【感想】アニメ『かぐや様は告らせたい2期』3話 白銀がかぐやの願いを叶えようとする展開はグッとくるものがある 演技と演出相まって笑いあり涙ありの映画を見た気分で最高だった

白銀「十五夜、月見するぞ！フッフー！」

藤原「テンション高いですねー。突然なに言い出すんですか」 

白銀「それはいつもお前に言いたいことだが、まあいい」

白銀「今夜は中秋の名月。こんな日に夜空を見上げないなど、人生の損失だぞ！」

白銀「既に準備は済ませてある。屋上の使用許可も取っておいた。親御さんに今日は遅くなると連絡するんだ」

藤原「わー」

藤原「でも急すぎません？」 

白銀「いや、今日の星空指数めっちゃいいんだって！十五夜でこの数値出ちゃったらもう行くっきゃないから！」

ナレ「月見。白銀は無類の天体好きであり、将来の夢は天文学の博士だったほどである」

ナレ「そんな彼が１年で最も月がきれいに見える日にテンションが上がるのは仕方がないことなのである」

石上「まあ良いじゃないですか。僕は乗りますよ」

石上「もうすぐこの生徒会も解散。皆で無茶ができるのも、これで最後かもしれないんですよ」

藤原「わ～！意外と星、見えますね～！」

白銀「だな。月のある東南側が東京湾だから、都会の灯りも比較的少ない。ロケーションも悪くない」

かぐや（月なんて見て何が楽しいのかしら。私にはひとつも理解できないわ）

かぐや（ですが、夜の屋上。この状況自体はムードがあります。やりようによっては会長を追い込める）

かぐや（だけど、少し外野が邪魔ね） 

藤原「おっもち♪ おっもち♪ もっちり、もちろんおっもち♪」

石上「・・・寒っ」

かぐや「藤原さん。お餅煮るんですか？」 

藤原「はい！私は花より団子。月よりお餅です！」

かぐや「でしたら、風がありますからね。こっちのほうでやりましょうか」 

藤原「そうですね！」

石上「あ、火の傍で暖まりたいです」

かぐや（拍子抜けね…。難なく排除できた）

白銀「ん？二人はどうした？」 

かぐや「向こうでお餅を煮てくれてますよ」 

白銀「そうか」

かぐや（さて、どう攻めましょうか…。そうね、こんな感じはどうかしら）

かぐや「くっしゅん。会長、今日はなんだか冷えますね。急だったので上着を用意する暇もありませんでした。このままだと風邪を引いてしまいますわ」

白銀「じゃあ、俺の上着とか…」

かぐや「これ！会長のドギマギしてる様をじっくり眺めさせて頂くとしましょう」

かぐや「会長、今日はなんだか…」

白銀『冷えるだろ』

白銀「俺の上着で良かったら使ってくれ」 

かぐや「はれぇ～～？？」

かぐや（あれ？はれ？私、まだ特に何も言ってないのに、もう上着がある！？）

かぐや（何だか歯車が上手くかみ合ってない⁉）

白銀「温かいお茶も用意してきたんだ」

かぐや「あ、ありがとうございま…」

かぐや「は！？」

かぐや「これだわ！見たところ他のコップもない様ですし、このまま渡せば間接キッスでドギマギする会長が見られる…」

かぐや「会長もどうぞ」 

白銀「ああ」

かぐや（どうですか？これはさすがにドギマギせざるを…）

かぐや「はれ～～～？？」

かぐや（何してるんですかー！私が口付けた場所ですよ？完全な間接キッスなのに、どうしてそんな無反応で…）

