【感想】アニメ『86 エイティシックス』 4話 アニオリ演出が光ってた回 歩み寄りに胸が迫ったがCパートが意味深

セオ「何が違うんだよ？僕たちを戦場に放り出して兵器扱いして戦わせて、自分だけ壁の中でぬくぬく高みの見物決め込んで、それを平気な顔で享受してる今のアンタの状態が、豚扱いじゃなくて一体何だって言うんだよ！！」

セオ「ただ毎日優しく話しかけてやれば、それで人間扱いしてやれてるなんて、よく思えるな！？」

セオ「そもそもアンタ、僕たちの本当の名前さえ一回だって聞いた事ないじゃないかっ！！」

ライデン「セオ…」

セオ「何でっ！こんな白豚、庇ってやる事なんか…っ！」

ライデン「セオ…」

セオ「く…」

セオ「わかったよ…」

ライデン「はぁ…。ハンドラー１、同調を切ってくれ」

レーナ『あの…』

ライデン「戦闘は終わった。もう管制する義務もねぇだろ？」

ライデン「ラフィングフォックスは言い過ぎだが、だからって俺たちもアンタと仲良くお話ししたい気分でもねぇんだ…」

レーナ『ごめんなさい…』

カイエ「死にたくない…」

セオ「ごめん、カイエ…。白豚と同じ真似をして…」

セオ「君の死を汚した…」

ハルト「セオ！」

セオ「…！」

セオ「あ…」

セオ「ごめん…」

セオ「あっ、シロ！動かないでよ」

セオ「シロ！」

ダイヤ「セオ～…」

ダイヤ「それ顏キツネだし、何か怖いぜ～」

ハルト「しかも笑ってないぞー？お前、ラフィングフォックスなのにさ」

セオ「うるさいなぁ」

クレナ「気にしてるの？あの女に言っちゃったこと」

セオ「気にしてない」

アンジュ「いや、やっぱり気になるわね」

レッカ「確かに…」

アンジュ「うんうん」

アンジュ「セオくん」

セオ「え？」

３人「そこに直れ～」

セオ「うわーーーッ！」

アンジュ「気になってたのよね～、取れてるの」

レッカ「あといっつもボタン一個だけとめてるのも」

セオ「いいでしょ、別に」

クレナ「そういうとこセオらしいけど」

セオ「知らないよ」

ダイヤ「フッ…」

ダイヤ「昨日はらしくなかったな」

アンジュ「ああいう言い方は良くなかったけど、思い出しちゃったのよね」

アンジュ「狐の隊長さんを」

セオ「はぁ…。ああ、もうみんなしてさ」

アンジュ「それは、だって羨ましいもの。セオ君はそういう人に会えたんだもの」

セオ「いきなり何？」

アンジュ「そうやって大切に覚えていられる人でしょ？私にはそうじゃない人ばっかりだったから…」

レフ「いいな、シン！次こそ無茶すんじゃねぇぞ！」

レフ「換えのパーツが来るまで大人しくしとけ！」

シン「そうできるなら」

レフ「くぅ～…」

レフ「おい、セオ！お前もあんま無茶すんなよ！」

レフ「あーもう、ガキはどいつもこいつも…」

セオ「相変わらず血管切れそうだよね」

シン「たまには怒らせないようにしたいところだけど」

セオ「それ無理なんじゃないー？」

シン「ありがとう」

セオ「隊長だったら、何て言ったかな？あのハンドラーに…」

シン「狐の隊長か？」

セオ「うん…。さすがの体調も怒ったかな…？まあどうでもいっか。もうパラレイド繋いで来ないだろうし…。あんな聖女ごっこの白豚なんかさ」

シン「お前の隊長なら、そうは言わない」

シン「そう思ってるんじゃないのか？」

シン「お前は」

シン「…！」

シン「何か御用でしょうか？」

シン「ハンドラー１」

アネット「レーナも結局、共和国人ってことよ？私たちは、私たちの世界で生きていくものなの」

レーナ「それは、許されないことだわ…。少なくとも私は、私を許せない」

アネット「じゃあどうしたら許せるわけ？86区に行って彼らと一緒に戦う？できっこないでしょ？」

レーナ「…」

アネット「今のレーナがすべきことは、自分を甘やかすことよ？」

アネット「プリン、作り過ぎちゃったの」

レーナ「アネット、悪いけど今はそんな気分じゃ…」

アネット「無理しちゃって…」

アネット「この世界はね、昼間にこっそりプリンが食べられる素晴らしい世界なのよ？」

レーナ「素晴らしくないわ。少しも」

アネット「も～、たかが名前聞かなかったぐらいで何よ。だいたい名前なんて知る必要ないじゃない。どうせこの先会うこともないんだから」

レーナ「アンリエッタ・ペンローズ」

