【感想】 リゼロ2期 5話(30話) ついにクソゲー第4章が始まった どうしようもない奴らばっかりだな

スバル「まず言っておきたいことがあるんだが…」 

エキドナ「ん？」

スバル「お前その制服似合ってるな」

『OP』

エキドナ「ぷっ…」

エキドナ「あはは！ありがとう。そう言ってくれると、わざわざ君の記憶から再現した甲斐があるよ」

スバル「ここは何なんだ？」

エキドナ「資格を持つ君が墓所に入った。だから試練が始まった。それだけのことだよ？聞こえなかったかい？『まず過去に向き合え』と…」

スバル「段々と思い出してきた…。お前、俺に何をした？完全にお前の事忘れてたぞ」 

エキドナ「君の口の堅さを信じるより、記憶に干渉する方が手っ取り早かったからね」

スバル「で、俺はこの試練をクリアしたのか？」 

エキドナ「一部始終を見せてもらった僕は、十分な結果を得られたと思っているよ」

スバル「一部始終って…お、お前…！？」

エキドナ「『ごめんなさいー』には、僕も瞳が潤むところがあったよー」

スバル「うるせぇよ！誰にも言うなよ！恥ずかしい…」

スバル「てか、この世界ってのはやっぱり…」 

エキドナ「ああ、そうだよ。限りなく忠実に再現した虚構の世界だ」

エキドナ「君の両親も含め、何もかも…ね」

スバル「本当に何もかもか～？俺の知らない話だっていくつも…」 

エキドナ「本当に君はそれを知らなかったかい？君が思っていたのと異なる父親像を、キミは本当に一度も疑った事が無かったかい？」

スバル「？」

エキドナ「知られていないと思っていた心の内を」

エキドナ「君は本当に隠そうと思っていたかい？」

エキドナ「知られて楽になりたい本心を」

エキドナ「それでも愛してほしいという利己的な感情を」

エキドナ「虚構の父に妄想の母に求めていなかったと」

エキドナ「断言できるかい？それはあまりにも理想的で都合が良すぎる。そうは思わないかい？」

スバル「俺の親を馬鹿にするなよ。エキドナ」

エキドナ「なに？」 

スバル「俺の答えは全部伝えた。父さんもお母さんもそれを受け取ってくれた。俺は『頑張れ』って、『いってらっしゃい』って言って貰えたんだ」

スバル「あの声も笑顔も全部が全部、俺の想像なんてぶっちぎってた。俺の両親は、俺のちんけな想像に収まるような器じゃねぇよ！」

スバル「舐めんな」

スバル「俺は二人に全部伝えられた。お前の言葉になんか惑わされてやらねーよ！」

エキドナ「本当の意味でこの試練は終わりだ。次の設問に期待したいところだね」

スバル「って、次の設問！？なんだそれ！？試練って１個じゃないのか！」

エキドナ「墓所の試練は全部で3つ。聖域の開放はその突破が条件だ。やっと君にこの話が出来て僕は嬉しいよ」

エキドナ「そんなに驚いてもらえると胸が弾む」

スバル「お…」 

エキドナ「すでに消失が始まっている。外に出れば、君は元の墓所に戻っているはずだよ」

スバル「なあ、エキドナ…」 

エキドナ「なんだい？一発殴らせろとでも？」

エキドナ「確かに君にはそのぐらいの権利がある。でも僕は女だ。顔は…」

スバル「ありがとな」 

エキドナ「！？」

スバル「たとえ本物じゃ無かったにしても、本当の二人に伝わって無かったとしても、伝えたい事を言えたのはお前のおかげだ。だから…」

スバル「ありがとうだ」

エキドナ「君という人間が理解できなくて、とても興味深いよ。怖いくらいだ…」

スバル「魔女様に怖がってもらえて光栄だ」

スバル「そうだ！お前はどーもこの先も試練に挑戦するのを望んでるみたいだったけど、その期待には応えられねぇよ」

