【感想】アニメ『その着せ替え人形は恋をする』4話 泣きながら衣装を作るごじょーくんの姿素敵

海夢「あった。丁度二週間後にあるみたい」

新菜(二週間…)

新菜(あとたった二週間で完成させないといけないのか？)

新菜(今の俺じゃ雛人形の衣装作るのでも時間がかかるってのに…人用ならその倍…いやもっとかかるんじゃ！)

新菜(正直作るのも初めてだし二週間で出来るものなのかすら分からない)

新菜(もし…もし間に合わなかったら…)

新菜(あんなに楽しみにしてる喜多川さんを失望させてしまう！)

新菜(とにかく帰ってすぐ型紙を作って)

新菜(裁断して…)

新菜(裁断ってどれくらいかかるんだ？)

新菜(着物みたいに真っ直ぐに切れるところばかりじゃないし…二日や三日で終わるのか！？)

新菜(ダメだ、時間が無い！)

新菜(あぁあ…頭が変になる…)

ナレーション『若菜はヌル女に侵され出していた』

新菜「ただいま」

薫「おぅ、おかえり」

薫「今日は随分遅かったじゃねぇか」

新菜「あ、ごめん。電話するの忘れてた」

新菜「友達とちょっと買い物行ってて」

薫「友達と！？そっかそっか～！で何買って来たんだ？え？」

薫「CDか？それとも本か？」

薫「え？」

ドタッ(薫が倒れる音)

新菜「ぇえっ！？」

新菜「爺ちゃん！」

美織「わっちゃん！」

新菜「美織姉ちゃん、ごめん…わざわざ」

美織「ううん。お爺ちゃんは？」

新菜「今湿布貼ってもらってる」

美織「そう…」

新菜「打ちどころが悪くなくて良かったよ」

医者「痛み止め出しておきますので」

看護師「お大事になさってください」

薫「すいません…お世話様でした」

新菜「爺ちゃん」

薫「おう」

美織「ちょっとお爺ちゃん」

薫「美織じゃねぇか。どしたんだ？」

美織「どうしたじゃないわよ、もぉ～！心配したんだから！」

薫「う…ぁあ…」

美織「二週間安静なんでしょう？お父さん達が治るまで家に居てもらおうって。それで迎えに来たのよ？」

新菜「そうしたら？おじさん家の方が病院近いし」

美織「ウチなら車も出せるから」

薫「そっか、世話かけるな…」

美織「わっちゃんも今日は家に泊まってね。布団用意してるから」

新菜「うん。明日着替えとか持ってくるよ」

薫「すまんな。あと…」

薫「筆、持ってきてくれ」

新菜「え…？……うん」

美織「鍼灸にも行った方が良いかしら」

薫「だなぁ…ぁあ…」

美織「大丈夫？」

薫「振動がしんど。なんつってな」

美織「もう…」

海夢「そっか…」

海夢「だから昨日休んでたんだ」

新菜「…はい」

新菜「今日も従姉の家に様子見に行ってきます」

海夢「心配だよね…お爺ちゃん早く良くなるといいね」

新菜「…はい」

海夢「五条君、手伝える事あったら何でも言ってよ。一応私、料理とかできたりするし」

新菜「喜多川さん…ありがとうございます。でも大丈夫なので」

海夢「そっか」

海夢「そうだ！連絡先交換しよ？なんかあった時やりとりできた方がいいじゃん？」

海夢「ねっ」

新菜「はい」

新菜(昨日も一昨日も全然衣装作れなかったな…今日は少しでも)

海夢「そうだ！カットしたウィッグとか持ってきてるから後で渡すね」

海夢「五条君？」

新菜「えっ、あ…すみません」

海夢「あ」

海夢「もう来週中間じゃん」

海夢「普通にだるいよね～」

新菜(わ、忘れてた…そうだ…テストもあったんだ！)

新菜(爺ちゃんの見舞いとテスト勉強の間に時間作って…)

新菜(衣装作らなきゃいけないんだ)

海夢「五条君？」

新菜「はっ！」

海夢「大丈夫？」

新菜「ああ、はい！」

新菜「すみません」

新菜(これってかなりマズいんじゃ…)

