【ウマ娘】ハルウララでの有馬制覇を目指すストーリー【SS】

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1: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:29:56
「うわああああああああああん!!ああああああああん!!!」


ウララの涙、中山のパドックで何度も見てきた光景。
何度目か知れぬこの光景に、薄い瘡蓋が覆われ始めていた俺の心がまた深く抉られる。
この傷を消してはならぬと責めたてるように。


「あああああ!!ああああーーー……!!」


いつか。
いつか、この涙を笑顔に変えるために。
あらゆる理不尽をねじ伏せて、俺はまた世界線を超えていく。
2: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:30:23

――
―――


自分が世界の理から外れたと知ったのは、初めて担当となったウマ娘、サイレンススズカが秋の天皇賞で勝利した後。
その後に続いた記念レースのURAでは、惜しくも準決勝敗退。
だが、新人トレーナーとしては誇れる成績でもあった。


「負けて、仕舞い…ましたね」


スズカの言葉に、すまない、と謝意を述べ。
気にしないでください、と彼女が笑う。
3: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:30:51
…もちろん、勝ちたかった。
勝ちたかったけれども、この成績でも十分な成果。
それに、彼女の脚はいまだ健在。
一時期の不調も乗り越えて、これからいくらでも先頭の景色を見ることができるはずだ。

『これからも、頑張ろうな』

そう、お互いに笑顔で話しながら、土手を歩く。
これから先も、ずっと、彼女と共に歩んでいきたい……そんな、トレーナーらしからぬ思いも芽生えた、

その時だ。


不意に視界がぼやけた。
4: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:31:33
眩暈かな、と思ったがどうやらそうではないらしい。
いや、それどころではないらしい。

スズカが、こちらをどうしました?と言いたそうに見ている…が、違和感はさらに強まって。
そして、ふと気が抜けると、まるで幽体離脱でもしたかのように、自分とスズカの姿が視界に写った。

…まさか?突然死?
そんな思いが脳裏をよぎるが……目の前の、視界の中の自分は、「なんでもないよ」とスズカに言う。
びっくりしましたよ、私が脚に不安があった時みたいな顔でしたから、とスズカが返す。
5: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:31:53
笑い合う自分とスズカの姿。
それを眺める自分の意識。
そしてその意識すら薄れていき─────

───気が付くと、3年前の。
新人トレーナーである自分が、担当ウマ娘を決める場面に、戻っていた。
6: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:32:09
慌てた。
当然慌てた。
タイムスリップにしては、唐突が過ぎるし、また突然がすぎる。
スズカと共に歩みだした自分と、こうして3年前に戻っている自分の意識。
まるで、昔見たアニメのような、世界線を超えたような光景に……恐怖と、動揺が走った。

「…あら〜?どうしました、トレーナーさん?顔色が悪いですよ〜?」

そんな自分に、声をかけてきたウマ娘がいた。
彼女は青いドレスを身に纏い、豊満な胸に心配そうに手を当てて、こちらの顔を覗き込んできた。
スーパークリークだ。
7: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:32:37
名前は当然知っていた。彼女もまた、才能あふれる注目のウマ娘だからだ。
そんな子が、とても心配そうにこちらを見てくる。3年前に戻った自分を。

ああ、いや。と空返事を返した。
…詳細など、説明しても頭のおかしい人としか見られまい。
努めて冷静になろうとしながら、動揺を隠せぬ顔をクリークに向けた。

「…あら〜、あらあらあら〜♪」

どうやらその顔がクリークのどこかに突き刺さったらしい。
この人にします〜、と間延びした声で言ったクリークは、自分を担当のトレーナーとしてしまった。

これが、自分の記憶の中で二人目のウマ娘の育成だ。
ただし、他の新人トレーナーと違い、自分にはスズカと共に過ごした3年間の経験がある。
長距離を得意とする彼女の育成に多少の違和感は在れども、コツはつかんだ状態だ。
8: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:32:56
途中で、クリークの原因不明の不調などもあったが、それらも乗り越えて、クリークは見事有馬記念で1位を修めた。
その勢いのまま、長距離となったURAの舞台では、まさかの優勝。
新人トレーナーの快挙。スーパークリークの快挙。
クリークがURAを優勝したときの光景は、これからどんなに世界線を跨ごうとも、忘れることはないだろう。

…そう。
また、世界を跨いだ。

スズカの時と同じだ。
URA優勝後に、彼女と土手を歩きながら今後について話していると…また、視界がぼやけ始めた。
何もかも焼き増しだ。
目の前に、自分の意識で眺める自分とクリークが、談笑しながら歩き去っていく姿。
それを見送りつつも……また、自分の意識は3年前に。
9: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:33:27
世界で俺の意識だけが何度もループする。
いや、コピーしているのか?スズカと、クリークとともに、その先を歩く自分もいて。

何かの呪いだろうか。
スズカを育てていた時に、マチカネフクキタルの崇めるシラオキ様の像を誤って壊してしまったのが原因だろうか。

ただ、そんなまき直しも、3度、4度と続けば……慣れる。
慣れたのだ。
常人では発狂してしまいかねないこんな状況に、しかし自分は救いがあった。
10: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:33:41
それは、担当するウマ娘たちの笑顔。
色んなウマ娘たちが、色んなレースに出て、色んな笑顔を見せてくれる。
そして、意識は分かれども…彼女たちと、共に先を歩いて行く自分もまた、確かに存在している。

ならば、これも悪くはないだろう。
3年という永遠の牢獄にとらわれる、1/2の自分。
手塚治虫の八百比丘尼の話のような、限られた時間を永遠に繰り返し、しかし満足を得るこの感触。
悪くは、ない。
11: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:33:52
その後、色んなウマ娘の担当となった。

ゴールドシップ。
ウマ娘にも色んな奴がいるのだと知った。ただ、彼女とバカをしていた時間は、かけがえのないものだった。

スペシャルウィーク。
彼女の前向きで、優しく、朗らかで…そして、レースではその意思が力を持つかのように勝利を求める光景に、流星の煌きを見た。

メジロマックイーン。
彼女の誇り高く輝く姿に見惚れた。メジロ家の当主として、そしてライバルに打ち勝つ強さを見て、その強さに退屈すら覚えた。

ナイスネイチャ。
彼女の抱えるコンプレックスを払拭するために、二人三脚で挑んだ。手作りしたメダルの数と、彼女の勝利への想いは、きっと忘れることはない。
12: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:34:18
他にも、色んな脚質の、色んな距離適性の、色んな性格のウマ娘たちを担当した。
3年間、付きっ切りで彼女たちが求める勝利の景色を見せるために、微力ながら、全身全霊でトレーニングを組んだ。
URAにも、それぞれの適性に合う距離のレースで、何度も優勝させてやることができた。

自分の肩書は、相変わらず新人トレーナーだが。
経験だけは、どんなトレーナーよりも多く。
そして、ウマ娘たちの性格や特技も知っている。
今ならどんなウマ娘だって、レースで勝たせて、笑顔にしてやれるだろう。

そんな、ガラス細工の虚構の自信が組みあがったころ。
また新しく、初めて担当になるウマ娘の育成を始めた。

「ハルウララ、がんばりまーす!!」
13: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:34:39
彼女の名前はハルウララ。
優しい名前と、優しい心を持った、小さなウマ娘だった。

他のウマ娘を育てている時から、彼女に興味は持っていた。
彼女はトレセンにいるウマ娘の中ではとても珍しく、芝のコースを苦手としている。
半面、ダートは得意なようで、オグリキャップやエルコンドルパサー、タイキシャトルを担当している時にマイル以下のダートレースで姿を見かけた。
恐らくは、短距離〜マイルくらいの距離を得意としているのだろう。
小さな体をいっぱいに使って走り、たとえ負けても楽しそうに観客席に手を振る彼女は、とても明るい子だった。
14: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:34:54
ただ、その頃から感じていた雰囲気。
負けても、笑顔で観客席に手を振れるその心。
…そう、手を振れてしまう。
つまりは、負けることが彼女の中では織り込み済みの事実だということ。

…諦め癖が、ついてしまっている。
他のウマ娘を担当していた時のウララに対する自分の感想は、それだった。


だが。
今の自分なら、彼女を勝たせてやれる。
15: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:35:11
短距離のレースの勝ち方なら、サクラバクシンオーに厭というほど教えられた。
ダートの勝ち方なら、エル、オグリ、タイキに圧倒的なパワーと共に教えられた。

勝たせてやることができるはずだ。
練習が嫌いな様子はないし、走ること自体はとても楽しいというウララなら。
絶対に勝てると。
そして、さらに咲き誇る笑顔を、見せてくれると。


そう、思っていた。
16: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:35:28
「ウララね、有馬記念の一着をトレーナーにプレゼントするんだ!!」


脳髄が焼かれる様な、一言。
まるで呪いだ。
呪いの祝詞だ。


この一言。
この一言を、聞いてしまったがために。
俺は、自分自身を永遠に許せなくなってしまった。
17: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:35:45
初めて担当になって、いくつものダートレースで勝利を重ねてきた。
無論、差し戦法での勝負に絶対はない。
何回か1着を逃す事はあったが、それでもG?以上の重賞レースで一着を取ったこともある。
とても順調に彼女は育っていると、そう思っていた。

人気も着実に上がっていき、後援会ができるほどになっていた。
色んなひと悶着もあれど、出走したいと言っていた有馬記念に出られるようになり、順風満帆。
勝てるとは思っていないけれど、記念のレースだ。
ウララも、出走して大観衆の前で走ることで喜んでくれるだろう。

そんな無責任な考えが、一瞬で打ち砕かれた瞬間だった。
18: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:36:08
「だって、ウララが勝てば、後援会のみんなも、トレーナーも、よろこんでくれるもんね!」


この一言に、数拍の間を開けてから、

『……ああ!』

乾いた返事を返した。
無理だ。
19: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:36:24
俺にはわかってしまっている。他のウマ娘の速さが。
何度も、何度も他のウマ娘を育ててきたから。
シニアの有馬に出走するウマ娘たちの、仕上がり具合が分かるから。

俺にはわかってしまっている。ウララが長距離と芝のレースを大の苦手としていることが。
ダートなら、短距離やマイルなら勝機はある。
だが、芝は…長距離は、無理だ。


俺には、わかってしまっている。
ウララは、どうやっても、勝てないと。
20: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:36:44
それでも。
それでも、ウララに初めて芽生えたこの気持ちに、無理だとは返せなかった。

『ああ。ウララなら、きっと勝てるさ』

そう答えた。

そう答えた自分の言葉に、責任を持たなくてはいけない。
何度も繰り返す自分だからこそ持てる責任を。

零してはならない。弱音を。
諦めてはならない。勝利を。
逃げてはならない。この、うららかな笑顔から。
21: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:37:05
正面から、向き合うのだ。
この、涙から。

「うわああああん!!ああぁぁーーーん!!!」

慟哭が中山レース場のパドックに響く。
そこは、レースを終えたウマ娘たちを出迎える場所。
これまでに、クリーク、ゴルシ、スペ、マックイーン、ネイチャ、タキオン、ルドルフ、エル…数えきれないくらいの、ウマ娘たちを迎えて。
そして、笑顔と共に、勝利の喜びを分かち合っていた、その場所で。

「あぁぁーーーーん!!うわぁぁーーーーーーーん!!!」

桜色の瞳から大粒の涙が零れる光景に、俺は声が出せないでいた。
22: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:37:15
経験豊富な新人トレーナー?
どんなウマ娘も笑顔にできる?
有馬記念への記念出走で、喜ぶだろう?


───死んでしまえ。
こんな、浅学菲才の、無責任なトレーナーなど。


言葉が出なかった。
ただ、夜露の下たる桜の花びらを、そっと抱きしめることしかできなかった。
23: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:37:25
……弱い。
俺は、弱い。
担当するウマ娘の、天真爛漫な彼女の。
ウララのたった一つの望みを、叶えてやれないほどに、俺は弱い。


その慟哭を聞いて以来。
有馬記念でウララを勝たせるために、己のすべてを賭けることを決意した。


何度、この3年間を繰り返すことになろうとも。
きっといつか、君を笑顔にしてみせる。
24: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:38:59
おい
その先は地獄だぞ
25: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:39:59
またあのトレーナーループしてる…
29: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:41:07
タキオンにスカウトされそうなくらい瞳が狂気に満ちてそうなトレーナーだ
31: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:41:41
ウララを背負って地獄を歩くのいい…
32: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:41:45

――
―――

『さあ間もなく始まります有馬記念!注目のウマ娘たちはどのようなレースを見せるのか!』

……もはや聞き慣れたアナウンスが場内に流れる。
何度目だろう?数えることすら忘れてしまっていた。
長距離を得意とするスーパースターのウマ娘たちが並び立ちパドックを歩く。

その中に、自分の愛バがいる。
実力は疑問視されていようとも、圧倒的なファン人気を誇り、ファン投票でその席を獲得したウマ娘。
本日4番人気。

ハルウララだ。
33: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:42:17
「すぅー………ふぅー………よーっし!がんばるぞー!!おー!!!」

緊張を隠せない中で、それでも努めて落ち着いて、ゲートに入るウララ。

やれることはすべてやった。
今回が。
今回の世界線が、ウララにしてやれる、すべてだと思った。

何度もトライアンドエラーを繰り返した。
そのたびに、ウララの涙を見てきた。
そのたびに、次こそは必ずと。
34: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:42:25
狩人の夢みてえだ
35: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:42:35
距離適性さえ何とかすれば有馬は希望がある
36: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:42:57
思いが褪せることはなかった。
願いが届いたこともなかった。

思いだけでは勝つことはできない。
願いだけでは勝つことはできない。
だから積み上げた。勝つための全て。

……だから、もう自分ができることは何もない。
ただ、この中山レース場の短い直線の先で。
ウララが、一番にゴールするのを、待つのみだ。
37: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:43:14
もう自分にできることは終わっている。
彼女がどのようなレースを見せてくれるか、それだけを。
俺が、ウララが、この日のために……積み上げたすべてを、見守るだけだ。
38: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:43:18
ウワーッ!超大作の予感!!
39: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:43:34

――
―――

「うーん、気合入ってるねぇ〜、ウララちゃん」

セイウンスカイは、自分より先にゲートに入るハルウララの背中を眺めて、そう呟いた。

ハルウララとは学友だ。
スペちゃんやグラスちゃん、エルちゃんと一緒に、よく話したり遊んだりする仲だ。
仲が良いと言っていいだろう。

ただ、そんなセイウンスカイでも、今この有馬のレース場に、ハルウララが立っていることに違和感を隠し切れなかった。
40: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:43:49
「ファン投票ねぇ……」

本人に聞こえぬように、皮肉を零す。
酷なファンもいたものだ。
セイウンスカイは、レース場の一角、スタンドで『ウララちゃんがんばれ!!』と横断幕を張っているほうに目を向けて、小さくため息をついた。