エキドナ「…と言うと？」

スバル「試練をクリアして、聖域を開放するのは俺の役目じゃない。お前の期待は別の子が叶える！」

エキドナ「果たして…それはどうかな…」

スバル「…！」

スバル「うぇ…！ぺっ、ぺっ！」

スバル「ここは…」

スバル「そうだ…俺は試練を受けて…」

スバル「エ、エミリア！？」

エミリア「くっ……う･･･う……」

スバル「エミリア！？しっかりしろ！！エミリア！エミリア！」

エミリア「スバル…」

エミリア「そうだ…私…。試練を受けて…それで…」

スバル「エミリア？」 

エミリア「私…私じゃないの！！」

エミリア「違うの！…なのに、違うって！言ってるのにっ！！」

スバル「ちょ、落ち着いて！俺を見て！エミリア！」

エミリア「やだ…！そんな目しないで…！やだ！やだ！違うの！」

スバル「大丈夫だ！俺が付いてる！俺がいる！君を一人にしない！大丈夫だ！」

エミリア「うっ…うっ…う…お父さん…助けて…パック…パック…」

ラム「やっと落ち着かれて、今はお休みになられたところよ…。香料の催眠作用で悪夢は見ずに済むわ」

スバル「悪いな…気遣わせて…」 

ラム「バルスの為じゃないわ。けど、聖域の開放は遠ざかってしまったわね」

オットー「あの、ひとついいですか…？」 

スバル「なんだ？オットー？」

オットー「試練に挑んで聖域を開放しなくても、皆さんを結界の外に出せるかもしれません」

ガーフィール「はぁ？何言ってるんだ、お前。そんな方法はねぇよ」 

オットー「まあ聞いて下さい」

オットー「混血の方々は、結界に触れると気を失うのは理解しています。僕もこの目で見ました。でしたら…」

オットー「その気絶した方々を、結界の影響を受けない全員で担いで運び出せばいかがです～？」 

スバル「なるほど…。その方法ならみんな外に…」

？？？「愉快な提案じゃが、止めた方が無難じゃよ」

？？？「わしは魂の抜け殻にはなりとーない」

スバル「あ…」

スバル「君はあの時の…」

スバル「あっちゃ熱っちゃちゃー！！」 

ラム「バルス、お茶よ」 

スバル「お茶じゃねぇよ！？熱いよっ！頬が焼けるよ！何事かと思ったわー！」

ラム「大袈裟ね。男の癖にみっともない」

ラム「余計な事は言わずにおきなさい」 

スバル「っ！」

ガーフィール「ラム！俺様にも茶よこせ！」 

ラム「粗茶そのものよ」 

ガーフィール「普通はもっとへりくだって言わねぇか？」

ラム「拾った葉っぱ汁だもの。ラムの手頭から入れたことを感謝して飲み干しなさい」

？？？「ガー坊がまた外の人間を引き入れたとは聞いとったが、騒がしい坊じゃの」

オットー「あのー、えと貴方は？」

リューズ「わしはリューズ・ビルマ。一応、この集落の代表という事になっておる。見ての通りの老いぼれじゃがな」

スバル「見ての通り…？つまりロリババア？いずれ出ると思ったが、ステレオタイプだな」

リューズ「初対面でババア呼ばわりとはのう…」

リューズ「まあ良かろう。お前さんがバルス…。つまりスー坊じゃな？」

スバル「スー坊って…」 

オットー「それでリューズさん。さっきの僕の名案が駄目という根拠は？魂の抜け殻って…？」

リューズ「聞いておるじゃろ？混血の者は結界に意識を奪われる。正しくは魂を弾かれるんじゃ」

オットー「魂を弾かれる…。えと…」 

スバル「それはつまり、混血の人が結界を無理に超えようとすると、肉体と魂が分離する。で、魂だけが結界の中に取り残される羽目になって、抜け殻になる。っていう理解でいい？」