新菜「はい、五条人形店です」

新菜「工房見学ですか？」

見学客「はい、そちらで出来ると伺ったんですが」

新菜「ぁあ…やっております」

見学客「良かった！友人が雛人形に興味があって見たいって言ってるんです」

新菜「いつ頃ご希望でしょうか？」

見学客「えっと…明日って…」　

見学客「お願いできませんか？」

新菜「明日ですか！？」

新菜「すみません、実は明日から土曜日までお休みを頂いておりまして…それ以降でしたら」

見学客「そうなんですね…実は友人はフランスから旅行に来てて明後日帰国してしまうんです。だから明日しか無かったんですが…」

見学客「すみません。ありがとうございました」

新菜「あの！大丈夫です。明日」

見学客「えっ？」

新菜「僕で宜しければ夕方の四時半以降なら案内できるので」

見学客「良いんですか！？ありがとうございます！」

新菜「はい、はい。では明日、お待ちしております」

新菜「どうしよう…」

新菜「どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…！」

新菜「どうしよう…」

英語教師「はい、そこまで～」

生徒達「終わったー！」

海夢「くぅ～、終わったぁ～～！」

新菜「先にエプロンとヘッドドレスを終わらせて」

乃羽「まりーん、出来たぁ？」

海夢「え？うーん、まぁまぁ？」

海夢「あ…」

乃羽「どしたん？」

海夢「うーん…」

海夢「夜なら居ると思ったけど…」

海夢「居ないっぽいなぁ」

海夢「テスト終わったしお爺ちゃんとこでゆっくりしてるパターンかな…」

海夢「五条君…大丈夫かな」

海夢「一人で食べるかぁ」

新菜「頭痛い…」

新菜「気持ち悪い…吐きそう…全然頭回らない」

新菜「しばらくちゃんと寝れてないな」

新菜「衣装…」

新菜「全然出来てない…喜多川さんあんなに楽しみにしてたのに」

新菜「悲しむだろうな…」

薫「筆、持って来てくれ」

新菜「なんで旅行に筆持っていくの？」

薫「うん？」

薫「毎日手を動かしてねぇと腕が鈍るからな。一日でもサボると…」

薫「感覚戻すのに三日もかかっちまうんだぞ？」

新菜「まだまともに使いこなせてないくせに何日触ってないんだ？」

新菜「俺、向いてないのかな…」

新菜「どんなに好きだからって向いてる訳じゃない。頑張ったからって報われるなんて限らない」

新菜「このまま頭師になれなかったらどうしよう…頼りにされた衣装も間に合わなくて…」

新菜「どうして俺は上手く出来ないんだろう…」

新菜「なんでこんなに駄目なんだろう…」

新菜「俺は…」

新菜「全部…全部」

新菜「中途半端で…」

新菜「爺ちゃん…」

薫「んー？」

新菜「雛人形毎日作るの大変じゃない？」

新菜「嫌になったりしないの？」

薫「はっはっは。そらぁ大変だよ」

薫「好きだからってやっていけるもんじゃねぇしよ。けどよ…好きだからこそ大変な時にも踏ん張れるもんだよなぁ」

薫「お客さんの笑った顔を見ると」

薫「やってて良かったなぁって思うしな…ほら」

薫「喜んで欲しいからしんどくても頑張れるもんだぞ」

薫「ははははは」

海夢「五条君」

海夢「ありがと！」

海夢「良いと思うけど？そういうこだわりとかって大事じゃん」

海夢「やっばぁ～い！衣装できたら何処でコスしよっかな」

海夢「五条君が居てくれてマジ良かった」

海夢「サンキュ」

新菜「ハサミ…ハサミどこやったっけ…」

新菜「くっ！」

海夢「嘘…？」

新菜「ギリギリでしたけど間に合いました。これでイベントに出られますね」

海夢「五条君、もしかして…」

新菜「あ…」

海夢「私が今日のイベントに出ると思ったの？」

新菜「…え！？」

新菜「ち、違うんですか！？」

海夢「……あたし…」

海夢「服作るのにれぐらい時間かかるか分かんなくて」

海夢「コスプレイベントって探せば結構いつでもやってるし…五条君が完成させるまで全然待つつもりだったっていうか…」

海夢「ごめん！私がちゃんと言わなかったから…勘違いさせちゃったよね！？」

新菜「なんだ…」

新菜「良かったぁ…」

海夢「え？」

新菜「間に合わなかったらどうしようってずっと不安で…余裕があったんですね…」

新菜「あー良かった…本当に…」

海夢「ぐすっ…」

新菜「へ？」

新菜「きっき、喜多川さん！？」