勘違いしないでほしいが、ハルウララが弱いとは欠片も思っていない。
彼女がこの3年間、いくつもの重賞レースで好成績を収め、時にはぶっちぎりでの1位を取っていることも知っている。
そう、彼女は決して人気と明るさだけが取り柄のウマ娘ではないのだ。
速く走れる脚を持っている。
なんなら、自分だって勝てないと思うことだってあるさ。

―――それが、ダートのレース場で、マイル以下の距離なら、だけど。
41: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:44:05
「……厳しいよねぇ」

中山レース場、芝の長距離2,500m。
中距離レースをさらに100mだけ長くしたこのレース場が、どれだけウマ娘にとってハードルが上がるか。
多少レースを齧ったファンならわかることだろう。しかも芝のコースだ。
ハルウララが好走を見せるには、あまりにも厳しい条件がそろっている。

友達として応援したい気持ちもあるが、厳しいだろう。
記念出走。
であれば、せめて一緒に走る相手として。
僅かたりとも気を抜かずに、そして一着を取るのが友情ってものだ。
42: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:44:18
「ま、レースに絶対は無いって言うけどね───」

自分もゲートに入場し、息を整え、よいスタートを切れるように集中する。
長距離で逃げで走るためには、スタートが重要だ。
今回は他に逃げウマ娘もいないし、一人旅でレースの流れを作れれば……勝機は、ある。

「……勝つぞぉ…!」

セイウンスカイは改めて、勝利に向けて引き搾られる己が心の弓に、矢をつがえた。
43: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:44:33
「ふむ…」

ゲートの中、隣に並ぶハルウララに、ちらりと目を向けるシンボリルドルフ。
彼女もまた、この有馬記念に出走する一人。
一位を狙う、一番人気のウマ娘だ。

(ハルウララ…ダートと短距離に適性のある彼女と、戦うことになろうとはな…)

レースのファン投票枠がある以上、こういったことも起きるだろう。
それだけハルウララが世間的に人気を集めているということの裏返しでもある。
トレセンの会長としては、喜ばしいで話ではある。
44: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:44:40
もしかして有馬突破したの!?
すげーな
45: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:45:00
確かに彼女が懸命に走る姿は、人の心をつかんで離さない。
ダートレースでの彼女の差しきる最後の伸びは、私でも心振るわせるものがある。

同じレースで自分が走っていれば、結果はどうだっただろうか?
…いや、ダートなど練習でしか走ったことがない。短距離も得意ではない。
恐らくは後方にポツンと一人シンボリルドルフ、などという不名誉な実況を得られることだろう。
得難い経験になるかもしれない。

(だが、まぁ………)

だが。
ここは、有馬だ。
46: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:45:15
(レースに絶対はない…が、より気を付けるべき相手が別にいるのは確か、だな)

逃げの新星、セイウンスカイ。
差しの鋭い切れ味、グラスワンダー。
そして、

(ブライアン……君にだけは、負けたくないな)

逆隣り、黒い長髪をゲートに巻き込まぬように気をつけながら、スタートの時を今か今かと待つナリタブライアン。
恐らくは、この辺りの有力馬と、最後の直線で勝負になるだろう。

(………皇帝の神威を見せてやろう)

勝利を見据えて、前だけを見つめるシンボリルドルフ。
その視界には、勝利を初めて求めて輝く桜色の煌きは、入っていなかった。
48: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:46:43

――
―――

―――なんだかとっても、しずかだな。
そんな気持ちになった。

レースのまえって、ふだんならもっとドキドキーってして、ワクワクーってして。
そして、めのまえに茶色い土の道がみえるんだけど。

きょうは、みどり色の芝が、どこまでもひろがって。
それで、ウララの心臓は、とっても静か。
49: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:47:08
なんでだろうな、っておもったけれど。
すこしかんがえたらわかったんだ。

ウララはきょう、これがはじめて。
はじめて、勝つために、レースにでてるからなんだって。

そのために、トレーナーと、みんなと、できるかぎりのことをしてきたからだって。
だから、走るまえに、なにかしわすれたことなんてないし。
走るときも、ウララのできること、ぜんぶぶつけるだけだから。
50: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:47:19
楽しく走るだけじゃない。
笑って走るだけじゃない。
勝つために走る。

それってとっても、しずかで、おちついて、そして。
勝ちたいって気持ちが、いっぱい、いっぱいあふれるんだって。
わかったんだ。
51: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:48:04

――
―――
(メイクデビュー終了後)


「はぁ?このゴルシ様に長距離を走るコツを教えてくれだってぇ?」
「うん!!あのねあのね、ゴールドシップってすっごーく長い距離をはやく走れるでしょ!教えてほしいの!」

ぽかんとした様子で、ゴールドシップがハルウララの顔を見て。
そして、その傍に立つトレーナーに顔を向けた。
52: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:48:11
トレーナーもウララもちょっと覚悟が決まりすぎている…
53: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:48:30
「…なぁそこのトレーナーさんよ。正気かぁ?」

常識にとらわれないウマ娘であるゴールドシップですらも、正気を疑うほどのこと。
彼女ですら分かっているのだ。
ハルウララは、ダートで、短距離に適性のあるウマ娘だ。
長距離など、走る機会は無いというのに。

…メイクデビューのレースを終えた直後に、こんなことを聞きに来たのだから。

『正気だよ。至って本気だ』
54: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:48:50
だが、返ってきたトレーナーの答えは、とても真剣な表情だった。
………ワケわかんねぇ。
このゴルシ様がワケわからんほど、ハルウララのトレーナーってのはおかしな奴だったのか?

「ウララもね、長い距離走ってみたいなーって!でもでも、いっつもすぐに疲れちゃうの!どーやってるのー?おしえておしえてー!!」
「だー!!尻尾を引っ張るな尻尾を―!ゴルシちゃんファイトクラブが勃発すっぞ!?」

きゃーきゃー、と笑顔で怖がるハルウララに、フシャー!と威嚇するゴールドシップ。

…別に、ハルウララの事が嫌いなわけではない。
むしろ、『全国ウマ娘誰が一番大穴ぶち壊せるか選手権』で強力なライバルになるだろうと勝手に考えている相手だ。
まぁそんな選手権はないのだが。
55: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:48:51
有馬突破したんだしそら溢れてくるわな…
56: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:48:54
ホントに長いな!?
59: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:49:33
>>56
ゴメンまだ2割
74: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:44
>>59
早く言葉の洪水をワッと浴びせてくれ
65: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:49:58
長くてもいいぞ
なんてったって有マは長距離だ
57: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:49:03
何度も何度も繰り返す世界に擦り切れるトレーナーさんの心が心配
58: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:49:14
そう、教えること自体はやぶさかではないが…理由がなさすぎる。
無駄なことは嫌いなゴルシちゃんなのだ。

「んー……面倒でゴルシ。そんなことに時間裂くなら裂きイカ細かく裂いてその長さでギネス目指すほうが重要っつーかー」
「えー!?ずるーい!ウララもやりたーい!」
「お?やるか??いいぜ???この町の裂きイカ全部集めちまおうぜぇー!!」

普段の彼女らしい、恐ろしい話題のコーナリングに難なくついていくウララ。
このままでは長距離を走るコツを教える流れはなくなってしまいそうだ。

だが。
60: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:49:48
思いが溢れすぎる…
62: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:49:52
『……エデンを目指してるんだろ?』

続くトレーナーの言葉に、ゴルシの動きがぴた、と止まった。

「……アンタ、なんでそれを……」
「えー?えでん、ってなにー?ウララしらなーい!おでんのともだち?」

エデンを目指していることは、この学園の誰にも教えていない。
いつか、自分が見初めた…才能あるトレーナーを見つけたら、語ろうと思っていたものだ。
その夢が、担当なんてしたこともないトレーナーの口から零れている。
ゴールドシップの興味は、トレーナーに向いた。
67: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:17
『エデンに至るには、ウララが長距離を走れるようになる必要がある。…ここまで言えば、わかるだろ?』

「なっ…!?…………そうか、そういうことかよ!」
「えー!?なになにー!?ウララも話しにまぜてよー!!」

続くトレーナーの言葉に、ゴールドシップは意を得たり!としたり顔でガッツポーズする。
話題に置いてけぼりのハルウララがぷくー、とほっぺを膨らませて桜まんじゅうになり始めた。

「へっ……そこまで言われちゃ受けてやらねぇとゴルシが廃るってもんだな!よし!ウララ!いっちょやってみっか!!」
「へー?わかんないけど、わかったー!いっぱい走れるようになるんだよね!」
「あぁ、もちろんさ…俺が教えれば、ウララもいつか理解る時がくるぜ…宇宙の真理を…ゲ○ター線を…!!」
「えー!?すごーい!!ウララがんばるね!!」
68: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:18
なんてかすげえな
71: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:30
よっしゃついてこーい!と元気よく部屋を飛び出すゴールドシップに笑顔でついていくウララ。
それを、トレーナーが苦笑で見送り、ゆっくりと歩いて後を追う。
もちろん、エデンに至る方法なんて、トレーナーは知る由もないのだが。
【長距離 ☆☆☆】
『不沈艦、抜錨ォッ!のコツ レベル3』
73: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:39
やるじゃねぇか……最後まで見てやろうじゃねぇの……
75: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:55
ありがとう
じっくりぶつけさせてもらうね…
76: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:50:59
長いのは構わないどころかむしろバッチコイだけどtxtでお出しした方がよかったのでは!?
79: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:51:33
>>76
こう…ぽつぽつ感想をつぶやいてくれたらすっごい嬉しいなって…!
わかれ!わかってくれ!
つづきます
77: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:51:20
もっとだ
もっと溢れさせろ
78: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:51:24
君…相当狂った目の色をしてるんじゃないかい?いやいい、見ないでもわかるよ
83: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:51:52

――
―――
(2年目 6月前半)

「ねぇねぇスペちゃん!スペちゃんってすごいよねー!なんでそんなに芝を走るのがはやいのー?ウララにもコツを教えてー!」
「え、私っ!?わ、私なんてそんな、他のみんなのほうが速いよ!そんなそんな、へへぇ…♪」

芝コースの練習場で、ハルウララがスペシャルウィークに芝を走るコツを聞いていた。
褒められ慣れていないスペシャルウィークは、へへぇ…と頬を書きながら、嬉しそうにはにかむ。

「うーん……でも、そうだなぁ。はっきりと言葉にするのって、難しいかも」
「むずかしいのー?むずかしいとウララがわからなくなっちゃうから、かんたんに言ってー!」
「そう簡単に言われても……むむ、むむむぅ…!!」
85: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:52:03
まさか最初に上げてった子達全部回収していくのか…
めっちゃ好きな展開だわ
88: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:52:13
時には白衣を身に纏ったこともベビー服を身に纏ったこともあるトレーナーだ
89: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:52:20
ぐぬぬぅー、と唸りだすスペシャルウィークに、つられるようにしてハルウララもうんうん呻りだす。
そんな二人の様子を、トレーナーがため息をつきながら見守る。

……二人とも、無意識でやっていることを言葉に表すのが苦手だし、言葉で貰ったものを実践するのが苦手だ。
本能型の二人だからこそ通じる部分もあるが、通じなかった場合は芝を走るコツをウララが掴めないこともある。
…少なくとも、これまでの世界線では、何度も芝のコツが掴めないこともあった。

だが。
何度も繰り返しているうちに、分かったこともある。
90: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:52:45
『スペ…シャルウィーク』

「っはい!?あ、ウララちゃんのトレーナーさん。なんでしょうか?」

思わず零れそうになった彼女の愛称を誤魔化してから、呼びかける。
思考の坩堝に陥りかけていたスペシャルウィークが顔を上げて、トレーナーの顔を見た。

『君が、芝が好きな理由を教えてあげるといい』

「私が、ですか?あれ、でも私が芝が好きだって、何で知って…」
「えー!?スペちゃん芝が好きなのー!?なんでなんでー!ウララしりたーい!!」
「わーわーわー!耳元で叫ばないでウララちゃーん!分かった、教えるから、教えるからー!」
91: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:53:02
ひぃーん、と頭頂部の耳をぺたんと閉じて、耳元で怒鳴られたスペシャルウィークが涙目になる。
ごめんなさい、と素直に謝るハルウララに、苦笑を零す。

…彼女が芝を走ることが好きな理由。
それを、トレーナーは知っている。
彼女と共に、3年間を過ごしたことがあるのだから。

「こほん。…ええと、私が北海道育ちのウマ娘だ、って事はウララちゃんも知ってるよね?」
「うん!!はじめてきいた!!」
「ズコーー!!…うぅん、いやまぁ、言いふらしてはないですけどぉ…!」

昭和時代のようなズッコケをかましながら、スペシャルウィークが言葉を続ける
92: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:53:23
「…私が生まれ育った所って、どこまでも芝が広がってたの。まぁ、ド田舎と言えばそうだったんだけどね」
「ふーん、ふんふん」
「…そこで、日が暮れるまで走ってたなぁ。おかあちゃんが見守ってくれて、走るたびに前より速く走れるようになって」
「ほわぁー……」

遠く、空を見上げるスペシャルウィークと、話に真剣に耳を傾けるハルウララ。
練習後の空は夕方を過ぎ、もう間もなく夜の帳が降りる頃。

「…だからかな。私、走るのが好き。芝の上を、思いっっっきり走ると、私がウマ娘だって、おかあちゃんたちの子供なんだなって、思えるから」
「………っっ」
「……あれ、ウララちゃん?」
94: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:53:40
急に押し黙ったハルウララに、心配そうにスペシャルウィークが耳をぴこん、と立てる。
それがまずかった。

「………かんっどう、したぁーーーーーー!!!!」
「おぎゃー!!耳がぁーーーー!!!」

急に叫ぶハルウララの声量がスペシャルウィークの耳朶を強打した。
あんぎゃーーー!!と転がりまわるスペシャルウィークに目もくれず、夜空と芝に目を向けたハルウララ。

「わかる!!すっごいわかるよスペちゃん!!それって、芝で走るのが大好き、ってことだよね!!」
「ひんひん……そう、そういうことなのぉ……あっ声が遠いです…」
「ウララもね、生まれはほっかいどー?らしいけど、育ったのは高知、ってところなの!海がいっぱいでね!」
95: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:53:43
繋げて繋げてを繰り返したんだもんな…
97: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:54:10
ああそうかリセットしたからトレーナーはある意味孤高なのか
99: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:54:37
早く続きが読みたいわ!
100: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:54:42
耳をなでなでしながら涙目のスペシャルウィークに、ハルウララが今度は己のルーツを語り始める。

