【感想】無能なナナ 6話 ネクロマンサーの能力が洒落にならなくてナナしゃん頑張ってる！

ナナ（写真の内容に理解が追いついていないといったところか）

ナナ（もし少しでも写真を隠そうとしたら、殺す…）

ナナ（それは疑いの兆候であり、私への怯えと敵意の現れだ）

ナナ（だがもし、写真を差し出せば…）

ミチル「ナナしゃん、これは？」

ナナ（いずれ、殺す…）

ミチル「ツネキチさんの服の中に。何でしょう？それ…」

ナナ「どうやら、ツネキチさんは未来を予知できるわけじゃなかったんです」

ミチル「えっ？ でも、前に学校でも未来の写真を見せられたことあったような…」

ナナ「昔は能力もしっかりしていたんでしょう。でも、この島にきてからはあまり努力しなくなったとか…」 

ミチル「確かによく授業もさぼってました」

ナナ「心を読んだのですが、ツネキチさんは自分が見た夢の内容を写真に出来るだけなんです」

ナナ「でも、そんな事は誰にも言えなかったんでしょう。自分はクラスのしょぼい能力者とは違うんだと言いふらしてましたから」

ミチル「じゃあその写真も…！」 

ナナ「はい、ただの夢です」

ミチル「ほぇ～」

ナナ「どうやら元々、私と中島さんの仲が良かったのが気に入らなかったみたいで」 

ミチル「あ、やきもちですか？それで、ツネキチさんはそんな夢を見たのかな…」

ナナ「写真は処分しておきます。このことは二人だけの秘密にしてくださいね」 

ミチル「二人だけの…」

ミチル「勿論です！」

ナナ「ところで何をしようとしていたんですか？」

ミチル「えっと、実は一度も成功した事ないんですけど、生き返らせようとしてました」

ナナ「ぅ…」

ナナ「はぁ？」

キョウヤ「変死だったのに、どうして警察を呼ばなかった？」

先生「はぁ…。君ねぇ、この島に警察なんていないんだよ」

キョウヤ「じゃあ俺たちが悪さしたら、誰が取り締まるんだ？」 

先生「キミら能力者が本気で悪さしたら、誰も取り締まれないよ。一応、非常時は軍を頼る事になってるけど」

ナナ「ミチルちゃん、無暗に力を使ったら駄目ですよ？寿命が縮まるんでしょ？」

ミチル「あっ、寿命はいいんです」

ミチル「最初は怖かったですけど、はっきりとどのくらい縮まるとかわからないんで、何でしょ…。ほら、ジャンクフードばかり食べてたら早死にするっていうじゃないですか？」