海夢「あたし…五条君がテストちゅ…毎日すぐ帰ってたのお爺ちゃんのとこ…行ってるのかなって…」

海夢「思ってて…大変なのに…作ってくれてるなんて分かんなくて…」

海夢「ごめん…あたし…全然気付いてあげられなくて…」

海夢「五条君…ごめんね…ごめん！」

新菜「俺も何も言わずに進めてしまってすみません。番号を教えてもらったのに…ちゃんと相談するべきでした」

海夢「ごめん、ごめんね。ほんとごめん」

新菜「あの…その、えーっと…その…」

新菜「袖、通してみませんか？折角なので！」

海夢「え？」

新菜「着てもらって詰めないといけない箇所がないか確認したいですし」

新菜「そうだ！どうせなら全体のバランスも見たいのでウィッグと化粧もしてみましょう」

海夢「でぼ…五条君…疲れてるのに…」

新菜「喜多川さん…」

新菜「喜多川さんは雫たんになりたいんですよね？」

海夢「めっぢゃなりだい！」

新菜「それなら着ましょうよ」

新菜「俺は完成して嬉しいですし、喜んでもらえたらそれで良かったんですが」

新菜「あ…嬉しく…なかったですか？」

海夢「嬉しいに決まってんじゃん」

海夢「嬉しい…ありがとう。ありがとう五条君」

新菜「はい」

海夢「ありがとう…めっちゃ着る」

海夢「ほんとありがとう。五条君」

新菜「はい」

ズフォー(鼻をかむ音)

キラキラキラ…(奇麗な効果音)

新菜「止まりました？」

海夢「へへっ、もう大丈夫そー」

新菜「出来ました」

新菜「化粧は落とせましたか？」

海夢「うん」

新菜「では…」

新菜「眉は下げて垂れ目に。アイシャドーは赤」

新菜「頬紅はすぐ下で、目の赤に印象を持たせる為に口紅は発色を抑えて…とは言え全体的には衣装に負けないようかなり濃くしないと…」

海夢「闇メイクって感じだよね？」

新菜「闇？」

動画の人「アイテープを先に伸ばしてから～」

新菜「なるほど。二重瞼の形も変えられるんですね」

海夢「あたしアイテープなら持ってるよ」

新菜「本当ですか？」

海夢「無駄に欲しくて買ったけど結局使わなくて」

新菜「あぁ、付け睫毛も良いですね。目尻が長めのタイプを使えば垂れ目の雰囲気が出ますし、雫たんにぐっと近付けますよ」

海夢「あたし、ツケマは持ってないんだけど。一回やって無理だったから…」

新菜「俺持ってるんで大丈夫です」

海夢「え？」

新菜「何種類かあるんですが…」

新菜「丁度ありますね、目尻長め」

海夢「あ…」

新菜「喜多川さん？」

海夢「これ、彼女のとか？」

新菜「違いますよ…！今は雛人形にも睫毛が付いている物があるので試しに買ったんです」

新菜「この子なんですけど」

海夢「やば！可愛ぃ～。こんななの？買ってもらったらガチで嬉しいやつじゃん。ってか着物柄薔薇だし」

新菜「今の雛人形は口紅の色をピンクやオレンジにしたり」

新菜「頬紅を入れたり」

新菜「髪も茶色がかった黒や金髪の人形もあるんですよ」

海夢「へぇ～、可愛い。つかギャルじゃん」

新菜「俺にはまだ分からないんですが爺ちゃん達は雛人形の眉を見れば誰が描いた物か分かるそうです」

海夢「え、すご！」

新菜「でもこれらの雛人形は一目で誰が作ったのか分かりますよね？」

海夢「うん」

新菜「俺も…」

海夢「ん？」

新菜「俺も将来、そんな雛人形作れるようになれたらなって…」

新菜「は！あっ、す、すみません。余計な話を」

海夢「なれるよ」

新菜「…え？」

海夢「なれるよ。五条君なら」

海夢「絶対なれるよ！」

新菜「ありがとうございます」

海夢「は…！」

海夢「五条君ってそんな風に笑うんだね」

新菜「へ？」

海夢「ちゃんと見るの何気に初かも」

新菜「え、あっあ…あれ？」

新菜「そうでしたっけ？はっはは…」

海夢「うん」

新菜「あれぇ？」

新菜「眉はどうしますか？喜多川さんのと形が違うので消す事になるんですが…」

海夢「う～～～ん…」

新菜「はっ！」

海夢「どうせ生えるし全剃りでいっか」

新菜(行動力っ！)

海夢「あの…五条君…」

海夢「着たんだけど…」

新菜「はっ…！」

海夢「五条君？」

海夢「あたし…ちゃんと雫たんになれてる？」

新菜「はい！喜多川さんは立派な雫たんです！」

海夢「だよね！？だよねだよねだよね！？五条君凄い！マジで雫たん過ぎない！？」

新菜「はい！」

新菜「マジで！雫たん過ぎてます！」

海夢「えへへっ」