リューズ「ほほう、なかなか理解が速い。要約するとそうじゃな。魂を持たない肉体だけが結界の外に出ることは、即ち『死』を意味する」

オットー「死…」

ガーフィール「ナーーーーーッ！超マッズ……」

ガーフィール「草の味だ…ゲホゲホ」 

スバル「つか、本当に草で入れたのかよ！？」

スバル「けどよ、試練に挑戦する資格が混血ってことなら、リューズさんやガーフィールも挑もうと思えば挑めるって事なんだよな？」

リューズ「挑むだけなら理屈の上なら可能じゃな。じゃが、聖域の開放は出来ん。それはこの地に面々と受け継がれるわしら、聖域の住人への契約よ…」

スバル「……っ」

エミリア「ん…」

エミリア「スバル…？」 

スバル「おはよう、エミリアたん。よく眠れた？」

エミリア「おはよう…。ずっと付いててくれたの？」

スバル「どうせ部屋に戻っても眠れないから…。オットーのやつ、寝言がうるさくてさ～」 

エミリア「昨日はごめんね…。私、墓所ですごく取り乱して…」

スバル「え、ああ。大丈夫、大丈夫！それより…」

エミリア「あ…。ち、違うの！」

エミリア「あれ？おかしいな…。私なんでこんな…」 

スバル「エミリアたん、ついに無意識化で俺を求めるほど積極的に！？」

エミリア「ううん、全然そんなんじゃないの！多分うっかりしちゃったみたい」 

スバル「否定が速いし、うっかりってどういうこと！？」

エミリア「それは…」

スバル「笑えるなら大丈夫だよ！試練は、今夜もう一度挑んでみればいい」

エミリア「今夜…もう一度…」

ラム「バルスに言っておくことがある」

スバル「あ？」 

ラム「聖域の開放に、ここの住人の全員が賛成しているわけではないわ」

スバル「そりゃどういう…」 

ラム「聖域の開放は、リューズ様筆頭にガーフのような強権派が主導してるだけ。中には聖域の開放を望まない保守派もいるということ」

スバル「聖域の開放を望まないって…」

ラム「保守派にとって、外との交流は最低限である今が理想なの。それを敢えて壊そうなんて、迷惑以外の何物でもないという事よ」

スバル「ガーフィールはともかく、リューズさんの事も信用してねーのか？」

ラム「フレデリカの事もね」

スバル「…っ」

ラム「エミリア様に輝石を持たせたのはフレデリカよ」 

スバル「お前はフレデリカが仕組んだ事だって思うか？」

ラム「状況証拠は、フレデリカが何か企んでいたことを示してる」

ラム「事実、エミリア様は間一髪のところ難を逃れた。バルスの尊い…割と尊い犠牲のおかげで」

スバル「言い直すなよ…。いや、犠牲になってないから言い直していいんだけど…」

ラム「気をつけなさい、バルス。聖域の開放に反対する連中にとって、一番確実な方法はエミリア様に危害を加えることよ。誰が敵かはわからない」

ラム「常に気を張りなさい」

エミリア「う…」

ガーフィール「ラムもこっち来いよ！」 

ラム「ふん…」 

ガーフィール「なんだよ、連れねぇなぁ」

スバル「お前、ひょっとしてラムの事好きなの？」

ガーフィール「えっへへ～、良い女だろ？雄としても、強くて優秀な雌に惹かれるのはおかしな話じゃねぇ」

ガーフィール「今度こそ上手くいって欲しいよなぁ～。モロロクの宴は一昼夜続く。じゃシャレにならねぇしよ」

スバル「お前はさ、聖域の外に出たら何がしたいんだ？」

 ガーフィール「いきなりだな…。おい、外に出てしてぇ事だぁ？行きてぇとこに好きに行ける奴に、俺様やババア達の気持ちはわかんねぇよ！」

スバル「フレデリカはどうなんだ？」

ガーフィール「あ？」 

スバル「聖域のこと。フレデリカはどう思ってるんだ？」 

ガーフィール「てめぇは何も聞かされちゃいねぇのかよっ？」

スバル「詳しい話は出来ない…の一点張りでな。お前の事も話せない制約が理由で、聞けたのは名前ぐらいだ」 

ガーフィール「制約、制約…ていのいい言い訳だぜ！飼い主そっくりじゃねぇか」

スバル「お前もフレデリカとはあまり仲良くないのか～？」 