ミチル「そういう感じで、わかってはいるけど『ま、大丈夫でしょ？』みたいな…」

ナナ「誰かを生き返らせようとして、ミチルちゃんが死んだら私は凄く悲しいです」

ミチル「ふぁっ…」

ミチル「ありがとです…」

ナナ（委員会の方々も、能力者はその能力を成長させるとも言っていた。なるほど、島に徴募した時点でのデータはあてにならないわけだ…）

キョウヤ「なあ、お前ら。色々変だと思わないか？」

キョウヤ「ツネキチは病死じゃない。柊の話じゃ、人類の敵に殺されたんだ」

ナナ「キョウヤさん！皆さんをイタズラに怖がらせないでください！」 

キョウヤ「火葬に出す前に、遺体を解剖・検死してみたい」

ミチル「解剖できるんですか？」 

キョウヤ「警察が来るならそれまで待とうと思っていたんだが」

ナナ「ちょっといいですか？」

ナナ「病死では納得できないんですか？」 

キョウヤ「お前さんを襲おうとして、たまたま病死したと？」

ナナ「ツネキチさんは興奮してましたし、そういう事もあるでしょう」

ナナ「どうも気が立っているようですが大丈夫ですか？」 

キョウヤ「さあ…。猫に餌をやろうとしたら、たまたま小屋が爆発することもあるからな」

ナナ「あれも事故でなく、誰かの仕業だと？」 

キョウヤ「フッ…、俺の心の声とやらが聞こえているんだろ？」

ナナ「ええ、私には人の心の声が聞こえる能力があります」

ナナ「実際この目で見た時、驚きましたが、私はキョウヤさんが不老不死だと小屋が爆発するより前…」

ナナ「夜。崖の上で中島さんの腕時計について、お話しした後から知っていました」

キョウヤ「何が言いたい？」

ナナ「あ、いえ…何でしょうね。えっと…考えたくありませんが、一連の事件に犯人がいるとして、その人はどうしてキョウヤさんを襲ったんでしょうね？」

キョウヤ「…っ！」

ナナ「キョウヤさんが死なないのに…」

キョウヤ（確かに匂うな…。柊は心が読める。なのに、なぜツネキチより先に俺を殺そうとした…？）

キョウヤ（俺が最後のターゲットと言うのならわかる。だが、死なない相手を先に殺そうとして、疑惑を買いながら犯行を続ける犯人がどこにいる…？）

ナナ（島には能力者しかいない。この大前提は利用させてもらうぞ。死因が毒だとわかったとしても、どうと言うことはないな）

ナナ（あまりこいつに手がかりを与えたくない）

ナナ「あ…」

キョウヤ「犯人が誰であれ、死因を調べる価値はあるだろ」 

ナナ「えっ…ちょっ…！」

先生「えっと、喧嘩止めてね。一応これじゃ」

ナナ「皆さん、キョウヤさんを止めて下さい！」

モグオ「おいテメェ、リーダーのいう事聞けよ！コラァ！」

セイヤ「解剖だなんて物騒だね。死んだ人間が何を言うって言うんだい？」

ナナ「そうですとも！ツネキチさんは私たちの仲間でした。どうか安らかに眠らせてあげましょう」

生徒達『わぁーー！？』

キョウヤ「っ！？」

ナナ「あ…」

シンジ「解剖とかめんどくさいことしないでさ」

シンジ「死体に直接聞いてみればいいんじゃない？」

ナナ（何だとっ！？）

ミチル「シンジくんのネクロマンシー…」

ナナ（次から次へと…っ！）

シンジ「よくわかんないけど、ツネキチくんが何で死んだのか知りたいんでしょ？」

キョウヤ「わかるのか？」 

シンジ「死体が覚えていればね」

シンジ「大丈夫。ゾンビだからって腐ったり、人を襲ったりしない」

セイヤ「クラスでも影が薄いって思ってたら…」

モグオ「怖ぇぇ…。あれが死者を操る術ネクロマンシーか」

ユウカ「まあ、待って待って。えっと…みんな引いてるみたいだけど、シンジは別に悪いやつじゃないからね？」 

シンジ「ユウカはすっこんでろよ。呼んでもないのにしゃしゃり出てきて」 

ユウカ「なっ」

ユウカ「アタシはね、これでも根暗なアンタを心配して…」

シンジ「それでどうするだい？」

シンジ「僕は死体を自在に操れる。死体を通して周りを見ることもできるし、死体の記憶を引き出し、持っていた能力を使う事も出来る」

ナナ「あの、魂はどうなるんです？」

