【感想】アニメ『その着せ替え人形は恋をする』1話 ごじょーくんの「なんですって」最高！ 原作キャラの個性・魅力が良く表現されていた完璧な回だった

薫「綺麗だろう？このお雛さん爺ちゃん達が作ったんだぞ。すげぇだろ？」

新菜「うん…凄い…」

新菜「すごい綺麗…」

新菜「世界で一番綺麗…」

薫「新菜も…」

薫「練習すりゃ爺ちゃんみてぇになれらぁ」

美織「気持ち悪い！」

新菜「え…？」

美織「なんでわっちゃん」

美織「男の子のくせに」

美織「女の子の人形好きなのよ！…わっちゃんなんて大嫌い！」

新菜「！」

新菜「おはよう」

新菜「今日も綺麗だね」

新菜「おはよう」

新菜「爺ちゃん」

薫「おう、おはよう新菜」

薫「新菜おめぇ、夕べも遅くまでやってただろう…ちゃんと寝てるのか？」

新菜「うーん…なんか、調子良かったから、つい」

新菜「筆が走って何個もやっちゃったんだよね」

新菜「けど…まだ爺ちゃんみたいに上手く行かなくてさ」

薫「爺ちゃん何年やってると思ってんだ…」

新菜「ん～…47？」

薫「フォーティーエイト！」

新菜・薫「いただきます」

薫「顔はまだでも衣装は作れるんだから上等じゃねえか」

新菜「それしかだよ。まだまだ出来ない事ばっか」

薫「んな焦んなくても」

薫「ぼちぼちやりゃあ良い。まだ学生なんだから」

新菜「うん」

薫「それよりおめぇ」

薫「高校に上がって友達出来たのか？」

薫「おい大丈夫か？」

新菜「大丈夫…へ？何、急に…」

薫「いやおめぇ、小学校ん時も中学校ん時も毎日人形いじってばっかだろう？友達居ねぇんじゃねぇかと思ってよぉ…」

新菜「い…居るよ、居る居る。今までも普通に居たし、みんな部活やってるから時間が合わないんだよ」

新菜「ただそれだけ。本当に」

薫「あそっか、なら爺ちゃん安心だわ。あはははは」

新菜「あは…あは…」

薫「そっかそっか、うんうん」

新菜「行ってきます」

薫「お、気ぃ付けて行けよ」

新菜「うん」

男子生徒1「おいーーっす！」

男子生徒1「うっ！」

男子生徒1「す…」

男子生徒1「すみません！人違いでしたぁ～！」

新菜(ごめん爺ちゃん…)

新菜(俺…)

新菜(高校でも友達出来てない…)

新菜(だって仕方無い。俺の夢は雛人形の頭師になる事。だから趣味が…)

新菜(雛人形の制作とその練習)

新菜(観賞…)

新菜(会話… これじゃ皆と話し合う訳無い！)

男子生徒2「昨日見た？6話」

男子生徒3「めっちゃ面白かった！作画もめっちゃ神」

新菜(俺の好きな物と皆の好きな物は違って…)

新菜(だから…俺が居たら輪を乱すし嫌な気持ちにさせるって決まってる)

新菜(俺が…)

新菜(居ない方が…)

海夢「わぁ！」

海夢「いっ！」

海夢「たぁ～～～～！」

乃羽「ごめん海夢」

大空「あちゃー、ごめーん」

海夢「一応平気」

海夢「ごめんね。えっと…五条君」

新菜(きっ、喜多川さん)

新菜「あっ、あっ、あの…」

海夢「大丈夫？」

新菜「は、はい！」

海夢「それ…」

新菜「！」

海夢「なんか付いてるよ？」

海夢「なんだろこれ…怪我…」

海夢「…じゃないっぽいけど」

新菜「こ！れは…あのぁの…平気なやつなんで…」

新菜(何が…！)

海夢「そ？」

海夢「なら良いけど」

乃羽「海夢大丈夫～？」

海夢「バキバキに折れたわー」

大空「嘘つけー」

海夢「はははは」

新菜(墨…付いたままだったんだ)

新菜(ビックリしたぁ…)

新菜(初めて話してしまった)

新菜(喜多川さん、明るくて友達も多くていつも中心に居て)

新菜(俺とは住む世界が違う人)

