魔法使い「幸せ？幸せなどにするものか、裏切り者が！」

シリウス「うわああああ！！」

カタリナ「大丈夫！」

シリウス「もう復讐は終わりだ！お前の存在はいらない！！」

魔法使い「うわあああああ！」

マリア「黒い霧が…」

マリア「消えていく！」

カタリナ「シリウス・デューク」

カタリナ「本名はラファエル・ウォルト、彼は役員に全て話すといって学園を去っていった」

シリウス「僕は母の願いを叶えたい、罪を償ってやり直そうと思います」

カタリナ「会長…」

カタリナ「彼の証言からデューク公爵夫人とその手下の罪が明るみとなった」

カタリナ「会長がいなくなったのは寂しいけど、これでみんなが殺されるという最悪なバッドエンドは回避できたことになる」

カタリナ「でも、まだ油断はできないわ！」

カタリナ「ゲームの最終イベント、2年生の卒業パーティーはこれからなんだから！」

アン「さあ、できましたよ」

アン「お腹の周りを緩めておきました、ですが食べ過ぎにはご注意を」

カタリナ「分かっているわアン！ありがとう！」

カタリナ「ついにこの時が来てしまった…」

カタリナ「私が破滅するかどうかは今日の卒業パーティーで決まる！」

議長カタリナ「これより19800回目の作戦会議を始めます」

真面目カタリナ「遂に2年生の卒業パーティーがやってきました！」

真面目カタリナ「ゲームの主人公マリアは、卒業パーティーの会場を途中で抜け出し」

真面目カタリナ「意中の攻略対象に愛を告げるのです」

マリア「これからもずっとあなたの傍にいさせてください」

真面目カタリナ「マリアがハッピーエンドを迎えるかバッドエンドを迎えるか、それによってカタリナの運命が決まります！」

強気カタリナ「国外追放か攻略対象に殺されるか、どちらにせよ万全の支度を整えているわ！」

弱気カタリナ「小さい時からこの時の為に準備してきたのですわ」

ハッピーカタリナ「最後にビビらせましょう～」

強気カタリナ「そうね！ジオルドをビビらせるためのおもちゃはポケットに入ってるわ！」

真面目カタリナ「国外追放になった時の為に荷物もまとめております！」

ハッピーカタリナ「準備はバッチリだね！」

強気カタリナ「後は幸運を祈るのみよ！」

議長カタリナ「それでは、作戦会議はこれにて閉廷！」

議長カタリナ「この8年の集大成…！」

議長カタリナ「来るなら来い破滅フラグ！このカタリナが相手になってやる！」

アン「いってらっしゃいませ、カタリナ様」

女学生「ご卒業おめでとうございます！ニコル様！」

ニコル「ありがとう」

女学生「きゃあああ！！」

ソフィア「お兄様！」

ソフィア「ご卒業おめでとうございます！」

マリア「ニコル様！宜しければこちらをどうぞ！」

ニコル「ああ、ありがとう」

カタリナ「私もプレゼントを用意しました！どうぞ受け取ってください！」

メアリ「カタリナ様これは？」

アラン「どうしたんだ？なんだこの草は？」

カタリナ「失礼な！これはただの草ではありませんわ！名付けて野菜束です！」

アラン「野菜…束…」

カタリナ「花ばかり貰っても困ると思ったので、畑で採れた野菜を包んだのです！」

カタリナ「これなら飾るだけじゃなくて、お腹を満たすことができると思いまして！」

アラン「あははははは！」

ニコル「ありがとう…大切に食べるよ」

女学生「きゃー！！！」

カタリナ「マリアはまだ動かない…2人は仲良く演奏を始めちゃってるし」

カタリナ「キースやニコルもマリアを連れて会場を抜け出す気配はない…」

カタリナ「そもそもジオルドとアランの演奏シーンなんてゲームにはなかったはずよ…一体どうなってるの？」

カタリナ「もしかしていつの間にか逆ハーレムルートになっていて、このままマリアは全員と結ばれるのかも！？」

カタリナ「逆ハーレムルートはクリアしたことないけど、あっちゃん情報だとカタリナは破滅するらしい～！」

カタリナ「ああ！どうなのマリア！？逆ハーレムなの？それとも誰かと結ばれるの～！？」

パチパチパチパチ…（観客の拍手）

カタリナ「もうすぐパーティーが終わるというのに、何故動かないのマリア！」

キース「姉さん…食べ過ぎじゃない？」

カタリナ「え？そう？」

カタリナ「ちょっと心配ごとがあってこんなに食べてたとは気付かなかったわ！」

キース「まずお腹の心配をしたほうがいいと思うけど…」

メアリ「カタリナ様！よかったら私のケーキも召し上がってください！」

ソフィア「私のも！」

カタリナ「ありがとう！ちょっと飲み物を取ってくるわね～」