シンジ「魂…？こいつのか？それは僕にもわからないよ」

ナナ（ならば茶番でも演じてみるか）

ナナ「止めてあげてください！今ちらっとですが、ツネキチさんの心の声が聞こえました。苦しんでるみたいです」

生徒「ヒィィ…」

生徒「まじかよー」

ミチル「キョウヤさん！」 

キョウヤ「はぁ…。解剖するとか言っておいてなんだが、ぜひゾンビにしてくれとは言い辛いな」

ユウカ「シンジもその辺にしとこうよ」

シンジ「やめるんだね。僕はどっちでも良かったんだけど」

生徒（ざわ…ざわ…）

ユウカ「もう一回言うけど、シンジは悪い奴じゃないからね」

先生「そろそろお坊さん呼んでいいかな…？」

セイヤ「ねえ、放課後ヒマ？」

ユウカ「君さぁ、彼女いるんじゃなかったけー？」

セイヤ「暴力は…よくないよ…？」

ユウカ「ふん、女の敵！」

ナナ「ユウカちゃん！」

ユウカ「あっ、ナナちゃん。どうしたの？」

ナナ「シンジくん知りませんか？」

ユウカ「シンジ？」

ナナ「はい。あまり学校で見かけないなーっと」

ユウカ「あー…寮で寝てるんじゃない？アイツ、授業なんてほとんど出ないよ」

ナナ「なるほど。お葬式の時に見かけたのは、レアだったんですね」

ユウカ「なんで？」

ナナ「一応リーダーとして、皆さんの事知っておきたいなぁっと」

ユウカ「おおっ、そっかそっか！人類の敵、来てるんだもんねー！」

ナナ「ガフ…ガフ…」

ユウカ「ありがとね。シンジの事気にかけてくれて」

ユウカ「アイツちょっと陰気でしょ？自分のことネクロマンサーとか吹いちゃってさ。友達いないのよ」 

 ナナ「はぁ…」

ナナ「でも実際ネクロマンサーじゃないですか。ツネキチさん動き出して、ビックリしましたよー」

ユウカ「きっとみんなの前でどや顔したかっただけ。昔から子供なんだよねー。もう…」

ナナ（シンジが死んで騒ぎ出すのは、まずこいつか）

ユウカ「あっ…」

ナナ（そういう事か…。好都合だ。まとめて死んでもらおう）

ナナ「あ…」

キョウヤ「こんな時間に逢引とはな」

ナナ「あはは…。私は、夜中にふとユウカちゃん達の声が聞こえたんで、様子をみてたんです～」

キョウヤ「俺も見回りだよ。柊もツネキチも、人気のない夜に襲われたみたいだからな」

ナナ「やっぱり私を誤解してるみたいですね」

キョウヤ「さて、俺が犯人なら次に狙うのはシンジだ。死人の口を暴かれては堪らないからな」

ナナ「……」

シンジ「誰かいるの？」

ナナ「お取込み中の所、すみません」

シンジ「見てたのかい？」

キョウヤ「スプラッター映画なら殺されてるぞ。イチャついてるカップルは、真っ先にな」

ユウカ「あ…いや…えと…」

シンジ「ただの幼馴染さ。こいつが勘違いしてるだけ。僕が愛してるのは死者だけだよ」

ユウカ「もー、そうやってすぐキモいこと言うんだからー」

シンジ「今日の事は忘れてもらおう。じゃないと、君達が死んだあと、安心して墓に入れると思わないでくれ」

シンジ「君の能力は不老不死らしいね」

シンジ「僕の操る死者は、生前の能力も使う事が出来る。君の場合はどうなるのか、興味あるな」

キョウヤ「お、おう…。その前に俺は死なないわけだが…」

シンジ「ユウカ、またな」

ナナ「お二人はやっぱり付き合ってるんですね 」

ユウカ「あはは、腐れ縁だから放っておけないっていうか…」

ユウカ「アタシたち、同じ町で育ってさ。家も隣で、学校も一緒だったの」

キョウヤ「腕を怪我しているようだな」

ユウカ「あっ、あれはね。火傷の跡。隠してるのよ」

ユウカ「5年くらい前かな。二人で映画見に行った時に、火事があったのよ」

ユウカ「シンジって、ああ見えて熱い所があって、パニくってる他のお客さんを先に逃がしたんだ」

ユウカ「でも、カッコつけてたら一人だけ逃げ遅れちゃったのね」

ナナ「ユウカちゃんが助けたんですね」

ユウカ「もうっ、火事場の何チャラってやつかな？劇場は外から見ても、煙が上がってるわけ！でも、中にシンジが取り残されてるって思ったら、非常口のドアにドーンっとタックルして押し開けてたよね～」