乃羽「ねぇ、昨日の放課後さー」

海夢「うわ、その話すんの？」

瑠音「てか海夢が放課後付き合うって珍しい。いつも消えるのにー」

乃羽「サロモのバイトだっつうから付いてったの。ウチもカットしたかったし」

大空「バイトかい」

乃羽「そしたら！自分の髪終わってんのに海夢狙いでずっと待ってる人居て！」

大空「すげぇ、帰れよー」

瑠音「顔は？」

乃羽「割とイケメン」

乃羽「んで、ウチらが帰る時絡んできたのよ」

瑠音「話すきっかけ作ろうとしたんだろうね～」

イケメン「ねぇねぇ、それ何とかってアニメのやつ？」

イケメン「チョーオタクじゃん。無いわー」

海夢「おめぇがねーわ」

乃羽「つって！海夢秒で帰った！」

大空「マジで？瞬殺じゃん」

瑠音「キツ～」

乃羽「そいつそのままポカーンて超棒立ち」

大空「てゆーか、イケメンだったんなら勿体なくない？」

瑠音「海夢て声かけられてもいつも塩対応だよねぇ」

海夢「顔とかどうでもいいよ。ああいう男無理！」

海夢「てかジャラ付けしてる時点で好きだって分かんだしさぁ、人の好きなもの馬鹿にすんなよってなるでしょ」

乃羽「それな！」

新菜(同じ教室の中で)

新菜(自分とは真逆の世界で生きている人が居る)

新菜(ありのままの自分を受け入れてもらえる世界は)

新菜(きっと…生きやすいんだろうな)

男子生徒4「マジで？」

男子生徒4「またやってくれんの？」

新菜「うん、いいよ」

男子生徒4「助かる～」

男子生徒5「お前…流石に今日はやれって」

男子生徒4「え～、でも五条が良いって。バイトも遅れたくねぇし」

男子生徒4「じゃあ五条、後頼むわー」

男子生徒5「おい！…悪いな五条、今度ジュース奢らせっから」

新菜(正直一人で全部は大変なんだけど…でも俺が会話に入れなくて気まずくなってしまうよりは全然良いし)

新菜(俺が居ると話題にも困るだろうし…無言が続くのもしんどいだろうし)

新菜(早く終わらせて俺も帰ろう)

新菜(喜多川さん忘れ物かな)

海夢「何？」

新菜「あ、あ…いえ……あの…えと…何してるんですか？」

海夢「見たまんまなんだけど。掃除。トイレ行ってて遅れたけど、あたし今週掃除当番だし」

新菜「あえ…あ…や、やってくれるんですか？」

海夢「当たり前じゃん。普通にやるよ。ねぇ、他の人は？」

新菜「あぁ、帰りました。バイトがあるみたいで」

海夢「マジ？」

海夢「みんな？」

新菜「はい…」

海夢「五条君」

海夢「押し付けられてない？」

新菜「ですね」

海夢「ですね？分かっててやってるの？嫌じゃないの？」

新菜「あ…ま、多少…嫌ですけど」

海夢「だよねぇ」

海夢「それ言った？」

新菜「いえ。でも頼りになるって言われたし…良いかなって」

海夢「それ頼られてるんじゃなくて」

海夢「パシられてるだけだから！」

海夢「嫌なのに何でも言う事聞くって違くない？てか自分の為に絶対しちゃ駄目でしょ」

海夢「自分の気持ちは自分の為に言わなきゃ駄目だよ」

新菜「いった！」

薫「おいなんだ、大丈夫か？」

新菜「ごめん、また指切っちゃって」

薫「気ぃ付けろよ…えっとまだ絆創膏あったかな…少し待ってろ」

新菜「ありがとう」

新菜(あれから何日も経ってるのに)

海夢「自分の気持ちは自分の為に言わなきゃ駄目だよ」

新菜(喜多川さんの言葉が頭を離れない)

新菜(図星だった…俺はいつでも自分の気持ちを押し殺してきて)

新菜(本当は…)

新菜(あの時も…)

新菜「あれ…」

薫「ほれ」

薫「これ貼っとけ」

新菜「爺ちゃん、ミシンが動かない」

薫「え？」

薫「年代もんだからなぁ…寿命だろう」

薫「新しいの買うか」

新菜「キリの良いとこまでやりたかったんだけどな…そうだ」

新菜「すっごい楽だ。手芸部無くて良かったなぁ。放課後になれば誰も来ないから堂々と出来るし」

新菜「持って来れるし…」

新菜「んふ、今日重ね縫ってくからね。待っててね」

新菜「ふふ、あは、ふふふふ…」

新菜(きっ、喜多川さん！)

新菜「ごめん！大丈夫！？痛くなかっ…」

新菜「…！」

新菜(しまった…)

海夢「はぁ…はぁ…なにそれ…」

新菜(終わった…)