アネット「何よ、急に…」

レーナ「それが貴方の名前」

レーナ「貴方の名前を、私は知ってる。友達だもの」

アネット「だから何？」

レーナ「名前は、その人そのものよ。それを私は踏みにじってしまった…。彼らを人間として扱っていなかった…」

アネット「考えすぎ。だいたいレーナとエイティシックスは、友達でも何でもない」

レーナ「でも、同じ人間だわ！」

アネット「本当にそう思っていたら、それこそ真っ先に名前を聞いたはずよ」

アネット「今回のことはいい機会よ。これ以上、深入りしない方がいいわ」

レーナ「どうしてそう拒絶してばっかり…」

アネット「何にも出来ないからよ」

アネット「ここにはプリンがあって、向こうにはない」

アネット「私たちは彼らと違うの。何もかも…。だから、関わった分だけ後悔する」

レーナ「でも…っ！」

アネット「レーナ、戦争はもう始まってしまったのよ。あの頃には戻れない」

アネット「とにかく、ハンドラーなんてやめて研究部に来なってばー」

レーナ「だから…っ！」

レーナ「……やめないわ」

レーナ「ハンドラーは…」

アネット「親友の言うことは、ちゃんと聞くものよ」

アネット「ヴラディレーナ・ミリーゼ」

？？？『戦場を見に行こう』

？？？『そこで何が起きているのか…』

？？？『その全てを…』

レーナ「戦争をしているのでしょう？お父様」

父「ああ、そうだよ。そして、一緒にもっと酷い事を私たちがしているんだ」

レーナ「酷いこと？」

父「うん。やめさせなければ…。こんなことは…。早く…」

父「前線基地を少し超えるくらいまで回ってくれるか？」

兵士「了解です。大佐」

レーナ「はっ…」

レーナ「はぁ…」

ジェローム「どうした？」

レーナ「叔父様…」

レーナ「今も忘れられません。お父様が、最後に連れて行ってくれた８６区の戦場を…」

ジェローム「…」

レーナ「お父様のことは悲しいですが…」

レーナ「でも、見られたことは良かったと思っています」

ジェローム「良かった？」

レーナ「はい。実際に８６区を見たことで、私はこの国の現実を知ることが出来た…」

レーナ「共和国が捨ててしまった理想を抱くことができた。だから…」

ジェローム「はぁ～…」

レーナ「…っ」

ジェローム「ヴァーツラフは、この共和国を良くしたいと理想を抱く優しい男だった。良き夫で、良き父親でもあっただろう…。だから君に、この国の真実を教えようとした」

ジェローム「そういう正義感を持った人間が、敵の攻撃で命を落としたことは、友人の１人として非常に残念に思っている」

ジェローム「だが、アイツは自覚していなかったのだ」

レーナ「何を…ですか…？」

ジェローム「自分が他の共和国人と同じ、高みの見物をしていたに過ぎないことをだ」

レーナ「っ！」

ジェローム「どれほど平等を語っても、所詮は他人事。戦場で死ぬのはエイティシックスだけだと、無意識に思っていた。だから、戦場に君を連れて行けたんだ」

ジェローム「そのような無謀を理想のためにと行ったヴァーツラフは、あまりに無知で愚かだった」

ジェローム「レーナ、私は君には彼の様になって欲しくない」

ジェローム「もういい。君はよくやっている」

レーナ「…っ」

ジェローム「厄介な部隊を任せた私の責任でもあるな。君にはこの国の現状を、身をもって感じて欲しかったところもある。だが、無理はしなくていい」

レーナ「いえ、私はこれからもスピアヘッド戦隊のハンドラーとして…！」

ジェローム「我が共和国の国旗が示すものは？」

レーナ「自由と平等…。博愛と正義と…。高潔です…」

レーナ「何を…っ」

ジェローム「君は、それを貫けているのか？」

レーナ「っ！」

ジェローム「現実を見ろ。そんな美しいものは、共和国にはない」

ジェローム「君は少し理想を求めすぎる。他人にも。自分にも。理想と言うのは、手が届かないほど高いから理想と言うんだよ」

ジェローム「届かないと知り、なお追い続けるのは、愚かで卑怯なことだとは思わないかね？」

放送『サンマグノリア共和国国営本部より、本日の戦況をお知らせします』

セオ『僕たちを戦場に放り出して兵器扱いして戦わせて、自分だけ壁の中でぬくぬく高みの見物決め込んで、それを平気な顔で享受してる今のアンタの状態が、豚扱いじゃなくてじゃ一体何だって言うんだよ！！』