カタリナ「マリアの恋の行方に私の運命がかかってる！もう待っていられないわ！」

カタリナ「ねえマリア！」

カタリナ「あなた、好きな人はいないの！？」

マリア「えっ！？」

マリア「私は…カタリナ様をお慕いしております」

カタリナ「あの…マリア？それは嬉しいのだけど…」

カタリナ「そうじゃなくて気になったりお付き合いしたいと思う男性はいないの？」

マリア「気になったりお付き合いしたい男性…」

カタリナ「さあ！はっきり教えて頂戴！マリア、あなたは誰と結ばれるの？」

マリア「いませんね…」

カタリナ「ええ！？」

マリア「私が気になるのも、お慕いしているのもずっと傍にいたいと思うのもカタリナ様なのです」

マリア「ですから…これからもカタリナ様の傍にいさせてください」

カタリナ「こ、これは？ゲームでマリアが攻略対象に告げたセリフ！？」

カタリナ「でもどうして私に？」

メアリ「抜け駆けはいけませんわ！私もずっとカタリナ様と一緒ですわ！」

ソフィア「私もです！ずっとずっといさせてください！」

ニコル「なら俺も…許される限り傍に…」

アラン「なら俺も！！」

ジオルド「皆何を言ってるのですか、カタリナは僕の婚約者なのですよ？」

キース「ジオルド様、何度もいっていますが姉さんにジオルド王子の妃は務まりませんよ」

ジオルド「キース、何度も何度も言っていますが婚約は絶対に解消しません」

ジオルド「そろそろ姉離れしたほうがいいのでは？」

カタリナ「この展開は….？」

カタリナ「まさかの友情エンド！！」

カタリナ「主人公が誰とも結ばれず終わる！」

カタリナ「恋愛ゲームとしてはバッドな終わり方だけど、これなら私が破滅することはない！」

カタリナ「やった…破滅エンドを…」

カタリナ「回避したわー！！！」

ニコル「みんな、今日は本当にありがとう」

ソフィア「お兄様、いつでも学園に訪ねに来てくださいね！」

ソフィア「他の方に遅れを取ってしまいますから…！」

マリア「皆さん！お菓子もありますよどうぞ召し上がってください！」

カタリナ「うっほー！今日のも一段とおいしそう～！マリアの手作り？」

マリア「はい！母と一緒に考えたのです！」

カタリナ「お母さまと？」

マリア「お母さまがいつも同じお菓子では、カタリナ様が飽きてしまうのではということで一緒に新しいレシピを考えたのです！」

カタリナ「そうなの～！是非お母さまにもお礼を言っておいて！」

マリア「はい！」

メアリ「お茶も用意してますわよ」

カタリナ「ありがとうメアリ！」

カタリナ「いただきま～す！」

カタリナ「ん？これって！？」

カタリナ「あっ！！」

カタリナ「会長！！」

シリウス「もう生徒会長ではありませんが…僕も呼んでいただきありがとうございます」

メアリ「カタリナ様が喜ぶだろうと思ってお招きしたんです！」

アラン「驚かせようと思って黙っておいた」

カタリナ「そうだったの！！」

カタリナ「会えて嬉しいです会長！あっ、じゃなくてラファエル様！学園に戻って来られるのですか？」

シリウス「いえ…ちゃんと戻って来られないのは残念ですが」

シリウス「これからは魔法省の元で働かせてもらえることになりました…ラファエル・ウォルトとして」

カタリナ「そう…じゃあこれでまたこうしてお会いすることができますね！」

シリウス「そうですね、同じ敷地にいますから」

シリウス「あのようなことがあった後ですが、これからもあなたの傍にいることをお許し願えますか？」

シリウス「カタリナ・クラエス様！！」

カタリナ「もちろんです！それに様なんてつけないで、今まで通りに呼んでください！」

ジオルド「婚約者がいる前で堂々と…！」

キース「また1人たらしこんだよ…姉さん」

アラン「全く…あいつは」

メアリ「ライバルが増えてしまいましたわ！」

ソフィア「さすがカタリナ様ですわ！」

マリア「さあ！皆さんいただきましょう！」

カタリナ父「春だなぁ～」

カタリナ母「ええ、春ですね…あなた」

カタリナ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまって」

カタリナ「なんてついていないんだ…不幸過ぎて嘆いた日々」

カタリナ「でも！」

カタリナ「今なら大きな声で言える」

カタリナ「こんなに素敵な人たちに出会えて」

カタリナ「私…カタリナ・クラエスはとても幸せ者だと！」

カタリナ「この先どんなことが起きるのか私にも分からない」

カタリナ「ゲームのシナリオにも無かった新しい季節がやってくる！」