【感想】アニメ『86 エイティシックス』 3話　レーナ視点の音声だけの演出がとても残酷で上手い

レーナ『キルシュブリューテのことは…残念でした…』

セオ「…ッ！」

ハルト「じゃーん！これがホントのグランミュールの外に生息する豚野郎でーす」

セオ「悪趣味だよ。ハルト」

ハルト「うーん、ウケがいまいちだなぁ。笑うとこだろ、ここ」

ダイヤ「どっちかつーと凍えるとこだよな」

ハルト「えっ？」

ハルト「てか、アンジュどこいったかな？夕食の当番交代してもらわないと」

ダイヤ「アンジュは今日、洗濯当番」

セオ「流石、詳しいね。ダイヤ」

ダイヤ「てか、他の女子も全員行ったから」

ハルト「それ、いつの話？」

ダイヤ「確か朝食後すぐだったかな？」

セオ「今、昼前だけど？」

ダイヤ「ああ…そういやちょっと時間かかりすぎか…」

ハルト「つまり水浴び。ただいま河原は…」

二人「この世の天国！」

ダイヤ「えっ、ダメダメ！絶対ダメだぞ！」

ハルト「固いこと言うなよー、お前！俺たち、明日死ぬかもしれないんだぞ！？」

ダイヤ「ハルト、お前そればっかじゃねぇか！」

セオ「わかってる。アンジュは見ない」

ダイヤ「いや、絶対見えるわ！」

ダイヤ「って、そういう問題じゃなくて。俺は行かねーぞ」

ダイヤ「冗談じゃない。俺たちは男女である前に、大切な仲間だ…」

ダイヤ「大切な仲間だっ！」

女の子たち「あはははは！うふふふ！」

クレナ「カイエ―！」

クレナ「何してるのー？座ってないでこっち来なよー」

カイエ「いや、これはこれで艶めかしい格好だなぁ…と」

クレナ「どゆことー？」

カイエ「見方を変えれば、天国だ」

クレナ「？」

アンジュ「えい」

カイエ「わっ！」

アンジュ「素直に遊べばいいのにー」

他の女の子たち「そうだそうだー」

カイエ「って、いうかいいのか？私達だけ水遊びしていて」

アンジュ「そういうとこ真面目ねー。カイエちゃんは」

アンジュ「いいのよ、洗濯はちゃんとやったんだから」

ミクリ「っていうか、シンもわかってて許可くれたんでしょ？」

レッカ「そういうとこには理解があるのよねー。無表情隊長も」

レッカ「ごめんねー、気が回らなくて。アンタもシンも当番ないんだから、口実作って二人にしてあげればよかったよねー？」

クレナ「ち、違うもん！私、別にそんなんじゃないもん！」

マイナ「どこがいいの？あんな何考えてるかわかんない奴」

クレナ「だから違うってば！」

アンジュ「ちなみにカイエちゃんはどう？」

カイエ「シンか？ふむ、悪くないと思うぞ？寡黙なところとかストイックでいいな」

クレナ「えっ、ちょ…ちょちょっと…カイエっ！？」

カイエ「そうかそうか。別に誰も想いを寄せてないのなら、私が狙っても構わないわけだな」

カイエ「なら早速今晩にでも、東方伝統のヨバーイに…」

クレナ「カイエ……？」

クレナ「あの！その！別にシンのこと何とも思ってないけど、その…そういうのって良くないと思う…。ほ、ほらヤマトナデシコのタシナミとかって…」

女の子たち「クレナ、可愛い～！」

クレナ「もーーーーっ！！」

ダイヤ「はぁ…はぁ…はぁ…」

ダイヤ「お前ら…何度言えばわかるんだ…。これは決して許されることでは…」

セオ「むしろダイヤが一番見てるよね」

ハルト「ダイヤって何しに来たんだっけ？」

ダイヤ「お前らの監視だ。はぁ…はぁ…」

セオ「目標多数、構え…」

ハルト「撃てー…」

ダイヤ「お前ら正気か…うわっ！」

女の子たち「あははは…」

ダイヤ「痛つつ…」

ダイヤ「はっ…！？」

ダイヤ「えっ…ちょ…待て…ウソ…！？」

ハルト「ダイヤ…」

セオ「今までありがとう…」

ダイヤ「うわっ…！」

ダイヤ「ひゃぁー…っ！？」

アンジュ「それで…？どうしたの…？」

アンジュ「ダイヤくん…」

ダイヤ「ここは可愛く大丈夫って、聞いてくれていいとこだぜ？」

ダイヤ「アン…ジュ…」

ダイヤ「……」

アンジュ「モウダイジョウブカシラ、ダイヤクーン…」

カイエ「残りの者も出て来るがいい」

セオ「あ痛てぇ！」

ハルト「セオ！？」

二人「あ…」

カイエ「で、何用だ？」

セオ「何ってその…あれだよ…。ねー、ハルト？」

ハルト「ねえ、ダイヤ？」

ダイヤ「えっ、俺！？」

ダイヤ「だからあの…あれだ…。ちょっと皆に聞きたい事が…」

クレナ「そんなのパラレイド使えばいいじゃない」

ダイヤ「つって、女子ばっかでキャッキャウフフなとこに、レイド繋いでも…な？」

