【感想】 リゼロ2期 1話(26話) リゼロらしさ全開の初っ端から辛い展開 スバル可哀想過ぎる…

スバル「ん？」

スバル「なんかさ、ペトラ近くね？」

ペトラ「だって、さっきまでお姉ちゃんが独り占めしててズルかったし。いいでしょ？」

エミリア「えっと…。違うのよ、ペトラちゃん。さっきのスバルと…。そう、大事な話があっただけで…」

ペトラ「ベェ～！私、お姉ちゃんに絶対負けないから！」

スバル「エミリアたん、子供のいうことはよー。笑って笑顔で、スマーイルで受け流さないと」

エミリア「駄目よ。子供が相手だからって、そんなチャランポランな態度はできません」 

スバル「チャランポランって今日日聞かねぇな」

エミリア「またそうやって茶化す」

ペトラ「私、子供じゃないもん！」

スバル「ごめんごめん。ペトラには礼を言わなくちゃな。エミリアたんを一人にしないでくれって約束をちゃんと守ってくれたわけだし」

スバル「落ち着いたらお礼を言わなきゃならない相手が多すぎるな…」

スバル「クルシュさん達には大感謝だし、アナスタシアさんにも世話になった。ちょっとシャクだけどユリウス達にも助けられた」

スバル「オットーにも借りを作っちまった」

オットー「何かいいましたか？ナツキさん」 

スバル「なんでもねぇ！お前にも感謝しかないって話だ」

オットー「どうしたんですか？急に照れるじゃないですか」

スバル「それに…」

エミリア「どうしたの？スバル」 

スバル「ああ、あの、その…」

スバル「エミリアたん。凄く大事な話があるんですが」 

エミリア「うん。なに？」

スバル「もの凄く言いづらいことなんだが、聞いて欲しい。ああモチロン、ラムにも同じ報告をしてぶっ飛ばされるのは覚悟なんだがっ、最初はエミリアたんに…」 

エミリア「うん」

スバル「実はレムの話なんだよ。レムがその俺の事を…」

レム『これからもレムを隣に置いてくれますか？』

スバル「なんとなくわかるじゃん？それで色々言ってくれてるわけですよ、レムが…」

エミリア「ちょっとスバル、落ち着いてってば。何が言いたいかわからなくなってるし、すーごくスバルが一生懸命なのはわかってるから」

エミリア「ね、いい子だから、ゆっくり」 

スバル「いい子だからって、なんかへこむ評価」

スバル「けど、わかった。ここは男らしく、スパッといく！」

スバル「その、俺がエミリアを好きだって言うのと同じように、レムも俺の事好きって言ってくれてましてー！だからー…！」

エミリア「スバル…」

スバル「はい…」

エミリア「レムって…」

エミリア「誰の事…？」 

スバル「……は？」

スバル「……は！？」

クルシュ「浮かない顔をしているな。レム」

クルシュ「やはり心配は尽きないか？」 

レム「クルシュ様…」

クルシュ「フェリスとヴィルヘルム、同行した討伐隊も勇士の精鋭だ。リカードら鉄の牙の助力もある。負ける布陣ではない」

レム「それでも心配になってしまうのは身勝手なのでしょうか」

クルシュ「ナツキ・スバルも言っていた。レムには笑顔の方が似合うと…」

レム「本当に、スバルくんは困った人なんですから…」

レム「クルシュ様も笑われたら雰囲気が変わりそうですね。普段は凛々しくいらっしゃるから。きっと微笑まれては素敵だと思います」 

クルシュ「そうだな。私は笑うのが下手な女だ。そのことを後悔して、今も尚変わらず…」

レム・クルシュ「！」

クルシュ「敵襲っ！敵襲――っ！！」

クルシュ「轢き殺せ！」

レム「クルシュ様！」

謎の男「やめて欲しいなぁー。何もしてないのに轢き殺せだなんて。とてもじゃないけど真っ当な人間のする事とは思えない」

クルシュ「私の臣下によくもこれほど惨い事を…。貴様、一体何者だ？」

謎の男「なるほどなるほど、君は僕の事を知らないわけだ。でも、僕は君の事を知っている。なんせ次の時代の王様候補だ」

クルシュ「ペラペラと無駄口を…。質問に答えろ。次は斬る！」

謎の男「酷い言い分だなぁ。でも、それくらい横柄でなきゃとても背負えないかもしれないよね」

謎の男「その感性は僕には…」 

クルシュ「次はないと…」

クルシュ「そう言った！！」

クルシュ「なっ！」

謎の男「あのさ！人が気持ちよく喋ってる最中に斬りかかるなんて、どんな教育を受けたのー？それって僕の喋る権利の侵害だと思うんだよねー」

クルシュ「がっ…！」

レム「クルシュ様！」

小柄な男「あー、いくら食べても食い足りないー！」

小柄な男「食って噛んで掴んでかじって食らって食らいついて噛みちぎってかみ砕いて、暴飲暴食。ああ、ご馳走様でした」

レム「貴方…達は…」

ライ「魔女教大罪司教、暴食担当ライ・バテンカイトス」

レグルス「魔女教大罪司教、強欲担当レグルス・コルニアス」

ライ「僕たちのペットがやられたってんで来てみれば、豊作だー！曲がりなりにも400年好き勝手してきたアレを殺したんだから。さぞ熟れた食べ頃揃いって期待してたんだけど…」