かぐや「は！」

かぐや（もしかして、星に心奪われて…。私は眼中にないっ！？） 

ナレ「ない！」

ナレ「白銀は現在、月見を全力で満喫中。童心に戻った彼に一切の邪念はなく、妙なプライドや羞恥心を捨て星に心をゆだねている」

かぐや（私より星にご執心だというの？冗談じゃない！意地でも私を意識させてやるわ！）

かぐや（男は女が自分の趣味に興味を持つことをこれ以上なく喜ぶという。でしたら…） 

かぐや「会長、どれが秋の四辺形なんですか？」 

白銀「ああ、えっと…。それはだな…」

かぐや（興味を持ったフリをして適当に相槌を打つ） 

かぐや「会長ものしり！すっごおーい！」 

かぐや（そしたら自然と体は密着し、必ずドギマギするわ！）

かぐや「会長、どれが秋の四辺形なんですか？」 

白銀「ん？興味あるのか」

かぐや「はい、とっても」

白銀「じゃあ、もっとこっちに来い」

白銀「いいか、親指の先と人差し指を繋いだ直線上にある明るい星、あれがアルフェラッツだ」 

かぐや（は、はれ～～～？？）

白銀「秋の四辺形はペガススの四辺形とも言われるんだが、皮肉にも一番明るい星はアンドロメダ座なんだよな。その周辺にあと３つ明るい星があってそれを繋ぐと四辺形なんだが…」

白銀「わかったか？」 

かぐや「あ、いえ。月灯りでちょっとよく…」

白銀「フム…。だったらこっちはどうだ？」

かぐや（はれ～～～？？） 

白銀「寝転んで正面に見えるのが夏の大三角形だ。秋なのに夏の大三角形が見つけやすい、おかしな話だよな」

白銀「知ってるか時間軸のズレ歳差運動の影響で北極星は時代によって変わるんだ２千年後にケフェウス座γ星４千年後にケフェウス座β星１万年後にはベガ座にその役目が回ってくる…」

かぐや（なんなの！？なんなのなんなの、この人！？）

かぐや（これ、結構アウトじゃない！？）

白銀「ベガつまり中国の神話牛郎織女における織姫のことだなつまり１万年後織姫を中心に彦星が回ることになる何年たっても結局男は女に振り回される運命にあるってことだな面白い話だろ」 

かぐや（でも、こんなにキラキラした目で語られたら何も言えない！！）

かぐや「も、もうわかりましたので…」 

白銀「そうか…」

白銀「月といえば『かぐや姫』だよな。同じ名前だし、思い入れもあるんじゃないか？」

かぐや「・・・、もちろんです」

かぐや「夜空を見上げれば、愛する人を残し、月に連れ帰された女の物語を想わずにはいられません」

かぐや「だからこそ、月は嫌い」

白銀「そうだな」

白銀「かぐや姫は月に帰される際、愛した男に不死の薬を残す。だが、彼女のいない世界で生きながらえるつもりはないと、男は薬を燃やし、物語は締められる」

白銀「でも考えてみればさ、かぐや姫はありとあらゆる手段で求婚者たちを退けた。そんな性悪女が、相手を想って不死の薬なんて渡すと思うか？」

白銀「俺はいつも思うよ。あの薬は『いつか迎えに来て』そんなかぐや姫のメッセージだったと…」

白銀「人の寿命じゃ足りないぐらいの時間が掛かったとしても、絶望的な距離が、二人の間にあったとしても、私はいつまでも待ち続けますって意味を込めて、不死の薬を渡したんだと思う」