ユウカ「始めて自分に能力があるんだ…って気づいたよ。それまでも怪力女とか言われてたんだけどね」

ユウカ「で、煙を吸い込んでグッタリしてたシンジを抱えて脱出したの。ホント手がかかる弟みたいなもんなんだよ。あはは」

キョウヤ「死霊魔術師と言えば大抵悪役だが、実は良い奴だと？」

ユウカ「うん。人嫌いでクラスにもあまり顔出さないけど、あーゆう奴もいるんだって、覚えておいて欲しいな」

ミチル「次の授業はトレーニングですね」

ミチル「私、運動はあんまりなんですよね」

ナナ「私ちょっと保健室で休もうかなと…」

ミチル「大丈夫ですか？」

ナナ「実は昨日遅くまで見回りをしてまして、あんまり寝てないんです～」

ミチル「わかりました。先生には伝えておきますね」

ナナ（この窓からならば、誰にも見られず最短で男子寮に辿り着ける）

ナナ（夜はキョウヤが見張っているとなると、今しかない）

ミチル「はぁはぁ…」

キョウヤ「なぁ」

キョウヤ「柊は？」

ナナ「そのまま眠っているといい。お前の恋人も、すぐ後を追ってくる」

ナナ（急がなければ…。キョウヤが嗅ぎ付けないとも限らない）

『ニャー…』

『ニャー…ニャー…』

ミチル「あの…キョウヤしゃんは、よくナナしゃんを気にかけてますね」

キョウヤ「友達だからな」

キョウヤ「柊、大丈夫か？」

ミチル「ほえ？」

キョウヤ「…」

ナナ「すいません！ちょっと来てもらえますか？」

ナナ「ユウカちゃんも呼んでください！」

『ニャー…ニャー…』

ナナ「寝てたんですが、助けを求める声が聞こえまして」

ナナ（男子寮に居たらこの道を通ったと自白するようなものだが、やむを得まい…）

ナナ「ユウカちゃん、怪力の能力でそのコンクリートの蓋を壊してもらえませんか？」

ユウカ「えっ？えーと…。あー…」

ユウカ「ごめん！今は使えないんだ」

ナナ「え…？」

ナナ（能力の制限か何かかか？）

キョウヤ「まあ落ち着け。見たところ怪我をしてるわけじゃなさそうだ。俺の部屋に猫缶があるから持って来てくれ。人慣れしてる猫だし、餌の付いた手を伸ばせば飛びついてくるだろ」

