たまに話題になる『聖戦記エルナサーガ』という漫画を読んでみたら名作だった
最近一気見したけどすごい面白かったしファンタジー浴びた
シグルーンがエイリークの味方になってくれたの嬉しかった
巻末のおまけ漫画で、エイリークはどうなるのか尋ねたアシスタントに対して
堤先生は「しげる」と返して、よくわかんないけどエイリークの事をしげるくんと呼んでキャッキャしてたら
「繁る」エイリークのシーンを泣きながら描く羽目になったりした
当時のスクエニは出版社としては新興に過ぎず
ガンガンの方は映画やアニメにドラマCD化とか力入れてたけど
Gファンタジーだと最遊記が出るまで中々そういうメディア展開も無く
そもそも剣と魔法のファンタジーアニメは、作られる所限られてたし
青年漫画の読者層となると尚更難しかったんだ
ヒット作となるとダイの大冒険だのビックリマンだので、一番近い作風のアルスラーン戦記もOVAの時代よ…
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なお続編もある
どんな姿でも狂戦士は魔物じゃなくて人間という
徹底的に「人の業」が巡りまくってる地獄
最後死ぬんじゃねえかと思ったけど生き残ってよかった
バイキング国家とかフィンランドのサーメをモチーフにした世界観がすごい好きだった
ソール・スラーグの呪文が伏線になってるの感激したわ
エイリークが茂くんて呼ばれてたのとかも印象深い
しっかり商品価値を示せるようになったのが、実はゼロ年代辺りからで
中華系だけど十二国記もアニメ化したのゼロ年代からで
オーフェンはアニメは成功したとは言い難かったり
メディア展開が無かったのは時代が悪かったというか、仕方ない面もある
つい最近あったおがきちか先生のサイン会で、ランドリオール始まった頃はファンタジー漫画が本当に需要なくて…みたいな話ししてたな
エルナサーガはランドリオールより前の作品だけど、終盤あたりからファンタジー冷遇の時代が始まりつつあったかなという体感
スレイヤーズは大成功だったのにオーフェンは微妙だったのか
あとファンタジーじゃないけど上田信舟の女神異聞録ペルソナコミカライズとか そのへんの流れでエルナサーガも読んだけど大好きだったなあ
かなり完璧に近い漫画だわ
なろう原作のハイファンタジー作品のメディア化が多数されてる現代は隔世の感がある
その後の作品小ヒットだったし、実質的に漫画家引退して後進の指導してるけど
何時かはその作風を受け継いだ巨星が出ないかなと思ってる
復讐成し遂げたときのヴァーリってどんな気持ちだったんだろうなぁ
主人公2人の志しも良かった
杉浦次郎は詠唱の美しさに対して脱帽してんのよね
この人の描くファンタジーは異世界転生だのチート能力とかはぶち込まれてるけど
その世界の能力の立ち位置やその能力が及ぼす影響とかの思考実験要素強くて
結構影響感じる
無詠唱で魔法を使ってびっくりするやつ、エルナサーガみたいな、超かっこいい詠唱があってびしっとキマッてる魔法戦が大好きだからないのかよーってがっかりするんだけど、何もしてないのにすごい事してる感を出しているエコな感じが表現として上手でそういう所は好き
— 杉浦 次郎 (@sugiura_jirou) November 2, 2023
各電子書籍ストアで売ってますよ
核爆発が実は魔法で使えますとかいうのはビビった
しかもきっちり放射能汚染もあるガチの核
使い魔の解呪方法とかそう来たかってなった
今は実際設定しようと思えば設定できるくらいに魔法の命名法則自体はシンプルなんよね