セオ「うっかり恋愛相談なんかしてたら、お互い気まずいでしょ？」

ハルト「『クレナ、シンが好きなの…』とか、言ったりしてたらさ」

クレナ「な…」

マイナ「ってか、それ言ってたとこだったし」

ミクリ「それよ！今度シンが繋いできそうなとこでそれ言わせるのよ！どんな反応するか見物だわ」

レッカ「クレナがね、『シンはダメよ。あの死神ったら、顔色も変えないわよ。可愛くない』」

クレナ「あああアタシ、そんな事言ってないもん！」

クレナ「ちょっとやめてよ！」

女の子たち「クレナったら、可愛い～！」」

３人「あはははは」

カイエ「それで？」

カイエ「聞きたいこととは？」

セオ「それは…」

ハルト「ダイヤ…？」

ダイヤ「えっ、また俺？」

ダイヤ「ええと…その…」

ダイヤ「あ…。ヨバイって何？」

女の子たち「～～～！！！」

クレナ「あははははは！！」

クレナ「…ッ！！」

レーナ『あの…どうかしましたか？』

シン「ネズミが出ただけです」

レーナ『ネズミっ！？』

セオ「適当すぎでしょ…」

レーナ『ネズミが…出るのですか？』

シン「……そうですね」

ダイヤ「クレナ…」

クレナ「何であんな女と毎晩毎晩…。みんなと一緒に過ごせてる大切な時間なのに…」

クレナ「明日死んじゃうかもしれないのに！」

ダイヤ「今だけだって。そのうちお姫さんの方から繋いで来なくなるさ。お互いに暇つぶしだよ…」

クレナ「でも、白豚なんかに気を遣ってやることなんてないんだから…」

クレナ「シン、あんなのとっとと壊しちゃえばいいのに…」

ダイヤ「シンだって、別に好きで壊してるわけじゃねーだろ」

ダイヤ「っていうかね、お前それシンに言える？気に食わないから、シンのそれで壊してくれってアイツに言える？」

クレナ「ごめん…。でもやっぱり許せない…」

クレナ「アイツら白豚は、パパとママを殺した。ゴミみたいに射的の的にした…」

クレナ「白豚はみんなクズよ。絶対に許さない」

ダイヤ「はぁ…」

レーナ『本当に！？キルシュブリュ―テ』

カイエ「ああ」

カイエ「見ている端から幾つもの星が、ぽろぽろ空を落ちていくんだ」

カイエ「空一面光が流れてそれは見物だったよ」

レーナ『本当にそんなにたくさんの星が…？』

カイエ「うん、とても数え切れなかったよ」

ライデン「流星雨か。それなら俺も見た」

レーナ『本当ですか？』

ライデン「ああ」

ライデン「ただし、敵も味方も壊滅した戦場のど真ん中、隣には男ひとり…」

ライデン「なっ、アンダーテイカー？」

アンジュ「それはまた随分と色気のない」

レーナ『ウフフフ』

ライデン「おまけに揃ってジャガーノートがガス欠で、逸れてたファイドが探し出してくれるまで、身動きが取れなかったって笑えない状況でなー」

レーナ『ファイド…ですか？』

ライデン「俺たちの犬」

レーナ『えっ、犬も飼っているのですか？』

ダイヤ「こいつがまた珍しい犬でさ、ワンじゃなくてピッって鳴くんだ」

レーナ『ピ…？え…？』

ライデン「本当に恐ろしく暗いぜ。戦場の夜はさ」

ライデン「そんな中、青白い光が音も無く後から後から流れて、空を埋め尽くす…。あの時、妙な事を口走ったのは俺の一生の汚点だ…」

ハルト「なんて言ったんだよ、キザヤロー」

ライデン「言うかよ、バカ…」

シン「最後に見るのがこれなら、悪くねぇかもな」

仲間たち「あはははは！」

ライデン「何で言うかね、全く…」

ライデン「コイツそれ聞いて、鼻で笑ったんだぜ？」

カイエ「もうあんなのは見れないんだろうなぁ」

レーナ『私も見てみたかったです。流星雨』

カイエ「そちらでは見られなかったのか？」

レーナ『一晩中、街の明かりが消えないので、こちらでは星なんてほとんど見えないんです…』

カイエ「ああ、そう言えばそうだったかもしれないな」

カイエ「こちらの夜は本当に真っ暗なんだ。人が少ないし、場所も離れているし…」

カイエ「寝る頃には灯火管制が掛かる。だから、普段も星がキレイでそれは間違いなくここでの暮らしのいいところだ」

レーナ『いいところ…？』

カイエ「そ」

レーナ『キルシュブリューテ…』

レーナ『私たちを、恨んでいますか？』

カイエ「それは…。もちろん差別されるのは、辛いし悔しい…」

カイエ「収容所での暮らしは辛かったし、戦うのはいつまでも怖いよ。だから、それを私たちに押し付けて、エイティシックスは人間じゃなくて家畜だから構わないって言うような奴らは、やっぱり好きになれないなぁ」

