【感想】アニメ『86 エイティシックス』 11話(最終回) ただの一つの希望もなく、ひたすら絶望へと転落していってる

セオ「くっ、動かない…！」

アンジュ「こっちもっ…、脱出する…！」

シン「機体の陰に居ろ。まだ追ってくる」

ライデン「クレナっ、おい大丈夫か！？」

セオ「動けるなら裏に隠れてっ！」

ライデン「うっ、くそやられた…！ここまでかよ…！」

クレナ「あっ…」

クレナ「シンっ！」

＜OP＞

ライデン「いいのか？アレ」

シン「ああ」

シン「アイツはもう連れて行ってやれないからな。この程度は報いてやりたい」

シン「それに…」

シン「俺たちもそう長くは進めないだろう」

セオ「ん」

セオ「結局生き残ったのはシンのだけか…」

クレナ「小銃と拳銃はあるけど」

アンジュ「弾に限りがあるんじゃねぇ…」

ライデン「コンテナをやられたのが痛かったな。弾薬も燃料も、あれで粗方燃えた」

クレナ「ご飯も！」

ライデン「ああ、ご飯もな」

アンジュ「こっちは終わったよ。そっちは？」

セオ「問題なーし」

ライデン「じゃあ出発しよう。グズグズしてるとまたレギオンに見つかる」

シン「ああ」

アンジュ「操縦は？ずっとシン君って訳にも行かないでしょ」

ライデン「適当に交代しながら行くか」

シン「それでいい」

セオ「しっかし、よりにもよってアンダーテイカーかぁ」

クレナ「不満なの？」

セオ「だってシンのパラメーター設定って、やたらと遊びが少なくって正直怖いんだよね。リミッターもあちこち切ってあるし」

クレナ「じゃあ最初は、私乗るよー」

セオ「えっ、いや僕やるよー？」

クレナ「さっき文句言ってたじゃん？それに私、最初にやられちゃったから全然疲れてないし」

ライデン「じゃあもしレギオンが出てきたら、その時乗ってる奴が戦うってことでいいな？」

シン「問題ない」

アンジュ「なーい！」

シン「クレナ、止まれ」

クレナ「え…」

シン「１０時方向、崖下に窪みがある。そこに向かえ」

クレナ「了解」

シン「急げ」

クレナ「はぁ…」

クレナ「シンのおかげでやり過ごせたねー」

アンジュ「それにしても凄い数だったわねー」

セオ「ここに来てアイツら増えてない？」

ライデン「奴らの本拠地に近づいてるって訳か」

シン「そうだな」

セオ「皆、前」

セオ「学校…かな？」

クレナ「えっ、そうなの？」

セオ「多分…」

アンジュ「そっか、クレナちゃんは学校行ったことないんだっけ？」

ライデン「国や文化が違っても似るもんだな、学校ってのは」

クレナ「これが学校…」

クレナ「ねえっ、今日はここで寝ようよ！」

シン「うん。そうしよう」

アンジュ「読めるの？クレナちゃん」

クレナ「ううん。でも楽しそう」

ライデン「何か懐かしいなー」

シン「好きだったか？勉強」

ライデン「いーや」

アンジュ「ライデン・シュガ君！」

ライデン「？」

アンジュ「あれ～？ライデン君はお休みなのかな～？」

アンジュ「ライデン・シュガ君」

ライデン「はい！」

アンジュ「セオト・リッカ君」

セオ「いま～す」

アンジュ「クレナ・ククミラ君」

クレナ「ぉ…」

クレナ「はい！」

クレナ「アンジュ・エマ君」

アンジュ「はい」

クレナ「シンエイ・ノウゼン君！」

シン「はい」

シン「勉強しなきゃただの木材だ」

ライデン「なるほどねぇ…」

クレナ「わぁ…！これも何かのイベント？」

アンジュ「え？」

セオ「学級崩壊？」

アンジュ「フフフ…ははは！」

ライデン「ヨシ…っと…」

ライデン「焚き付けはどうする？」