放送『我が方の損害は軽微であり、人的損害は皆無。人道的且つ先進的な無人機で…』

セオ『何人もしなせてるんだろ！！』

レーナ「くっ…」

カイエ『貴方はその役目に向いていない。誰かと代わった方がいい』

カイエ『死にたくない』

レーナ「パラレイド！アクティベート！」

レーナ「同調対象…」

レーナ「アンダーテイカー！」

シン『何か御用でしょうか？ハンドラー１』

レーナ「アンダーテイカー…、今よろしいでしょうか？」

シン『どうぞ』

レーナ「ごめんなさい…。昨日のことも、これまでのことも…。本当に…すみませんでした…」

レーナ「あのっ、私はレーナ。ヴラディレーナ・ミリーゼと言います。こんな…今更ですけど…」

レーナ「貴方たちの名前を、教えて頂けませんか？」

シン『ラフィングフォックスの言ったことを気にされてるのでしたら、それは不要です』

レーナ「…っ」

シン『別にあれが我々の総意と言うわけではありません。この現状を貴方が作り出したのでもなければ、貴方１人の力で撤回出来るものでもないという事はわかっています』

シン『不可能な事をしなかったと責められたと言って、気に病む必要はありません』

レーナ「でも、名前を知ろうとしなかったのは、私の非礼です」

シン『それも必要がないからでしょう。なぜレギオンには傍受できないパラレイド下で、コールサインの使用が義務付けられ、プロセッサーの人事ファイルも開示されないのだと思いますか？』

