【感想】 リゼロ2期 6話(31話) ただでさえ試練が躓いているのにエルザ強すぎてどうすんだよコレ…

スバル「･･･！」

スバル「ゴホッ…ゲホッ！ゲホッ、ゲホッ…！」

スバル「死んだのか…？」

スバル「エルザ…なんであの女が屋敷に…」

スバル「ここは墓所か…？って事は試練の直後か…？それとも…」

スバル「エミリア！？」

エミリア「スバル？」

スバル「ああ、そうだ。俺だよ」

エミリア「私じゃないの！違う…」 

スバル「わかってる！大丈夫。大丈夫だ…」

エミリア「スバル…」

エミリア「ごめんなさい…。やっと落ち着いたから…」

スバル「エミリア…」 

ラム「ご加減は大丈夫ですか？」

エミリア「うん。スバルが居てくれたからかな」

エミリア「今は試練の話をしなくちゃ」 

スバル「ああ、でも大体検討はついてるんだ」

ガーフィール「なっ…」 

スバル「過去を見せられたんだろ？」

エミリア「…！」 

オットー「過去？」

ガーフィール「なんでテメーが試練の内容を知ってやがるんだ？」

スバル「遺跡が光ったのを見てたろ？俺にも資格があったんだ」

スバル「それで…クリアした」 

ガーフィール「なっ！？」

エミリア「…っ？」

リューズ「ふむ。スー坊がか…」

ラム「戯言でないなら大きな成果だわ。本当なら結界が解ける。ガーフ結界の様子は？」 

ガーフィール「変化はねぇな」

ラム「嘘をついたわね。死になさい！」

スバル「結論がはえーよ！」

スバル「あ…どした？ガーフィール？」 

ガーフィール「別になんっでもねぇよ！」

スバル「…？」

エミリア「スバル…。それが本当ならどうして…。何を見たの？」

スバル「『見た』よりも『知った』の方が正確だね。どうも意地の悪い事に、試練ってのは一つじゃないらしい。全部で３つって話だ」

エミリア「あと…２つも…」

スバル「……」

スバル「エミリア、俺から１個提案がある。君はそれを嫌がるかもしれないけど…」

エミリア「提案？」 

スバル「うん。俺が君の代わりに残りの試練に挑んで、クリアしてもいい？って提案」

エミリア「…！」

スバル「俺は君の力になりたい。君が過去に何を見たかわからない」

スバル「でも、あんなに泣きじゃくって苦しそうな顏されるくらいなら、手を差し伸べてあげたい」

ガーフィール「待てよ！黙って聞いてりゃ、やけに好き勝手言ってけどな…。俺様はそのお姫様、エミリア様以外が試練を受けるのは反対だ」

ガーフィール「少なくとも、てめぇにだけは絶対に結界を解いてもらいたいたぁ思わねぇ！」 

スバル「なっ…！」

ガーフィール『エミリア様の為に、てめぇが試練に挑むんだよ』

スバル「待て…待て待て！」 

ガーフィール「あん？俺様が反対するのが意外かよ？随分とおめでてぇな」 

スバル「違う！どうして…」

エミリア「スバルは…、わ…私には任せられないって思うの？」

スバル「え？」

エミリア「私が駄目な所見せちゃったから…。だから代わりにって…」 

スバル「そうじゃない！ただ過去なんて無理に…」

エミリア「でも、向かい合わなきゃ試練は超えられないの！嫌な事から目を背けて、スバルに押し付けて逃げて…」

エミリア「それで私…どうなるの？」

ラム「ここまでにしましょう」

スバル「ちょっといいか。さっきの俺の提案への反対…ありゃどういう事だ？」 

ガーフィール「そりゃ…」 

リューズ「それがロズ坊の望みだからじゃ」

スバル「あ？」

リューズ「ロズ坊はエミリア様の手で、聖域の開放が成されるべきだと考えとるんじゃろう」

スバル「それをリューズさん達は支持するってことか」

ガーフィール「勘違いするな！野郎の事が嫌いなのは俺様も同じだ！」

ガーフィール「けどな…わかんだろっ！」

スバル「そっか。結界が解けて正式に領地に迎え入れられたとしても…」

リューズ「ここはロズ坊が管理する土地じゃ。意向に逆らって立場を悪くしたくない。スー坊らには悪いがの」

スバル「なんか…ますますロズワールに信用が置けなくなるなぁ」