「それで、走るのはいつも砂浜だったんだー。ウララもね、砂浜を走るのが大好きで、それでダートが得意なんだよ!」
「へぇ…そうなんだ!なるほどー、やっぱり育ったところで走った地面が、一番走りやすいよねぇ」
「うん!!でもね、スペちゃんの話を聞いて、芝もなんだか好きになれそう!」
「ホント?よかった、うまく伝わって!私、説明するの下手だから…へへぇ…」

うんうんうん!!と何度も首を縦に振るウララに、スペシャルウィークが安堵のため息をついた。
芝の良さを、分かってもらえたらしい。
ダートで走るのも練習にはいいけれど…やはり、早く、気持ちよく走るには、私は芝のほうが好きだ。
そんな気持ちを分かってもらえて、スペシャルウィークの表情もふんわりとほころんだ。
101: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:55:06
「それじゃ、もう暗くなっちゃったけどもうちょっとだけ、芝のコースを走ってみない?ウララちゃん」
「うん!!トレーナー、きょうはついかトレーニング、いいよね!」

ハルウララはトレーナーに振り返り、今日の自主練習の許可を取る。
もちろん、トレーナーの答えは決まっていた。

『ああ。スペによく教えてもらうんだぞ』

「うんっ!!!」

そうして、勢いよく走っていく二人。
トレーナーは、そんな二人を、優しく、そして強い意思で、見守っていた。

「よーし!けっぱるべー!それじゃあウララちゃん、かるく1000mダッシュ5本から行きましょう!」
「おー!ウララがんばる!芝さん、これからもよろしくねっ!!」
102: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:55:23
位置について、よーい、と二人の自主トレーニングが始まる。

終わるまで付き合うつもりで、そばの土手にトレーナーが腰を下ろす。
そうして、既にすっかり日の暮れた、星空を見上げると。

『………おっ』

きらり、と。
二筋の流星が、夜空に弧を描いた。

【芝 ☆☆☆】
『シューティングスターのコツ レベル3』
103: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:55:56

――
―――
(3年目 1月後半)

「………このわたくしに、長距離のコツを教えてほしい、と。そうおっしゃったのですか?」
「うん!マックイーンちゃん、この間のてんのーしょー?すごかったもんねー!ウララも長距離、もっとうまくはしりたいの!!」
「……はぁ」

テラスに座り、嗜んでいた紅茶のティーカップを置き、メジロマックイーンがため息をつく。
その理由は、もちろん目の前に座るハルウララだ。
もっと言えば、そのハルウララの後ろで、真剣なまなざしでこちらを見てくる、彼女の担当トレーナーだ。
106: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:56:16
「……トレーナーさん」
『何かな?』
「…貴方、ウララさんのトレーナーさんなのでしょう?彼女の脚質、理解していないのではなくて?」

鋭い眼差しで、厳しい口調がトレーナーに向けられる。
彼女のその芯の強さ。
メジロ家の当主としての気高さを、トレーナーはよく知っていた。
その言葉が、短距離とダートに適性のあるハルウララを想っての言葉であることも、重々承知していた。
107: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:56:36
『わかってるさ』
「なら…!貴方のするべきことは、わたくしに長距離のコツを教わることではないはずですわ!」
「えっえっ、どうしたのー!ケンカはだめだよー!ウララ、なにかわるいことしたー?」

違いますわ、とハルウララに微笑みかけてから、再度、トレーナーを睨みつけるマックイーン。
彼女の言葉は、正論であり、本音なのだろう。
ハルウララのレースの勝利を望むものであれば、やるべきことはダートの練習と、短距離の練習だ。
それは間違いなく正しい。

ただし。
それは、ハルウララの気持ちを考慮しない判断だ。
108: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:56:54
『ウララ』
「なにー?ケンカはだめだよー?」
『マックイーンに、ウララの今年の目標を教えてやってくれ』
「ウララの?わかった!」

うんっ、と大きくハルウララが頷く。
それを怪訝な様子で見つめるマックイーン。

「一体何を…」
「ウララね!有馬に出てみたいんだ!それでねそれでね、一着になりたいの!!」
109: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:57:16
「な…!貴方、本気で…!」
「もっちろん!ほんきだよー!ウララね、いちばんつよいウマ娘になりたいんだー!」

マックイーンの目が大きく見開かれる。

それはそうだろう。
ダートの短距離で輝くウマ娘が。
芝と、長距離を苦手とするウマ娘が。

有馬で勝ちたい、というのだから。
110: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:57:35
「……ふぅ。…もう一度聞きますわ。本気ですの?」

マックイーンが、一つ息を整えて、真剣なまなざしで、再度ハルウララに問いかける。

……ここまでは、これまでの世界線で、何度も見てきた光景だ。
マックイーンに長距離のコツを教わる。
それ自体は、挑戦に値する事柄だと、早い段階でトレーナーは判断した。

彼女の長距離適性は本物だ。
そして、意志も強く、情に厚い。
彼女から長距離のコツを聞きだせれば、ハルウララの強い武器になりえる。
111: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:57:53
だが同時に、マックイーンは優しいウマ娘だ。

『えへへー、がんばってみたいんだ!だって、ウララが勝てばトレーナーも後援会のみんなもよろこぶでしょ?』

…そんな返事をウララがしてしまえば。
彼女は、ウララのためを思って、長距離を走れるようになるより、自分の得意なレースで勝ちを重ねなさい、とアドバイスするだろう。
優しいのだ、相手を思いやり過ぎてしまうほど。
人のために走ることが、ハルウララの本質的な幸せにはならないと、分かっているからこそ。

そして、そのマックイーンの判断には、前のゴルシやスペのように、トレーナーの誘導は意味をなさない。
だからこそ、ハルウララの想い一つで、潰えてしまう可能性もあった。
112: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:58:09
けれど、今のハルウララは違う。

「うんっ!」
「………!」

返事は、とても短い一言で。
その桜が彩る瞳の奥に、強い意思を秘めて。
マックイーンが、その瞳の深い色に吸い込まれそうになり、息をのむ。

「勝ちたい!ウララね、トレーナーさんや、他のみんなにも、いっぱいおしえてもらえて、しあわせなんだー!」
「でもね、そのしあわせの花って、きっと、ウララがほんとうに勝ちたい!って思って、勝って、はじめて咲くんだよ!!」
「…だからね、本気なの!ウララは今年、有馬に出て、勝ちたい!勝つために、いっぱいがんばりたいの!」

「…ウララさん……」
113: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:58:25
マックイーンが、ハルウララのその想いを受けて。
真剣に、本気で、大真面目に。
有馬での勝利のために、努力したいという想いを受け取った。

「…わかりましたわ。長距離で走るときのコツ、わたくしが教えられる範囲で、全力を尽くしましょう」
「いいの!?ありがとー!マックイーンちゃんだいすきー!!」
「ひゃわぁっ!?ウララさん、急に抱き着くものではありませんわ!紅茶が零れてしまいます!!」

YESの返答に嬉しくなって思わず抱き着くハルウララに、マックイーンが慌てて紅茶のカップを退避させる。
果たして白のテーブルクロスに赤い染みを作るような事態は避けられた。
114: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:58:41
何事もそうだが、成し遂げた人にしか見れないものがあるよな。
いつか見てみたいわ
115: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:58:49
『助かるよ、マックイーン』

二人のそんな和気あいあいとした様子に、トレーナーが笑顔でつぶやいた。
練習場に走っていくハルウララを追いかける前に、マックイーンがそんなトレーナーの顔を見る。
その表情は、いかんともしがたいものだった。

「いえ、本物の想いに応えるのはメジロ家当主の務めですので。……それよりも貴方、わかっていますの?」
『……何のこと?』
「意地悪な方。…ウララさんは本気なのです。貴方は、ウララさんを有馬で勝たせなければいけませんのよ?それがどれほどの道のりで、どれほどのことか……」

言葉にかぶせるように、トレーナーが呟く。

『わかってるよ』
116: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:59:39
「…っ、分かっていませんわ!勿論わたくしも全力を尽くします、約束しますわ!それでも、脚質というのは──」
『わかってる』
「っ」
『……わかってるから、大丈夫。やってみせるよ』

……ふぅ、と小さい溜息が一つ、マックイーンの口から零れた。

「…貴方達、意外とお似合いのトレーナーとウマ娘なのかもしれませんわね。頑固者な所とか、特に」
『誉め言葉だね、ありがとう』
「…どこまでも意地悪な方」
117: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 20:59:58
ひらひら、と手を振って、くすり、と微笑むマックイーン。
そうして、話は終わったとばかりに、ハルウララの後を追うのであった。

「はぁ。彼女が羨ましいですわ、理解のあるトレーナーがいて。私もいつか、そんな一心同体のトレーナーに巡り合えるかしら…」

最後のマックイーンのつぶやきは、誰の耳にも届かなかった。

【長距離 ☆☆☆】
『貴顕の使命を果たすべくのコツ レベル3』
118: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:00:37

――
―――
(3年目 11月後半)

「おいっすー。ウララ、やってるねー」
「あ、ネイチャー!うん!!がんばってるよー!!」

芝のコースで練習しているハルウララへ、同じく練習を始めるナイスネイチャが声を掛ける。
有馬記念まであと2か月。
勝利に向けて最後の調整をしている段階のウララは、一息つきながら笑顔でネイチャを迎えた。
119: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:00:43
トレーナー目線から見ると今まで連れ沿ったウマ娘が自分のこと忘れてる感じでかなり辛いな…
120: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:01:04
「聞いてるよー、有馬に出るんだって?」
「うん!わたし、がんばるよー!ぜーったいに一着、とってみせるから!」

えいえいおー!と元気よく片腕を天に向け、更に気合を込めるハルウララ。
しかし、そんなハルウララを見るネイチャの瞳は、猜疑心と憧憬が混ざったような、微妙な表情であった。

「……その、さ。別に、悪気があって聞くわけじゃないんだけど…」
「ん、なーに?」
「……本気で、目指してるんだよね、一着」

ぼそりと、呟くようにネイチャの問いがウララにかけられる。
それを聞いたウララはえー?なんでー?と首を傾げ………なかった。
121: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:01:05
執念トレーナーだ
122: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:01:27
分かっているのだ。
何故、彼女が、それを自分に聞くのかを。

「…ネイチャも、ウララが有馬で勝てないだろう、っておもってる?」
「やっ、な…!ちが、そういう意味じゃなくて、その…!」

図星。
なのだろうか…いや、やはり図星なのだろう。
言葉の裏に隠れた意図。
痛い所を突かれて、慌てて取り繕うネイチャに、ウララがにこりと笑顔を作る。
123: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:01:33
ゲーム中のトレーナーはみんな別人だと思うけど
それはそれとしてこういう設定も面白いな
124: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:01:48
「ううん、だいじょーぶ。みんないわないけど、わかってるんだー。ウララが有馬で走るのは、にんきとーひょー、のおかげだって」
「違うの、ウララ、違くって…」
「じつりょくは、いっしょにはしるウマ娘のなかでも、ダントツのビリだって、ウララもわかってるもん」

笑顔のままに、ウララが現実に向き合う言葉を紡ぐ。
それに伴い、ネイチャの顔がみるみる曇る。

そんなつもりではなかった。
無かったのに、あたしの一言で、ウララに辛い想いをさせて……

「でもね、かんけーないんだ!」
125: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:01:57
普通の子ならゴルシスペメジロまんじゅうで十二分なんだろうけどまだ足りないか…
128: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:02:39
>>125
足りなかった
足りなかったんだよ…足りなかったんだ
つづきます
132: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:03:49
>>128
言葉の重みがありすぎる……
126: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:02:11
「…え?」
「かんけーないの。だってね、ウララ、勝ちたいから!勝ちたいから、そのためにがんばるの!」
「…ウララ……」
「トレーナーも、こーえんかいのみんなも、応援してくれてうれしいよ。けどね、ウララはそれだけじゃない…」

すぅ、と息を吸って、ウララが言葉を続ける。

「ウララが、いちばんだー!!って!!そう、みんなに感じてもらいたくて!!勝ちたくて!!!…だから走るの。負けたくないんだ」
「…………」
「だからね、そのためにがんばるんだよ。それがね、今のウララには、とっても楽しくて、うれしいことなんだよ!!」

うっららー!といつもの掛け声で、ハルウララのやる気はさらに急上昇を見せた。
127: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:02:24
ウララほんま大変なんやなって
129: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:02:58
……適性があっていなくても。
例え、敗色濃厚のレースだとしても。
それが、勝利を諦める理由にはならないから。

『よく言ったぞ、ウララ』

「あ……トレーナーさん……」
「あー!トレーナー!!ねぇねぇ、今日のウララの走り、どうだったー!?有馬で勝てるかなー!?」
『ああ、勝てるさ。絶対に。勝たせてみせる』

そうして話す二人の所にやってきたトレーナーが、ネイチャとウララを見て、笑顔で声を掛けた。
強い信頼と…言葉では表せないような絆を、ネイチャはその二人の姿に感じた。
130: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:03:30
「えへへ、ありがとー!!でもでも、ウララもっとがんばるよー!みててねトレーナー!全力、だーっしゅ!!」

言葉に気をよくしたのか、ウララはさらにもう一本、2500mダッシュに入る。
走り去る背中を眺めて置いて行かれたのは、トレーナーとナイスネイチャだ。

「……あー、その。さっきの話、聞いてました?」
『ああ』

気まずそうに、隣に立つトレーナーに声を掛けるネイチャ。
目を伏せながら、告解のように言葉を紡ぐ。
131: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:03:45
これ実際の継承した面子?
135: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:04:17
>>131
はい
スッペンペンに解説ページ作らせていただいてます
つづきます
140: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:05:19
>>135
マジか
読ませていただく
141: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:05:47
>>140
ウララちゃんのページからリンクあるのでどうぞ
参考になれば幸いです
つづきます
133: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:03:51
「なんつーか……その、アタシって、ここぞって時に、諦めるクセがあって……それで、あんなこと……」
「応援したい気持ちはいっぱいあるんだけど、こう、素直になれないって言うか…」
「……ウララが、アタシと同じ気持ち、少しでも持ってるのかなって、そんな、ね。そんなわけ、ないのに」

『…そうでもないぞ?一緒だよ、君と』

不意にかけられる声に、うつむいていたネイチャの顔が上がる。

「…へっ?いやいやいや、ウララすっごい前向きで、心が強いじゃん!?アタシなんかとは全然…」
『君も強い』
「…………は、ぁ?」
『君も、同じくらい強いよ。強いってことを、俺は知ってる』
「……は、は。なんで、そんなこと……」
136: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:04:39
先ほどの、言葉の外の図星を突かれたネイチャは。
今また、トレーナーに己が心に秘めた図星を突かれた。

『表面上は斜に構えていても、負けて悔しいって、3着じゃなくて1着を取りたいって強く思ってる君を知ってる』
「…………」
『だから、一緒だよ。ウララと君は。似た者同士なのかもな』