白銀「だけど、男は言葉の裏も読まずに美談めいた事を言って薬を燃やした。ひどい話だ」

白銀「俺なら絶対かぐやを手放したりしないのに」

かぐや「ふえ…」

白銀「俺なら月まで行って奪い返す、絶対」

白銀「何十年、何百年かかろうともな」 

かぐや「もうやめて～…」

白銀「これが俺たちの物語だったら、言葉の裏をこれでもかと読んであんな結末にはならないだろうにな」 

かぐや「もう、ムリ…」

かぐや「限界ッ…！」

かぐや「しゅぅぅぅぅう…」

かぐや「もうやめてって言ってるでしょ！恥ずかしいのっ！！」 

白銀「え？」

かぐや「花火大会の時といい、よくそんなこと真顔で言えますね！私を殺す気ですか！？」 

白銀「な、なに！？」

白銀「穏やかじゃないぞ、四宮」 

藤原「おしるこ出来ましたけど～」

かぐや「あーもうダメ！私、耐えきれなーい！」 

藤原「かぐやさん！？」

白銀「あ～～～～！俺は何て恥ずかしい事をっ！！」

ナレ「本日の勝敗。白銀の敗北」

藤原「おっだんご♪おっだんご♪うっれしいなー♪」

藤原「１年ってあっという間ですよねー」

石上「僕は実質半年位ですから、余計にそう感じます」

かぐや「本当に…、本当にこの１年は一瞬、でした」

藤原「あ、この看板懐かしいですね。フランス校との交流会とのですよ～」 

白銀「ああ、校長が急に言い出してな。あれが一番忙しかったか」 

 かぐや「ですねー」

かぐや「これはまた使うかもしれないから置いておきましょうか」 

白銀「だな」

藤原「ゲームも持って行かなくちゃですよね」

石上「あ、そのトランプ」

藤原「あっ…！」

かぐや「本当に、藤原さんはすぐゲームしたがるから」 

白銀「占いも好きだよな」

藤原「あと、これもありましたよねー」

白銀「ん？なんだっけ、それ」 

藤原「覚えてないんですか？もう…」

藤原「ドーンだYO！！」

白銀「うわっ、あったな！それ！」

白銀「確か言っちゃいけない言葉があって」 

藤原「そうです。NGワードゲームです」

石上「僕、それ知らない…」

藤原「あ、こんなのもありましたね」 

藤原「あはは、やっぱり似合わないですね」

かぐや「おかわわわわわわわ～」

ナレ「マリアージュ」 

かぐや（不意打ちで可愛いのやめてっ！びっくりして死ぬかと思うじゃない）

白銀「ったく、人の片づけの邪魔するなよ」 

藤原「えへへ、ごめんなさーい」

石上（僕、それも知らない…）

藤原「えと、他にも…」

石上「あ、それ知ってる！藤原先輩の巨乳が邪魔って話をした時、僕を引っぱたいたやつ！」

石上「そう、こんなかんじ」

白銀「強くなったよなー、石上。今や藤原に対抗できる唯一の存在だ」

白銀「そうか、人は成長する生き物だったな」 

かぐや「成長してますか、これ」

白銀「四宮だってそうだろう。前は初体験をキスのことだと思ってて」 

かぐや「からかおうったって、そうはいきませんよ。昔の話です」

白銀（チッ…、動じないか。…ん？）

かぐや（藤原さん、貴方には本当に振り回されぱなしだったわ）

白銀「この生徒会で」 

かぐや「色んなことをしたんですね」

藤原「本当に、懐かしい」 

白銀「いや、それは思い出にするのは早すぎるわ」

石上「終わりかぁ…」

白銀「こんなもんかな。探してない場所はないか？」 

石上「ああ、一か所ありました」

石上「えっと、ここは…」

白銀・藤原「そんなのあった！？」

石上「気づいてなかったんですか？」

白銀「知らん！これっぽっちも気づかなかった」

かぐや「学生運動の時、ここが拠点になったそうなので。その時作られた隠し部屋ですかね？」 

白銀「最後の最後に飛んでもない秘密出てきたな」

白銀「じゃあ、今度こそ忘れ物はないな」

石上「ファミレスで打ち上げでもします？」 

白銀「それもいいかもな」

藤原「ぅ…ぅ…」

かぐや「もう…、そんなのズルいわ…」

白銀「皆、お疲れ様。本当にありがとうございました」

ナレ「第６７期生徒会。全活動終了」

白銀「１年間お疲れさまでした」

全員「かんぱーい！」

白銀「これでようやくこの暑苦しい学ランを脱ぐことが出来る」 

石上「すぐにまた衣替えですけどね」 

白銀「それな」

白銀「ふう、肩の荷下りた。重いんだよ、この飾緒」 

かぐや「まあ金で出来てますしね」

白銀「あとは優秀なのが継いでくれるのを祈るばかりだ」 

藤原「会長の死にっぷりを見ててやりたいと思う人はいないと思いますよ～」

白銀「まあ考えるだけ考えてみてくれ。会長役は大変だが、それに見合ったメリットはある」

ナレ「生徒会特権」

ナレ「秀知院の委員会や生徒会役員には、秀知院大学への進学点、資格取得の補助金などの特典が与えられる」

ナレ「特に生徒会長のみに与えられる秀知院理事会推薦状は、世界中の大学や研究機関へのプレミアムチケットであり、この推薦状を取ればもう１ステップ上の夢を抱くことが可能となる」

