【感想】アニメ『86 エイティシックス』 10話 更に辛い展開に Cパートエグすぎ…

＜OP＞

ライデン「んー…」

ライデン「渡れるわけねぇよな…」

シン「当たり前だろ」

セオ「コクピットが隙間だらけですぐ水が入ってくる？」

ライデン「まあ、ハルトにダイヤ、クジョー辺りなら飛び込んでみたんだろうけどな」

クレナ「はは、確かにねー」

セオ「あー、３日間長かったねー」

ライデン「仕方ねぇだろ。あんだけ偵察部隊がいたら」

アンジュ「でも、雨風はしのげたから大分助かったわよねー」

クレナ「特別偵察に出てから、もう半月？案外持ったね、すぐ死んじゃうかと思ったけど」

セオ「そうだね。で、ここどこなんだろう？」

クレナ「さあ？位置情報はその昔に切っちゃったし」

セオ「あーあ、これが自由ってやつか」

ライデン「で、どうする？進みたきゃ橋を渡るしかないが、偵察部隊が戻ってくる可能性も…」

シン「まあ、まだ進まなくてもいいんじゃないか？」

アンジュ「そうね、洗濯もしたいし」

ライデン「先を急ぐ旅でないしな」

ライデン「なんつーか、この世にもう俺たちしかいないみたいな風景だな」

シン「ぷっ…」

ライデン「なんだ？」

シン「最後に見るのがこれなら悪くねぇかもな、だったか？」

ライデン「いつの話だ…」

シン「ロマンチストなんだよな、意外と」

ライデン「うるせぇ」

シン「ははは、はははは」

シン「もう死んでるってことは無いと思うけど、死んだらそのまま消えるだけだ。意思も意識ももう残らない」

ライデン「先に逝った連中みたいにか？」

シン「ああ…」

ライデン「もう何人になった？」

シン「576人」

ライデン「兄貴も入れてか？」

シン「そうだ」

ライデン「そうか…」

ライデン「そういや兄貴の名前は？もう残したのか？」 

 シン「ああ」

ライデン「いつの間に…」

  シン「ファイドが知ってる」

ライデン「ホント仲がいいな…」

ライデン「あとは奴らをどこまで連れて行けるかだな」

シン「補給が認められない以上、進める日数は限られてる」

ライデン「即ち生き延びられる日数か…」

シン「そうだな」

ライデン「未練はないのか？」

シン「？」

ライデン「前に少佐に聞かれたよな？やりたい事はあるか？行きたい所や見たい物とかって…。お前、あの時…」

シン「なんと答えた？」

ライデン「考えた事もないって」

シン「なら同じだ。今も」

ライデン「そうか…」

アンジュ「やっとお洗濯も出来たことだし…」

アンジュ「あとはドラム缶か何か…とにかく水がいっぱい入るものがあればいいと思うのよねー」

クレナ「何の話？」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…』

セオ「何？ファイド」

シン「お前のコンテナのことなら、溶接が多少甘いのは布でも詰めればいいにしても、あの大きさをいっぱいにする水を沸かすのは流石に無理だ。そんな火を焚く燃料がない」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟ…』