ミチル「お騒がせな猫ちゃんですね。ナナしゃんに感謝ですよ？」

ナナ「キョウヤさん、ありがとうございました！」

キョウヤ「柊は猫の声も聞こえるんだな」

ナナ「たまたまでしょうけどね」

ユウカ「ごめんねぇ…。いざっていう時に役に立たなくて…。クシュン…！動物アレルギーでさー、上手く能力も使えなくなっちゃうんだよねー」

ナナ（可愛い弱点だったな…）

キョウヤ（ますますわからなくなったな…）

キョウヤ（道端の猫を助けるような人間が、冷酷に人を殺すのか…？）

ユウカ「ガァ～…クゥ～…」

ナナ（佐々木ユウカ。悪い人間ではなさそうだが、使命は使命だ）

ナナ（シンジと同じ様に眠りながら死んでいけ）

ナナ「っ！？」

ユウカ「全部シンジが見ててくれたんだ…」

ナナ（ゆ、油断した…）

ナナ（違和感はあったと言うのに、何てことだ）

ナナ（怪力というから思わず納得してしまったが、非常口は大抵外開きに出来ている。中の人間が流れで外に逃げられるようにだ）

ナナ（劇場の外からタックルして押し開いたというのなら、おかしかった）

ナナ（猫を助けようとしなかったのも、アレルギーなんかじゃない）

ナナ（今、私を押さえつけてる人間こそが本当の怪力の持ち主だからだ）

ナナ（という事は、ネクロマンサーはシンジではなく…）

ユウカ「シンジは死なないよ。今も、今までも」

ユウカ「ずっとアタシが死なせない」

ナナ（お前の方だったかっ…！）

ナナ（くっ…間違いない…！）

ナナ（シンジは死んでいる）

ナナ（元々部屋に、ユウカの他に人の気配や息遣いは全く感じられなかった）

ナナ（そして、この氷の様に冷たい肌の感触…）

ユウカ「静かにしようね」

ユウカ「夜中だし」

ユウカ「ごめんね。ナナちゃん。痛かった？」

ユウカ「シンジってさぁ、昔から短気なんだよねぇ …」

ユウカ「自分の事、頭いいって思っててねー。実際いいんだけど、プライドが高くてー」

ユウカ「テストで98点ってだけでキレちゃって。何で100点じゃないんだーって。教室で叫んで答案破り捨てちゃったんだー」

ユウカ「かわいいよね…」

ユウカ「でも、私には優しいんだ…」

ユウカ「あの日も楽しかったなー。夕方から二人で街に出て、歩行者天国の屋台でクレープ食べてさ」

ユウカ「シンジは嫌がってたけど、ずっと手を繋いでさ」

ユウカ「映画も良かったなー。新しく出来た映画館でさ」

ユウカ「売店でお茶買ったなー。あっ、シンジはお子様だからメロンソーダね」

ユウカ「それから面白い事があったんだー。席について映画が始まる前にね」

ユウカ「アタシの右に座ってた男の人が飲み物を置くときにこぼしちゃってさー。アタシのスカートにかかったの」

ユウカ「でもその人、謝ってもくれなかったからシンジが短気おこして、隣から身を乗り出してきたんだけど」

ユウカ「今度は置いてあったシンジのメロンソーダまでこぼれて、アタシにかかっちゃったの。ウフフ、あれは笑ったよねー」

ユウカ「聞いてる？」

ユウカ「あ、ごめん。話の途中だったね」

ユウカ「映画は超怖いホラーでね、私なんか冒頭からずっとシンジに抱き着いてたよねー。シンジもビビってないとか言いながら震えてた」

ユウカ「でも、エンディングロールが流れた頃かな。火事だって放送があって、会場はもうパニックよー」

ユウカ「出口に群がって押し合いになる人や座席を飛び越えて走り出す人まで現れて…」

ユウカ「シンジとはぐれちゃったよねー」

ユウカ「先に避難できた私は、外でずっと待ってたよ。シンジもきっと無事だって思いながら…」

ユウカ「でも、次に見たシンジは担架で運ばれてた。窒息したんだって。チビで元々服のサイズが合わなかったから、詰襟が苦しそうだったな」

ユウカ「能力を使って、みんなを逃がそうとして逃げ遅れたんだよ。悲しいよね」

ナナ「お葬式の時、ツネキチさんを操っていたのも、ユウカちゃんだったんですね」

ユウカ「だって…」

ユウカ「シンジは凄いんだって、みんなに知っておいて欲しいじゃない？私とラブラブで、私がいないとダメなんだーって、覚えておいて欲しいじゃない？」

ナナ（狂ってるな…）

シンジ「おい、ユウカ。いつまでこいつをこうしてればいいんだ？」

ユウカ「あっ、ごめんごめん」

シンジ「こいつは俺の寝込みを襲って、首にその針を刺したんだからな」

ユウカ「わかってるよー」

ナナ（確か…死体を通して周りを見る事ができると言っていたな）

ユウカ「でもその後、何食わぬ顔で猫助けたりして、何かの間違いかなーとも思ったよねー」

シンジ「だから夜に待ち伏せして確かめてやろうって話になったんだろ？」

ユウカ「ってことは、やっぱりアタシを殺しに来たんだよねぇ？」

シンジ「すぐにお前の恋人も後を追ってくるとか言ってたからな。こいつはおかしいよ」

ユウカ「だよね？おかしいのはナナちゃんだよね！？」

ナナ（まるで、多重人格だな…）

ナナ（私もツネキチの声が聞こえるなどと茶番を演じたが、ユウカもずっとふざけた人形劇を演じているわけか）

ナナ「！！」

シンジ「危ない。こいつまだ針を持ってるぞ」

ユウカ「ありがとう、シンジ」

ユウカ「という訳でナナちゃん。悪いけど観念してね」

ナナ「観念…」

ユウカ「この島って元々おかしいんだよね」

ユウカ「私はシンジと一緒に居らればどうでもよかったんだけど、こうやってナナちゃんが襲ってきたわけじゃない？」

ユウカ「今からナナちゃんがやろうとしてたことを、クラスの前で説明してもらうから」

ナナ「…っ」

ユウカ「どうしたの？何かお葬式の時もキョウヤくんが騒いでて、ナナちゃんが必死に止めてたけど」

ユウカ「もしかしてツネキチくんも殺したの？」

ユウカ「中島くんとか渋沢くんもいなくなってるけど、それもひょっとして…」

ナナ「はい。そうですよ」

ユウカ「え？」

ナナ「ただ…」

ナナ「私は人殺しかもしれないが、死者をもて遊んだりしないっ！」