レーナ『でも…』

カイエ「けど、貴方たちアルバの全員が全員悪人じゃないと言うのも、わかっているんだ。エイティシックスの全員が、必ずしも善人ばっかじゃなかったのと同じ様に…」

レーナ『え…』

カイエ「私はエイティシックスの中でも、珍しい人種だったから…。収容所でも以前の隊でも色々あったよ」

カイエ「もちろん私だけじゃないだろうし、同じようにアルバにもいい人がいるのは…」

カイエ「まあ、私は会った事がないけど、仲間の何人かは知っているからわかってはいるんだ」

カイエ「だから、アルバというだけで恨んだりしない」

レーナ『そうだったのですか…』

レーナ『では、その方々には感謝しないといけませんね』

カイエ「フッ…、ハンドラー１。貴方に少し興味が沸いてきた」

レーナ『本当ですか？』

カイエ「では、私からも一つ聞いていいかなー？」

レーナ『はい、何でしょう？』

アネット「ねえ、レーナ？何で私がこんなことを…」

レーナ「ランチ奢ったでしょ？」

アネット「ディナーもじゃなきゃ割に合わない～。何で今更地図が必要なわけ？」

レーナ「彼らに送ってあげたいの。戦地にまともな地図がないまま戦ってるのよ？」

アネット「あら、また彼らの自慢？」

レーナ「実際凄いもの。この半月、出撃回数は他の隊より多いのに戦死者0なんだから」

アネット「はいはい、凄い凄い。でも、たまには顔の見える男との話を聞かせてよ。私なんて大変よ？見合い相手がさー」

レーナ「テオバルト…さん？」

アネット「アンタ、それいつの話？」

アネット「フンベルトよ。おでこがここまである。それがしつこくってさ～」

アネット「お見合いの時にハンカチ貸したのが全ての間違い。だって、ここの汗よ？気になるでしょ？」

レーナ「そうね。気になるわ。どうして彼らには、レギオンが襲ってくるタイミングがわかるのかしら？」

アネット「全然聞いてないし…」

レーナ「本当に不思議なの。いつだって先を読んで戦闘準備にはいってるんだから」

アネット「レーナ、それ以上深入りしちゃダメ。相手はエイティシックスよ」

レーナ「ご心配なく。私たちは同じ人間として、しっかり信頼関係築けてるもの」

アネット「うわっ」

レーナ「何っ！？」

レーナ「ちょっと大丈夫？」

アネット「信頼してるわよ～、ミリーゼ少佐。はい」

レーナ「あったの？」

アネット「ディナー驕りね？」

レーナ「ありがとう～、これでまた力になれる」

アネット「見えてない…っと」

レーナ「パラレイド、アクティベート。同調対象 スピアヘッド プロセッサ…」

レーナ「戦隊各員、今日もお疲れ様でした」

シン『お疲れ様です、ハンドラー１』

ハルト『どうもお疲れっすー』

セオ『毎晩ご苦労さま』

レーナ「アンダーテイカー。まずは先日、要求の出ていた補充物資の納入日についてなのですが…」

猫『ニャー…ニャーニャー…』

レーナ「申し訳ないのですが、もう少しお待ちいただければと…」

レーナ「猫ですか？」

ダイヤ『ああ、隊舎で飼ってんすよ。ちなみに拾ったのは俺っす。ここに配属されたばっかの頃に、戦車砲を食らって吹っ飛んだ家の前でミーミーないてて。親とか兄弟はぺっちゃんこだったんですけど、こいつだけは無事で』

セオ『で、何故かアンダーテイカーに一番懐いちゃったんだよねー』

アンジュ『全然じゃらしてもあげないし、媚び媚びすりすりされてもおざなりに撫でてるだけなのにねー』

ライデン『懐いてるっつーか、いいベッドだと思ってるんじゃねーのか？今だってそうだろ？』 

カイエ『ああ、読書中は動かないからな。では、ブラッグドッグには絶対なれないな。うるさいから』 

ダイヤ『ひでぇ、ってか理不尽だ！改善を要求するぞ。ぶーぶー』

レーナ「名前は何と言うのですか？」

隊員たち『クロ』『ティピー』『チビ』『レバルク』

セオ『だから、その今読んでる本の著者名で呼ぶの、いくらなんでも適当すぎるからやめてよ。っていうか何読んでるんだよ、ホント趣味悪いな』

レーナ「ええと、たくさんいるんですか？」 

セオ『話聞いてた？一匹だよ』

ダイヤ『足の先っちょだけ白い黒猫なんすよ。だから呼び名もクロでシロでミケ。そんで特に決まった名前とか付けてなくて、皆その時の気分で好きなように適用に呼ぶもんだから、最近そっち見て声かければ取りあえず寄ってくるようになってて』

