【感想】 アニメ『ひぐらしのなく頃に業』 23話 神回 まさかの沙都子ワシ編で笑いが止まらない　

魅音「傾注～傾注～！」

魅音「今回の参加者は１５人。これからくじ引きで５卓にわかれて、決勝トーナメントに進む一人を決めてもらうよ？」

圭一「どうした、沙都子？もしかして退屈なのか？」

沙都子「退屈？私がですの？」

圭一「なんか今朝からずっとそんな顏だからさ」

沙都子「前に同じ部活をやった事がありますの。それでまたなのかと思っただけですわ」

圭一「何だそういうことか」

圭一「俺は初めてだから、楽しみだけどな」

圭一「それに、ルールは同じでも結果は違うだろうし、どの卓で何のゲームをやるかは全然想像がつかないぜ」

沙都子「予想は付きますのよ？」

圭一「ん？」

沙都子「部活メンバーはキレイに５卓にわかれますわ」

沙都子「私のゲームは神経衰弱。圭一さんは１００万長者ゲームになりますわ」

圭一「予言か？何か梨花ちゃんと話してるみたいだな」

沙都子「確かに。梨花が言いそうなことですわね」

沙都子「それなら、私が梨花よりももっと面白い事をして差し上げますわ」

圭一「…」

沙都子「では、参りますわよ」

子供「はずれ」

沙都子「ふふ、ハートのエースはきっと…」

男「ええ！？」

男「いきなり当てた！？」

梨花「？」

沙都子「残念ですが、皆さんの番は一度も来ませんわ」

圭一「な…」

沙都子「おーほっほっほ！私の完全勝利でございますわね！」

男「ちょ、超能力…？」

沙都子「違いますわ」

沙都子「トラップ、ですのよ？」

沙都子「最初から皆さんは、私のトラップにかかっていたんですの」

圭一「速攻の完封勝ちとは、魅せてくれるぜ！」

魅音「流石は我が部の先鋭だね～」

梨花「沙都子凄いのです～！どんな手を使ったのか、今度僕にも教えて欲しいのですよ～」

沙都子「あら～、梨花にだってできますわよ？」

沙都子「うふふふふ…」

？？？「猫に比べ、其方は実に容量がいいなぁ」

沙都子「私、物事に対しての考え方が梨花とは全く違いますの」

？？？「ほぉ…？」

沙都子「サイコロ遊びで例えるなら、梨花は愛嬌と幸運で良い目が出る偶然に期待する。私は、十分な仕掛けをして良い目が絶対に出るようにする」

沙都子「だから、準備に無限の時間がかけられるこの世界で、私が梨花に負ける道理がありませんでございませんでしてよ？」

？？？「フフフフ…」

沙都子「ところで、名前がわからないと会話がし辛いですわね。貴方の名前は何ですの？そろそろ教えて欲しいですわ？」

？？？「名乗らぬのではない。名が無いのだ」

？？？「其方が我に触れて、初めてこの欠片に降りたてたのでな」

？？？「だが、良い機会だ。其方が我の名を決めるがいい」

沙都子「えっ、私が？急にそんな事を…」

？？？「さあ、何するか？」

沙都子「え、えっと…。えー…うー…あー…」

？？？「あははは！それでよい！」

？？？「ふふふ、やはり其方は其方であったな。では、今後はエウアと名乗ろうぞ」

沙都子「わ、私、そういうつもりで言ったのでは…」

エウア「フフフ、アハハハハハ！！」

沙都子「もういいですわ。それでは、エウアさん」

エウア「ん？」

沙都子「私、たくさんの欠片を見ていて少し不思議に思う事がありましたの」

エウア「ほう、どのような事か？」

沙都子「この世界では時々、繰り返す者ではない人間が、他の欠片の記憶を思い出していませんこと？」

圭一「俺は…俺は…何て事をしてしまったんだよ！何て事を…！」

圭一「うわぁぁぁぁ～…」

沙都子「どうしたんですの、圭一さん…？」

魅音「わかんない…。圭ちゃん、落ちついて？私は生きてるよ？」

梨花「圭一は覚えているのですか？レナと魅音を殺した事を」

圭一「そうだ！俺が殺したんだ！殺したんだ！」

圭一「ここじゃない、別のよく似た世界で！俺はなぜか仲間たちに疑心暗鬼になって、殺してしまったんだ！」

圭一「仲間たちは俺に救いの言葉を掛けていたはずなんだ！なぜそれに耳を傾けなかった！どうしてだよっ！！」

