【感想】 アニメ『ひぐらしのなく頃に業』 7話 綿流し編との違いが続出する凄い展開になってきた 梨花ちゃん何やってるの！？

圭一「暗いな」

圭一「ん？これ…」

詩音「駄目ですっ！」

圭一「あ…」

詩音「駄目です、圭ちゃん。灯りなんかつけたらばれちゃうかもしれないじゃないですか」

圭一「す、すまん…」

鷹野「大丈夫よ。みんな梨花ちゃんの奉納演舞に夢中で気づくわけないわ」

鷹野「これが雛見沢の守り神、オヤシロ様よ」

圭一「これが…」

詩音「社にあるものよりずっと立派ですね」

鷹野「想像していたより沢山の祭具が収められてる様ね」

圭一「でもこれって、祭具って言うより大工道具？」

鷹野「ウフフ、前原君はよくわかってないみたいね」

圭一「え…はい」

鷹野「じゃあ、昔話でも聞かせてあげようかしら？」

圭一「…？」

鷹野「昔々、ある山奥に飲み込まれれば、そのまま黄泉の底まで沈んでいくと伝えられる底なしの沼があったの。その名を鬼が淵と言う」

圭一「あれ？…ってことは、その村が雛見沢ですか？」

鷹野「察しがいいわねぇ」

圭一「鬼が淵…。物騒な響きのある名前だな」

詩音「明治の頃に今の名前に改称されたって聞きました」

鷹野「ある日の事、沼の底から鬼たちが次々に現れ、村人たちに容赦なく襲い掛かったの」

鷹野「村人たちは怯えて逃げまどうだけ。ただ身を隠し、震える事しかできなかった」

鷹野「誰しもが諦めた時、神様が…オヤシロ様が降臨した」

圭一「なるほど。つまり天からやって来たオヤシロ様が、鬼たちをやっつけるわけですか」

詩音「圭ちゃんは男の子ですねー。すぐに腕力で解決する方に走るんですから」

鷹野「オヤシロ様はね、暴力的な神様じゃなく、もっと優しい慈愛のある神様だったの」

鷹野「鬼たちは戦うまでもなく、オヤシロ様の意向に平伏したの。そして神様は、鬼たちが村人と分け隔てなく暮らせるよう人間の姿を与えたんですって」

鷹野「人と鬼との混血が進み、仙人と呼ばれる存在となった彼らは、麓の人々に崇められながらひっそりと隠れる様に暮らしたそうよ」

圭一「変わった昔話ですね」

鷹野「うふ、そうでしょう？さて、いよいよここからよー？面白くなるのは…」

鷹野「村人たちを襲った鬼なんだけど、鬼は鬼でも人食い鬼だって言われてるの」

圭一「え？」

鷹野「鬼の血は、村人たちに脈々と受け継がれ、どうしても人肉が食べたくて仕方がなくなる醜魏があるんですって」

圭一「…っ」

鷹野「だから、彼らはその度に人里に降り、鬼隠しをしたと伝えられてるわ」

圭一「鬼隠し…？」

鷹野「平たく言えば誘拐行為よ。鬼が淵村の村人たちが人里に押し寄せ、生贄を攫ったんですって」

圭一「それじゃあ鬼と変わらないじゃないですか。オヤシロ様はどうしたんです？」

鷹野「ウフ…オヤシロ様も了承してたそうよー？だから鬼隠しは無差別ではなく、神様が決めた生贄以外には誰も攫わなかったらしいし」

鷹野「そうして生贄を攫ってきた夜にはね、哀れな犠牲者を美味しく頂くため、綿流しの儀式が開かれたと言うわ」

圭一「綿流し…」

圭一「綿流しは、冬の間に使った布団なんかに感謝をするお祭りじゃなかったんですか？」

詩音「圭ちゃん。はらわたって言います。臓物の事…」

圭一「わた…。そういえば言うな。魚のわたって言う…」

圭一「腸流し…」

鷹野「そう。前原君の想像している通りよ」

鷹野「今でこそ綿流しは、毎年6月に行われるちょっと早い夏祭りに過ぎないけど、昔は違った。哀れな食材を拾ってきた夜にだけ開かれ凄惨な人食いの宴のことだったの」

圭一「嘘だぁぁ！！」

鷹野「綿が詰まった布団って、何を意味してると思うかしら？」

圭一「布団は布団だろ！寝るための道具だよ！」

鷹野「綿が、はらわたを意味するものなのだとしたら？」

鷹野「梨花ちゃんが奉納演舞で何をしていたか。わかってこない？」