ガーフィール「とにかくだ、試練を受けるのはお姫様。資格があろうが、てめぇが受けるのは俺様が認めねぇ」

スバル「くそ…。エミリア…」

スバル（いや、落ち着け！今は屋敷の方をどうするかだ！）

スバル（あのいかれた女が…。レムやペトラ達に何もしないなんてありえねぇ）

スバル（問題はフレデリカだ。あいつはエルザと繋がっているのか？）

スバル（とにかく、一刻も早く屋敷に帰らなきゃならねぇ）

ロズワール「それで？私に何をして欲しいのか～な？」

スバル「アーラム村の人たちを連れ帰る。それをロズワールからリューズさんに提案して欲しい。今回はどうも、俺だと折り合いが悪くなりそうなんだ」

ロズワール「今回…。ふ～む…それはどうして？」

スバル「ガーフィールの野郎が、いたく俺をお気に召さないらしい。あの気分屋を説得する時間が惜しいんだ」

スバル「それからもうひとつ。アーラム村に残ってる人たちに、家族の無事を伝えに行きたい」

スバル「そのために俺だけで村に戻る。当然、フレデリカが何か企んでる屋敷にもだ」

ロズワール「ラムからその事は聞いている。しかし、私の知る限りフレデリカは軽はずみに…」

スバル「お前に何がわかる！？フレデリカはエミリアに輝石を持たせた。それは何か企んでた証拠だろ！」

ロズワール「仮に彼女が敵対したら、君はどうするんだい？」

ロズワール「残念だ～けど、君では歯が立たない」 

スバル「ぐっ…」

スバル「エミリアは結界…。ロズワールは大怪我…。オットーは戦力外通告…。詰んでる…」

ロズワール「一人を除けばそうなるね～」

ラム「はっきり言って気に入らない状況だわ」

スバル「まだそれを言いますかよ～、お姉さま」 

ラム「ロズワール様のお身体が万全でない今、傍を離れるのは不安でしかないわね」

スバル「つっても、何か出来るってわけでもないだろ？あの包帯、ガーフィールが巻いたって聞いて唖然としたぞ」

ラム「バカバカしい。ラムがやって、ロズワール様のお怪我が悪化したらどうするの？」

スバル「反省しろぉ！」

ガーフィール「イイ女に挟まれて堂々のご帰還ってか？大そうなご身分だな！おい！」

スバル「こんな朝っぱらから、見送りに来るとは思わなかった。聞いたんだな？」

ガーフィール「正直、勝手に話進められたのは面白くねぇが、反対はしねぇ」

スバル「そっか、そら助かる。邪魔しに来られたら、ラムを遠くに投げて囮にするしかなかった」

ガーフィール「引っかかるわけねぇだろ！……、ねぇよな？」 

スバル「知らねぇよ！」

スバル「お前もなんか…」

スバル「ラム？どうした？」

ラム「バカ話に頭が痛くなっただけよ」

スバル「ひとまず行ってくる。明日には戻るつもりだから、その間は頼む」

ガーフィール「お姫様に挨拶してこなくていいのかよ？」

スバル「お前がエミリアの心配って驚きだなぁ。けど、大丈夫だ。手紙は残しておいた」

スバル「…」

スバル「…そういえば、俺に渡すものないのか？」

ガーフィール「あん？何言ってんだ？」

ラム「なら、何かラムに気遣いは？」

ラム「惚れた女が役目を果たしに行くのよ。力になりたいと思わないの？」 

ガーフィール「都合のいい時だけ、てめぇって女は…」

ガーフィール「そらよっ」

スバル「エミリアを頼む」

スバル「出来るだけ俺が、誠心誠意謝ってたと伝えてくれ～」

ガーフィール「んなもん、てめぇの口から伝えろよ！」

ラム「それでバルス…」

ラム「ガーフのこれが何かの役に立つの？」

スバル「わからねぇ。お前の方こそどう思う？付き合い長いんだろ？」

ラム「さあ？知らないわ。揃いの品物である以上、思い入れはあるでしょうけど」

スバル「…」

スバル「さっきからやけに浮かない顏だな？」

ラム「さっきの話よ」

スバル「？」

ラム「ラムを囮に投げ飛ばす、なんて言っていたでしょ」

ラム「その事が、何故か妙に胸に引っかかったの。まるで…」

ラム「本当にそんな事があったみたいに」

ラム「バルス？」

スバル「ラム…大事な話があるんだ。お前にとって、世界で一番大事な話だ」 

ラム「そんなもの…ロズワール様以外に無いはずだけど」