圭一「うわぁああああー！！」

沙都子「圭一さんだけではございませんの。レナさんや詩音さんたちも、明らかに他の欠片の影響を受けていましたわ」

エウア「ふむ、我が力はこの世界には強力過ぎる。繰り返す者が力を使えば、小さな影響や変化が累積していくことがあろう」

エウア「猫はそれを、奇跡と呼んでいたようだがな」

沙都子「最近、どの欠片に行ってもおかしな事が続くのは、偶然ではなかったんですのね…」

エウア「記憶の蓄積は不可逆的だ。一度発生した影響は、何度欠片を繰り返しても…。いや、繰り返すほどにより強固になっていくであろうなぁ」

沙都子「それは、繰り返す者と近しい人間の方が影響を受けやすいんですの？」

エウア「当然である。猫と強い因縁を持つ其方が、ここに居るようになぁ？」

沙都子「親族であれば、その影響は尚更なのでしょうね…」

エウア「無論、そうであろうなぁ」

沙都子「私にとっては、悪い冗談ですわ…」

女「そう言われてもねぇ…。ご近所付き合いがある人じゃなかったから…」

女「以前からね、ゴミが匂うって苦情はあったんだけど…。この気温でしょ？数日前から本当に酷い匂いでね…」

男「うっ…、孤独死ってとこっすかね」

男「お前も早く嫁さん見つけとけよ？男の一人暮らしなんてのは、最後は必ず体壊して、誰にも気づかれずに死んじまうんだ」

男「まだそんな歳でもなさそうなのに…」

男「見ろ、畳を掻きむしってる。突然の発作で身動きが取れないほど苦しんだんだろうなぁ」

男「その上、こんなになるまで見つけてもらえなくて、気の毒っすね」

鉄平「ひゃあああああ！！」

鉄平「はぁ、はぁ、はぁ…！」

鉄平「ワシゃ…何ちゅう夢を…」

男「おう、鉄平」

鉄平「え…」

鉄平「ぐあ」

男「この間は随分舐めた真似してくれたなぁ」

鉄平「な、何の…」

鉄平「ぐっ…」

男「勝手に喋んじゃねぇよ！」

男「何じゃ、コラァ！同じ目に遭いたいんか！？」

男「ひぃぃ…」

男「だったらすっこんどけ、ボケが！」

男「鉄平よぉ、普段からご近所付き合いは大切にしないとな」

男「さてお前ら、キッチリ片つけとけよ？最後までな…」

男たち「へい」

鉄平「やめや…」

鉄平「ああっ！！」

鉄平「はぁ…はぁ…はぁ…」

鉄平「オエエエエ…」

鉄平「はぁ…はぁ…はぁ…」

鉄平「…」

鉄平「ワシは…何をやっとるんじゃ…」

鉄平「ん？」

子供「わぁ！チューリップが開いた！見て、いっぱい出て来たよ～！パパ凄い～」

男「ははは、お土産いっぱいもって帰れるぞー？」

子供「わーい」

男「あ、すみません…。娘がうるさかったですよね？」

鉄平「え…、ああ…いや…」

男「…？」

男「ほら、あっちへ行こう」

子供「うん」

鉄平「なんね、やかましかなんて言うとらんね。クソボケがぁ…」

子供「パパ、ありがと～」

男「はははは、良い子だったからな」

男「さあ、帰ろうか」

子供「帰ろ帰ろ～」

女「次、お待ちの方？」

鉄平「っ！……チッ」

女「残りはどうされます？」

鉄平「あ…？そんなもん…」

鉄平「…」

鉄平「じゃあ、それでええねん」

鉄平「はぁ…」

鉄平「昔はこの鳴き声がうざったくてしゃあなかったんじゃ…」

鉄平「なんや…そう悪くないねぇ」

鉄平「悟史の奴がおらんようになって、もう誰も住んどらんか…」

鉄平「はぁ…」

鉄平「アパートに帰っても、何もないねぇ…」

村人「やぁね…」

沙都子「叔父様…」

鉄平「ぁ…」

沙都子「お…お久しぶりですわね…」

沙都子「ヒッ…」

沙都子「え…？」

鉄平「おお、そうやった。今日のパチが調子悪いんで、ロクにでんかったんね」

鉄平「こんな子供の食う菓子ばっかもらったって」

鉄平「腹の足しにもならんわ…」

鉄平「ほら。医者に甘いもん控えろって言われとんねん。沙都子、菓子とか好きやろ？」 

沙都子「ぇ…」

沙都子「もうこういうのが好きな歳じゃないか。だったら、学校の小さい子にでもやったらええねん。邪魔なら捨てても構わんのやで」