「…………………っ、あ、あーーーーっ!!!なんか恥っずかし!!!」

ぐわー!とツインテを両手でわしわしとかいて、大きな声を吐き出すネイチャ。
まるで、胸のつかえを取るかのように。
心のつかえが、取れたかのように。
137: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:04:45
修羅の道だ…
138: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:04:57
「…ねぇトレーナーさん。もしかして、いっつもウララにそんな恥ずかしい台詞吐いてます?」
『自覚はあるよ』
「はっず!!やだもー奥さん、このトレーナー女ったらしですよ!もー…風紀の乱れじゃん…」

照れ隠しに頬をかきながら、やれやれと首を振るネイチャ。
そんな彼女の姿を、これまでも、これまでに、何度も、何度も見てきたから。
だからこそ、知っている。彼女が、強い志を持つウマ娘だと。

「はーぁ。練習前だってのに気が抜けちゃったなー。ま、いい息抜きになりましたってか」
『そりゃよかったよ』
「はいはい。……ねぇ、本気で一着、目指してるんだよね。二人は、さ」

言葉にするまでもない。
強く、肯定の意を首肯で返すトレーナー。
139: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:05:17
「はー……うん。よし。アタシも見習うわ、その気持ち。まー有馬に出るのは来年になりそうだけど…」
『頑張れよ。前年度チャンピオンのウララに負けないくらいにな』
「はいはいごちそうさまでしたーっと。……ねぇ、アタシにもさ。手伝えること、あるかな?」

ネイチャは、もう間もなく一周を終えて戻ってくるハルウララに目を向けながら、そう呟く。
……応援したくなってしまった。
少なくとも本気で、一着を狙うこの二人を。
自分の、ともすれば諦め癖になりかねないこの皮肉癖を、否定してくれた二人を。
出来ることなんて、大したことではないかもしれないけれど、それでも。
142: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:06:03
『……そうだな。ウララはまだ芝の走りが甘い。厳しく、見てやってくれるか。一緒に走りながら』
「……アイアイー。そだね、ちょっとまだダートっぽい走り方してるもんね……よーっし!それじゃ、いっちょやったりますか!」

ネイチャが、一周を走り切り残り半分となったウララに併走して並んでいく
その姿に笑顔を見せて、ウララもまた最終コーナーを回って最後の力を振り絞って。
二人して、芝のコースを駆け抜けていくのだった。

【芝 ☆☆☆】
『きっとその先へ…!のコツ レベル3』
143: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:06:23

――
―――

『各バ、ゲートインが完了しました』

『冬の有馬記念………』
『スタートです!!!』
144: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:06:32
読み入ってしまう
146: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:07:03
>>144
実録物だ
重みが違う
145: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:06:52
サービス開始一週間で有馬一着取った人が話題になったけどいざチャレンジしてみるとあの継承だとマジの奇跡が起きて勝ったレベルの難易度だと思い知らされるよね思い知らされた
155: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:08:54
そりゃその熱量にもなるだろうよ…俺もいつかは…きっといつかは
162: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:09:38
文章からバカ高い熱量を感じるし成し遂げたのは本当に凄い
最近はチームレースに勝つのにお熱になってたけどまたウララで有馬一着目指してみようかな
1: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:30:34

――
―――


『先頭を切るのはやはりこのウマ、セイウンスカイ!』
『セイウンスカイがものすごいスタート!やはり得意の逃げに打って出た!!』

『シンボリルドルフ、ナリタブライアンあたりは3,4番手あたりでこれを見ていく感じ』
『グラスワンダーやエイシンフラッシュはやや後方』

『スタートはそれぞれ得意な位置を選んでいるようです!』
『果たしてここからどういった展開となりますか!』
2: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:30:58
『先頭セイウンスカイは今日も気ままに一人旅!』
『そこから3バ身ほど開けてシンボリルドルフら先頭集団』
『それを見るようにグラスワンダー』


『7番、8番がつづき後方にエイシンフラッシュ、他のウマも様子をうかがう』
『最後尾は12番………』

『………!?』
4: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:31:14
始まったか!!
6: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:31:21
『あれ!?』
『ハルウララは!?ハルウララはどこだ!?』

『ハルウララの姿がない!いつも位置する中団から後方に彼女の姿がない!』
『バ群に隠れたか!?』

『いや、ここだ!!』
『ここにいましたハルウララ!!なんと!!』
『先頭を走るセイウンスカイ、その裏に隠れるように桜色の髪が靡いているっ!!!』


『なんと先頭!!逃げに打って出ましたっ!!』
8: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:31:34

――
―――

「ウッソでしょ……」

芝を踏みしめ、腕を小気味よく振りながら走るセイウンスカイ。
まだスタミナも十分のはずの彼女が、頬に一筋の冷や汗を垂らす。

「まさか、逃げで来るなんて思ってないじゃん…!」

隣を走るハルウララ。
こんな光景が有馬で待っているなんて、想像すらしていなかった。
11: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:31:47
よく走っている。
よく、走っている。

適性が無いと言われていた芝のコースで、少なくとも私と互角。
いい速度で走れている。

ああ、けれど。
これはきっと、一瞬の煌きなのだろう。

「先頭の景色はね、そんなに甘いもんじゃないんだよ、ウララちゃん…!!」

恐らくはバ群に呑まれるのを嫌っての作戦なのだろう。
だが、あまりにも短絡が過ぎる。
12: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:31:55
逃げウララ!?
13: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:31:57
まずスタート直後に迫りくる登り坂。
ここをスタミナのロスを少なく走り抜ける必要がある。
もちろん、後ろのウマ娘たちを突き放す速度でだ。

それには力の入れ具合、速度の出し方、坂の上り方、そしてスタミナの消耗のコントロール。
繊細な技術が要求される。

「逃げる技術、ちゃんと磨いて持って来てからやり直すんだねっ!!」

セイウンスカイが、さらに加速する。
僅かに前を走るハルウララを抜き去り、二人旅から一人旅へシフトせんと、ひた奔る。
14: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:32:11

――
―――

「ずいぶんと面白い展開になったな……」

先行集団を行くナリタブライアンは、目の前で起こる光景にわずかに好色を見せた。

恐らくはセイウンスカイの一人逃げ。
それに惑わされぬように、己のペースをキープして終盤まで先行集団に。
そして最後に末脚で直線でぶっちぎる。
いつも通りの、いつもの展開を繰り広げれば、いつものように勝つのだと。

だが今回、先頭を走るセイウンスカイに、追いすがるように走る小さな姿。
ハルウララだ。
15: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:32:30
余り関りは無いが、ダートウマにしては中々よく頑張って走っている。
もちろん、最後まであのペースがもつことはないだろう。
悲しいが、それが適正というものだ。

しかし、あれでわずかでもセイウンスカイの気を削いでくれれば。
敵が一人減り、自分は自分の周囲と後方のみ注意すればよくなる。

「だが、悪くない展開だ。……それに……」
16: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:32:43
それに、ハルウララが並んで一位をキープしている限りは………
オーバーペースになることは、ないだろう。
彼女の脚が、セイウンスカイと並び、まさか超えることなんて、絶対にないはずなのだから。


そう、『絶対』に。
17: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:32:48
これ実際のレース展開なんだろうな…
18: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:02

――
―――

「…どうやら同じ判断のようだな、ブライアン…」

ナリタブライアンの左後方、ぴったりとマークする様にシンボリルドルフが走る。
その走り、周りの気を引き、皇帝の権威を見せつける圧倒的なプレッシャー。

ブライアンもまた、その気配を後方に感じ、注意しながら走っていた。

「逃げるセイウンスカイを捕えるタイミング…それが重要になるな」

そう、最終コーナーを抜けた後のセイウンスカイを捕えるタイミング。
そこでどのウマが抜け出すよりも先に、自分が抜け出す。
19: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:03
レースに絶対は…
20: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:23
ブライアンと共に抜け出すことになるとすれば、それまでに3人はぶち抜いて見せる。
先行集団を共に行く4番と5番のウマ娘。
そして、前からタレてくるだろう、タレてこざるを得ないであろう、ハルウララ。

その3人を抜いた瞬間にラストスパート。
皇帝の神威を見せつけ、セイウンスカイとナリタブライアンを抜き、先頭へ。

……そんな光景をシミュレートして。
そして、それを阻みかねない可能性も詮索する。
21: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:34
「…気を付ける相手、どちらかと言えば先行集団……いや、後方か…!」

今回の有馬で最大の障壁となるのは後方。
先行集団を睨み、プレッシャーをかけてくる、グラスワンダー達だろう。

皇帝のプレッシャーが、今、後方集団に向けて放たれた。
22: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:41
ここまでの領域でも運が左右するの競馬やな…
23: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:50

――
―――

「会長…ブライアンさん………あの二人を、要マーク、ですね」

中団から前方を窺うグラスワンダーは、先頭を行くセイウンスカイとハルウララを一瞥し……そして、シンボリルドルフらを見た。
勝負は非情。
今回のレースでは、一人逃げと思われていたセイウンスカイが二人になったことで、スタミナが多少は削られるはず。

「ならば、逃げに躊躇いを持たせるよりも……先行の方々を……」
24: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:33:54
ドキドキしてきた
25: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:34:03
不退転の心で、意志を持ち走る。
気迫で睨みつける。
逃がさない、躊躇わせる、絶対に。
そんな怨念をぶつける。

……先行集団に向けて。
後方にプレッシャーを放つナリタブライアンとシンボリルドルフに、負けないように。
26: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:34:18

――
―――

誰も。
レースを走っている誰も、気づくことはなかった。

レース全体のペースが、上がっているということを。
脚を貯めていると思っているその実、脚が削られているということを。


セイウンスカイが、今、ハルウララに苦戦しているという事実を。
27: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:34:45

――
―――

『なんということだ!まるでセイウンスカイとハルウララのマッチレース!』
『後方との差は徐々に開いています!5バ身!6バ身!いや7バ身はあるか!?』
『とんでもないペースです!しかしこのハイペースになっていることを他のウマたちは気づいているのか!?』


『セイウンスカイは!?ハルウララはこのペースで2500mを持ちこたえられるのか!?』
『えらいことになりました!!とんでもないレースになってまいりましたぁっ!!』
28: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:34:47
これ他の出走者も枠番も運なんだよね…?
29: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:34:50
臨場感がすごい
30: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:35:00
『さあ先頭の二人は既に先頭コーナーをカーブし終えた!!』

『先頭を走るのは、依然────!!』
『───ハルウララ!!!』
31: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:35:03
バカな…逃げウララなんて俺のデータには…
33: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:35:26

――
―――

「……ウッソでしょ……」

二度目のつぶやきを、セイウンスカイが零す。
コーナーを曲がり、それでも先頭はハルウララ。
後塵を拝す形になってしまっていた。

冗談じゃあない。
現実であってほしくない。
しかし信じられない事実が、自分の前を走っている。
36: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:35:43
ウララちゃんは、逃げの走法は慣れていないと踏んだ。
そう踏んだうえで、突き抜けてやろうと無理に速度を上げた。

だが、
だが、彼女は。

「ばっちり逃げ足持ってるじゃんっ!!走れてるじゃんちょっとぉ!!」

『先頭のプライド』を持ち、加速する私について来た。
『勢い任せ』に、坂を一息で登り切った。
37: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:35:48
行けー!
38: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:36:02
スタミナの消費も大してしていないだろう。
───完璧な、逃げの走り。

どこでそんな技を覚えてきたのか。

「っ………冗談じゃないよ、ホント!!」

ハルウララに1バ身遅れて、セイウンスカイが走る。
これは、予想よりも早く……『二の矢』をつがえる必要があるかもしれない。
82: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:43:10
>>38
スタート前の弓のくだりがここで利いてくるの上手いなあ!
39: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:36:16
見誤った。
侮った。
絶対はないって、さっき言ったばかりなのに。

「仕上げて、きたなぁ!!ウララちゃん……!!」

それでも、負けないために。
勝つために。
更にスピードを乗せて、セイウンスカイがハルウララを追う。

レースはさらに加速し、誰も気づかないオーバーペースを生み出そうとしていた。
40: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:36:32

──
───
(3年目 夏合宿)

「よーっし!!!!ターボについてこーい!!!!」
「おー!!うっららー!!」

ツインターボとハルウララが、夏の砂浜を水着でひた走る。
合宿のトレーニングパートナーとして、ツインターボを選んだのは、トレーナーだ。
お互いに子供からか、ウマも合い……楽しそうにトレーニングをしていた。
41: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:36:40
それを求めて何度も何度も周回してきたであろう経験がウララ以外の子たちの描写に息づいているのを感じる
42: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:36:43
こんなバ券交換できないすぎる…
43: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:36:48
「……っはー!!砂はやっぱり走りにくいぞ!ターボ、芝の上走りたーい!」
「えー?そーかなー?砂もたのしいよー?ウララは芝もダートもどっちもはしってみせるもんね!」
「なにー!?ぐぬぬ、負けてられるかー!!もう一本だウララー!!次はターボが勝つもんね!」
「ウララがかつもん!!もっとスピードと、パワーをつけるんだからー!うっららー!!」

…………そうして、何度も何度も共に練習する中で。
誰にも知られぬように、秘密の相談をハルウララはツインターボに持ちかけていた。
44: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:00
夜、キャンプファイヤーが一望できる土手の上で、並んで座る二人。

「…はぁ?逃げるコツを教えてほしい?ターボに?」
「うん!!ターボちゃんって、逃げながら走るの、すっごいとくいでしょ!!おしえてほしいんだー!」
「…ほっほーう!!わかってるじゃないかウララ!!ふっふっふ、ししょーと呼べば教えてやらなくもないぞ!!」
「わかったー!ターボししょー!!おしえてくださーい!!」

わいわいきゃあきゃあ、と二人の小さいウマ娘が騒いでいる。
その微笑ましい光景に和むウマ娘はいれども、会話の内容まで聞く者はいなかった。
45: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:02
ゲーム内のスキルの単語を上手く使っていますね
私の性癖には合っていますよ
46: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:09
ターボ師匠を彷彿とさせる逃げ展開だ…
47: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:18
ゲームシステムを文に落とし込むの上手えな!!
48: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:23
「…それにしてもウララ、なんで逃げの話聞きたいんだ?ウララはあれだろ、えーっと、シャーシ…」
「差・し!うんうん、ウララはたしかに、差しで走るほうがとくいかなーって。わかってるんだー」
「そうそれだ!差し!…うん?だったら逃げなんてしないだろ???」