レーナ「ハンドラーがプロセッサーを人間と考えずに済むように…ですね」

シン『ええ。大概のプロセッサーは１年も経たないうちに死に、その大量の死をハンドラー１人が負うのは負担が大きすぎると、そう考えたのでしょう』

レーナ「それは卑怯なことです！！私は…！」

レーナ「私も…卑怯でした…。正直このまま逃げてしまおうかと思いました。でもやっぱり、卑怯なままでいたくない」

レーナ「ですから、名前を。貴方たちの本当の名前を、教えて頂けませんか？」

シン『はぁ…』

シン『昨日戦死したキルシュブリューテは、カイエ・タニアです』

シン『副長のヴェアヴォルフは、ライデン・シュガ』

シン『ラフィングフォックス、セオト・リッカ。スノウウィッチ、アンジュ・エマ。ガンスリンガ―、クレナ・ククミラ。ブラックドック、ダイヤ・イルマ…』

シン『以上になります』

レーナ「ありがとうございます」

レーナ「私のことはどうぞレーナと…」

シン『伺っています。階級は？』

レーナ「少佐です。まだなり立てですけど…」

シン『では、以後ミリーゼ少佐とお呼びします』

シン『よろしいでしょか？』

レーナ「はい」

シン『…』

レーナ「何をしているんですか？」

シン『カイエの名前を、残しています』

レーナ「え？」

シン『エイティシックスには墓がありませんので』

レーナ「！」

シン『最初の部隊で、他の奴らと約束したんです。死んだ奴の名前をそいつの機体の破片に刻んで、生き残った奴が持っていよう』

シン『最後まで生き残った奴が、行きつく場所まで全員を連れて行こうと…』

シン『その時は俺が最後で、今までずっとそうでした』

シン『だからこの隊でも、それは俺の役目です』 

 レーナ「５年前からずっと…。今までもどれくらいの人数になるのですか…？』

シン『５６１名です。カイエを含めて』

レーナ「その全員のことを…？」

シン『覚えています。連れて行かないといけないから、俺と共に戦った全員を。俺が行きつくところまで』

レーナ「だから、貴方はアンダーテイカーなのですね…」

シン『それもあります』

レーナ「私は、死なせた部下と向き合いもせずに嘆いただけで…。ごめんなさい…本当に…」

レーナ「あの、もし出来るなら直接全員に謝らせて頂けないでしょうか？」

シン『では繋がせましょうか？』

レーナ「えっ、今ですかっ！？」

シン『少々お待ちください』

レーナ「いえっ、大丈夫です！」

レーナ「えっ？」

レーナ「あ…」

レーナ『戦隊各員、昨日も…これまでも本当にすみませんでした…』

レーナ『私はハンドラー。ヴラディレーナ・ミリーゼです』

レーナ『貴方たちを人として扱っていなかった。それを自覚もしていなかったのは拒絶されて当然の振る舞いでした』

レーナ『それでも、もしまだ答えてもらえるなら、今からでも名前を…』

セオ「いや、もうシンから聞いてるんでしょ…。メンド臭いなぁ」

レーナ『伺っています。ですが、皆さん本人から教えて頂いたわけではありません』

セオ「余計なことするから…」

シン「後悔してただろ。内容はともかく言い方を」

セオ「僕のジャガーノートのマークは笑う狐なんだけど、これ人から引き継いだんだ」

レーナ『それは…』

セオ「最初に配属された戦隊長だった…」

セオ「馬鹿みたいに陽気で明るくて、元軍人で馬鹿みたいに強くて…」

セオ「アンタと同じアルバだった」

セオ「エイティシックスだけ戦わせるなんておかしいって、最前線まで戻って来た物好きで、大嫌いだったよ」

セオ「でも、最後まで帰らなかった。帰らないで、死んだ…」

セオ「他のプロセッサーを守ろうとして、しんがり引き受けて死んだ」

セオ「別に隊長と同じ事しろ、とか思ってるわけじゃないよ。ただ壁の中にいる以上、アンタは僕たちと対等じゃないし、アンタを仲間とは認めないって、それだけ」

レーナ『カイエが言っていたいい人と言うのは、その方のことだったのですね…』

セオ「隊長だけじゃないけどね。全員、その人なりに必死で戦った人たちだよ」

セオ「その人たちと同じアルバが作り上げたクソったれなこの世界とね…。以上、どうでもいい話おわり」

セオ「ああ、僕はセオト・リッカだ。セオでもリッカでも、可愛いクソ豚ちゃんとでも好きに呼んでよ」

レーナ『ごめんなさい…昨日までは本当に…』

セオ「それいいよ、もう～…。めんどくさいなぁ」

ハルト「はははは」

ライデン「戦隊副長 ライデン・シュガだ」

レーナ『はい…』

ライデン「まず謝っとく。アンタが毎晩繋いでくるのを、俺たちは聖女気取りの偽善者の豚が、自分の豚加減に気付きもしねぇでおめでたいって笑ってた」

ライデン「それについては詫びる。悪かった」

ライデン「その上でだ…」

ライデン「セオが言った通り、俺たちはアンタを対等とも仲間とも思わない。アンタは俺たちを踏みつけた上で、上から綺麗ごとを吹いてるアホだ。それはどうであろうと変わらないし、そうとしか見なさない。それでも良いって言うなら、暇つぶしにこれまで通り相手をしてやるが、個人的にはそれも薦めねぇ…」

ライデン「アンタはハンドラーには向いてない。辞めた方がいいぜ」

レーナ『フフッ、暇つぶしにでもなれるのなら、またこれからも繋がせてもらいます』

ライデン「アンタも大概バカだな。ああ、そうだ。地図とっとと送ってくれ。アンタ昨日泣くのに忙しくて忘れてたろ？」

レーナ『すぐに！』

ダイヤ「じゃあね、ミリーゼ少佐。ダイヤ・イルマでした」

ハルト「ハルトです。よろしく～」

アンジュ「アンジュ・エマです。少佐」

クレナ「クレナ・ククミラ…」

レッカ「レッカでーす！」

チセ「チセです」

キノ「キノちゃんでーす」

レーナ『ありがとうございます…皆さん…』

レーナ『すみません、アンダーテイカー』

シン「はい」

レーナ『あの…貴方の名前を聞いていないと思うのですが…。もしかして名乗りたくないのですか？』

シン「いえ、ただ忘れていただけです。失礼しました」

シン「シンエイ・ノウゼンです」

レーナ『ノウゼン！？』

シン「何か？」

レーナ『もしかして、ショーレイ・ノウゼンという方をご存じではありませんか？』

シン「！」

レーナ『ギャラハンというパーソナルネームで、首のない騎士のマークを付けた…』

シン「兄です」