スバル「いや、あるんだよ。だから…その話をするよ」

スバル「レムって子がいてさ…」

スバル（何も起きててくれるなよ。前回と比べて2日はやい）

スバル（これでダメなら墓所で目覚めた瞬間…、俺とパトラッシュだけで走り出すしかねぇ）

スバル（仮にフレデリカが敵の場合、いつ事を起こすつもりなのかが重要だ） 

ラム「バルス…」

スバル（攻めるか逃げるか…。エルザ相手ならケツ捲って逃げるのが大正解だ。となると…）

ラム「バルス！」 

スバル「なんだよ！いま考え事をしてて…」

ペトラ「おかえりなさいませ、スバル様！」

ペトラ「思ったよりも、ずーっと早いおかえりでしたね！」

ペトラ「どうかしたの？スバル様？」

スバル「あ～！もう！」

スバル「かわいいなぁ！お前は！」

ペトラ「なになに！？何なの！？スバル…」

スバル「くそ…。お前は人の気もしらねぇで…。ホントに…ちくしょう…」

スバル「あ…」

スバル「それ…」 

ペトラ「これはお揃いで…」

ペトラ「あ…。どこか痛いの？」

スバル「…いいや」

スバル「本気で心の底から安心しただけだ。ただいま、ペトラ」

ラム「はっきりいって気に入らない状況だわ」

スバル「どっかで聞いたセリフだな」 

ラム「そうね。嫌味だもの。すっかり忘れられて、途方に暮れたラムの可愛い嫌味」

ペトラ「あの…ラム姉さまですよね」

ペトラ「新しくお屋敷で旦那様に使えることになりました、ペトラです。よろしくお願いします」

ラム「バルスと違って弁えてるようね。いいわ。合格にしてあげる」

ラム「ちなみにバルスは不合格よ。屋敷の敷居は跨がせないわ」 

スバル「帰ってきた意味が無くなるぅ～！」 

ペトラ「フフッ」

スバル「あ～…ペトラ？留守番の間、変わった事はなかったか？特にフレデリカに…」

ペトラ「フレデリカ姉さま？変なところなんて全然」

スバル「今、屋敷か？」 

ペトラ「森の結界の見回りに出てます。戻るのはもうちょっと先かも…」

ラム「間が良いのか悪いのか…。バルス、どうするの？」 

スバル「あっちの出方が見たい。その間にレムの所だ」

ペトラ「私、お掃除の続きしてきます。何かあったら呼んでください」

スバル「緊張してるな…」 

ラム「緊張なんて」 

スバル「いや、寧ろしろよ。するべきだと思うし、して欲しいと思う」

スバル「無事でいてくれたか」

ラム「バルス」 

スバル「なんだ？」

ラム「少しだけ二人にしてもらえる？」 

スバル「うん」

スバル「ひとまず…。ひとまずだ…」

フレデリカ「お早いお戻りでしたのね。スバル様」 

スバル「！」

フレデリカ「驚かされましたわ」

フレデリカ「エミリア様がご一緒でないという事は、まだ試練は終わっておりませんのね」 

スバル「ああ…」

スバル「聞きたい事は色々あるんだが…」

スバル「まず、これだ」

フレデリカ「は…！それは…」

スバル「…？」

フレデリカ「ガーフの石…ですの？」

スバル「ああ。やっぱり知り合い…って血縁なんだろ？」

フレデリカ「ガーフから聞いたわけではありませんのね」

スバル「顔を見ればわかるよ。そんで、予想だと姉っぽい」

フレデリカ「正解ですわ。私がガーフの…ガーフィールの実の姉に違いありませんもの」

スバル「答えてくれ…。何のためにお前は輝石を使って、転移の罠を仕組んだ？」

フレデリカ「…」

スバル「これも制約で話せないか？だとしても、こればっかりは…！」

フレデリカ「スバル様、転移って何の事ですの？」

スバル「え？」

フレデリカ「そ、そんな目で見られましても…」

スバル「待て…待て待て！騙されねぇぞ！お前、聖域の開放を望まない保守派に協力してるはずだろ！？」 

フレデリカ「保守派？何の事なのか…。１から説明してくださいませんと…」

スバル「え、演技か腹芸じゃ…ないの…？」

ラム「ラム抜きでフレデリカと１対１。バルスは命が要らないと見えるわね」 

スバル「いや、これは…」

ラム「どうやら離れている間に、お茶の腕は上がらなかったみたいね」

