【感想】アニメ『86 エイティシックス』 5話 様々な謎が明らかに もう状況詰んでない？

兵士「うわあああああ！」

レーナ「…！？」

レーナ「お父様！？」

レーナ「…！」

？？？「生き残りがいるなら耳をふさいで伏せろ！」

レイ「大丈夫か？」

レイ「確認終了。これより帰投する」

レイ「食べる？」

レイ「甘いものならこんな時でも食べれるかなって思ったんだけど…。それともチョコレートは嫌いだったかな？」

レーナ「…」

レイ「良かった」

レーナ「お父様が…、私たちはエイティシックスの人たちに酷い事をしてるって…」

レーナ「なのに、どうしてお兄さんは私を守ってくれたの…？」

レイ「そうだな…。俺たちはこの国で生まれて、この国で育った共和国市民だ。国を守って戦うのは、市民の義務であり誇りだ」

レイ「口先だけのクズ共とは違う。だから、戦う」

レイ「戦って、守り切って見せる」

＜お腹の音＞

レイ「あっ…」

レイ「あははは…」

レイ「あはは…。ちょうど君と同じくらいかな？弟がいるんだ」

レイ「大きくなってるだろうな…」

レーナ「会えてないの？」

レイ「…ッ」

レイ「まだ、帰れないから…」

レーナ「ありがとう…」

レイ「俺は、ショーレイ・ノウゼン。レイでいいよ」

レーナ「不思議なお名前…」

レイ「この国じゃ珍しい名前だから」

レーナ「共和国の人じゃないの…？」

レイ「俺と弟は共和国生まれだけど、親が隣の国の出身なんだ。ギアール帝国ってわかるかな？」

レーナ「うん…」

レーナ「レギオン、作った国…」

レーナ「戦うの怖くないの？」

レイ「怖いよ…。でも、戦わないと生き残れないから…」

レイ「俺は死ねない…。死ぬわけにはいかない…。必ず生きて帰らないといけないんだ。弟のところに…」

レーナ「お兄様は今、どうなさっていますか？」

シン『死にました』

レーナ「…っ！？」

シン『５年前、この東部戦線で』

レーナ「すみません…」

シン『いえ』

シン『前に、除隊したらしたいことがあるかと聞きましたね？』

レーナ「え、ええ…」

シン『したい事は特にありません。ただ、しなくてはならない事はあります』

シン『俺は兄を探しています。この５年ずっと』

レーナ「遺体を…ですか…？」

シン『いいえ…』

アネット「おはよ、レーナ」

レーナ「おはよ」

レーナ「おいし～」

アネット「でしょ？クリームは合成物だけど、イチゴは本物よ？」

レーナ「くぅ～…」

アネット「ああそうだ、次の休みパーティードレス見に行かない？革命祭用の」

レーナ「もうそんな時期…？やっぱり出ないとダメかしら…」

アネット「当たり前でしょ？グズグズしてたら、腕のいい御針子は皆埋まっちゃうわよ」

レーナ「ごめん…。今、少し忙しいの」

アネット「レーナ、最近付き合い悪いよ？」

レーナ「あっ、ドレスなら殿方を誘ったらどう？聞いたわよ？またお見合いしたんでしょ？」

アネット「あー、ロドルフね。結構可愛かったわよ」

レーナ「えっ、お相手を褒めるなんて、もしかして今度こそ…」

アネット「ないない。だって彼…」

アネット「５歳よ？」

レーナ「…」

アネット「いくらうちの財産が魅力的だからって、あんまりでしょう？」

レーナ「何で張ったの？今までのお見合い写真なんて…」

アネット「部下の遊び」

アネット「忘れないように…って」

アネット「レーナ、疲れてるんじゃないの？顏ひどいわよ？」

レーナ「そう…かしら…？」

アネット「パラレイドの使い過ぎよ。感覚の共有は、負担がかかるっていったでしょ？」

レーナ「今日は、たまたま明け方まで戦闘の分析してて…」

アネット「しつこい様だけど、エイティシックスなんかに尽くしても、何にもならないんだからね」

レーナ「…」

レーナ「む～～…」

シン『…なので、パーティーは別に行ってもいいのではありませんか？』

レーナ「でも、その時に襲撃があったらどうするんですか」

シン『何とでもなります』

レーナ「…」

レーナ「だいたい戦時中にパーティーだなんて…」

シン『壁の中で何をしていようと、こちらに影響はありません』

シン『敵情の分析はありがたいですが、少佐の私的な時間を占有してまですることではありません』

レーナ「ノウゼン大尉には、余計なことでしたか…？」

シン『いえ、大局を含めた俯瞰からの情報分析は貴重です。特に、敵部隊牽制の予測が正確ですから、随分助かっています。ありがとうございます』

レーナ「良かった…」

シン『ですが、そればかりにかまけている必要はありません』

レーナ「む…」

シン『あまり戦場に囚われ過ぎると、俺の様になりますよ』

レーナ「どう言う冗談ですか？それって。はぁ…、わかりました。精々楽しんでくるとします」