海夢「すっごーーい！五条君ミシンできる人なの？」

新菜「は？」

海夢「だから、ミシン！なんでできんの？選択で家庭科無いじゃん」

新菜「あ、えと…俺の家…雛人形の店やってて…なので昔から教わって…」

海夢「そっち系？だからかー！」

海夢「ね、それお雛様？見せて」

新菜「どうぞ」

海夢「めっちゃ綺麗じゃん」

海夢「目、キラキラしてる」

新菜(初めて…初めて褒めてもらえた…俺の好きな物を…初めて！)

海夢「このお雛様は五条君が作ったの？」

新菜「あぁ、いえ、違います。これは爺ちゃんが作った物で…俺はまだ服作るくらいしかできなくて」

海夢「服…作れんの？」

新菜「あ、はい」

海夢「マジ？」

新菜「はい。でもただ縫う程度なんで大した事じゃ…」

海夢「あの…向こう向いててもらって良い？」

新菜「はい！」

新菜(な…なななななななななんだこれ！何が起こっているんだ？なんで急に服を？は？何？カサカサって何？何の音？)

海夢「五条君」

新菜「はぁい！」

新菜「な、何でしょうか？」

海夢「こっち…見て…」

新菜「でも…」

海夢「いいから…見て」

新菜「？」

海夢「まだ…途中だよ？途中なんだけどこれ…あの…どうかな？」

新菜「え？どうとは…何の格好ですか？」

海夢「えぇっとぉ…その服を作った～…みたいな。私が」

新菜「冗談ですか？ふざけてます？」

海夢「え？ふざけてないよ？真面目に作ったし」

新菜「だって…全然違くないですか？」

新菜「狙ってもここまで下手にできませんよ。それ、裏地が必要な布ですよね？」

海夢「裏？裏って？」

新菜「そこから分かってないんですか？信じられない」

新菜「失礼します。やっぱり返し縫い全然してないし、シワになってる」

新菜「あ！下糸無いじゃないですか。これじゃ縫った事になりませんよ」

新菜「後ろは忘れてますよね？」

新菜「うわぁ…もぉ～…どうしてここダイヤル変えてるんですか！それと…」

新菜「ちょ、調子に乗って申し訳ございませんでした！」

新菜「殺してください！」

海夢「ちょ、はぁ？何してんの？やめてよ」

新菜「あ…あぅあぅぁぅ、あのいくらお出し支払えば良いでしょうか？」

海夢「いいよ！要らないって。全然怒ってない。怒ってないから！」

海夢「っていうか五条君、顔上げてくんない？」

海夢「えっと…これはね」

海夢「あたしがコスしたくて作ったの！」

新菜「コス？」

海夢「そう！コスプレ！」

海夢「私ね、漫画とかアニメとかゲームのキャラと同じ格好がしたいの」

海夢「コスってね」

海夢「自分の推しへの想いを全力でアピれんのよ！凄くない？それってもう…」

海夢「究極の愛じゃん！」

海夢「聞いてる？五条君」

新菜「はい！すみません聞いてます」

新菜「すみません」

海夢「そんで…うちミシン無いから放課後ここで作ってたんだけど…」

海夢「でもまぁ…こんな感じでかなりヤバめだし…周りに裁縫得意な人も居なくて…」

海夢「五条君、あたしにコス衣装作ってくれないかな？」

新菜「え？」

海夢「無理なら…」

海夢「無理って言ってくれれば良いんだけど…」

海夢「あのね…あたしもう自分じゃどうにもできなくて…でもどうしても雫たんに…」

海夢「大好きだから…なりたいの！」

海夢「お願い！五条君！」

海夢「すっごーーい！五条君ミシンできる人なの？」

海夢「めっちゃ綺麗じゃん…」

海夢「人の好きな物、馬鹿にすんなよってなるでしょ」

海夢「自分の気持ちは自分の為に言わなきゃ駄目だよ」

新菜「分かりました」

新菜「人用は作った事が無いので上手くいくか分かりませんが、できるだけやってみます」

海夢「って事は…良いの？」

新菜「はい」

海夢「マジ？」

新菜「はい」

海夢「あはは…」

海夢「やったー！やったやったやったー！あ～、やったー！」

海夢「雫たぁん、雫た～ん！雫たんになれるぅ～～！」

新菜(同じ教室の中で)

新菜(自分とは真逆の世界で生きている人が居る)

新菜(その人とこんな約束をするなんて思ってもみなかった)

海夢「え～ん、ガチで涙出てきた」

海夢「あ、でもあたしにも出来る事はするから！出来る事は少ないけど！」

新菜「はい。そんなにその人になりたいんですね」

海夢「うん、だって滅茶苦茶尊いんだもん」

海夢「聖♡ヌルヌル女学園 〜お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2〜 の黒江 雫たん！」

新菜「なんですって？」