ライ「想像以上だった！！」

ライ「いいねーいいよーいいさーいいなーいいかもーいいとも、いいじゃないーいいだろー。久々に俺達の飢餓が満たされた！」

レグルス「安心しなよ。僕はそこの彼とは全然違うから。争いとか嫌いなんだよね。飢餓とか渇望っていうの？そういう下衆なタイプとは無縁なんだ」

レグルス「人の話聞いてた？僕は争いとか嫌いなんだって言ったよね？」

レム「言いたいことはそれで十分ですか？魔女教徒」

レム「いずれ貴方たちを討ち滅ぼしてくれる英雄が現れます。レムの愛するたった一人の英雄が…」

ライ「へぇ…英雄？そいつは楽しみだ。で、アンタは誰？」

レム「ロズワール・L・メイザース辺境伯、使用人筆頭。今はただ一人の等しい人。いずれ英雄となる我が最愛の人、ナツキ・スバルの介在人…」

レム「レム！」

レム「覚悟しろ、大罪司教。レムの英雄が…」

レム「必ずやお前たちを、裁きに刑す！」

ライ「ははは！いい気概だ！」

ライ「じゃあ遠慮なく…頂きまーーす！！」

レム「ううううう！」

レグルス「フフッ」

レム「がぁ！」

ライ「ご馳走様でした」

エミリア「酷い…」 

スバル「何があったんだ…」

スバル「レムは…レムはどこだ！！」

スバル（あの時と同じだ！）

オットー『レムって誰の事ですか？』

ラム『ラムは妹なんていないわ』

エミリア『レム…？』

スバル（レムが白鯨にやられちまったあの時と…。けど、間違いなく白鯨は倒した。だったらなぜ…！？）

スバル「レム！どこだ！いたら返事をしてくれ！レム！！」

スバル「あ…！」

スバル「レム！」

スバル「違う！」

スバル「レム！レム！」

スバル「レム！レム！レムーーーー！！」

スバル「レム、どこに行っちまったんだ…レム…」

スバル「…レム！」

スバル「おい！レム、起きろ！俺だ！おい！レム、レム、レム！」

治療師「この子を知っているのか？」

スバル「知っている！レムだ！生きてるんだろ？なんで目覚めないんだ！」

治療師「残念だが、手の施し様がない。どんな治療をしても目覚めないんだ…」 

スバル「なんでだよ！それでも治療師か！治療師だったら治せよ！魔法でチャッチャと目覚めさせてくれよ！なぁ…！」

スバル「頼むよ…。なぁ…」

スバル「今、死に戻れば…」

スバル「またペテルギウスと戦うことになる。それでも構わねぇ。何度でも戦って、何度でも倒して…。エミリアとレム…、両方救ってやる。どっちも死なせない！」

スバル「お前たちを救う為なら、俺は…。何度でも！！」

スバル「…っ！！」

スバル「はぁはぁはぁ…」 

エミリア「大丈夫？スバル、どうしたの？」

スバル「レムは…、レムはどうした？」

エミリア「スバル…」

エミリア「レムって…」

エミリア「誰の事…？」

スバル「考えてみたら、お前の寝顔なんて見た事無かったよな。いつだってお前は俺よりも早起きで、気が付いたら勝手に部屋に入って、俺の寝顔をじっと見てて…」

スバル「レム、ごめんな。俺、お前を救う為なら何度でも死ぬなんて恰好つけておいて、どうやら何度死んでも、間に合わねぇみたいだよ」

スバル「あ…」

スバル「なんだ、パックかよ」 

パック「なんだはないと思うけど、酷いなぁ」

スバル「お前がここに来るなんて、どういう風の吹き回しだよ」 

パック「僕だってこの子と関わりがあったんでしょー？それなら、ふらりと様子を見に来たっていいんじゃないかな？」

スバル「パック、お前なら…！」 

パック「残念だけど、僕の力でもこの子を眠りから覚まさせる事はできない」

パック「その代わりにと言ってはなんだけど、暴食について少し話そうか」 

スバル「暴食？」

パック「この子の名前と記憶を食べた存在」

パック「暴食の権能はシンプルに言えば、食べるって力だよー。相手の名前を食べて周囲の記憶から奪い、相手の記憶を食べて当人の記憶を奪う。両方を奪われれば、それはもう何者でもない抜け殻が残るだけだよねー。この女の子の状態は正にそれだ」