ただし呪文の詠唱は絶対作れないってくらい詠唱が独特
あまりにも作風が違い過ぎるし、スレイヤーズという作品単位じゃない
ファンタジーというもっと広いジャンルのアニメや漫画が存在感増したのって割と最近のイメージがある
ゲームとか少女漫画だと割と主流だったんだけどね
なろう系からハイ・ファンタジーに以降する作品増えたよね
ファンタジー好きには良い時代だ
ロードス島戦記→スレイヤーズとファンタジーブームが起きる流れはあったんだけどなぁ
それにスレイヤーズですらより明るく軽いノリとギャグや恋愛マシマシにアレンジ映像化でウケた例だしなあ
欲と欺瞞が関わりまくってるけど、シグルーンや人々との出会いで
エイリークやエルナはそれでも人を信じる事が出来るのという事と、それが無いヴァーリが人に絶望してる事の説得力
この場面のヴァーリの聡明さが悲しいけどすごい好き
他の誰一人として換えのない特別な運命とは思わず人間の社会なら当然起こりうることと解ってしまうからこその絶望が深い
神が実在する世界なら信仰は保たれるっていうのは多いけど
魔法という神秘が有っても人は理不尽な目に会い
神の奇跡が起きないなら、その世界の道徳はどうなる?ってのは衝撃だった
大きな力を持ってる宗教も宗派がないのは実際に神やその力が在るから、ではなくて単に世界として若いから(人間社会が成立してからまだ日が浅いから)なのもある種リアリズムの徹底を感じる
時代が降ってたら多分あの世界でも宗教戦争とかも起きるんだろうな…
シャールヴィの義兄になってちくちく小舅するシスコンヴァーリが見てみたかったし
エイリークとシグルーンが風のきれいな田舎で暮らすところを見てみたかったよ
絶対ありえねえんだけど
ヴァーリ、相愛呪であっさり自分を忘れた父と
母を殺した男の陰謀で生まれた妹だからってマジで容赦ないからな
それでも最後に妹の優しさを知ってる辺りは、愚かとは思いつつ人柄見てはいたんだろうけど
確か結構な子沢山になってたよな
一方でエイリークとシグルーンの恋愛も良かっ⋯た
どっちも最初は相手を殺そうとしてたんだよね…
エイリークの「おいで」が心に焼き付いて離れない
孤独な王とそれにただ一人寄り添い最期まで共にする者のシチュエーションが好きなの間違いなくこの作品が根っこだ
生活のためとか出世のために禁忌に手を出す人達の切なさがあった
エルナがそういう人々に心を寄せててそれが周りの人々の心を動かすのも説得力あった
>これが生存if幸せ二次創作を書きたくなる気持ちか
だがエイリークとシグルーンはあの結末が美しすぎる……!
『得タリ。善キ魂ヲ得タリ』って生い茂ってゆく場面でも『そうだろう当然だよ当たり前だよ!』と後方読者理解者面して内心腕組みしながら心が泣いてた
殺してやろうと意気込んできた娘が、解放を拒絶してでも最後の最後まで一緒にいてくれるという美しさ
小さな畑作ってよ
優しい絵柄と相反して、残酷な場所は恐ろしく残酷なんだよな。魔物?や変異もグロテスクなのが多い
一番好きなシーンは、修道会で強がるエルナに国はなくとも俺がいるからと言葉をかけるシャールヴィ
とかでファンタジー系のアニメは中々難しかったんよね、特にハイファンタジーは年齢層上の方だし
スレイヤーズは別格だけど、ロードスはローファンタジー寄りの扱いで、ようこそもアニメ化してその辺配慮してたり
ハリポタとかのメガヒットと視聴者層の成長でだいぶ裾野が広がった感じがある
これは後半SF要素が入ってくるよね
アニメでファンタジーが増えたのはSAOのヒット辺りからかなぁ?