圭一「っ！」

圭一「わからねぇよ！第一、梨花ちゃんの演舞はちゃんと見れてないし」

詩音「しー…、圭ちゃんエキサイトしすぎです」

鷹野「梨花ちゃんが持っていた祭事用の鍬…」

圭一「この歪な形をした道具類は、解剖道具…という事か」

鷹野「もっと怖い言い方をするなら、調理道具と言ったところかしらね」

圭一「…っ！」

詩音「鷹野さん。圭ちゃん、ナイーブなんですからあまりからかわないで下さい」

鷹野「ごめんなさい。男の子だからショッキングな話は結構好きかと思って」

詩音「はぁ…」

詩音「っ！」

圭一「何やってるんだよ、詩音！」

詩音「わ、私は少し触っただけで…！別に何も…！」

鷹野「二人とも落ち着いて」

富竹「どうしたんだい？一体…」

富竹「確かに詩音ちゃんの言う通り最初から割れていたみたいだね」

詩音「はぁ…これで大丈夫」

鷹野「次郎さんも中が見たくて我慢できなくなったのかと思ったわー？」

富竹「あはは。僕は生来ね、こういうのは苦手なんだ。それよりみんな沢の方に降りていったよ？」

鷹野「あら、いけない」

鷹野「表で少し待っててくれるかしら？私は写真を撮って行くから」

富竹「圭一君たちはどうする？」

圭一「もう十分見ましたので…」

富竹「どうだい？面白かったかい？」

圭一「富竹さんと一緒に留守番をしていればよかったです」

富竹「あはは。鷹野さんはおとなしく見物してたかなー？」

富竹「宝の山を前にさぞや興奮してたんじゃないかと思ってね？」

圭一「あはは…」

詩音「確かに興奮してましたね」

鷹野「お待たせ」

鷹野「十分に知的好奇心が満たせたわ。これまでの仮説が一気に現実になったんだから」

富竹「鷹野さん」

鷹野「ん？」

富竹「何も持ち出してないだろうね？」

鷹野「失礼ね～。そこまで子供じゃないつもりよー？」

富竹「よし。僕たちも沢に行こう。綿を流すところくらいやらないとお祭りに来た意味がないよ」

圭一「わたを流す…」

富竹「まずったなー。綿流しの一番いいところを撮影し損ねたよ」

鷹野「あら…、まだ遅くないわよ？」

鷹野「私を撮っては下さらないのかしら」

富竹「え…ああ…。僕たちは、今からでも沢に行ってみるよ」

富竹「君たちも一緒に来るかい？」

鷹野「……」

圭一「まさか。お二人の邪魔なんて出来ませんよ」

詩音「どうぞごゆっくり」

富竹「？」

鷹野「若い子たちに気を遣わせちゃ駄目でしょ？行きましょ、ジロウさん」

富竹「うん…」

鷹野「じゃーねー」

詩音「ん～…っ」

詩音「何だか疲れちゃいました」

圭一「同感だな 」

詩音「お姉達が探しているかもしれませんから、圭ちゃんは行って下さい」

圭一「ああ…そうだな」

詩音「私が圭ちゃんを独占していたことがバレると、色々うるさいんで今夜の事は秘密にしといてくださいね」

圭一「何だか恥ずかしくなるような事を言うな」

詩音「そういう意味だけじゃないですよ」

圭一「え？」

詩音「今夜、私たちがしたことを秘密にするのは当然です。今夜起こるかもしれないオヤシロ様の崇り…」

詩音「私達4人、犠牲者の最有力候補なんですから」

圭一「っ！」

詩音「な～んて。冗談ですよっ！」

詩音「ウフフフ」

圭一「あ、あはは…。そうだよな！鷹野さんが変な話するから、ちょっとビビっちまったぜー」

詩音「じゃあ私は、お姉に出くわす前に退散しますね」

梨花「圭一～！み～！」

圭一「うぉぉぉ！」

圭一「な、なんだ…梨花ちゃんか」

梨花「にぱー☆」

魅音「やっと見つけた。あとは沙都子かー」

レナ「今年はみんなはぐれちゃったねー。はぅー」

梨花「圭一も僕の演舞、ちゃんと応援してくれましたですか？」

圭一「ん？あ…ああ。ちゃんと見てたぜ？最後まで頑張ったな」

圭一「ミスも無かったし」

レナ・魅音「え…」

梨花「みぃ…」