ガーフィール「仲の良し悪しって質問なら…良くねぇ。そんな事より、てめぇ！昨日、墓所で…」

スバル達「！」

エミリア「うっ…う……」 

スバル「エミリア！」

エミリア「ごめんなさい…私…私…また…」

ガーフィール「……」

ロズワール「そうかい、それは残念だ～たね」

ロズワール「だが、試練の挑戦権は消えないと確認できただけでも収穫だ」

スバル「それで？わざわざエミリア抜きで俺に何の話だよ？」 

ロズワール「ちょっとした悪だくみさ。そこに信用に欠ける相手を同席させるほど、私の懐は甘くないからね」

スバル「信用に欠けるって…！エミリアが？お前、いきなり何を！？」 

ロズワール「落ち着きたまえ、ス～バル君。君にはこれまで同様、エミリア様を手助けして支えになってもらいたい」

スバル「そりゃ言われるまでもねぇが…。お前は何をするんだよ？」 

ロズワール「無論、同じさ。エミリア様が王選を勝ち抜けるよう全力で支援する。つまり、私たちは『共犯者』という訳だ」

スバル「それを言うなら『協力者』だろ！お前の言ってる事は矛盾だらけだ！」

ロズワール「ほう…、それはどういう…」

スバル「くっ…しらばっくれるなっ！」

スバル「エミリアの王選参加が公になったら、魔女教が暴れだすってのは周知の事実だった！なのに、お前は何をしてたんだ！？」

スバル「そもそもお前は、魔女教の情報をエミリアに伏せてただろ！」

スバル「エミリアは何も知らなかった！知ってれば何もかも違ったはずだ！違ってれば…」

スバル「あんな…」

スバル「お前がいればよかったんだ…。お前がいてくれればあんな事は起きなかった。お前が皆を守ってくれれば…」

ロズワール「だが、不在の私に代わり、君が役目を果たした。騎士として申し分ない手柄も」

スバル「そんなものっ…！！」

ラム「落ち着きなさい、バルス！」 

スバル「お前は納得してんのかよ！？屋敷に残されて、捨て石みたいにされたのはお前も同じなんだぞ！」

ラム「ロズワール様の行いを全てをラムは許容する。その中でラムがどう扱われて、どう切り捨てられたとしても同じ事よ」

スバル「じゃあ、レムが…。そんなバカな事の犠牲になったのも許せるのかよっ！」

スバル「…！」

ラム「誰の事言ってるかわからないけど、他人の名前はラムには何の関係もないわ」

スバル「ぐっ…」

ロズワール「なぜ…私はエミリア様に開示すべき情報を隠してきたのか。なぜ私は来たる魔女教の襲撃に際し、屋敷に不在であったのか…」

ロズワール「いずれも答えはひとつだ。私は私が魔女教を対峙せずに済むように、それらの事態を…」

ロズワール「誘導した」

スバル「な…」 

ロズワール「私が解決してしまえば、今回の事はエミリア様の手柄にも、君の手柄にもならないか～らね」

ロズワール「効果は絶大だ～ったろ？魔女教撃退以前と以降で、アーラム村の住人のエミリア様への態度は大きく変わった。理解できない魔女の係累から、自分たちの命を守るのに貢献してくれた恩人へと…」

スバル「お前…自分がいま何言ってるのかわかってんのか！？そんなもんは結果論だろ！！お前が居なくて、何も教えなかったのが原因で何人死んだと思ってる！！」

ロズワール「味方に出た損害には哀悼の意を表明しよう。それとも君は私に謝って欲しいのかーな？」 

スバル「違う！違う違う違う違う、そうじゃない！！そうじゃないんだよ！！」

スバル「俺が何も出来ないクズのままなら、お前はどうしてたんだよ！？エミリアも村の人達も、誰も救えない結果になってたら…！」

ロズワール「信じていたんだよ、君の事を。君ならばエミリア様の為に奔走し、クルシュ様との同盟成立に力を尽くし、襲い来る魔女教の撃退を命懸けで成し遂げ、功績を上げると信じていた」

スバル「お前が俺の何を知ってる…！お前と別れた時、俺は正真正銘のクズだった！そのクズが多少なりマシになれたのは、その後の事があったからだっ！そして、そのあとの事は俺ん中以外のどこにも残ってない！お前は俺の何を信じた…」