レーナ「くだらないパーティーとハイヒールとドレスの窮屈さを」

シン『フッ、革命祭ですか』

レーナ「何か覚えていますか？」

シン『花火を見た気がします。噴水のある庭園で宮殿前の…』

レーナ「宮殿…？」

レーナ「もしかして大尉、以前は第１区に？」

シン『はっきりとは覚えていませんが、恐らくは…』

レーナ「そうなんですね！」

シン『兄と行った記憶があります』

レーナ「すみません…、また余計なことを…」

シン『構いません。家族については、もう顔も声も思い出せませんから…』

レーナ「大きくなっているだろうと、懐かしがっていました。大切な家族だと思っているのがわかりました。お兄様は本当に帰りたがっていましたよ？」

レーナ「貴方の所に…」

シン『そうであればいいのですが…』

猫『ニャー』

レーナ「あの…大尉？今、哨戒行動中のはずですよね？」

レーナ「自室ですか…？」

シン『すみません･･･』

レーナ「もう…。貴方が必要ないと判断したのなら、それは尊重しますけど…」

シン『少佐は怒るかと思いました』

レーナ「そこまで堅物じゃありません」

男「ここなら誰も見えないって…」

女「え～？」

猫『ニャー！』

シン『あっ、こら。すみません、少佐』

シン『少佐』

レーナ「あ…」

レーナ「はぁ…はぁ…」

レーナ「何でもないです！そのっ、ホントに何でもないですから！」

＜ノイズの音＞

レーナ「っ！」

シン『少佐、戦闘準備に入ります』

レーナ「えっ…こちらでは何の警報も出ていませんが…」

シン『いいえ。レギオンが来ます』

ライデン『確認した。いつでも行ける』 

セオ『第三小隊…』

レーナ「ノウゼン大尉、どうしてレギオンの襲来がわかったのですか？哨戒には出ていなかったのに、あんなに早く…」

＜ノイズの音＞

レーナ「…！」

シン『少佐、パラレイドを切ってもらえませんか？』

レーナ「え？」

シン『今回は黒羊が多い。俺と同調しているのは危険です』

レーナ「黒羊…？」

シン『聞きたければ、後で説明します。同調を切って下さい』

レーナ「パラレイド無しでは、状況が確認できないでしょう。同調は切りません！」

シン『……。忠告はしましたよ』

レーナ「っ！アンダーテイカー！？」

レーナ「突出しすぎです！そのままでは包囲されて…」

『殺せ…』

レーナ「っ！？」

レーナ「何…？」

レーナ「ノイズ…じゃ…ない…？」

『殺せ…』『嫌だ…』『…』『…』

レーナ「あ…あ…」

レーナ「嫌ぁああああああ！！」

『少佐、逃げて少佐』

『切りますよ！？』

カイエ『死にたくない…』

レーナ「はっ…」

レーナ「カイエ…？」

レーナ「…」

レーナ「あの声…」

レーナ「…ッ」

『母さん』

『母さん母さん母さん母さん…』

『嫌だ…』

レーナ「嫌…何で…」

レーナ「はぁ…はぁ…」

レーナ「嫌っ！」

レーナ「ッ！！」

カイエ『死にたくないっ！！！』

レーナ「…」

レーナ「…」

レーナ「…」

『母さん…』

レーナ『何…ノイズ…じゃ…ない？』

『…』『…』『…』『…』

ライデン「今日は一段とうるさいなぁっ！」

『母さん…母さん…』『…』『…』『…』

ライデン「大丈夫かねぇ…」

レーナ『嫌ぁぁああああああっ！！』

シン「少佐！ミリーゼ少佐！」

シン「くっ」

レーナ『嫌…もうやめて…』

シン「切りますよ、少佐」

カイエ『死にたくない…』

シン「はっ…」

セオ「最悪…。今、カイエがいた」

ダイヤ「そんな…機体と一緒に逝けたんじゃねぇのかよ」

カイエ『死にたくない』

シン「ガンスリンガ―」

クレナ「！」

クレナ「了解…」

『死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない』

クレナ「目標撃破…」

シン「…」

ライデン「お疲れ」

シン「ありがとう」

ライデン「やっぱり今日のは全員気張ってたな」

シン「弔い合戦か」

ライデン「嫌だねぇ…」

ライデン「でも、流石に疲れてすぐに寝ちまうと思ったが…」

ライデン「案外寂しいのかね？」

シン「？」

ライデン「この時間、いつもなら…」

シン「ああ…」

ライデン「あの声を聞いた後、繋いできたハンドラーはいねぇ。また報告書書かないで良くなったな」

シン「…ええ。構いません」

シン「少佐」

ライデン「大したもんだ」

レーナ『今日は取り乱してしまい、すみませんでした…』

シン「いえ」

レーナ『大尉…、戦闘中に聞こえたあの声は…一体何ですか？』

シン「昔、死に底なった事がありまして…」

レーナ『え？』

シン「と言うよりも多分、その時俺は死んだんでしょうね」