セオ「うわ…それ教科書でしょ…？」

アンジュ「流石に罪悪感が…」

シン「読めない本に意味はないだろ」

クレナ「そうだねー」

アンジュ「まだ残ってたの？」

クレナ「うん、最後の一個…」

クレナ「はむっ…。食後のデザートも」

クレナ「これでおーしまい！」

ライデン「これで全部だ」

ライデン「もって今日いっぱいってとこだなー」

シン「ああ…」

ライデン「楽しいハイキングもいよいよ終わりか…。ふぅ…」

ライデン「出発するぞー！」

３人「はーい」

アンジュ「午前中は私の番よね？」

ライデン「ああ、よろしく」

クレナ「学校１日で卒業かー」

セオ「凄い優秀じゃん、僕たち」

ライデン「将来有望だな」

クレナ「ちょっと～！」

ライデン「はははは！」

アンジュ「！」

セオ「これ登るの？」

クレナ「さぁ…？」

ライデン「合ってるのか？」

アンジュ「そのままでいいのよね？」

シン「そうだ」

アンジュ「了解」

シン「アンジュ、そろそろ代わろう」

アンジュ「え…？」

アンジュ「早くない？お昼までは私がやるって…」

シン「飽きた」

アンジュ「はははは！なにそれ～」

ライデン「はははは」

セオ「確かに、こんなのんびり出来る時間があるとは思わなかったよね～」

クレナ「景色を眺める以外することないし～」

アンジュ「シン君はあの学校から、絵本の１冊でも持って来るべきだったわよねー」

シン「そうだな」

セオ「おつかれー」

アンジュ「全然疲れてないけどね」

アンジュ「シン君、こっちはいいよ～？」

シン「…」

セオ「じゃあ見張りはクレナで」

クレナ「はぁ？そこ交わそうよ」

ライデン「っ！？」

シン「乗ってる奴が戦う。そういう決まりだったな」

ライデン「お前っ…、最初からそのつもりで…！」

シン「どうやっても回避できない部隊がいる。避けられないなら戦うしかない」

クレナ「だから急に交代しようなんて…」

アンジュ「ずるいわ、シン君！こんなのってない！！」

シン「お前たちはそのまま進め。森の中なら早々見つからない」

シン「しばらく進むとレギオンの声が消える。人が残っていたら、可能ならそいつらに保護を求めろ」

セオ「ふざけないでよ！それってシンが囮になるってそういう事だろ！！」

クレナ「皆で一緒に行くんでしょ！最後の最後に１人で行くなんて…。そんなのっ…！」

ライデン「っ！」

ライデン「くそっ…切りやがった！」

ライデン「あの馬鹿がっ！！」

シン「っ！！」

セオ「待ってよ」

アンジュ「私も行くわ」

ライデン「いいんだな？」

クレナ「シンだけ逝かせるわけには行かないでしょ？」

ライデン「だな」

シン「くっ…あの時の長距離砲…」

レイ『殺してやるっ！』

シン「っ！」

レイ『男も女も、子供も年寄りも、貴族も貧民も、姫様を害するものは全てっ！何もかも全て殺してやるっ！！』

シン「くっ…」

シン「っ！？ ここに来てっ…！」

シン「狙いは…この首か…」

仲間たち「っ！」

ライデン「シンっ！！！」

ライデン「クソォっ！こっち向けよぉー！！」

クレナ「今行くから！」

アンジュ「諦めないで！」

ライデン「しっかりしろっ！」

アンジュ「シン君っ！」

シン「馬鹿だな…。そんな武器で…レギオンに勝てるわけ…」

セオ「くっ、弾が…」

クレナ「セオ！！」

ライデン「クソォォォ！！」

シン「馬鹿だ…」

シン「本当に馬鹿だ…」

シン（レギオンになった俺は、誰の名前を呼ぶのだろう…）

レフ「ファイドならいねぇぞ」

レーナ「え？」

レフ「あいつらが連れてっちまったからな」