あれ自体はSF寄りだけど、個人的にはゼロ魔~SAO辺りからだと思ってる
アニメでもファンタジーがあの辺、ゼロ年代後半から存在感増し始めて
ハイファンタジーの商品価値上昇はなろう原作の供給と
そう言うのに親しんだ層の成長が重なったのが大きいと思ってる
2010年代のハイファンタジー系のアニメの供給は90年代からするとあり得ないくらい多かった
2020年代は落ち着き始めてるけど、それでも魔術師クノンとか、あの辺のアニメ化とかは時代が変わったのを認識する
ハイファンタジーという括りで言うなら、90年代はあかほり作品とかかなり流行ってたんじゃないかな
今のなろう系と通じるものがある
それよりもっと重厚なハイファンタジーが一般化したのは00年代のハリポタやロード・オブ・ザ・リングの映画辺りかな
世界を動かすのは女性でそれを支えるのは男性という話が描きたい、男性の方が弱い訳ではないのがポイント……
みたいな事を書いていたのが印象的だったな
たしか「女の子が世界を救う物語」が描きたいとかだったかな
でも男より強い女が描きたいわけじゃなくて、男らしい強さはシャールヴィに担当させたとか
自分でスカート引き裂いといて後から可愛く繕いなおすの好き
ハイとかローとか言い出すと難しいけど
単純にエルナサーガはアニメ向きではなかった気がする。それで評価下げるタイプの作品でもないし
連載当時の話聞けてうれしい
魔風の影響で食料が高くなって、やりくりで料理作って謝るアトリ母に、アトリ父がお前は腕がいいからって言うシーンが妙に好き
シャールヴィがエルナ抱えるシーンいっぱいあって好き
やたら強い僧侶のアースムンドさん好き
あれ、確実に死んだと思ったわ…
生きてるう!?ってなったわ
崩落のときの聖職者たちのグダグダ具合が終末の世界って感じでよかったよね
※実際にはエルナもめちゃくちゃ頭使ってるしシャールヴィも腕っぷしが強い
スクエニはファンタジー膾炙に大幅に貢献したドラクエ持ってたから比較的強かったとは思うけどそれでも大手には敵わない
って見方もあるけど結局は先王が作った地獄のような環境でエルナ達がより良い未来を信じて諦めずに行動したからあの結末が得られたんだよな
ずっと『誰かを守りたい』『助けたい』ばかりで剣を振るってたエルナが
「だから私は、魔獣《フレースヴェルグ》を倒します」
って宣言した場面はカタルシスすごかった
自分から戦いを挑むのか
倒しに行くのか、って
優しさを動機にして戦いを挑む、命を懸ける主人公というのは当時ほんと珍しかったな
凄く驚いたのを覚えてる
それでも最後の最後にエルナはフレースヴェルグを倒せなかったってのがいいよね
その優しさと甘さは魔獣にすら向けられたけど魔獣はその生まれからしてそれを信じられずヴァーリに逃げ込んで結果シャールヴィに討たれたのが物悲しい・・・
自分の中で堤抄子は浦沢直樹と並んでその辺のおっさんが急に表情を消すと怖い作家
説得や誠意を見せてもそう簡単に考えは動かないのが歯痒かった
それはそうとシャールヴィの「来い」とエイリークの「おいで」いいよね
身一つならともかく、国を背負うと簡単には動けないわな
中性的な、少年漫画にして少女漫画的なイメージがあるのはエルナサーガの存在が大きいように思う
今の時代なら
分割4クールとかでやって欲しい
フェイトゼロとかハイスコアガールがそれで全部アニメ化したし
シャールヴィもエルナも異性関係で嫉妬や勘違いする展開があったけど相手が憎めないタイプだから読者目線でとても穏やかにニヤニヤしながら見れた
あとエイリークの「無粋だぞ」がかっこいい
絵を描く人ってこれあるでしょ? #FGO pic.twitter.com/HMx35BS9CX
— 堤抄子 (@TsutsumiShoko) August 23, 2017
先生何やってんすか
魔族との戦いは基本戦略が無いと勝利できんし
世界観そのものは、そこら辺の真面目なファンタジーより薄氷の上だしな
リナがL様の呪文をもってたりガウリィが光の剣を持ってるっていう数少ない人類の対抗手段があるから辛うじて戦いになるだけで中級魔族以上は基本逆立ちしても勝ち目がないんよな…
スクエニ原作でアニメ特別扱いされたのグルグルとハガレン位だからなあ…
30年前の非アニメ化漫画でまだまだ語れるってのは凄いんだけど、やっぱ30年前はキツイ
ハーメルンのバイオリン弾きも
一応ね
乙嫁語りみたいな
異世界側は割と往年のスクエニ漫画の影響を感じてて
中でもロゥジーとテルティナ様は
・魔力を持たない者だけが使える勇者の剣
・無力だけど本来解除できない魔法を解除できる
って部分とかでエルナサーガの影響を感じる
エルナサーガは核兵器、エルナサーガ2ではテロリズムをモチーフにした話の作りで自分が描くものにすごく自覚的な作家さんだよなと思った。
この作家さんだとアダ戦記もエスペリダスオードも面白いので良ければ読んでほしい。
エスペリダスオードは未完だけど、武内崇氏が帯を描いてる巻があるんで、それが古本で見つかればお宝だと思う。
ものすごくうろ覚えだから全部違うかも
と思ってググったらスターゲイザーという漫画だたぶん
スタゲは連載版より読切版のぶつ切りが絶望というか、
あ、人類終わるんだね……って感じがして好き
電子版あるとありがたいね
問題は忙しすぎてゆっくりとしか読めない点だが
エルナの出生の秘密に関わっててエイリークとシグルーンの出会いにも関わるのが面白い
術者を倒すわけでも聖短剣で強引に解呪するわけでもなく真に相手の妄執を晴らすエルナの強い優しさ
あそこいいよね
替え玉にされた娘さんの憤りと無念が克明に描かれていてエルナを責める気持ちもわかる
でも彼女の苦しみに誰よりも迫ったから、心象の世界でも誠実だったから妄執を解くことができたというエルナの強さの方向が示されてて好き
あと、ヴァーリを打倒する方法が序盤で提示されていた、という構成にも痺れた
まあその後で要らんことしてぶん殴られるんですけど!