シン「だから聞こえる。俺と同じ死んだくせに消えられない。あの亡霊の声が…」

レーナ『亡霊…？でも、あそこにいたのはレギオン…でしたよね？』 

 シン「彼らもまた亡霊でしょう。帝国の滅亡と共に、存在意義を無くした亡国の軍勢なのですから」

レーナ『つまり、貴方がたがレギオンの襲来を事前に察知できるのは…』

シン「ええ。彼らの声が、俺には聞こえるからです。近づいて来ればいつでも、寝ていたとしてもわかります」 

レーナ『待って下さい。いつも…今も、聞こえているのですか！？戦闘中だけでなく、常に…！？それに一体どれくらいの距離まで…』

クレナ「おやすみー！」

シン「正確にはわかりませんが、共和国の旧国境内にいるレギオンは、全て把握しています」

レーナ『辛く…ないのですか…？』

シン「慣れました。長い付き合いですから」

レーナ『いつから…。カイエ・タニヤ少尉の声が聞こえたのも、彼女が…その…亡霊になっていたからですか？』

レーナ『大尉…？』

シン「この戦争は、あと２年程で終わると共和国政府はそう予測していますね？」

レーナ『どうしてそれを…』

シン「セオが件の隊長から聞いていたので…。レギオンには、寿命が設定されていてその残り時間があと２年弱。そうですね？」

レーナ「ええ。生物の脳を模したレギオンの中央処理装置、その構造図はあと２年で使えなくなります」

シン「構造図が失われるなら、その前に別の構造図で大体すればいい。彼らはすぐ戦場に、いくらでもある材料で」

レーナ『まさか…』

シン「人間の脳です」

レーナ『っ…！』

シン「生物の中でも、特に発達した中枢神経系。共和国が葬ることを禁じたエイティシックスの戦死者の脳。脳そのものでは腐敗してしまいますし、同じ声のレギオンを複数確認してもいますので、正確にはその構造のコピーだと思いますが…」

レーナ『では…』

シン「多分、カイエもまだどこかにいます」

シン「だから、いわゆる魂とは違うのでしょう。元の人間の意識があるわけでも、意思の疎通が諮れるわけでもない。ただ死の瞬間の思考をコピーされただけの存在の残滓…」

シン「レギオンに住み着いた亡霊です」

レーナ『それが黒羊…』

シン「はい。白い羊の中に紛れる亡霊付きのブラックシープ。最も、今では黒羊の方が多いですが…」

シン「少佐。この戦争は貴方たちが負けます」

レーナ『え…どういうことですか…？』

シン「構造図を若くしたレギオンは、２年後も機能を停止しないでしょう。一方でエイティシックスはどうですか？今生き残っているのは、子供だけ。それもほぼ全てが戦場にいます」

シン「俺たちは、直に絶滅するでしょう」

シン「その時、貴方たちアルバは戦えますか？兵役も戦費の負担も、自分以外の誰かに押し付ける事を覚えてしまった貴方たちが…」

レーナ『それは…』

シン「できないでしょう」

レーナ『ですが、レギオンの数は減少しています！数年前から比べれば、もう半分近くにも…』

シン「観測できる範囲では…でしょ？」

レーナ『…っ！』

シン「確かに、貴方たちが把握してるレギオンの数は減っています。しかし、それは後方に控える数を増やしているからに過ぎません」

レーナ『戦力の温存と増強…？信じられません…。レギオンにそんな知能が…』

シン「ないはずだった。それがもう一つの敗因です」

レーナ『それは…』

シン「レギオンが手に入れる戦死者の頭部は、少なからず損傷しています。それでも尚、黒羊は通常のレギオンよりも高い処理能力を得る。では、もし彼らが損傷のない脳を手に入れたら…」

レーナ『そんな事が…』

シン「本来命令を受けて動くだけのレギオンを統率し、導く亡霊たちの指揮官を俺たちは羊飼いと呼んでいますが、彼らが指揮する軍勢は、そうでないものとは比べ物にならないほど手ごわいです」

レーナ『待って下さい！過程ではなく、既に実在しているのですかっ！？まさかその声も…』

シン「聞こえています。指揮官である彼らの声は、よく通りますから」

シン「そう…。この第１戦区の奥にも一機います」

レーナ『でも、共和国が滅びると言っても、それは何年か後に貴方たちが全滅してしまってからのお話しですよね？』

シン「そうなりますね…」

レーナ『それなら、その前にレギオンを壊滅させてしまえばいい。勝ちましょう。私も一緒に…』

レーナ『いえ…私も全力を尽くします。敵情の分析も作戦の構築も、私にできることは全て…』

レーナ『ノウゼン大尉、今年で任期満了なのでしょう？だから、それまでに勝利して生き残りましょう。お互いに…』

シン「そうですね…。そろそろいいですか？もう消灯時間です」

レーナ『すみません…遅くまで…』

レーナ『おやすみなさい』

レイ「お前のせいだ！！」

シン「もうすぐ逝ける…」

シン「兄さん…」