レーナ「なるほど」

レーナ「でもどうしてそんな事を…、え…？」

レーナ「…？あの…どうかしましたか？」

シン『ネズミが出ただけです』

レーナ「ネズミっ！？」

レーナ「え？犬も飼っているのですか？」

ダイヤ『こいつがまた珍しい犬でさ…』

レーナ「私も見てみたかったです。流星雨」

カイエ『そちらでは見られなかったのか？』

レーナ「その方々に感謝しなければいけませんね」

カイエ『ハンドラー１。貴方に少し興味が湧いてきた』

レーナ「本当ですか？」

カイエ『では、私からも一つ聞いていいかな？』

レーナ「はい、何でしょう？」

カイエ『貴方は、どうしてそんなに私たちの事を気にするんだ？』

レーナ「それは…」

レーナ「昔、戦場でプロセッサーの方に助けて頂いた事がありまして…」

レーナ「彼は私にこう言ったんです。『俺たちはこの国で生まれて育った共和国民だ。国を守って戦うのは、市民の義務で誇り。だから俺たちは戦うんだ』と…」

レーナ「助けてくれたあの人のその言葉に、私たちは応えねばならないと考えます」

レーナ「戦えと求めておきながらも、見届けようともせず。貴方たちを知ろうともしないのは、それに反する振る舞いです。許されることではありません」

カイエ『ハンドラー１。貴方は処女だな』

レーナ「…？」

レーナ「えっ！？えっ！？」

通信『ざわ…ざわ…』

ライデン『おら、立たんでもいい…』

カイエ『言い方を間違えたっ！えーとつまりだな、世界はお花畑だと思ってる女の子みたいと言うか…』

カイエ『傷ついてない完璧な理想を抱いているというか。その兎も角、私が言いたかったのは…』

カイエ『貴方は悪い人じゃない。だから忠告するのだけれど…』

カイエ『貴方はその役目に向いていない』

カイエ『まして、私たちなどに関わってはいけない。私たちはそんな主情な理由で戦ってなどいないし、だから貴方が私たちに関わる必要もない。だれかと代わった方がいい』

カイエ『後悔する前に…』

レーナ「ハンドラー１より戦隊各員。レーダーに敵影を補足。敵主力は…」

シン『把握しています。ハンドラー１。ポイント４７８にて迎撃準備』

レーナ「あ…了解です。アンダーテイカー」

クレナ『アンダーテイカー。ガンスリンガー、配置についたよ』

セオ『ラフィングフォックスよりアンダーテイカー。第三小隊も同じく』

レーナ「アンダーテイカー。ガンスリンガーを今より２時方向、距離500の位置に移してください。そこからだと隠れますが、高台があります」

レーナ「稜線射撃になりますし、射会がより広くとれるはずです」

シン『確認します。ガンスリンガ―、その位置からは見れるか？』

クレナ『ちょっと待って…。確かにある。移動するよ』

レーナ「指向である第一小隊とは、ほぼ逆方向の位置取りになります。攪乱からの各個撃破に際し、戦闘序盤の本体位置の欺瞞にも繋がるかと…」

ライデン『要するに囮ってわけか』

レーナ「！」