シン「風呂が恋しい気持ちはわかるけど、流石に無理があると思う」

セオ「いや、何でそんな細かいところまでわかるの…」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…』

シン「近くに町があるのか？まあ探すのを止めはしないけど…」

セオ「だからさ、何でそれわかるのって」

アンジュ「いいの？シン君。お風呂…」

シン「別に目的のある旅でもないし…。それに旧帝国領に入ったはずだろ。どうせなら帝国の街がどんなものかも見ておきたいしな」

アンジュ「クレナちゃーん、早く―」

クレナ「うん」

クレナ「ごめん、お待たせー」

ライデン「こうやって見たら、アイツらも普通のガキだな」

ライデン「まあ、俺もそうだけどな。皆元々は、あちこちの街のどこにでもいる普通のガキだった…。戦争が無きゃ会ってないんだもんなー、俺たち」

ライデン「ギアーデ帝国、ひょっとして少しくらい懐かしかったりするのか？」

シン「いや両親の生まれた国だってだけで、俺は来るのは初めてだ」

シン「親の事もほとんど覚えてないし、知らない国だって印象しかないな。そういうお前こそ…」

ライデン「ああ。元を辿ればすげぇ前の先祖がここの出身らしいが…」

ライデン「まあ、所詮ここも俺たちの故郷じゃねぇよな」

ライデン「どうした？」

ライデン「勝手にどこ行く気だよ？ガキか」

シン「何でもない。多分大丈夫だ。気づかれてもいないし、克ち合うこともないと思う」

ライデン「レギオンなのか？」

シン「そうだな」

ライデン「ひょっとして何かしんどいのか？休みたいなら、あの統治下は見つかりにくいし、もう少しのんびりしてもいいと思うぜ？」

シン「フッ…」

シン「フフフフフッ…」

ライデン「お前なぁ」

シン「悪い。言ったろ？レギオンたちの声が聞こえるのには慣れてる。支配域に来て数は増えたけど、そこまで負担には感じてない」

ライデン「そうや言うけどよ、お前…」

クレナ「いたいたー」

セオ「逸れないでよー」

シン「戦闘が無い分、今むしろ楽だ。心配ない」

ライデン「はぁ…了解」

クレナ「うわ～～、あったかーい！！」

アンジュ「クレナちゃん、あんまり大声出すとレギオンに見つかるからね」

クレナ「だって気持ちいいんだもん。時間たったら、ちょっと冷めちゃうだろうし」

クレナ「シンたちも一緒に入れば良かったのにねー！」

アンジュ「ほらそういうところよ？」

アンジュ「いつまでも妹扱いされるのは」

クレナ「も～～…」

クレナ「妹じゃないもーん！！」

アンジュ「ちょっと～」

クレナ「だって一緒に入れば皆で洗いっこもできるし、効率的かつ衛生的…？でしょ？」

アンジュ「もしかして…確信犯？」

クレナ「かくしんはん…？」

アンジュ「わかんないんかーい」

ライデン「シン。何でクレナは中見があんなに成長してねぇんだと思う？」

シン「それを俺に聞かれてもな」

セオ「でも良かったね、お風呂。ファイドがボイラー見つけたから」

ライデン「帝国の奴ら、燃料ごと置いて逃げてったんだな」

セオ「９年ほったらかしてもまだ使えるなんて、いいものつかってたんだね」

シン「そのおかげで風呂を楽しめる。よく見つけたな、ファイド」

シン「フフフ、ハハハハ」

アンジュ「こんなに良く寝てるシンくん初めて見たかも」

ライデン「よく笑うよな、最近」

セオ「うん。何て言うか表情がね、和らいって言うか」

アンジュ「冗談も増えたわよね」

セオ「僕とライデンのどうでもいい雑談に乗ってきたり」

クレナ「きっと楽になったんだよ。ずっと追いかけてた目的を達成できて」

ライデン「兄貴のことか…」

ライデン「５年も探しつづけて、やっと葬ってやれて自由になれた」

アンジュ「それに、最後の最後に自分の事を預けておける相手を見つけたのよね」

ライデン「先に行きます、少佐。か…」

セオ「僕らの死神を寂しかったんだよね。仲間に先に死なれて、連れてくばっかりで」

アンジュ「だから良かったのよね。シン君にとってあの言葉を残してこられたのは…」

クレナ「ちょっとムカつくけど」

３人「フフフフッ」

ライデン「まあ、良かったんだけど…」

クレナ「けど？」

ライデン「何だかこいつには、何もないような気がして…」

ライデン「ちょっと…な…」

ライデン「あの馬鹿…」

ライデン「ジャガーノートは残ってた。一人で先に行ったわけじゃない」

クレナ「けど拳銃とライフルは持って行ってるよ？」

アンジュ「パラレイドは？」

ライデン「すぐ切られた」

セオ「シンの行きそうな場所わかる？ファイド」

ファイド『…ﾋﾟﾋﾟ』

ライデン「あそこか…」

セオ「動物園じゃん」

クレナ「何で？」

ライデン「知るか。でも他にアテもねぇだろ」

セオ「これは…」

アンジュ「まるで私達みたいね」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟ…』

クレナ「シン！」

ライデン「？」

ライデン「…っ！！」

ライデン「シンッ！！」

ライデン「お前何やって…！」

シン「平気だ、ライデン。危険はない」

シン「こいつはもう動けない」

シン「前から少しずつ近づいてきたのはわかってて。偵察でもないだろうし、向かう先も違うみたいだから放っておくつもりだったんだけど、昨日からは呼ばれてると思ったから」