ロズワール「どうやら、今夜の話し合いはここまでのようだ～ね。ちなみに、この事はエミリア様には…」

スバル「言えるわけがねぇ…！」

ロズワール「そうして怒りに支配されながらも、内心では現状が正しいと理解している。エミリア様の王選の為に、私や村人と軋轢を生むべきではない…とね」

スバル「……」

ロズワール「やはり…君は私の『共犯者』に相応しいよ」

エミリア「ごめんね…、また失敗しちゃって…」 

スバル「気にしすぎなくていいよ！試練の挑戦権は消えないみたいだし」

スバル「あとはエミリアたんの気持ち次第」

エミリア「私の気持ち…」

スバル「辛そうなのは見ててわかる。でも、この聖域の開放は君がやらなきゃ意味がない。…と思う」

スバル「そのために、また挑める？」

エミリア「スバルのバカ…」 

スバル「え！急に罵倒！？」

エミリア「そんなに優しい目と声で言われて、出来ないなんて言えっこないじゃない…。私、あんまり頭は良くないけど、これが私のお役目ってことぐらい判ってる」

エミリア「甘やかさないで、信じてて…。って、今の私じゃ説得力は無いかもしれないけど」

スバル「とんでもない！信じて待ってる！」

エミリア「うん。ありがと」

エミリア「でも、アールム村の人たちには迷惑かけちゃうから…。それだけ心苦しいかも」 

スバル「ああ…その件だけど、俺に預けてもらってもいい？」

エミリア「わかった、スバルを信じる。今更、スバルを疑ったりしないもん」

エミリア「信じてる」

オットー「それにしても、よくガーフィールを説得できましたねー」 

スバル「丸二日かかっちまったけどな～。エミリアが結界の外に出られない限り、アーラム村の人たちは開放しても問題ないって解ってくれた」

オットー「僕の見立てだと、彼はこっちの言い分に耳を傾けないたちかと思ってたんですがねー」 

スバル「お前は商人のくせに、人を見る目がねぇな」

スバル「お…」

ラム「随分と古臭いおまじないね」 

スバル「ペトラに出発前に貰ったんだ。フレデリカが新しいメイドに採用してな」

ラム「フレデリカが新入りに悪さを働くなんてありえない。そこまで外道に堕ちるはずもないわ。その子の事は心配無用よ」

スバル「お前フレデリカの事、信じてるの？信じてないの？どっちなん？」

ラム「思惑は知らない。でも、フレデリカがフレデリカである事は疑ってないわ。それとロズワール様からの伝言…」

スバル「！」

ラム「フレデリカと相対するのに不安があるなら、ベアトリス様を頼りなさい。そして、こう言うの。『ロズワールは質問をしろと言っていた』と」

スバル「質問？」 

ラム「詳しくはラムも知らない」

ラム「ただ、それがベアトリス様の耳に入れば状況は変わる…。ロズワール様はそうおおせよ」

エミリア「スバル」

スバル「あっ」

スバル「おう！」 

エミリア「えっと、ラムとの話の邪魔になっちゃった？」

スバル「んにゃ…大丈夫だよ？別に大事な話してたわけじゃないし、エミリアたんが最優先」

エミリア「それはすごーく嬉しいけど、今は村の人たちを最優先にしてあげて」

スバル「ああ」

エミリア「貴方に精霊の祝福がありますように」

スバル「結界までの道案内まで買って出てもらってすまねぇな」 

ガーフィール「いいってことよ」

ガーフィール「それより三下、てめぇ墓所で試練受けてただろ…」

スバル「…ぅ」

ガーフィール「隠す必要はねぇ。見てりゃわかる」

スバル「それを聞いてどうするつもりだ？」

ガーフィール「簡単な話だ。エミリア様の代わりにてめぇが試練に挑むんだよ」

スバル「それは駄目だ！それが崩れちゃ前提が…」 

ガーフィール「そもそも、本当に過去なんざ乗り越える必要があんのかよ？」 

スバル「え？」

ガーフィール「俺様もエミリア様が試練に挑むのを見てんだ。折れんのもな…。その度、あんな取り乱して出てくんだぜ。見ちゃいらんねぇよ」

スバル「エミリアは必ず試練を乗り越えられるって信じてる。だから俺は…」

ガーフィール「期待すんのは自由だ。けどな、エミリア様は本当に過去を超えてぇのか？怖い怖いって泣いてんのが本音じゃねぇのかよ」

スバル「エミリアの本音…」

スバル「エミリア…本当は…」

ガーフィール「結界が近けぇな。俺様が付いててやれんのもここまでだ」

ガーフィール「持ってけ」

スバル「これって…」

ガーフィール「こっちの事情を話すつもりはねぇよ。ただ、てめぇが戻ってこなきゃ俺様たちが困っちまう。いざとなりゃフレデリカに見せろ」

スバル「大丈夫だ」

スバル「誰も居ねぇのか？」

スバル「どういう事だ…」

スバル「レム…レムは…！」

スバル「レム！」

スバル「うわっ…た…」

スバル「あ…あ…」

スバル「う…」

エルザ「約束したでしょ？次に会う時まではらわたを可愛がっておいてって…」