なずぇ??と首を90度横に捻り、ふわりと青色のツインテールを靡かせるツインターボ。
その問いに、ひみつだからね、とひそひそ声でウララが応える。

「…えっとね、ダートなら差しでもかてるよ。けどね、芝の長距離だと、どうしてもほかの子にうもれちゃうなって、思って」
「ふんふん。ふん?芝の長距離?」
「うん。…ウララね、有馬記念で、逃げようっておもってるの。ないしょだよ?」
「有馬で、逃げ!?……おおお、おおおおおおおお!!!!すっごーーーい!!!」

ひそひそ話はどこに行ったのか、ツインターボが大声を上げて両手を天高くつきだした。
わーわー、ひみつだよー!!と諫めるウララに、そだったそだった、とテンションを戻してから。
49: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:39
「……いいなーそれ!!そっか、ウララは有馬走るんだな!!ターボもやりたい!!ターボも有馬で大逃げで走る!!」
「ふふーん、いいでしょー!あれー?でもでも、今年の有馬に、ターボししょーはでないよね?」

小さく首をかしげるウララに、ツインターボがぐぬぬ、と表情を歪ませて。
それでも、夢は掲げるものだから。

「……今年じゃなくてもいつか走るもん!それで、走るときには大逃げでぶっちぎりで勝ってやるもん!!!」
「あははー、いいね!!それじゃ、そのときはウララときょうそう、だね!!」

にっこりとその答えにウララが笑い、つられてターボも笑顔を見せる。
ギザギザの歯がワの字を描き、びしっと小さな胸を張って。
50: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:37:55
「おー!!そん時はターボ、負けないぞー!!……だから今年は、ウララは負けるんじゃないぞ!!絶対だぞ!!!」
「うんっ!!やくそく!!ウララ、ぜったいにまけないよー!!」

がんばるぞー!!えいえいおー!!
そんな二人の、微笑ましくも、信念の通じ合ったガンバロー三唱が、夜の砂浜に響いたのだった。

!『先頭プライド』のコツを覚えた!
!『勢い任せ』のコツを覚えた!
51: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:38:01
TIPS
・ウマ娘たちは賢さの範囲で、スタミナというリソースを消費して選択した作戦に沿うよう走ります
・なので逃げは兎に角トップを維持しようとパワーの許す限り加速します
102: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:37
>>51
たづなさんはさあ
こういうの言ってほしいよね
52: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:38:05
逃げウララ…いやまさかな…
53: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:38:21

──
───

『さあ快調に飛ばす二人がホームストレッチへと入ってきた!』
『最終コーナーに向けて長い直線をひたすら走る!』

『少しずつ後方との差が詰まってきているぞ!』
『かっ飛ばすハルウララにセイウンスカイが食らいつくか?どこまでも逃げるのかハルウララ!』


『さあハルウララ、苦しくなってきたか!この展開はどうでしょうか』
『…少し、かかっているかもしれませんね』
72: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:41:26
>>53
こいつ逃げウマに対していつもこの評価しかしないな
54: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:38:46
脚質適正はバ場と距離適性程圧倒的ではないんだっけ
58: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:39:49
>>54
うn
そしてスキルに関しては脚質による補正がないから発動得
55: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:39:08
実際のレース元にしてるっぽいから録画してあるんだろうな
それも見せて❤️
57: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:39:39
>>55
だめです
これは俺だけのものだ
つづきます
59: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:39:57

──
───

「しめた……!」

ハルウララが汗をぬぐい、そして更なる加速を果たそうとする。
しかしそれは滅びの一手。
焦りと疲れが生んだ、必要以上の暴走。
その気配を、彼女の左後方を行くセイウンスカイは見逃さない。

……必然の「掛かり」だろう。
適性のない芝、長距離を、無理して速度を上げる自分以上に速く走っているのだ。
加えて大舞台、掛からないほうがおかしい。
62: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:40:18
この瞬間を待ち、そして、この瞬間にこそ、セイウンスカイが先頭に返り咲くチャンスである。
この一瞬を待ち続けて、そして、来た。

「悪いねウララちゃん、ここまでだよっ!!」

意識してセイウンスカイが上がる。
自分も必要以上にスタミナを削ってしまっている。

ただ、これは同条件。このレースを走る他のあらゆるウマも同じように疲れているはずだ。
いや、ハイペースに気づいている自分のほうがまだマシなはず。
64: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:40:25
じっくりレース描写してくれるのはありがたい…
65: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:40:36
かっこいいこと言いやがって
見届けてやるからな…
66: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:40:39
この長い直線でウララちゃんを抜いて、先頭に立ち。
そこで息を整えて、最終コーナーへ。
そこから二の矢でゴールまでひたすら突っ走る!!

ハルウララとの距離が、じわじわと縮まってきた。
ハルウララは苦しそうに、息を吐いていた。
68: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:41:00
息を吐いて。
……息を吐いて。

───────息を吐いていた。
70: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:41:18
「………?」
おかしい。
ウララちゃんの呼吸が、おかしい。

普通の呼吸でも、深呼吸─マックイーンちゃんがよくやる、息の入れ方でもない。
まさか、体調でも…と、セイウンスカイが隣に並ぶウララに目をやった、
瞬間。

ハルウララの、走りが。
73: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:41:35
『一息』で。
『好転』した。
87: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:44:04
>>73
このちょっと中二がかってるくらいのクサくてアツい描写が私の性癖には合っていますよ!
74: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:41:54

──
───
(2年目 9月)

「ウオッカー!これでいいかなー?いくよー?せーの、ひっひっふー!ほっほっひっふー!」
「いや。それじゃオグリパイセンの呼吸っすよウララ先輩……」

ハルウララと、トレーニングに付き合っていたウオッカが練習を終えた後。
ウオッカの独特の呼吸法について、ウララがコーチングを受けていた。

……もちろん、トレーナーの指示によるものだ。
75: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:41:57
スキルの落とし込みがかっこいいな!
77: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:42:19
「違うんスよ、もっとこう、まずは肺の中の空気を全部吐き出すっつーか…」
「えー!?くうき、ぜんぶだしちゃうのー!?いきができなくなっちゃうよー!!」
「違くて!…んーと、疲れてる空気をまずは一旦全部吐くんっス。そんで、新しい元気な空気を一気に取り込むんですよ」

お互いに、何度も何度も、呼吸を繰り返しては指導する、そんな時間が続く。
ハルウララは、一息で一気にスタミナを回復させる呼吸法、そのコツを、中々つかめずにいた。

「うーん……むずかしいよー!!でも、これができるウオッカはすごいねー!」
「へへ、そっすか?まぁ、俺がいずれ長距離を走るときに使ってやろうって思ってる秘密兵器ッスからね!」

褒められてへへ、と鼻を掻くウオッカに、しかしハルウララはぐむむー、と悩みを深める。
このままでは、上手くコツを覚えられないかもしれない。
78: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:42:41
……そんな時だ。

『…つまりは、これだろ?ウオッカの言う呼吸法ってのは』

トレーナーが、タブレットでとある映像を開いて、二人に見せに来る。
その映像は、全国空手道選手権。
瓦の試し割りのシーンであった。

「お…おお!!これこれ、コレっすよぉ!!すっげぇなウララ先輩のトレーナーさん、見ただけで分かるんすね!こっからヒントを得たんです!」
「えー!なにこれ、かわらわりー?ウララもいっぱいわれるよー?」
『ウマ娘なんだからそりゃ割れるだろ。……ともかく、これだ』
80: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:43:03
二人に見せたのは、試し割りをするシーンではなく、むしろその前。
精神集中で行う、空手の型の呼吸の動作。
『息吹』と呼ばれる、すべての息を吐きつくしてから……一息で、呼吸を整える技だ。

「……わー、すっごい!!かっこいいねー!!」
「でしょ?俺もこれテレビで見て、かっけぇし、レースで使えるじゃん!って思って、それで取り入れたんすよ!」

わかったー!!とハルウララが元気にガッツポーズをとる。
ウオッカも楽しそうに、それじゃもっと練習しましょう!!と付き添ってあげて。
そんな光景を、微笑ましいものを見るように、トレーナーが見守っていた。

!『好転一息』のコツをつかんだ!
83: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:43:39
ノベライズみてえなゲーム内要素の活かし方しやがって…
85: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:43:48
これバカコンビのバカコンビによるバカコンビの為のバカ有馬の再現に近いのでは
86: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:43:55

──
───

「よしっ………!!」

有馬記念、その観客席。
先頭を走るハルウララが、自分が教えた通りに…いや、それ以上に完璧に、好転一息を使いこなしたのを、ウオッカは観客席から見届けた。
88: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:44:12
……ハルウララが、有馬記念を走る、ということを知ったのは、翌年の春。
最初は耳を疑った。
かわいい先輩とはいえ、適性はダート。距離は短距離、よくてマイル。
中距離以上の距離は大の苦手としているはずだった。

………俺みたいに。
俺以上に。

「けど……!!」

今、彼女は有馬記念の先頭を走っている。
恵まれぬ適性も、脚質も、すべてねじ伏せて、有馬の最初の景色を眺めている。
89: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:44:37
……誰にも言っていない夢が、ウオッカにはあった。
それは、苦手とする長距離で…有馬で、勝つこと。

気持ちはあった。
想いもあった。
しかしどこかで、勝つのは厳しいだろ、バカな夢見てんじゃねーよ、と冷静さを装う自分もいた。


だけど。
そんなものは、今日で全部吹っ飛んだ。

いつかは、俺も。
そして、今は。
90: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:44:49
「……いけぇぇーーーー!!!!ウララ先輩っ、いっけええええーーーーーーーーー!!!!」


今俺にできることは、愛くるしい先輩の勝利を願い、叫ぶこと。
渾身で応援し、そしてその先の……彼女の魅せる景色を、見届けること。

最終コーナーに差し掛かるハルウララへ、大粒の涙をこぼしなら、檄を飛ばすウォッカの姿があった。
91: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:44:53
ウオッカもポツンとひとりするもんな…
93: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:05
ウオッカもそうだもんな…
94: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:05
カッコいいよね
96: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:12

──
───

「なっ─────!!」

もう間もなく追い抜くといったところで。
ハルウララが、一気に息を整えて、さらに加速する。
抜かせそうだ、と思っていたセイウンスカイにとって、これは余りにも衝撃的な光景だった。

…たった一息。
息を吐き切った後の、たった一息でスタミナが回復した!?
97: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:16
カッコいいぞ…
98: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:19
ちゃんとウオッカが先輩扱いしてるのが…なんか…いいよね
99: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:27
後輩の夢も載せて走るウララはカッコいいぞ…
100: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:31
「………嘘、だ……!!」

じわじわとハルウララとの距離が離れていく。
最終コーナーはもう目の前で。

そして、掛かりの死神が次の獲物をセイウンスカイに見定めた。

同時に、動く。
最終局面に向けて、レースが動く。
101: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:31
そうだよな誰も信じないようなでかい夢見てそれを真正面から叶えに行くの完全にウオッカの信じるカッコイイ像だよなあ
104: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:45:59

──
───

『あぁーーっと!?先頭のデッドヒートに動きが出たぞ!?』
『最終コーナー直前!!ここで!ここでなんと!!』

『セイウンスカイが失速!!!』
107: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:46:12
ウマ娘が思いを乗せてはしるのっていいよねって再認識したよ…
110: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:46:27
『そして後続に捕まっていく!先頭集団から中団が一気に上がってくる!!』
『セイウンスカイ劇場の終焉だ!そして!!』

『そしてそれは、同時に!!』

『ハルウララの終わりを意味する!!』

『残る14人が一斉にラストスパートに入ったーーーっ!!!』
112: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:46:51

──
───

「なんだと……!?」

最終コーナーに向けて加速を始めたシンボリルドルフは、己の目を疑った。

先に落ちてきたのが、セイウンスカイ。
ハルウララは、さらに加速し、最終コーナーを回る。

この瞬間。
皇帝の計算は、すべて狂った。

「バカな…!?掛ったのか、セイウンスカイは…!?」
113: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:46:56
フィクションだけどノンフィクションなんだよね…
最高のドラマだよ…
125: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:13
>>113
生きてるフィクション
129: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:55
>>113
生の映画を見てるようなモンだよ
114: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:46:59
いけーっ!俺の愛バ!
116: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:11
ここで落ちてくるのはハルウララ。
そのハルウララを外目から抜き去り、そうして皇帝の神威。
そうイメージして走っていた。
そうなるはずだった。

『絶対』に。

「くっ……!!だが、負けん!!」

計算は狂ったが、それでもまき直しは図れる。
ハルウララが予想以上にいい脚を持っていただけだ。
セイウンスカイはそれにペースを崩され、落ちてきただけだ。
117: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:14
まだルドルフとブライアンとグラスがいる…
118: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:17
行けー!先輩ー!
119: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:33
まだ抜ける。
ハルウララの代わりにセイウンスカイを抜き去り、そうして神威。
ナリタブライアンと最後の直線で勝負。

そう、なるはずだ。

「……行くぞ!!」

予定より数テンポ遅れて、抜け出し準備を始めるシンボリルドルフ。

加速のために強く踏み込むその豪脚は。
普段よりも、僅かに冴えない輝きで放たれた。
120: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:48

──
───

「なんてこと……!!」

シンボリルドルフや、ナリタブライアンを除いた先行集団のウマたちが、目の前に垂れてくる光景をグラスワンダーは見た。
ほどよく自分の進路が塞がってしまうような形。

このままパワーで間を抜ける?
それとも大外から一気?
121: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:51
まだ終わりじゃないって部分が一番恐ろしい
122: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:47:58
皇帝に「絶対」を語らせるのニクいな…
123: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:01
…否。
そんな技術は、まだ持っていない。
加速は望めない。
厳しいレースになってしまった。

……いや、そもそも他の子が垂れてくるのが早すぎる。
実力的に秀でるシンボリルドルフ達はともかく、彼女たちだって最終コーナー前で落ちてくるほど駄バではない。

ならば、なぜ。
私の「先行躊躇い」が効きすぎている?
124: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:12
こんなに熱いプレイレポート、昔の光栄のハンドブックにもないわ
すごい
126: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:16
……いや。
違う。
セイウンスカイも落ちてきている。
その先を、衰えぬ足で、ハルウララがひた走っている。

まさか。
まさかこれは。
そういうことなのか。

「………ウララちゃん…!!」
127: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:17
皇帝とシャドーロールの怪物がついにウララを敵と認識するのアツアツ過ぎない?
128: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:37

──
───

『さあ有馬記念、残すところあと400mを切った!!』
『先頭はハルウララ!!ハルウララだ!!』

『しかしセイウンスカイが沈みかけているバ群は!!』
『さらにハルウララをも呑み込もうとする!!』

『最終コーナーを上がって最後の直線だ!!』
『中山の直線は短いぞ!300mの攻防だ!!』

『先頭は依然ハルウララ!!』
130: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:48:56
『しかし外からシンボリルドルフ!!』
『内からはナリタブライアン!!』