ライデン『お姫様みたいな声して大したもんだ』

レーナ「レーヴェは挟角がとれません。高台にいるガンスリンガ―を直接砲撃はできませんし、砲撃位置変更時にも…」

ライデン『勘違いすんな。悪くねぇ案だ。そうだろ？ガンスリンガ―』

クレナ『皆の助けになるなら何だってするよ』

クレナ『新しい地図でも見つけたの？』

クレナ『便利だね』

レーナ「あとで転送しましょうか？」

ライデン『いいのかよ？エイティシックスに軍事機密の地図なんぞ渡して』

レーナ「構いません。活用しないで何のための情報ですか」

ライデン『へぇ、言ってくれるねぇ』

レーナ「それから、貴方たちはエイティシックスなどではありません。少なくとも私はそんな風に呼んだ覚えは…」

ライデン『へいへい、っと。来るぞ…』

カイエ『目標撃破。第４小隊移動する』

レーナ「このレーヴェ…、どうしてこんなところに」

カイエ『レウコシア。私が左から狙う。援護を頼む』

ミクリ『了解。キルシュブリューテ』

レーナ「そっちはダメです！キルシュブリューテ！」

カイエ『え…湿原…？ここに…？』

カイエ『動けない…』

カイエ『いやだ。死にたくない』

レーナ「…ッ！」

レーナ「戦闘終了…。戦隊各員、お疲れ様でした…。キルシュブリューテの事は…残念でした…。もっと早く地図を見つけていれば…。私がもっとしっかりしていれば…」

セオ「残念？何が残念？」

セオ『アンタにしてみれば、エイティシックスの１匹や２匹どう死のうが家に帰ったら、すっかり忘れて夕食楽しめるぐらいの話だろ？』

セオ『そりゃこっちだって暇だったからさ。アンタの自分だけは差別はしません、豚扱いしませんって勘違いの聖女ごっこにどうでもいい時なら付き合ってやるよ。けどさ、こっちはたった今仲間が死んだんだ。そういう時までアンタの偽善に付き合っていられないってそれくらいわかれよ！』

レーナ「偽善…？」

セオ『それとも何？仲間が死んでも何とも思ってないと思ってる？ああ、そうかもね。僕たちはアンタみたいな高尚な人間様とは違う、人間以下の豚だものね！』

レーナ「ち、違いますっ！私はそんなっ…」

セオ『違う？何が違うんだよ？僕たちを戦場に放り出して、兵器扱いして戦わせて。自分だけ塀の中で高みの見物決め込んで』

セオ『違う？何が違うんだよ？僕たちを戦場に放り出して、兵器扱いして戦わせて。自分だけ塀の中で高みの見物決め込んで、それを平気な顔で享受してる今のアンタのその状態が、豚扱いじゃなくて一体何だっていうんだよ！！』

セオ『エイティシックスって呼んだことはない？呼んだ事がないだけだろ！アンタは僕たちが望んで戦ってるとでも思ってるのか？アンタたちが閉じ込めて、戦えって強制して、この９年 何百万人も死なせてるんだろ！』

セオ『それを止めもしないで、ただ毎日優しく話しかけてやれば、それで人間扱いしてやれてるだなんてよく思えるな！』

セオ『そもそもアンタは、僕たちのホントの名前すら一回だって聞いたことないじゃないか！！』