フレデリカ「はっ、得意なのはお茶を入れる事だけですのに。可愛げの無い子ですわね」

ラム「ラムはもう十分可愛いもの。これ以上は世界が危険よ」 

フレデリカ「ホント…口も減りませんわね。ったく…」

フレデリカ「貴方らしいですわ」

ラム「それで？転移の事を知らないなら、なぜバルスに輝石を持たせたの？」 

フレデリカ「それは…」 

ラム「制約で話せませんわ…かしら？」

ラム「だとしたら、お粗末だわ。フレデリカ」

フレデリカ「…その通りですわ。私の口からお話する事はできません」

ラム「お粗末を貫くのね…」

ラム「でも、それこそお話にならないわ」 

スバル「おい…早まるな！」 

ラム「質問に答えようとしないだけで、裏切りは明らかよ」

ラム「ここで拘束して聖域へ連行する。そうすればフレデリカにあれこれ指示しただろう相手を炙り出せる」

スバル「だからって…」 

フレデリカ「聖域へ連行すると言うなら抵抗は致しませんわ」 

スバル「ほらみろ！フレデリカだって…。ん？なんて？」

フレデリカ「ですから抵抗は致しません、と」

スバル「抵抗しないの？…なんで？」

ラム「察しが悪いわね。フレデリカは自分の意志で制約を破ることが出来ない。だからバルスに力づくで仕方なく…」

ラム「そんな言い訳が必要なのよ」

スバル「お前ら、息ぴったりだな…」 

フレデリカ「当然ですわ」 

ラム「１０年近い付き合いだもの」

スバル「はぁ…。それでいいなら正直助かる。今はとっととここを退散したいと…」

エルザ「あら…」

エルザ「そんな連れない事、言わないで欲しいのだけれど…」

エルザ「さあ、交わした約束を果たすとしましょう」

ペトラ「姉さま…、スバル…」

ペトラ「逃げてー！」

ラム「エル・フ―ラ！」

エルザ「部分獣化。亜人の血ね。素敵…」

フレデリカ「ペトラ！」

ペトラ「！」

ラム「千切れ飛びなさい！」

ラム「腕を…」

エルザ「あー…痛い痛い…」

エルザ「死んじゃうかと思った」

エルザ「気に入ったわ。メイドは大中小に男の子が１人…」

エルザ「テーブルに並べてお腹の中身を見比べてあげる」 

ラム「ガーフ以下の誘い文句ね」

ラム「バルス…」 

スバル「わかってら～！」

スバル「シャマク！」

スバル「ぐっ！」

スバル「うわっ！」

ラム「退くわよ！」

スバル「！」

ペトラ「スバル！」

ラム「エル・フーラ！」

ペトラ「フレデリカ姉さま！」

フレデリカ「相手を侮りましたわね」

スバル「いってぇ…くっそぉ」

スバル「やったのか？」 

ラム「手応えは無かった。何者なの？」

スバル「レム…ベアトリス…」

スバル「助けないと…」

ラム「置いて行く」 

スバル「は？」

ラム「二人を置いて屋敷を４人で脱出する」

ラム「それがこの場の最善よ」 

スバル「な…にを…」

スバル「何を言い出してんだ！お前はーっ！！」 

ラム「怒鳴ってどうなるの？冷静になりなさい」

スバル「屋敷にいるのはレムだ。お前の妹だ！お前を好きで、お前も好きで、お前が守って当然のだぞ！？」

ラム「正しく判断しただけよ。ここでラムやフレデリカ、ついでにバルスを失う痛手の方が陣営にとって大きい。犠牲は許容すべきだわ」

スバル「だからその犠牲を…」

ラム「そうね。ラムの妹かもしれない」

ラム「ラムと瓜二つの同族の血が流れている事も感じたわ」

ラム「なのにあの子の存在だけが、ぽっかりと空白のまま…。でも、ラムの妹ならこう言うはずよ」

ラム「ロズワール様の為にも、レムを犠牲にして下さい…と」

スバル「俺は…お前にそんな事言わせるために…」

フレデリカ「私は、二人を助け出すべきと考えますわ。陣営の痛手というなら、ベアトリス様もレムも必要な存在ですもの」

ペトラ「わ、私も…、私も助けに行くのに賛成。賛成です…」

ラム「多数決をしてるんじゃないのよ。子供は黙っていなさい」

ペトラ「子供でも立派な大人です。ラム姉さまよりも役立つ、ってフレデリカ姉さまも…！」

ラム「フレデリカ…。何を吹き込んだの？」