レナ「そうだよ、梨花ちゃん。あんなのミスの内に入らないよー」

圭一「ぁ…」

魅音「圭ちゃんはやった？綿を貰って沢に流した？」

圭一「え…いや…」

レナ「あれ～、そうなの？圭一君、早くいかないと終わっちゃうよ？終わっちゃうよ？」

圭一「ご、ごめん。初めてのお祭りだからさ、よくルールがわからなくて…」

魅音「そうだったね…。ごめん…」

魅音「行こ…」

圭一「お、おお…」

魅音「ねぇ、圭ちゃん…」

圭一「何だよ？」

魅音「詩音には会わなかった？」

圭一「あ…。い、いや…姿を見たような…？でも、魅音とそっくりだからな。魅音だったのかもしれないし…」

魅音「そんなに間違えないでしょ。服装だって違うんだから」

圭一「そ、そうだよな…」

魅音「じゃあ…」

魅音「鷹野さんと富竹さんに会わなかった？」

圭一「…ッ！」

圭一「あ…、会って…、ないよ…」

＜車のクラクション音＞

圭一「ん？」

大石「いやぁ」

大石「呼び止めてしまってすみません」

圭一「俺に何か様ですか？」

大石「連れないですねー。たまたま姿が見えたので、少し世間話でもと思ったんですが―？」

圭一「はぁ…？」

大石「それにしても前原さん、園崎のご令嬢とあれだけ親しくできるなんて中々の大物ですねー」

圭一「ん？ありがとうございます…」

大石「ご存じでしたかー？お二人のお父さんがこの一帯を牛耳るヤクザ屋さん…園崎組の親分さんだと」

圭一「え？」

大石「おやぁ、ご存じありませんでしたか。園崎家は高い塀に有刺鉄線と監視カメラに守られた典型的な組長宅なんですよー？」

圭一「じゃあ、いずれは魅音がその跡継ぎに…？」

大石「ええ、彼女がその気になれば往来の真ん中で人殺しをしたって、もみ消せちゃうかもしれないんです」

圭一「魅音は人殺しなんて…っ！」

大石「はっはっはっは…。ものの例えですよ」

圭一「魅音の家がなんだろうと、魅音は俺の誇れる最高の友人です。もういいですか？」

圭一「失礼します…」

圭一「っ！」

大石「おーっとっと…、ちょっと質問に答えて下さいませんかねー？」

圭一「何です？」

大石「今晩、富竹ジロウさん・鷹野三四さんにお会いしませんでしたか？」

圭一「な…。さ、さあ…どうでしょう？」

大石「あれぇ～？記憶が曖昧ですか～？」

圭一「は、はい…」

大石「そうですか。それではそろそろ失礼させて頂きますよ～」

大石「あー、参考までに…。今晩二人にお会いしてますよー。園崎詩音さんと4人で楽しそうに歩いてたじゃないですかー？」

圭一「！！」

大石「ではまたお会いしましょう」

圭一「どうした？こんな時間に…」

詩音「お姉を上手く誤魔化せたかなーと心配になりまして」

圭一「梨花ちゃんの演舞を見てなかったのが、バレそうになった時はヒヤッとしたけど、まぁ何とかなったぜ？」

詩音「ウフフ、さすが圭ちゃん」

圭一「うるせぇ、詩音！」

詩音「それから、あの…ちょっと確認したい事があるんですが…」

圭一「…なんだよ？」

詩音「あの…今晩の綿流しのお祭りの時に、私達4人入ったじゃないですか？」

圭一「…」

詩音「それで、そのあとみんなで石段の辺りで別れましたよね？」

圭一「ああ、それがどうした…？」

詩音「その後、鷹野さんと富竹さんに会いませんでした？」

圭一「な、何でだよっ！？何でみんなそんな事聞くんだよっ！！」

圭一「詩音はどうなんだよ！会ったのか！？」

詩音「圭ちゃん、落ち着いて。実は…」

詩音「二人が行方不明なんです」

圭一「え…」

詩音「二人が連続怪死事件の犠牲者になったんじゃないかって…」

圭一「何だって…」

詩音「園崎家には警察内部の動きも伝わってくるんです」

詩音「その情報によると、二人が祭りの関係者の駐車場から軽トラを奪って走り去る姿が目撃されてるようです。自分の車や自転車を残したまま」