パック「スバル」 

スバル「なんだよっ！」

パック「色々抱え込んでる君にお願いするのは酷だけど、リアの事よろしく頼んだよ」

クルシュ？「ここにいらしたのですね。彼女は？」

スバル「何も変わってないですよ。何が出来るってわけでもないのに、我ながら不甲斐なくて女々しい話ですけど」

クルシュ？「そんな事は彼女もそれを喜んでくれてるのではないでしょうか」

クルシュ？「ごめんなさい。出過ぎた事を…。お気に障りましたよね」 

スバル「いえ。それより俺に何か用があったんじゃないですか？」

クルシュ？「はい。話し合いがしたいと、皆さん談話室に集まっています」

クルシュ？「それで、その…」

スバル「ナツキ・スバルですよ」

クルシュ？「ごめんなさい。ナツキ・スバル様ですよね。大変なご恩のある方と聞いているのに、失礼を重ねて申し訳ありません」 

スバル「ああ、仕方ないですよ。今は覚える事が多すぎるはずですから。気にしませんよ」

スバル「クルシュさん」

フェリス「クルシュ様、お遣いをさせてごめんなさい」 

クルシュ「いいえ、大丈夫ですよ。フェルスさん」

フェリス「フェリスですよー。フェリちゃんとクルシュ様との長い付き合いで、今更『さん』付けにゃんて寂しいじゃないですか～」 

クルシュ「すみません。前みたいにとは行きませんけど頑張ります。フェリス」

フェリス「急がなくて平気ですよー。フェリちゃんはいつでもクルシュ様の味方ですからー。それにー、今のクルシュ様も新たな魅力発見って感じでーす！」

エミリア「スバル…」 

スバル「大丈夫！もう落ち着いてるよ、エミリアたん。俺は大丈夫だ」

ヴィルヘルム「では、スバル殿とクルシュ様も戻られましたので、話をいたしましょう」

フェリス「まずは状況の再確認からしてこっか。逃げきれた鉄の牙の子達が、王都から救援を連れて戻った時、残っていたのは犠牲者と…」 

クルシュ「私と同じような境遇の方々だけですね」

スバル「記憶を食われたクルシュさん。名前と記憶、両方を食われたレム。か…」

フェリス「王都ではこれまでにもクルシュ様と同じ、治療師でも復元できない記憶障害や原因不明の眠り姫っていう病気の報告が何度もあったんだよ。でも、今となってはそれも全部…」