レーナ「犬では無かったのですね…」

レフ「ミリーゼ少佐…だったかな？」

レーナ「ええ」

レフ「こんなところまで何の用だ？謹慎食らってんだろ？」

レーナ「はい。おかげで前線を視察する時間が出来ました」

レフ「次の処刑対象者と一緒にか～？」

レフ「噂は聞いてたが、物好きだなぁアンタ」

レフ「見てきな」

レーナ「え？」

レフ「残してったものは少ねぇが、それでもよけりゃぁだがな」

レーナ「はい…」

レフ「送り込まれて来たガキどもを見送り続けて随分になるが…」

レフ「ここまで来たハンドラーは初めてだ」

レーナ「アルドレヒト中尉、貴方は…？」

レフ「アルバさ。アンタらと同じ」

レフ「女房がエイティシックスでな。娘と一緒に連れて行かれそうになった時、髪を染めて付いてった」

レフ「２人の市民権を取り戻したくて士官したんだが、結局２人とも戦場で死んじまった」

レフ「シンの奴が配属されてきた時、こっそり聞いたよ。女房も娘も守れなかったクソ野郎を探してるレギオンはいねぇかって」

レーナ「いたらどうしたのですか？」

レフ「行って殺されてやるつもりだった」

レフ「けどアイツはいないって言った。俺の名を呼んでるレギオンは、どこにもな。それを聞いて少し救われたよ」

レフ「女房も娘も死んでまで、戦場に囚われちゃいねぇ。俺が向こうに逝きさえすれば、きっと会えるんだってな…」

レフ「特別偵察の前には、必ず俺がアルバって話までしてるんだ。俺たちを恨んでるなら構わなねぇ。憂さ晴らしに殺していいぜって言うんだが」

レフ「どうも実行してくれる奴がいなくてな…。今回もそうだった。おかげでまた死に逸れちまった」

レフ「引き止めちまったな。早く言って来い」

レーナ「ありがとうございます」

ダイヤ『ああ、隊舎で飼ってんすよ。足の先っちょだけ白い黒猫なんすよ』

セオ『何故かアンダーテイカーに一番なついちゃったんだよねー』

アンジュ『全然ジャラしてもあげないし、媚び媚びすりすりされてもおざなりに撫でてるだけなのにねー』

ライデン『懐いてるっつーか、いいベッドだと思ってるんじゃねーか？今だってそうだろーよ』

カイエ『ああ、読書中は動かないからなぁ。ではブラッグドッグには絶対慣れないな。うるさいから』

ダイヤ『ひでぇ、てか理不尽だ。改善を要求するぞ。ブーブー！』

レーナ『名前は何と言うのですか？』

８６『クロ』『シロ』『ミケ』『キティ』『チビ』『レマルク』

レーナ「…っ！」

セオ『だから今その呼んでる本の著者名で呼ぶの、いくら何でも適当過ぎるからやめてよ…』

レーナ「…？」

ライデン『こんなもんをわざわざ探して見つけたんなら、アンタは本物の馬鹿だ。ライデン・シュガ』

レーナ「！」

セオ『名前書いとく。どうせアンタ今度は、誰が誰だかわからないって泣くんだろうから。セオト・リッカ』

レーナ「あっ…」

クレナ『猫もらってやってよ、善人ごっこのついでに…。いいでしょ…？クレナ・ククミラ』

アンジュ『名前はまだ付けてないから、可愛い名前を少佐が付けてあげて下さいね。アンジュ・エマ』

猫「にゃー！」

レーナ「……」

レーナ「…！」

シン『いつか…俺たちが行きついた場所まで来たら…花でも供えてくれませんか？』

シン『シンエイ・ノウゼン』

レーナ（私もまた…歩んでいける…。彼らが、最後にそう信じてくれた…）

レーナ「行くよ」

レーナ「何て呼ぼうか？」

レーナ（戦おう…。この身の命運尽き果てる…その最後の瞬間まで…）

＜ＥＤ＞

レイ『シン…』

レイ「ごめんな。ずっと俺が呼んだせいで、こんなところまで来させて」

レイ「行くよ」