【進撃の巨人】フロックという良くも悪くも最高に仕事をした男

ジャンにも島の英雄なんだから内地で暮らせと言ってくれたりあそこで更に株上がった

奇しくも、ハンジやエルヴィン、ニック同様に最後まで酔っ払い続けたやつ。
お見事。

ただの凡人が地獄のような目に合い、そして生き残ってしまった上に、上司がつまらない私情で動くところを目にしてしまったがゆえに悪魔になってしまった男

彼は島の悪魔エレンは好きだろうが、素のエレンは嫌いだろうなというのが作中でもよく描かれている

後半のストーリーを主導するMVPキャラの一人よな
そうなった経緯もそう行動する心情もよく理解できるし納得できるという

パラディ島側からしたら英雄視される行動だよね。

こいつは団長の指示を守ってるだけなんだよな
死んだ兵士に意味を与えるためだけに生きてる

何より、上から物言うだけじゃなく最前線で体張って戦ってるからなぁ
ホントにカッコいいよ

アニメでまた一段印象が変わったというか演技がよかった

戦闘能力は高くないんだけど同期だとアルミンかジャンくらいしか持ってない指揮官能力持ちで頭もそれなりに回る、視野もそこそこ広いと便利な人材
惜しむらくは完全試合を経由しないと才能の開花には至らない事か、フロックの開花に引き換えにする人材が多過ぎる

いいじゃないか屈したって

咄嗟の判断が好きなだよなフロック
立体起動装置で拘束逃れて敵襲！と叫んだところとか

嫌っている人も好きな人も両方の理由が分かるキャラ

小野賢章先生の演技が素晴らしい
ぴったりですわ

読者から同情されすぎてもダメ、共感されすぎてもダメ
でもこうなったのがわかるし重要なキャラだよねぇ

悪魔を信仰した凡人が島のために狂気で突き進んだキャラだったの思う
嫌いな人もいることは理解してるけどそれでもフロックは1番好きなキャラだな

海外の反応だと何故か人気のないのが悲しい
日本人にだけ刺さる何かがあるんだろうか

島の未来を守るために世界を滅ぼす覚悟で悪魔についていったら
世界を滅ぼすのは嘘でアルミンを英雄にするための捨て石にされたでござる

やっぱ悪魔なんかについていっちゃだめだね

フロックについて若干アニメ版でフォローがあったのが良かった。

エレンがフロックのことをちゃんと大切に思ってたってのも良い

壁内人類の立場で考えるとやっぱ俺はフロック派だなあ

今のイスラエル問題だと

「パレスチナ人とも分かり合える（キリッ）」
「憎悪の連鎖の森を出なければ（キリッ）」

みたいなことを言ってたイスラエル人ほど、音楽祭イベントで数百人単位で拉致されてハマスの人質にされて惨殺されたりしてるからな。
んでフロックタイプのイスラエル人というか

「ほおら言わんこっちゃない」
「やっぱり相互理解なんか無理なんだよ。やり返すしかない」
「そんな間違えた和平派の君たちも、特殊部隊で救出してあげるよ」

みたいなのが現在の主流になっているという現実。
現実世界は進撃世界よりきついというか、言い方は悪いけどサシャパパ一派は「物語的に保護されている」面はあるとは思う。
和解を叫ぶ者やその家族ほど、えてして真っ先に殺されてしまう（それもフロックみたいな自民族ナショナリストに粛清されるのではなく、寄り添おうとしていた「敵」民族によって惨殺される）という現実を踏まえ無いと、なかなかきれいごとだけでは語れないと思うんだよな。

それを言うのが有りなら
サシャパパ見たいな人が
紛争解決に取り組んでる例なんて幾らでもあるわ

世界にとっていいか悪いかはわからん
だが、もし自分がユミルの民で島の人間で世界中が自分達を滅ぼすために悪意を向けてきたら、俺はイエーガー派に入ってそこで戦っていると思う
そしてついてゆくならハンジでなく、アルミンでなく、フロックについていったと思う
何もわからない島民だし、外の世界も見に行ってないし、とにかく何もわからないが

エルヴィン、ベルトルト、そばかすユミル、ハンジ、フロック、エレン
覚悟が決まって信念が首尾一貫してたキャラばかり死んで、結局生き残ったのはリヴァイ、ミカサ、アニ、ライナー、ピークみたいに私情や保身ばっかのキャラや
アルミン、ジャン、コニーみたいに思想がふわふわして耳障りのいい理想論に酔ってるだけのキャラばかりだったな
生き残り組で好感度下がらなかったメインキャラはフロックと同じくエレンの覚悟にに寄り添って共犯者となったヒストリアぐらいだわ

しぶといししつこくて大嫌いだけど
本当にいいキャラだと思う

凡人が悪魔になってしまったっていうめちゃくちゃ良キャラなのはわかる
本当に心の底から故郷であるパラディ島守ろうとしてたのもよかった
ただアルミンの目の前でミカサがアルミンのことを最終的に諦めたのを暴露するのはまじで人の心

イェーガー派を組織運営してた面では仕事してたけど戦闘面ではほとんど役に立ってない印象。
・シガンシナ区での対マーレ戦では徒党を組んでも車力を仕留められないどころかしんだフリに騙される
・地ならし直後の無垢巨人討伐では壁崩落に巻き込まれて戦線離脱
・港戦では色々アドバンテージあるのに最後の最後に一矢報いることしかできなかった

壁外編以降進撃のストーリーの根幹を担ってた準主人公はフロック、ヒロインはヒストリアだったよな
エレンの覚悟を受け入れて島や仲間を守るために現実から目を逸らさず自身もエレンと一緒に地獄に突き進む覚悟を決めて言葉ではなくきちんと行動で目的を全うした
エレンの一番大切な存在という設定の割にエレンの苦しみや本質から目を逸らし続けてたミカサやアルミンよりよっぽどエレンとエモい関係だったのに
幼馴染の物語で締めるために最後は強引に存在を矮小化されてしまった感がある

漫画に政治の話を持ち込むなという人もいるだろうけど、極右的思想ならフロックを支持するし、左翼なら一か八かでも虐殺を止め「なんとかなれー！」とするハンジ側につくと思う
現実におけるただの売国奴みたいなのは居なくて(強いて言うならイェレナだが)、互いの考えが理解できるってのが良い点じゃないかな
自国滅ぼされたくないし、かといって自国以外全部滅ぼすのはどうかと思うし
勧善懲悪ではなくそういう現実の問題に通じるような話をやっていたから進撃は面白かったんでしょ