鉄平「なぁ、沙都子」

沙都子「！」

鉄平「またパチでワシに食えん菓子がもらえたら、渡しに来てもええか？」

沙都子「え…ええ…」

男「だから言ってやったんよ！つっとらってんじゃねーよってなぁ～」

男「あははははは！！」

沙都子「！」

男「あ？」

男「んだ、テメェ！言いたい事でもあんのか！？だったら言ってみろ、コラァ！」

沙都子「邪魔ですわ！通れないじゃありませんの」

男「はぁ！？因縁つけてんのか！？ああん？」

男「何勝手言ってんだ、オラァ！」

沙都子「ムッ…」

鉄平「おい！！」

鉄平「このクソガキどもぁ！！」

男「ぐぁ、痛って！」

沙都子「！！」

男「何だ、オッサン！！」

鉄平「お前ら、沙都子に何しよるんのや！！」

男「うるせぇ！」

鉄平「ぐ…」

男「オラ！オラ！」

沙都子「え…、え…」

≪笛の音≫

男「やべぇ、逃げろ！」

沙都子「…」

男「違うんすよ、あのオッサンがいきなり殴りかかってきたんす」

警官「いいから早く歩け」

男「イタタタ！正当防衛っすよ～」

鉄平「礼儀知らずのガキ共に、ちょっと教育してやっただけやんね！」

熊谷「調書にそう書いていいんだな？」

鉄平「良いも悪いもない！さっきからそう言うとるんね！」

大石「どーも、北条さん～？」

鉄平「…」

大石「最近は大人しくしてるかと思ったら、どうしちゃったんです～？」

鉄平「…」

大石「熊ちゃん、悪いんですがちょ～っと変わってもらえませんか～？」

大石「北条さん、貴方随分柄にもない事しちゃいましたねぇ」

大石「結構目撃者がいましてねぇ…」

大石「何より当人も言ってる」

大石「可愛い姪っ子が絡まれて、助けようとしちゃったんでしょ～？」

鉄平「そんなんじゃあらんで！ワシがそんな真似するわけなかろう…」

大石「私もね、同感なんですよ。札付きのチンピラ悪党の貴方が、姪っ子を助けるために、小銭でも巻き上げられれば精々の不良たちに突っかかるなんて…。考えられませんからね～」

鉄平「ムシャクシャしとったんね。それ以上もそれ以下もあらんね」

大石「んっふっふっふ～…」

大石「まあ、後で沙都子さんにお礼を言っといてくださいよ？」

大石「彼女が現場の警察官に、自分を庇うためにやってくれたと言わなかったら、貴方大分面倒になってたんですよ？」

鉄平「！」

沙都子「一体どうしてしまったんですの…？」

沙都子「私の知ってる叔父様は、こんな人ではありませんでしたわ？」

鉄平「そやろな…。ワシもこんな人間のはずないんなぁ」

沙都子「何かあったんですの？」

鉄平「最近、夢見が悪くてな。自分のろくでもない人生を、何度も何度も見せられるんねん」

沙都子「…」

鉄平「不摂生がたたって、体も悪くしてなぁ…」

鉄平「このままやと孤独に死んでいくだけなんねん。そう思ったら…。ん？」

沙都子「それって、てい良く無料で看病してくれる人が欲しくなっただけではありませんの？」

鉄平「ははは、そうかもしれん」

沙都子「虫が良すぎますわね」

鉄平「わかっとるねん。散々酷い事してきたワシが、最後だけ家族に看取られたいなんて、そんなこと…」

沙都子「…」

鉄平「今までの行いに見合うよう、苦しんで苦しんで…。出来ればもう誰にも迷惑を掛けずに死ぬつもりなんね」

鉄平「でも、もし沙都子がええって言いてくれるなら…。わ、わ、ワシと…」

沙都子「…」

鉄平「ワシと…たまにでもええねん。一緒に飯でも食ってくれんか？」

沙都子「それこそ虫が良すぎますわよ」

鉄平「悪い連中との付き合いはきっぱりと止める。沙都子を二度と叩いたりせん。約束する」

鉄平「だから、許してくれなんて言わんが、せめて仲直りしてくれんか？」

鉄平『やかましか！このクソガキがぁ！黙らんか、ボケェ！！』

沙都子「ひっ…！嫌ぁ～…！」

鉄平「スマンのぉ…。今までの事が握手一つでチャラなんて、ワシも調子に乗り過ぎやんねな…」

沙都子「え…」

鉄平「じゃあ、またな…。沙都子」

鉄平「また会ったら、今日みたいにお喋りしたいねんな…」