ラタトスクはいったい誰が本命なんや
美しいポエム読みやがって⋯
https://www.shoko-tsutsumi.com/gallery/011.html
不屈で闘志の塊みたいな巨漢が、惚れた女への告白の返事でアンクルブレイクされるの味わい深い
ラヴァルタみたいな真っ当な女騎士はかえって新鮮かもしれない
聖ラタトスク祭
ホーグクレトゥスの呪文唱えるところ毎回泣く
ソーロッドも反応してるし
シグルーンはどうなってるんだろ
…のに、迷信っぽい「召喚に応じる竜は愛馬の生まれ変わり」がココで生きてくるのは痺れた
でも『(ここが農地じゃなくて良かった。一揆が起きたかもしれん)』っていうシャールヴィの側近さんの心配で一気に惚れ込んだ作品だったよ
その世界に根ざす人ならそう考えるだろうそう行動するだろうが的確に表現されてるよね
エルナの服の良さを解って繕って返してくれたおかみさんとか
あのあたりは路銀よりよっぽど高価な装飾品身につけてるのにそんな発想がない王族2人がツボ
嫌味が一切無く庶民とのズレが表現されてる
(言ってみるもんだな)ってなってる店主?も好き
あの刀鍛冶のおっちゃん代金をもらい過ぎたおつり分としてハルスホルト脱出に手を貸してくれたり
実はそれなりに名のしれた盗賊の元頭領だった過去があったりとなかなかに存在感があるおっちゃんだったなw
最初は肉をついばむカラスを追い払おうとしてたエルナだけど、地に帰り空に帰ることを感じ取って手を止める
その日の晩御飯?
いいじゃないかそういう話は
Ⅰでの魔法の立ち位置はファンタジーじゃ王道なんだけど
科学>魔法みたいな創作も見かける中、Ⅱでの核ミサイルで王族じゃなくても禁呪が使える程になっても
魔法の使い道や利点に矛と盾の設定が上手かったり
序盤のお互い戦争する理由ってのは、当たり前だけど薄っぺらい名誉欲とかではなく、食っていく土地の奪い合いだったりするし、その会話が激しくではなく淡々とかわされるのが普通のことって感じで好きだった
グズルーンを助けたり大人を引っ張ったり
エルナのことも隠して守ってたし最初から最後まで信じてたね
初期にアトリが大人達に説明はじめるのは
お、おい⋯やめとけって感じで不安に思ってたけど
最終的にアトリの言葉が大人達に届いて話を聞いてくれてエルナやエイリークの頑張りの伝え手になってくれるのがありがたい
アトリも頑張った
一度目のアトリを止めた騎士、ヴァーリを手玉に取ったり有能さ見せてたと思ったらそれ故にあっさり犠牲にされてひええってなったわ
アトリがエルナを救おうとシャールヴィに歯向かわなければエルナは抵抗しようともせずそのまま首を差し出してて終わってただろうしヴァーリも間に合わなかっただろうからな
アトリが持っている矮小な力に比べると果たした役割の大きさは凄いと思う
元スレ : 「聖戦記エルナサーガ」読んだ