『さらにグラスワンダーも上がってくるか!!』
『二の矢をつがえてセイウンスカイも再浮上!!!』

『最初にハルウララを捕えるのはどのウマ娘になるのか!!』
147: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:31
>>130
自分はずっと「ポツンと」したウララしか見れてないんだよな…
193: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:02
>>147
このトレーナーにはこれまでの別の世界線でポツンとしてたハルウララの陽炎が見えてそう
逆カスケードみたいな
212: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:55:43
>>147
一回だけ14着のハルウララやれたことある
…こうやって人は地獄に踏み込んでいくのだと覚悟しました
131: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:49:12

──
───

「……………っ!!!」

伸びない。
ナリタブライアンは、最終コーナーを抜け、ハルウララの後ろに張り付きながら、そう感じた。

伸びない。
伸びない。
……自分の脚が、想像以上に伸びない。

「…まさか、ハイペースだったのか…!?」
132: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:49:21
いかんかなりワクワクしてきた
133: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:49:25
先頭を行くハルウララとセイウンスカイに、8バ身程度の距離を保って走ってきた、はずだ。
ハルウララが走れている以上、それはハイペースにはなり得ない、はずだ。
だから、この最後の直線で一気に突き抜けられる末脚を、発揮できた、はずだ。

はずなのに。
伸びない。

「…くっ…!だが!!」

それでも。
それでも、ナリタブライアンは一流。
134: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:49:42
冴えない末脚は伸ばす。
伸びない加速は絞り出す。
掴めない勝利は、無理矢理にでも手を伸ばす。

「こんなことで負けていたら、姉貴に顔が立たんというものだ…!!」

姉と顔という危険なワードを絡めつつも、振り絞るようにラストスパートを繰り出す。
同様に、隣を走るシンボリルドルフもまた、無いものを振り絞り加速する。
135: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:49:49
レース壊しまくってめっちゃデバフかけてんなウララちゃん…
136: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:49:59
ここで加速できて一流。
ここでスピードを出せて一流。

限界の、その先に踏み出せてこそ、一流。


ただし一流に数えられる、その権利は。
目の前を走る、桜色の小さな背中にも、確かに存在した。
139: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:50:36
>>136
かっっっっっこよ…
169: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:54
>>136

トレーナーの才能もあって文才もある
天才がいるぞ
137: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:50:01
抜錨してたんだ
140: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:50:36

──
───

『セイウンスカイについて行ってハイペースを維持したハルウララはここまでか!?』
『ここまでですら奇跡!さあ伸びる!!シンボリルドルフとナリタブライアンが伸びる!!』
『奇跡の破壊者たちが!!有馬の奇跡に終止符を打たんと凄まじい勢いで末脚を見せつける!!!』


『さあ来るぞ伸びるぞ!!』
『ナリタブライアンか!?シンボリルドルフか!?』

『ナリタブライアン!!シンボリルドルフ!!ナリタブライアン!!!!シンボリルドルフ!!!!』
『ナリ………!?』
141: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:50:42
素晴らしい
142: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:50:51
『──────ハルウララが、粘る!!!』

『抜かせない!!!!』
143: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:07

──
───

有馬が揺れる。
中山が、揺れる。

もはや形となり魂を震わせる、大絶叫。

有馬が叫ぶ。
中山が、叫ぶ.

ハルウララが、その先頭をひた走る。
144: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:10
いけーっ!
145: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:16
さあ夢のラスト1ハロンへ
146: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:27
行けええええ!!!!
148: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:31
いけー!高知の救世主ー!
154: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:44
こんなん最終回じゃん!
156: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:51:46

──
───

『さあ抜け出るのはシンボリルドルフか!?』
『はたまたナリタブライアンか!?』
『それとも大波乱のハルウララか!?』

『ハルウララは苦しい!ハルウララは流石に苦しいか!!』
『さあさらにシンボリルドルフが踏み込んだ!ブライアンはどうした!!』

『シンボリルドルフが今、大きく腕を振って……!!』
157: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:00
脳内であのアナウンサーがすげえ叫んでるから困るよね
158: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:09
『…伸びてこない!!ハルウララをかわせない!!』
『セイウンスカイにつきあったハルウララを交わせない!!』
『ナリタブライアンも足は鈍い!!』

『どうした皇帝!どうしたシャドーロールの怪物!!』

『かわさないのか!!かわせないのか!?!?』
『二人の脚がキレがないのか!?』


『このまま行ってしまうのか!!このまま行けてしまうのかハルウララ!!』
『さらにその後ろは遅れている!どうなっているのか!?』
159: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:20
予想もへったくれもなくウララちゃんの記念馬券買っておいたウララちゃん後援会の皆様大勝利!
181: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:19
>>159
買っても払い戻しとか受けらんないでしょこんなの…俺だったら家宝にする…
160: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:21
なんか今になってハルウララが皇帝たちと一緒に走るだけじゃなく勝つことすら可能っていうゲームシステムへの感動を感じている
162: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:26
ウララの必死な形相が目に浮かぶ
163: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:29
『誰もハルウララに並び立てない!セイウンスカイのハイペースに付き合ったハルウララに並べない!!』
『これはもしや後続もやられたのか!?セイウンスカイの呪いなのか?!』
『大逃げがレースを狂わす!有馬の魔物が目を覚ましたか!!??!』

『……いや!!!』
『有馬の魔物の呪縛を逃れたウマが一人!!』
『最高峰からバ群を割ってやってくる!!!』


『その名はエイシンフラッシュだーーーーー!!!!!!』
164: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:33
臨場感やばいなぁ!
166: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:45
エイシンフラッシュ…?
167: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:49
来たなラスボス!
168: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:52:51
エイシンフラッシュが訪れる…
173: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:00

──
───
(3年目 10月後半)

「ねーねー!エイちゃん!!エイちゃんってレースのさいご、すっごい足がはやくなるよね!!あれって何かコツがあるのー?」
「最後…?ああ、末脚…の、コツですか?ウララさん、興味があるんですか?」

うん!!と練習を終えてもなお元気よく、ハルウララが返事をする。
そんな朗らかな様子に、ほころんだ笑顔を見せるエイシンフラッシュ。

「わかりました、それでは教えて差し上げますね。よく聞いていてくださいね」
「はーい!!ウララ、いっぱい覚えるねー!!」
176: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:05
閃光の末脚が来る!!
177: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:06
ウワーッ!最後の刺客!
180: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:17
教えを請われるのは嫌いではない、むしろ語るのが好きなエイシンフラッシュにとっては、断る理由もなかった。
こほん、と一息ついて、エイシンフラッシュが末脚のコツについて語る。

「…まず、ウマ娘が走る時、普通の態勢で走る場合に使う筋肉は大腿筋膨張筋と内転筋、外腹斜筋や腹直筋と言われています。全身を使って走るわけですね。これらの筋肉がバランスよく育っているのが早いウマ娘なんです。けれど、それらの筋肉もレースを全力で走っていると○酸がたまり、最終コーナー付近では普段よりも力が発揮できなくなってしまいます」

「ぽぇ。」

「ですから、末脚には別の筋肉を使うんです。具体的には大腿四頭筋。こちらは、推進力の源ともいう筋肉で、もちろん普通に走る時にも使うんですが、他の筋肉よりもタフなんです。ですから、この大腿四頭筋を、最後の直線で振り絞るわけですね」

「……ぽぁーん………ぽけー………」
「……ウララさん?」
187: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:39
「……ぽぁーん………ぽけー………」
「……ウララさん?」


おかしいですね、とエイシンフラッシュが小首をかしげ、おぼろげな目で中空を見るハルウララを眺める。
まださわりの部分なのに、どうしたのだろうか。

「ええと……ウララさん?」
「うっららー……ぽわぽわー……」

酔っぱらったかのような様子のハルウララに、エイシンフラッシュがどうしましょう、と慌て始めたところに。
彼女のトレーナーがやってきて、絶賛トリップ中のウララの頭をぽん、と撫でた。

『いつも色々教えてくれてありがとうな、エイシンフラッシュ』
188: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:39
急に差してくることあるよねエイシンフラッシュ…
189: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:46
ここでサポートしてくれた子が立ちはだかるって熱すぎる展開
190: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:53:48
賢さ犠牲にしてるツキが回ってる!
192: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:00
「あ、はい。いえ、上手く伝わって……いるでしょうか?」
「……はっ!と、トレーナー!ウララ、ちょっとよくわからないかもだよ!!」
『大丈夫。ウララは賢い子だからな』

そう言いながら、トレーナーはするりと手を伸ばし……ウララの脇腹に触れる。

「ぴゃあ!」
『ここが外腹斜筋』

更にトレーナーの手は止まらず、彼女の体をくまなく触りまくる。

「ひゃん!きゃん!!く、くすぐったいよートレーナー!!」
『ここが内転筋。これが大腿筋膨張筋。それで、ここが一番大切な大腿四頭筋だ』
195: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:09
なるほどかんぜんにりかいしたわ
196: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:10
ウンス、ルドルフ、ナリタブライアン…4人のウマがバ群に沈む時…エイシンフラッシュは訪れる…
197: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:13
ハマった時の末脚はマジだからなフラッシュ…
198: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:18
「……正解です。流石ですね、トレーナーさん」
「あはははは!!くすぐったーい!!だめだよー、あははは!!」

いや、年頃のうららかな乙女の体を無遠慮に触るのはどうかと思うが。
それでも、正確に筋肉の位置を把握しているトレーナーに、エイシンフラッシュは驚きと感嘆の表情を見せた。

『それで、末脚を使うコツだけどな、みんな自然とやってることだぞ。な、エイシンフラッシュ』
「ふにゅう……んん、えー?どうやるのー?」
「え、ええ。と………とにかく、頭を下げるんです。姿勢を低く、風を切るように」

トレーナーに促されるままに……エイシンフラッシュが、一言で末脚のコツをまとめ切った。
ポロリと零れた一言が、実に簡素に纏められたもので自分でも驚いている。
201: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:54:39
「しせい?……あー!スペちゃんとか、テイオーちゃんとか、かいちょーがやってるやつだね!!それならウララもわかるよ!!」

『そういうことだ。流石はエイシンフラッシュ、分かりやすい講義だったよ』
「いえ……いえ。わかっていただけたなら何よりです」
「そーとわかったらさっそくやってみよー!!ね、ね!トレーナー!今日はついかトレーニング、いいよね!」
『ああ。さっき俺が触って教えた筋肉を意識して走ってみるんだぞ』
「ふぃーるおーらい!!ばくしんばくしん、まっするー!!」

どこで覚えてきたのか、短距離に意識が向きそうな叫びと、筋肉に信仰を深めそうな言葉と共にハルウララがコースへ走っていく。
そんな後姿を、くすり、と微笑んで見送るエイシンフラッシュと、トレーナーがいた。
203: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:55:04
「……トレーナーさん、博識なんですね」
『そりゃ、トレーナーだからね』
「…面白い方。……ウララさんは、とても純粋で、素直で、優しい子です。ですが…」

エイシンフラッシュは、最近耳にした事と、これからの自分のレースを脳裏に描き、一つの懸念点を零す。

「……私は、彼女の夢を奪っていいのでしょうか。ともに、有馬のレースに立つ身である、私は……」

そう。
自分は、ウララと共に、有馬のレースに出走する。

彼女の夢は知っている。
まけないよー!負けませんよ、と笑顔で言い合ったこともある。
206: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:55:10
お前たちの3年間は無駄ではなかった
210: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:55:30
もちろん、エイシンフラッシュとしても負けるつもりはない。
………微塵もないとは、言い切れない。

『………エイシンフラッシュ』
「はい……」

『怒るよ』
「っ!?」

びくっ、とエイシンフラッシュが肩を震わせる。
隣に立つトレーナーは、笑顔を携えたままで…声色にも怒りの色は見られない。
だが、確かに自分を諭すために、言葉を紡いでいることが分かった。
214: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:55:52
フィールといえばヒノデマキバオーのモチーフは…!
221: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:56:56
>>214
お気づきの方もいるかもしれませんがレース実況はたいようのマキバオーリスペクトです
レース展開があまりに似通っていたためめっちゃリスペクトしてます
面白いよたいようのマキバオー!バイナウ!
つづきます
215: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:55:59
『レースなんだよ。有馬記念なんだ。どのウマ娘も、そこで勝つことが一番の目標だ』
「…は、はい。そう、ですよね…」

『それは、ウララだって、君だって変わらない。だから、二度とそんなことは言っちゃだめだ』
「………そう、ですね…すみません。失言でした」

……傲慢にもほどがあったと、エイシンフラッシュは自分の言葉を恥じた。
まるで、ウララさんが自分に敵わないとでもいうような、上からの目線。
そんな言葉を、ウララさんは、聞きたくはないし、思われたくもなかったはず。

…そう、彼女はとても頑張り屋で。
私の目から見ても、仕上がりは上々で。
だからこそ、勝ちたいと……
225: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:57:30
>>215
…これこの一言でラスボスも育てちゃったやつじゃね?
216: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:56:06
末脚対決はアツすぎない?
227: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:57:40
>>216
最初から最後まで激アツだ!
222: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:57:11
……そうだ、勝ちたいと。
そう、思って。

『……良いライバルを持ったね、ウララは』
「……あ」

気付けば、エイシンフラッシュの目は、コースを走るハルウララに注がれて。
その瞳からは、負けたくないと。
勝ちたいという、ウマ娘の本能が溢れていた。
224: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:57:24
『いい勝負にしような。けれど、俺のウララは強いぞ?』
「…っ、はい。心してかからせていただきますね」

わだかまりも消え、全力でウララに立ち向かおうという決意を見せるエイシンフラッシュに。
トレーナーは、ふ、と優しく微笑むのだった。

!『末脚』のコツをつかんだ!
230: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:57:47

──
───

「ふぅーーーーーーーーーーーーーッ………!!!」

大きく、長く息をついて、エイシンフラッシュが最後の直線、己が末脚をいかんなく発揮し吶喊する。
末脚は彼女の代名詞。

この瞬間まで、待ちに待った。
ここまでは全て作戦通り。

……なぜなら私は。
ウララさんが、ここまでやれるのを知っていたから。
231: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:58:04
「……よく、一緒にトレーニングしましたね、ウララさん」

彼女のトレーナーに声を掛けられ、3年間、結構な頻度で練習を共にした。
彼女の朗らかさと明るさは、エイシンフラッシュにとって心地よいものであったし。
エイシンフラッシュの論理的なトレーニングは、ハルウララの更なる躍進を手助けするものだった。

だから、この有馬で、走る前から彼女の事を欠片も侮らなかった。
逃げという大博打に見えるその姿も、彼女なら走り抜けると確信した。
最終直線で、先頭を走っているのは彼女だと、そう信じられた。