ヴィルヘルム「魔女教の仕業と考えて間違いないでしょう」

クルシュ「！」

ヴィルヘルム「いえ、クルシュ様に含むことは何も…。怯えさせてしまい申し訳ありません」

クルシュ「私の方こそ、不甲斐ない主でごめんなさい。ヴィルヘルム様の事も思い出したいと努力しているのですが…」

フェリス「ふぅ…、やっと怠惰を片付けたのにまた別の大罪司教なんて、ホント最悪だよね。ま、エミリア様が応戦に出るって時点で、魔女教が出てくるのはわかってたけど…」

エミリア「やっぱり…、私のせいなのかな…」

フェリス「そうですね。奴らがエミリア様を、ハーフエルフを根絶やしにしようと執着してる。今回の事はそのほんの片鱗ですよ」

スバル「やめろ！バカバカしい！フェリスも言い方を考えろ！悪いのは徹頭徹尾、あのクズ共だろうがっ！」

スバル「責める相手を間違えるんじゃねぇよ！筋違いの味方を傷つけても世話ねぇだろ！」 

フェリス「ふーん！スバルきゅんが言うと、説得力が違うねぇ。経験の差って奴？」

クルシュ「フェリス。今の発言は聞き捨てなりません。謝罪しなさい」

クルシュ「ナツキ・スバル様のおっしゃる通り、事の責を問われるべき相手は明確です。そして、正しい意見を述べた方を嘲る資格も貴方にはない」 

フェリス「はい。クルシュ様…」

フェリス「エミリア様、謝罪いたします。スバルきゅんもごめんね」 

スバル「もういい。それより話を戻そう」

フェリス「けど、これだけは言わせて」

フェリス「約束の同盟のお話だけど、なかったことにしない？」

スバル「そりゃ…どういう意味だ…？何で今の流れで同盟を取り消すって話になる？」 

フェリス「同盟はお互いの利益があるから結ぶもの。このまま魔女教に狙われ続けるエミリア様に協力しろと？」

フェリス「それでクルシュ様がこれ以上傷つかないって、スバルきゅん約束できる？」

スバル「それは…」

ヴィルヘルム「私はその意見には反対ですな」

フェリス「なんでヴィル爺が反対するの？クルシュ様がこんな風になっちゃって、それでもエミリア様たちと協力し続けて、何の意味が？」 

ヴィルヘルム「件の輩、クルシュ様を襲った暴食に対し、報復を行う機会が訪れましょう」

フェリス「それが、クルシュ様のお命より大事だって言うの？」 

クルシュ「フェリス」

フェリス「クルシュ様だってお辛いはずです！何もわからなくて覚えてなくて、なら戦おうなんて思わないでしょう？ですよね？ねえ？」

フェリス「記憶の事なら、きっと私が何とかします！今は戦わなくても、私の魔法で解決してみせます。ですから、危ない事はもう…」

クルシュ「フェリス、心配してくれてありがとう。今はまだ私にはわからないことばかりです。何一つ、以前の自分を思い出すことができません。皆様にとっても私と接する事は戸惑いばかりだと思います」

クルシュ「それでも、今の私を尊重して下さる皆様にまずは感謝を」

クルシュ「フェリスが私を本心から心配して、私の手を引こうとしてくれてる事はわかります。貴方の言葉に従って、安全な道を歩くことも出来る」

クルシュ「でも、何も知らないまま流されるのは嫌なんです。何かを選ぶなら、誰かの言いなりではなく、自分の意志で選びたい」

フェリス「クルシュ様…」

クルシュ「フェリス…」

ヴィルヘルム「クルシュ様がこう仰る以上、同盟の解消は誰も望みますまい」

クルシュ「はい。エミリア様とナツキ・スバル様に多大なご迷惑をお掛けします」

エミリア「いいえ、大丈夫。私たちも足並みが揃ってるなんて言えないもの。聖域に避難したラム達と合流して、それにロズワールにもちゃんと話さなきゃ」

スバル「『俺は強い』ってお前は言ってくれたけど…、お前が居てくれなきゃ、そうやって強がる俺って奴も見つからねぇみてぇだよ。レム…」

エミリア「やっぱりここに居た」 

スバル「エミリアか…。なんか用事あった？」

エミリア「なきゃ来ちゃいけない？」

エミリア「私もこの子…、レムさんの関係者のはずでしょ」 

スバル「レムさん…か」

エミリア「そっか。私、この子のこと呼び捨てにしてたんだ」

スバル「エミリアたんはロズワールの客分だし、ラムの妹なのは説明要らないでしょ」 

エミリア「うん、わかる。だってラムとそっくりなんだもん。間違うわけないわ」

エミリア「スバル、ずっと寝てないんでしょ？少し休んだ方がいいわ」 

スバル「別に疲れる事してるわけじゃないんだ。何にも出来ないわけだし」 

エミリア「でも、何かしたいと思ってるのは本当でしょう。そうやって心がずっと頑張り続けてたら、先に体の方がくたびれちゃうわ」

エミリア「だから、お願い…」

スバル「情けねぇな、俺…」 

エミリア「ううん、そんな事ない。私、スバルに凄く助けられてる。ホントにホント」

エミリア「きっと大丈夫…、なんてわかったような事、私言えない。スバルの気持ちわかってあげたいけど、忘れてしまったこの子の事。何もわからない私が、何を言ってもスバルを傷つけるだけだと思うから」

エミリア「でも、これだけはちゃんと知っておいて。レムの事、一人で抱え込んで悩もうとしないで。私もちゃんとスバルの悩み、抱えさせて」

スバル「エミリア…。だけど君はレムの事は何も覚えてないのに」

エミリア「覚えてなかったら何とかしたいと思っちゃいけない？スバルがこんなに悲しい顔するぐらい大事に想ってる子なんでしょ？それを私も助けてあげたいって思うのはそんなに不思議？」

エミリア「スバルが助けてくれたみたいに、今度は私もスバルを助けたい。スバルが傷ついているなら、なんとかしてあげたい！」

スバル「エミリアたん、すげぇな…」 

エミリア「そう…？スバルの方がもっと凄いと思うけど」 

スバル「いや…そんな事ねぇよ。エミリアで良かった…」 

エミリア「？」

スバル「エミリア。一つお願いがあるんだけど」 

エミリア「なに？」

スバル「後ろ向いててくれる。ちょっと泣く」 

エミリア「うん、わかった」

スバル「……ぅぅぅ」

スバル「俺は、必ずお前を取り戻す。必ずだ…！」

スバル「俺が必ず…。お前の英雄が必ず…。お前を迎えに行く！」

スバル「待ってろ、レム」