詩音「警察はそれほどまでに早急に村を離れたのは、身に危険が迫っていたからじゃないかと考えているようです」

圭一「どういう事だよ？」

詩音「つまり、オヤシロ様の崇りに襲わたんじゃないかと」

圭一「…っ」

詩音「二人が狙われていたとしたら、その理由は明白です」

詩音「祭具殿に忍び込んで、オヤシロ様の首を落すという罰当たりまでやっています」

圭一「じゃあ俺たちも狙われるってのか？」

詩音「そうです」

圭一「確かに入っちゃいけない所だったかもしれないが、見ただけだぜ？」

圭一「第一、俺あんなの見ても全然面白くなかったし！」

圭一「俺、元々全然興味なんかなかったんだ！梨花ちゃんの演舞を見ていたかっただけなんだ！！」

圭一「それを詩音が勝手に連れ出したんじゃないかっ！何でっ、よりにもよって綿流しの日に祭具殿に忍び込もうだなんて言いだしたんだよ！！？」

詩音「ごめんなさい。まさかこんなことになるなんて思ってなくて…」

圭一「俺は全然関係ないんだぞ！どうすんだよ！どうすんだよ！どうやって責任とってくれるんだよ！ええ！？」

圭一「おい、聞いてんのか！？」

＜電話の切れる音…＞

圭一「まさか本当に崇りが起きたっていうのかよ…」

圭一「ぅぅ…」

圭一「詩音…」

レナ「圭一くーん！おっはよー！あれ～…、圭一くん目が真っ赤だよ～？」

圭一「どういうわけか寝付きが悪くてな」

レナ「昨日のお祭りは楽しかったねー」

魅音「よ！」

レナ「おはよー！あれれ、ミーちゃんも何だか寝不足な感じだよ？だよ？」

魅音「寝たの3時くらいだからねー。眠い」

圭一「3時？夜ふかしも限度ってもんがあるぞ」

レナ・魅音「…」

レナ「ひょっとして村長さんまだ見つかってないの？」

魅音「ん…」

圭一「おい、ちょっと待ってくれ…」

圭一「何の話だ？」

知恵先生「皆さんも既に聞いているかもしれませんが、公由村長の行方が昨日からわかっていないようです」

生徒「鬼隠しじゃないの？」

生徒「でも、今年は崇りが起きてないんじゃ…」

知恵先生「もし村長さんを見かけた人は、大人の人に教えてあげてくださいね。それから登下校は必ず団体行動で…」

沙都子「ヒャハハ、こっちこっちー」

圭一「どうして村長が…。鬼隠しに遭うのが俺か詩音の番なのに…」

梨花「圭一、元気がないのですよー？」

圭一「梨花ちゃん… 」

梨花「昨日の夜、何か悪い事をしましたかー？」

圭一「ぅ…」

梨花「圭一。本当に覚えはありませんかー？」

圭一「これは猫の話なんだけど…」

梨花「猫さん？にゃーにゃーですか？」

圭一「お祭りの晩に4匹の悪い猫が、絶対に入っちゃいけないと言われてる倉庫に忍び込んだんだ」

圭一「中には猫が怖がるのがたくさんあって、見たものは呪われてしまうらしくて、二匹は行方不明になっちゃったらしいんだ。なあ、梨花ちゃん。残りの二匹はどうすればいと思う？」

梨花「ふふふふ…」

圭一「っ！」

梨花「そんな間抜けな例え話をしてくるとは思わなかった」

梨花「いいのよ、別に…。アンタは何も心配しなくて」

圭一「え…？」

梨花「アタシの奉納演舞を大人しく見ていれば良かったのにね。ダメよ。入っちゃいけない場所に。それも…」

梨花「綿流しの日に入っちゃうなんて」

圭一「何でっ、それを…！」

梨花「富竹の死体がまだ見つかってないのは珍しいけれど、あの二人はもう死んでいるわ」

梨花「詩音はまだ生きているはず」

圭一「な、何を言ってるんだ！？梨花ちゃん…」

梨花「最もアンタにとって、それが幸運なことかどうかは知らないけれど…。ウフフ…ハハハハ…」

沙都子「圭一さん、そんなとこで油を売ってる暇があったら、さっさとそのボールを拾って緊急参加ですわよ？」

沙都子「有刺鉄線電流爆破爆竜殺人旋風機ドッチボールですわっ！」

圭一「あ、ああ…」

梨花「圭一」

圭一「あ…」

梨花「行って遊ぶといいのですよ？」

圭一「……」