それくらい、共に走った。
233: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:58:21
だから、私はウララさんがどれだけ頑張ったかを知っている。
だから、私はウララさんがどれくらい走れるのか知っている。
だから、私はウララさんがどこまでも走れるのを知っている。

この、完璧に繰り出せた私の末脚でも。
ウララちゃんが、同じように末脚を繰り出せていれば、勝負は互角であると知っている。

「……ふふ。ウララさん。見事な前傾姿勢です」

末脚を発揮するための、最高の姿勢で、最低条件。
地面に顎が擦れそうになるほどの前傾姿勢で走るエイシンフラッシュは。
同じように、前傾姿勢でゴールにひた走るハルウララの姿を、微笑ましいものを見る目で眺めた。
234: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:58:22
桜と閃光
236: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:58:36
「でも」

目つきが変わる。
鋭い眼光でハルウララを「差し」穿つかのように睨み、そしてその先のゴールを見る。

絶対に負けません。

「……勝負です!!ウララさんっ!!!!」

彼女にそぐわぬ叫びと共に。
より一層の『全身全霊』で。
ハルウララの夢を奪いに、大外からさらなる加速を繰り出すのだった。
238: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:05
逃げならスピード友情訓練いっぱいやるからな…
239: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:06
ウワーッ!ゲームシステムを完全にストーリーラインに落とし込んでる!?
240: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:09
末脚、ラストスパートで速度を上げる、正真正銘最後の勝負…!
241: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:12

──
───

『さあ!有馬記念も残り100m!!』
『先頭は未だハルウララ!!そしてほぼ並びかけるようにシンボリルドルフ!!』
『ナリタブライアンはやや失速か!?二の矢を放ってその後ろからなんとセイウンスカイ!!!』

『そして大外!来たぞ来たぞ来た来た来たー!!!エイシンフラッシュのお通りだ!!』
243: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:31
『エイシンフラッシュだ!!エイシンフラッシュだ!!!』
『スピードが違う!!!』
『先頭までは6バ身ほど!!!』


『まずはナリタブライアンを捕えた!!』
『シンボリルドルフも苦しいか!!エイシンフラッシュが今差し切ったぁっ!!』

『さああと1人!!桜色の頂点は見えた!!』
245: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:48
『もはや勝利へのカウントダウン!!あともう5バ身ほど!そして…!』

『その差はみるみるうちに…!!…4!!!……………3!!………差は……』
246: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:57
ハルウララがんばれ!
ハルウララがんばれ!
247: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:59:59
『…その差は────』

『──────縮まらないッ!!!!』

『3バ身差から……まるで縮まらないッ!!!』
249: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:00:09
頑張れ!
252: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:00:19
逃げろー!!!逃げ切れー!!!!!
253: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:00:20
桜色のオーラが見える…
260: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:00:35
『エイシンフラッシュもここまでか!?有馬の魔物は彼女すら呪い殺すのか!?』
『いやっ!!確かに後続をちぎっている!!確かに凄まじい末脚を見せている!!!』
『しかしハルウララとの差が!!縮まらない!!』

『どういうことだ!?これはいったいどういうことなんだ!?!?』

『───つまりはエイシンフラッシュが強かったということ!!』
『───さらにナリタブライアンも、シンボリルドルフもキレのある足で全力で走っていたということ!!!』
『───そしてセイウンスカイもペースは乱されていなかったということ!!!!』

『──────じゃあこのウマは!?』
261: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:00:51
共に競いゴール目指した仲だもんな…
276: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:08
>>261
girls’ legend uだこれ…
262: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:00:58
いけぇぇぇ!!
263: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:01:04
『ハルウララはどういうことだ!?!?』
『説明がつかない!!ダートの、短距離の王者が先頭を走るこの光景に説明がつかない!!!』


『いやもはや説明などいらない!!』
『理由などいらない!!ただ事実がここにある!!!』

『残り50m!!!その先頭を走るのは────ハルウララぁッ!!!!!』
265: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:01:15

──
───
もう、なんにもきこえない。
269: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:01:27
こきゅうは、すってるのかはいてるのか、わからなくて。

あしは、しっかりうごいてるのか、わからなくて。

さげたあたまは、いまにもあがってしまいそうで。
270: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:01:36
競馬実況特有の長い長い最後の直線きたな…
272: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:01:49
けれど。

けれど。

みんなにおしえてもらったことを、しっかりとやりきって。


それでも。

それでも。

もう、限界なんだなって。
275: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:01
ここがきっと、ウララの限界。

あたまをふせて、下をむいてるから、ゴールまであとどれくらいかもわからない。

このいっぽか、つぎのいっぽか、そのつぎか。

わからないけど、もう足がとまっちゃいそうで。
277: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:13
でも、きっともうすこし。

もうすこしで、ゴールになるはず。


だけど、もう、

限界。
278: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:20
頑張れ
頑張れ
ウララならやれる
281: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:24
がんばったよ。

ウララ、がんばったよね。

だから、ほめてくれるよね、トレーナー。

ここで、あしをとめても、きっと………


そんな、よわいウララがちょこっとむねのうちにわいてくる。
283: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:39
がんばえー!
285: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:41
あともう少し!少しなんだ!
286: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:43
「─────────────」
288: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:02:56
でも、そんなウララのみみに。

なんだかとても、ききおぼえのある声がした、気がして。
あしをとめるまえに。

ちょっとだけ、顔をあげちゃったんだ。
292: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:03:12

──
───
「いっけええええーーーー!!!!ウララ、走れぇぇええええええええええ!!!!止まるんじゃねぇーーーっ!!!」

「止まらないでウララちゃん!!!そのまま!!!いって!!!走ってぇぇーーーーーーーっ!!!」

「頭を下げて!!!息を入れて、そのまま走り抜けてくださいまし!!!ウララさーーーーん!!!」

「勝てぇぇ!!!負けるなウララぁーーーーっ!!!!走れぇーーーーーーーーーっ!!!!!」
296: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:03:31
ゴール前の、観客席の、最前列。

ゴールドシップが。
スペシェルウィークが。
メジロマックイーンが。
ナイスネイチャが。

泣きながら。
喉が張り裂けそうになりながら。

それでも、大声で。
出せる限りの大声で。
ウララの勝利を願い、叫ぶ。
300: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:03:52
「負けるなーっ!!大穴ウマ娘になって見せろ、ウララーーーッ!!!エデンをアタシに見せてくれーっ!!!」

ゴールドシップが叫ぶ。
長距離のコツを教え、その後も遊び相手や、トレーニングに付き合った、ゴールドシップが大粒の涙をこぼしながら叫ぶ。


「走ってーーーっ!!勝って、いけーーーーっ!!!ーーっ!!いけるよウララちゃーーーーん!!!!」

スペシャルウィークが叫ぶ。
芝のコツを教え、流星を見届けて、息抜きなどでも共に時間を過ごした、スペシャルウィークが大粒の涙をこぼしながら叫ぶ。
302: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:16
ちょっとじゃなくてかなり泣く
304: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:26
ああ…そうだよな…
みんなの思いを継いできたんだもんな…
305: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:28
「行けますわ!!行けます!!!行って!!奇跡を見せてください、ウララさんっ!!!」

メジロマックイーンが叫ぶ。
長距離のコツを教え、世話を焼き、メジロ家の当主として長距離の走りを完璧に整えた、メジロマックイーンが大粒の涙をこぼしながら叫ぶ。


「想いが力になるところを、奇跡を起こせるところを見せてよウララっ!!負けないでぇーーーっ!!!」

ナイスネイチャが叫ぶ。
芝のコツを教え、ウララの信念に敬意を抱き、そうして共に走ることで芝の走りを完璧に整えた、ナイスネイチャが大粒の涙をこぼしながら叫ぶ。
306: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:36
がんばってウララちゃん…!
307: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:39
素晴らしいです…!
308: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:40
ド王道の展開はやっぱいいなぁ!
309: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:41
「「「「いっけぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」」」」
310: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:46
あなたの夢は何ですか?
私の夢はハルウララ!
311: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:56

──
───

「いけーーーっ!!!ウララ先輩っ!!!そのまま、いけェーーーーーーーっ!!!」
「負けるな!!ウララ、負けるなーーーーっ!!!いっけぇ!!!!!!」

ウオッカが叫ぶ。
ツインターボが叫ぶ。

有馬のゴール前、4人に並ぶようにして応援していた二人が叫ぶ。
共に、大粒の涙をこぼしながら叫ぶ。
312: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:04:58
お前の旅は無駄ではなかった!!!
314: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:06
何度も一緒に、ウララの練習に付き合って。
何度も一緒に、有馬で勝つって決意を、聞いて。

何度も一緒に、願った勝利がすぐ目の前にあるんだから。
「「いっけぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」」
315: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:11
希望を見せろー!
318: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:23
行け!
317: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:17

──
───
320: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:33
『───────がんばれ』

『──────────がんばれ、ウララ──』

『────────────がんばれ!!ハルウララ、がんばれ────────!!!!』
323: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:50
俺二期最終話でみんなが泣きながらテイオーを応援する理由わかった!
324: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:05:51

──
───

あしが、かるくなった。
326: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:10
2500m先のゴール板へたどり着くための長い永い旅路の果てへ
327: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:11
超えろ!超えてくれ!
328: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:12
もうちょっとだけ、はしれそうになった。

みんなの、ないてるかおがみえて。

みんなの、こえが、想いが、ウララのむねにじんわりと、ひろがって。
329: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:21
ウマ娘はみんなの夢を乗せて走るもんな…
330: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:22
だからすこしだけ、いきがらくになって。

だからもうすこしだけ、はしれるなって、おもって。

だから……めのまえの、ゴールまで。


おもいっきり、走る。
332: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:37
走れええええええええ!!!!!
333: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:37
「うん」


走るよ。

みててね、みんな。

みててね、トレーナー。
335: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:49
ウララがいま、走っていくから。

いちばんに、みんなのところにいくから。
それでね。

そんな、ないてるかおじゃなくって。

─────────えがおにして、みせるから!
336: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:49
頑張れ!
337: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:06:51
Don’t stop! No, don’t stop ’til finish!
339: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:01
『不沈艦、抜錨ォッ!』
『シューティングスター』
『貴顕の使命を果たすべく』
『きっとその先へ…!』
340: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:14
いけーーーっっ!無勝の女王ーーーーっっっ!!!
341: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:17
見たいのにもう涙で画面見えない
343: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:19
一等賞になれ!お前が!
344: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:19

──
───

『───なんということでしょうっ!!』


『さらに伸びる!!さらに伸びるっ!!!!』

『ハルウララがさらに伸びるっっ!!!!!!』
345: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:33
大した腕をしている…
アニメの脚本に出来るんじゃないか
346: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:40
『刮目せよ!!これが奇跡だ!!』

『中山に有馬の奇跡が舞い降りた!!!』

『今っ!!20万人が、奇跡の目撃者となる!!!』


『有馬記念!!!冬の、今年最後の大祭典!!!』

『そのゴールの一着を飾ったウマ娘は!!』


『ハルウララだーーーーーーーーっ!!!!』
347: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:49
結末が…来てしまう
348: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:53
『奇跡です!!何という快挙!!!』

『涙が止まりません!!信じられない!!ハルウララ、一着でゴールっっ!!!』

『冬の中山に咲き誇る、季節外れの桜満開!!!』
『──────ハルウララ、有馬記念を制しましたぁっっ!!!!!!』
371: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:20
>>348
最高
350: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:07:57
やったーーーー!!!
351: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:08:00
行ったああああ!!!!!
356: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:08:12
暮の中山、桜が満開
359: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:08:18
やったああああああああああああああああああああ!!!!!
360: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:08:30
3期アニメの脚本じゃないのか?
364: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:08:50
アニメ化しようぜ!これ!
367: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:00
素晴らしい
ほんとに
368: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:02
373: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:26
>>368
本当に凄いよ…
376: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:44
>>368
本物だよあんた…
384: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:10:04
>>368
ウンスも最後まであきらめなかったか…
369: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:10
逃げでペースを破壊しただけでなく、大一番の大勝負での大マグレでもなく、ウララが強かったのちゃんと描写しやがって…
372: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:25
劇場版ウマ娘プリティーダービー
375: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:44
アプリ真実とはアレンジしてるのか
それはそれで凄いな
379: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:09:53

──
───

(URA決勝を終えた、いつか、どこかで)
387: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:10:09
私の涙腺が破壊されていますよ
389: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:10:15
……ウララのファン感謝祭が、今回も始まる。
これまでは、そこそこの屋外ブースを使ってこぢんまりと開催していたそれなのだが。
今回の世界線は、どうやら事情が違ったようで。

東京にある大型のドームを貸し切って。
ウマ娘史上初となる単独ドームライブ。
観客はなんと満員。50万人以上だ。

『………すごいな』
「えー?すごいのー?」
394: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:10:33
>>389
なそ
にん
403: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:11:06
>>389
固有二つ名も取得しているー!?
407: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:11:20
『………すごいな』
「えー?すごいのー?」


隣で勝負服に…いや、ライブ用の衣装に着替えたハルウララが、んー?と首をかしげる。
プレッシャーなどかけらも感じていなさそうなその表情に、気の抜けた溜息が零れる。
…ウララらしいといえば、らしいな。

『すごいよ。ウララはすごい。偉いぞ』
「ほんとー!?えへへ、うれしー!それじゃライブ終わった後にいっぱいほめてね!」
『勿論だ』
412: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:11:45
ぽん、とウララの頭を撫でて、笑顔でステージに上がるターンテーブルへ向かう背中を見送った。
もう間もなく、ライブが始まる。
きっと彼女は、その持ち前の天真爛漫さで、しっかりと成功させるだろう。
…いや、どこかでポカをやらかしても、それもまたウララの持ち味。
どうあっても、このライブが失敗することなんてないだろう。

『………さて』

『……今回は、俺はこっち、ってことでいいのか?』
414: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:11:50
最高にかっこいいよ…
415: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:11:55
今年一番感動した
417: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:11:57
本当に凄いよ…
420: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:12:12
振り返る。
そして、誰もいない空間が広がるそこに、俺は語り掛けた。

場所は違えど、おおよそこのタイミングだったはずだ。
時間軸が、ループする瞬間は。

これまで、何度も何度もウララの涙を見て、そしてURAを優勝し、うららかな笑顔を見てきた。
そうして、これからライブが始まろうとしたところで…ウララとともに歩く俺を、見送ってきた。

しかし、今回の俺の主観では、どうやらこちらに残れるらしい。
有馬記念に勝利したウララと共に、これからも歩み続ける役目らしい。
421: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:12:22
ここで泣いたの初めてだ…
423: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:12:38
ライブで読む醍醐味がすごかった
431: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:13:22
>>423
まとめて読んでも面白いだろうけどライブで読むと本当にレースみたいで熱かった…
425: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:12:44
…ループが終わったのかもしれない。
ハルウララを有馬で勝たせる、それが切欠となってループがやんだ、という可能性もある。