フレデリカ「敵を抑える役割は、言い出しっぺの私が負います」

ペトラ「ぁ…」

スバル「ええ！？」

ラム「またそうやって進んで貧乏くじを引きに行くのね。ガーフそっくりだわ」 

フレデリカ「貴方たちは私の可愛い後輩ですもの。それにガーフに似てるんじゃありませんわ」

フレデリカ「ガーフが私の真似っ子ですわよ」

フレデリカ「ぐっ…」

スバル「これが獣化ってやつか」

フレデリカ「ガァァァァァ！」

フレデリカ「ペトラ、怖がらせてごめんなさいね」

スバル「そのまんま喋れるのか？」 

フレデリカ「私は私のままですもの」

フレデリカ「悲鳴を上げず、偉かったですわよ」 

ペトラ「はい」

ペトラ「はい。姉さま気を付けて」 

フレデリカ「良い子ですわね」

フレデリカ「ラム、あとは任せますわ」

ラム「言われるまでもないわ。フレデリカこそ、遅れを取ったら承知しないわよ」

フレデリカ「ガァァァァ！！」

ラム「呆けてないっ！！」 

スバル「がっ！」

ラム「行くわよ」 

スバル「あ、ああ…。まずはレムだ」

スバル「やばい…やばい…やばい…」

スバル「急いで２階に…！」

『ゴァァァァー！』 

ラム・ペトラ「！？」

魔獣「グゥゥゥゥ…！」

スバル「魔獣！？」

魔獣「グオォォォ！」

ペトラ「こっち！」

ラム「エル・フーラ！」

スバル「なんで魔獣が！？」

ラム「言ってる場合じゃない。居るものは居るのよ。竜舎から地竜を連れてくるわ」

スバル「パトラッシュを…？」

ラム「魔獣が居るなら足が必要になる。ラムが引き付ける間に、二人は回収しなさい」

ラム「フーラ！」 

魔獣「グォォォ！」

ラム「付いてきなさい！」

スバル「よしっ、今のうちに…」

スバル「ぐっ…」

ペトラ「スバル！」

ペトラ「血が…」

スバル「ぐっ…」

ペトラ「痛いから我慢して！さん…、にぃ！」

スバル「…っ！」

スバル「助かった…。でも、いちはどこに…？」 

ペトラ「その方が力まないでしょ」

スバル「はっ…」

スバル「ペトラごめんな…。いつも危ない目に遭わせてばっかりで…」 

ペトラ「変な事言わないっ！私、スバルに感謝してるの」

ペトラ「いつも危ない目に遭ってるのを助けに来てくれるもん！」

ペトラ「だから今度は私の番。レム姉さまとベアトリスちゃんを連れて、ラム姉さまとフレデリカ姉さまと皆で…！」

スバル「ペトラはすげぇよ。俺は情けねぇな」 

ペトラ「そんなのっ…」 

スバル「いや、今のは泣き言じゃない」

スバル「ペトラがすげぇから、負けられないって話だ」

スバル「行こう！お前の言う通り全員で脱出する！」

ペトラ「うん！」

ペトラ「あ！」 

スバル「どうした…！？」

ペトラ「『うん』じゃなくて『はい』だった。でもなくて…、はいでした。えへっ」

スバル「あとでフレデリカかラムに叱って…」

スバル「っ！？」

ラム『バルス…！バルス…！失敗だわ…。もっと早くきていれば…』

パトラッシュ『クゥゥゥ…！』

スバル「…っ！」

スバル「ゲホッ…ゲホッ…」

スバル「こ…こ…は…」

スバル「大丈夫か…？ペト…」

スバル「ぁぁぁぁぁぁぁぁーー！！」

エルザ「あ～」

エルザ「ようやく見つかってくれたわね」

スバル「フレデリカ…は…」 

エルザ「大きなメイドさんの事？安心して？それなりに楽しめたから」

スバル「誰の依頼で俺たちを狙った…！？」

エルザ「依頼主については話さない。一応それぐらいの礼儀は弁えてるの。貴方の帰りが予定より早いから、少し依頼と違った形になってしまったけどね」

スバル「違う…形…？」

エルザ「メイドが２人と、引きこもりが１人。貴方の帰りに合わせるつもりだったの」

スバル「もう十分だ…」

エルザ「そうね。これ以上メイリィに取られてしまうのも癪だし、終わりにするとしましょう」

エルザ「天使に会わせてあげるわ」

スバル「…っ！」

スバル（終わる世界だろうと、レムの事は傷つけさせないっ！）

スバル（レムっ！）

スバル「どうして…」

スバル「どうして助けた…」

スバル「ベアトリスーー！！」