白銀「石上どうだ？立候補してみないか？」 

石上「はは、僕が票を取れると思いますか？」

石上「僕と目が合っただけでクラスの女の子は泣きだすんですよ」

石上「泣かせた女は数知れず、女を泣かせて僕もなく」

石上「ふはははは、面白い話ですよね！」 

白銀（ごめん…）

藤原「そうですね～。私が生徒会長になったら～…」

３人「あっはははは！」 

藤原「こらこらー。顔殴りますよー」

かぐや「それで会長？」 

白銀「おいおい、四宮。俺はもう会長じゃないぞ」

かぐや「あ、そうでしたね」

かぐや（あれ？会長が会長じゃないなら、なんて呼べばいいのかしら？）

かぐや（白銀さん？白銀くん？それか…）

かぐや（み、御行くん…）

かぐや（なんてね…。下の名前で呼ぶなんて恥じらいないこと出来るはずがありません）

かぐや（私はそんな軽薄な女じゃ…） 

藤原「あ、御行くんもおかわりいりますか～？」

かぐや「！？」

藤原「御行くんは珈琲ですよね？」 

かぐや「！？」

 藤原「御行くんはホットがいいですか？アイスがいいですか？」 

かぐや「！？？」

白銀「じゃあアイスで」 

藤原「はーい、御行くんはアイスで～」 

かぐや「！？！？！？」

かぐや「軽薄！今時はそうなのっ！？」

石上「僕もみゅー先輩と同じので」

かぐや「みゅー先輩！？」

かぐや「なんでみゅー？あ、みゆきのみゆでみゅーですか。可愛いわ」 

白銀「ゆっちんて、呼んだろか？」 

石上「かんべんっす」

かぐや「なるほど渾名。下の名前を単体で呼ぶと軽薄で尻軽ですが、渾名として呼べば問題ない」

かぐや「こんにちは。みゅー君さん」 

白銀「『さん』はいらん」 

かぐや（これっぽっちも恥ずかしくない）

かぐや（これは頂きました…） 

かぐや「私も飲み物を取りに行ってきます」

かぐや「アイスコーヒーで良かったんですよね？」

かぐや「み・・・」

かぐや「・・・会長」 

藤原「だからもう会長じゃないんですって…」 

ナレ「全然ダメだった」

藤原「解散か～。御行くんがもう１年会長をやってくれたら全部丸く収まるのに～」

かぐや「ダメよ。この学校の生徒会長は激務。勉強もバイトもしながらしてた会長がちょっとおかしいんだから…」

かぐや「既に理事長推薦の資格は得てるんだし、翌年も会長をするメリットはない。我儘を言っちゃダメ」

かぐや（そうよ。そんなのはただの我儘…）

かぐや（生徒会がなくなれば、クラスも違うし、接点もなくなる。これからきっと会う回数も減るのでしょうね）

かぐや（そうだわ。私が生徒会長になって、会長を副会長にしましょう。石上くんにはそのまま会計をしてもらって、そして柏木書記）

かぐや（完璧な布陣じゃないかしら）

かぐや（・・・なんてね）

藤原「じゃあまた明日～」

白銀「いくか」

かぐや（会長が副会長になっても、きっと会長は頑張りすぎてしまうのでしょう。名前が変わったところで、きっと何も変わらない。会長は勉強に専念んするのが一番。これでの日々は終わり。毎日夢を見ていたと思えばいい）

かぐや（我儘言っちゃう…。ダメ） 

白銀「じゃあな」

かぐや「お疲れさまでした、白銀さん」 

白銀「おう。四宮も」

かぐや「やっぱりこの呼び名、口なじみが悪いですよ」

かぐや「わがまま言っちゃだめですか？一生に一度のわがままです」

かぐや「私は、会長は、会長がいい！」

白銀「つまり、四宮は俺にもう１年会長をやって欲しいと・・・」

かぐや（…コクッ）

白銀「四宮、これなんだと思う？」 

かぐや「！」

白銀「そうかそうか！四宮はそう思ってたか」 

かぐや「会長…、もしかして私にこれを言わせるために持ってたんじゃ」

白銀「さあ、どうだろな？」

かぐや（や、やってくれましたね～！）

ナレ「本日の勝敗。白銀の勝利」

先生「白銀、もう生徒会はやるつもりないって言ってなかったか？」 

白銀「そのつもりでした。これも書くだけ書いて出すつもりはありませんでした。だけど・・・」

白銀「一生に一度、根性を見せるときが来てしまったみたいで」