ライデン「呼ばれた？こいつは…」

シン「もとは俺たちと同じエイティシックスだ。話は出来ないけど、声は聞こえるから…」

ライデン「で、なんつってるんだ？最後の言葉は」

シン「帰りたい」

シン「もういい。もう帰っていい･･･」

シン「ライデン…。もし共和国の他に生き残ってる勢力がいたら」

ライデン「何度か聞いたな、そんな話。旧国境を越えて、レギオンの支配域も超えたその先に、レギオンのいない地域がある。そこにもし生き残りがいたら…ってことか？」

シン「ああ」

ライデン「何度か聞いたな、そんな話。旧国境を越えて、レギオンの支配域も超えたその先に、レギオンのいない地域がある。そこにもし生き残りがいたら…ってことか？」 

 シン「ああ」

ライデン「そこに行って平和に暮らすってか？んなもん、想像もつかねぇな」

シン「おとぎ話なら、こういう旅は最後に理想郷に辿り着くものらしいけど」

ライデン「理想郷かあるいは天国？そんなもん期待するなら、とっくの昔に自分で自分の頭吹き飛ばしてるよ」

クレナ「私たちもこんな風に死ぬのかな…」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟ…』

ライデン「ごちゃごちゃ言わずに進めってか」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟ…』

５人「フフッ…」

クレナ「生意気だぞ～、ファイド」

セオ「ファイドってホントなんなの」

ライデン「お前は、１人で向こう岸に行っちまうのは…」

ライデン「はぁ…何でもねぇ。行くぞ」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ』

シン「っ！ お前、まだ生きてるのか…？」

シン「戦隊もお前の仲間も、もう誰も居ないけど…」

シン「それでも、一緒に帰るか？」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ！』

兵士「ここが新しい豚小屋だ」

兵士「あと半年、最後までしっかり働けよ～？エイティシックス」

兵士「最後の、来い」

兵士「こっち向け！豚ァ！」

クジョー・ハルト「お～～！」

ダイヤ「すっげ…」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ』

兵士「なんだよ…」

シン「一つ頼んでもいいですか？」

レフ「お前が死神のお供か…。最後までよろしくな」

クジョー「よしっ！」

レフ「よしじゃねぇ！ちゃんと消しとけよ、クソガキ！！」

クジョー「ははっ、お前この意味がわかるか～？わっかんねぇだろうなぁ～」

クレナ「今日はね、ちょっと躓いた時にシンが支えてくれて～」

クレナ「背中に手が触れたの見てた！！？」

クレナ「あはは～」

カイエ「ファイド、ここで問題だ。どちらがマズいものかわかるか？」

レッカ「機械にわかるわけないでしょ？」

ハルト「おお！」

レッカ「何でわかるの？」

カイエ「ふむ、ファイドにさえわかるまずさとは…」

ハルト「よく今まで食えたよな、あれ」

レフ「ファイド、昨日きた部品何だが…」

レフ「ガァ！」

レフ「コラァァ！！」

クジョー「そう…意味なんかないんだよ。星も空も風も、みんな俺たちなんかには関わりなく、ずっとそこにあるんだ。わかるか～？」

ハルト「ファイド―、お前ならわかってくれるよなー？ちょっと見て見たかっただけなんだよ～」

ダイヤ「そうそう。わかるよな～、ファイド」

セオ「っていうか、ファイドって男？」

カイエ「可愛い花が好きとは、乙女なのか～？お前は」

カイエ「いや…花好きに男も女も関係ないな…」

カイエ「私の好きな花はな…」

クレナ「今日はね～、シンに褒められちゃった～！」

クレナ「具体的に言うとね、戦闘ち…」

アンジュ「人生が変わるなんて、そんな簡単に変わるわけないでしょ。ねー？」

ダイヤ「ファイド、オーロラだ！行くぜ、北極！！」

ダイヤ「ま、そんな簡単に人生変わらないけど、何かは変わる。変えてあげられるかな？」

クレナ「私は…何をしてあげられるの…？」

シン「だから、少佐はそれまで生き延びて下さい…」

ハルト「あの５人と特別偵察なら楽しいよな～。絶対お前も来るよな？なっ？」

セオ「ホントよく生き延びたよね、ここまで。次は僕かな…。今度こそ死んじゃうんだよね…」

レフ「世話になったな。アイツらのお供、頼むぞ」

猫「にゃー」

シン「良かったな」

クジョー「はーい、笑って笑って！人生最後の写真だよ～！」

クジョー「３…２…１…」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟ』

シン「ああ」

ファイド『ﾋﾟﾋﾟ』

シン「ありがとう」