けれど、そんなことはもうどっちでもいい。
俺は、やり遂げた。
ウララに、有馬で一着を取らせてやることができた。

もちろん、一番頑張ったのはウララで、次に頑張ってくれたのが学友の皆で、俺がしたことは大したことじゃない。
それでも、やり遂げられたという事実は、俺の胸にあった深い傷跡を癒してくれた。
426: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:12:49
ウワーッ!ループから脱出した!
428: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:13:07
果たしてここまで何度挑んだのだろうと考えると涙が出ますよ
429: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:13:08
『…ま、もしそっちに行ってる俺がいたら、頑張れよ。お前もまた、やり遂げたんだからな』

ふ、と誰かが笑う気配がして。
ふ、と俺もつられるように笑った。
430: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:13:13
なるほど毎回残って担当のウマ娘に付き添ってるトレーナーもいるという解釈か
432: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:13:22
ええ…ループもんとしてもめっちゃいいじゃんこれ…
448: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:54
>>432
元々繰り返すシステムと文脈がえげつないくらい噛み合ってるよね
433: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:13:29
「……おーい、トレーナーさんよぉ。アブネー独り言してねぇでさ。タイミング教えてくれよ―タイミングー」
『…ああ、悪いなゴルシ』

ゴールドシップに声を掛けられ、照れくさくなって頭を掻きながら、映像管理媒体を弄る彼女の元へ向かう。
そうだ、今はウララの大切なライブの始まる瞬間。
大したことでもないのに気を取られて、失敗しては申し訳が立たないってもんだ。

「おーし。そんじゃー…映像間違ってない!指さし確認ヨシ!ウララがターンテーブル乗った!目視ヨシ!」
437: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:05
ゴールドシップが謎のポーズでファーストライブ開始前の指さし確認を行う。
ディスプレイには、ターンテーブルでステージへ競りあがっていくウララの姿。
そして、もう一つのライブ映像で、沸きに沸く観客の姿。

……ハルウララの舞台が、始まる。

「そんじゃ流すぞー!ウララの有馬優勝したときのライブ映像!!覚悟はいいかーっ!!」

『ああ。カウントいくぞ。………3…2…1…』

「あ、ポチっとな」
442: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:33
───キミと夢をかけるよ!
何回だって勝ち進め 勝利のその先へ!

Sunshine!前を向けば Passion!高鳴るファンファーレ
青空一直線!(目指せ一着(テッペン!))
ちょっとヘコむときは パッと耳澄ませてFeel Me!
その背中 押してたいから

気持ち一列 それぞれに続く地平線 蹴って
(No More!)迷わないで
(Let’s Go!)止まらず行こう!
444: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:37
何回も繰り返す
そのたび涙する
445: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:46
負けた俺だってお前だって『これからも彼女と一緒に歩むだろう』って言ってるもんな
447: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:49
───キミと夢をかけるよ!
何回だって 巻き起こせスパート!
諦めないで I Believe!

いつか決めたゴール(『有馬』)に

Try!届け 全速で
走りまくろう Never Give Up!
450: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:14:59
ユメヲカケルは泣く
453: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:13
───風も音もヒカリも!
追い越しちゃって 誰も知らない明日へ進め!

(ほら)キミと夢を重ねてる
(ほら)その姿この瞳 映ってるから
456: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:35
やめろ!俺はこういう演出に弱いんだ!
457: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:39
青春ワクワクしよう!前途多難も楽しめば
あふれる大歓声!(気合満点!)

きっと一人だけじゃ ずっと気づけなかったよね
『不可能なんて 辞書にないこと』

パズルのような 『これまで』と『今』と『明日』があって

(No More!)迷わないよ
(Let’s Go!)繋げて行こう!

───『一緒に』───
483: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:00
>>457
ここがループしてたのと合わさって泣く
458: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:48
未来は誰にもわからない
未来を選ぶのはいつだって自分自身だ
460: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:49
この臨場感が涙腺を破壊する
461: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:49
本当の敵は 諦めだ
464: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:15:57
いかんちょっと泣く…
466: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:00
───キミと夢をかけるよ!
日進月歩 高め合えた
無限のチカラ I Can Be!

躓いたって 『Once Again』!


Try!常に 全力で
来たる未来は 自分次第!
467: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:05
明日があるんだよな…
470: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:26
───想像なんてビュンとね!

追い越しちゃって 忘れられない『キセキ』を起こせ!

(ほら)みんなココロ重ねてる
(ほら)ひたむきに輝いた ストーリー
472: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:35
いやー良いもん見れた
拍手だ
474: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:40
大作すぎる…
475: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:48
何処にいても虹を見上げて
『同じ想いでいられる』(目指せ一着(テッペン!))


トモダチ以上 仲間でライバル
努力だって なぜか嬉しい
競い合って 近づいて行く
476: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:48
ウララが歌ってるのが目に浮かぶ…
478: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:57
歌詞がさぁ!歌詞がさぁ!
480: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:16:58
───変えられるのさ 『Destiny』

限界だって 超えてみせる───


───『約束』したね 『あの日』

かけがえない『勝負』を───
482: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:00
ED曲付き怪文書いいですね
486: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:08
スタッフロールが見える…
良い劇場版だったな
496: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:56
>>486
サビからダンスシーンが始まるんだよね…
488: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:23
歌詞とリンクしすぎじゃないこんなのずるいよ…
490: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:28
ユメヲカケル ver.Urara
492: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:36
Pride!響け!全身で
すべて出して 思うままに
走りたいよ ともに So We Can Fly───!

───『キミ』と『夢』を『カケル』よ!
494: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:51
怪文書っていうか快文書だわ
495: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:17:54
何回だって 巻き起こせスパート!!
諦めないで I Believe!
いつか決めたゴールに

Try!届け 全速で
走りまくれ もっと
笑い合えた季節の中で
498: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:07
これは映画だわ
映像化アリじゃないか
499: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:09
歌詞が刺さるなあ
500: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:09
───風も音もヒカリも!
追い越しちゃって 誰も知らない明日へ進め!


(ほら)キミと夢を重ねてる
(ほら)この胸に昇る太陽
(ほら)噛みしめてGO!
502: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:19
───キミと夢をかけるよ!いつまでも───


──────希望とともに──────
504: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:25
次のOVAの原稿が流出したと聴いて
505: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:26
超大作じゃないか…すごいよ本当…
506: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:27
ちょっとウララ育成してくる
512: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:18:53
こんなにドラマを自分で作れるゲームってすげえよなあ
513: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:00
ありがとう
514: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:13
おめでとう
516: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:13
皇帝にも怪物にも見向きもされなかった小さな一輪の華が咲いたんだ…
517: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:14
拍手を送りたいほど感動した…
519: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:23
レース超見たいけど
自分でやった方が良いんだろうなあ
528: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:54
こんなん映画館でぶつけられたらしばらく椅子から立ち上がれないわ
次の時間の上映チケットも買うわ
529: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:19:58
このゲームただのレースでも気軽にドラマが作られるけど
その中でもとびきりドラマチックな舞台だからな…
531: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:20:00
スキップしながら適当に育てても毎回うまぴょいで少し泣きそうになるからここまで気持ち入ってたら泣きすぎて死にそうになりそう
539: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:20:15
自分もウララを有馬で優勝させてあげたいな…ってなるなった
最高だった…
563: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:21:22
いったいどれほどのウマ娘に勇気と希望を与える存在になるんだろうか
このハルウララは
592: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:22:55
策士を騙し抜き
皇帝と怪物を欺いて
命を振り絞って走りきった一人のウマ娘がいたんだ
その娘の名前は
633: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:26:15
この長い道のりを超えてくれたこととそこに至るまでの物語をこうして書いてくれてありがとう
本当に最高の時間だった
541: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 22:20:18
言葉が見つからないけどただもうありがとう…
本当に素敵なものを読ませてもらった…

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コメント一覧

1. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:06:40 ID:g5NzAwNjY
ご本人がpixivに「ハルウララ ~有馬突破のキセキ~」というタイトルで投稿されてるのでそちらも
0
20. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 03:40:30 ID:Q3NjMzMjc
>>1
ss乗らないなってスレあってタイムリーだったこのまとめ
0
27. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 06:59:29 ID:QwNTczMDk
>>1
何か見覚えある内容だなー、と思ったらご本人様だったわ
俺も有馬ウララで1着の悲願を成し遂げたから作者の気持ちすっげー分かるってばよ
イベントは見返せるようになったけど、実際のレース映像は今も手元に残してるわ
0
2. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:07:26 ID:U1ODI4Mjk
勝利者
0
3. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:07:59 ID:E0MjY1NDM
今も着々と達成している人はいるだろうけど、いつかウララちゃんで有馬獲りたいなぁ
0
5. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:11:31 ID:IxMDgyMzY
>>3
あと2ピースでウララの星3が解放されるから解放したら狙う予定
サポカ勢のサポカ力でなんとかできたらええなぁ
0
34. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 10:12:51 ID:g2MTc4MjM
>>5
当時のサポカで勝ってるの真の強者すぎる...
0
4. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:09:46 ID:A2OTk3MTM
URL貼ろうと思ったけど規約で禁止されてるしな…
まあ1コメのタイトルで検索すれば1番上に出てくるから良いか
0
6. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:11:51 ID:U1Nzk3NzY
2割ぐらいのところで、これは自分で有馬を勝ってから読むべきだってのは良く分かった
0
49. 名無しのあにまんch 2022年05月21日 00:02:19 ID:Q2NTgzODQ
>>6
同じことを思ったので有馬取って今読んだ
泣きました
0
7. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:18:48 ID:gzNjI1NjQ
51: 名無しのあにまんch 2021/04/02(金) 21:38:01
TIPS
・ウマ娘たちは賢さの範囲で、スタミナというリソースを消費して選択した作戦に沿うよう走ります
・なので逃げは兎に角トップを維持しようとパワーの許す限り加速します

知らなかったそんなの……
0
30. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 08:27:08 ID:M1OTE0MA=
>>7
最新研究版だと更に
・賢さが高ければ高いほど逃げ先行は前目につける事
・作戦ごとに目指す位置取りはウマ娘ごとである程度パターンがあり
賢さが高いほど好位置に付けやすくなる
プレイヤーはこれを固有の発動条件から推測する事が出来る
(ネイチャは前めの差しでフラッシュは後方ブチ抜き型)
(先行でも特にマックイーンは逃げの前を塞ぎに来る)
0
45. 名無しのあにまんch 2022年01月09日 05:05:19 ID:UyNTYzMDY
>>7
ゴルシでクラシックとシニアで宝塚勝つと『ゲート難』ってデバフスキル(文字通り自分へのデバフ)が貰えるんだけど『追い込み』『差し』を選択してる場合は「せっかくスタートダッシュで前めに付けても位置取りで下がるんだからスタミナを余計に使ってない?」というプレイヤーからは「むしろ最初から後ろめに付いてるしスタミナ温存になってない?」とか言われてる。
0
47. 名無しのあにまんch 2022年01月11日 10:35:53 ID:U2MzIyMA=
>>45
ゴルシとそれ以外の追込は固有抜きでも走り方全然違うのでびっくりしたなあ
タイシンがたぶん一番模範的な追込でスパート位置の辺りから一気に溜めた脚を使う
ゴルシは何というかスタートだけ投げ捨てて後ろから全部抜いて行けば勝ちだろ?って自分でスタート位置決めて後はずーっと位置押し上げ続ける…
0
8. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:21:36 ID:UxODQxMzI
日付見てもらえば分かると思うんだけどこれURAすら安定しないような黎明期に実体験を元にして書かれたSSなんだ
だからこそめっちゃ盛り上がった訳ですよ
確か合計で3000レス位行ってたと思う
0
9. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:23:11 ID:k2ODk5NTc
寝る前に見るんじゃなかった(`;ω;´)
0
15. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 02:31:19 ID:cxMDUzNzE
>>9
ワイはもう思い残す事は無い、後はただ眠るのみや
0
22. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 03:57:18 ID:Q2NzMyNjg
>>9
感動と興奮の涙で寝られねぇよ……
0
10. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:26:08 ID:Y2NTA1MDU
すごい泣いた記憶がある
実際に勝ってる画像を一緒に見てなおさら泣いた
0
11. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:29:03 ID:A2OTk3MTM
>>10
創作だと思ってたのにあるタイミングから実体験を元にしたSSだとわかった時の盛り上がり方凄かったよね
0
12. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 01:55:44 ID:g0NTk1MDY
感動して日付見ておったまげた
リアルタイムで見たかったなぁ…
0
13. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 02:04:47 ID:A5MDE1MzY
40分かかったけど全部読んだよ…大作だった…よかった…
0
14. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 02:15:05 ID:AwNjg5ODI
別の有馬ウララ小説をpixivで読んだけどあっちも逃げウララでセイウンスカイと競ってたな
0
16. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 02:39:43 ID:IyNTQwMTU
ドラマって実在するんやなって
0
17. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 02:57:00 ID:YxNzM5NTI
実体験を徹底的に落とし込んでるおかげで映像でイメージできるレベルだったわ……

寝る前だってのに熱すぎて寝れなくなっちゃったよ
0
18. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 03:04:27 ID:Q1OTI5NTM
こうやって自分(トレーナー)と愛バでドラマを作り出せるのがウマ娘のすごいところだよね。
0
19. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 03:09:40 ID:EwMDk1MzY
寝る前に良いものを見た
今夜はいい夢見れそうだ
0
21. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 03:54:57 ID:g0NTY3NTY
最後の声援のシーンは卑怯だろ
おっさんのザコな涙腺は耐えられないよ
0
23. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 05:02:19 ID:Y0MzUxNTg
僕将、明け方にひとりお布団の中で号泣。
0
24. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 05:06:30 ID:Q1NzY2NTk
うちのウララも勝たさなきゃ…
0
25. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 05:27:05 ID:Q3OTkyMTE
なんだこれすごい…リアタイ勢羨ましい!!!
0
26. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 06:45:08 ID:UwODc3NTA
スレでも言われてるけど、狩人の夢みたいだ…もともとめざまし時計でそれっぽさはあったけど
0
28. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 07:06:45 ID:M3NTA4NTY
最後の応援のとこで泣いちゃった
0
29. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 08:11:24 ID:gxMTI5MTA
ついこの前俺も有馬記念勝てたぞ!
新衣装だと結構可能性広がるから引いた人は試してみて欲しい
0
31. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 08:52:22 ID:I5MjcyOTM
俺もそろそろ有馬チャレンジしてみるか…って気になれた
0
32. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 09:50:28 ID:AxMjY0NTA
泣けた
ウマ娘始めたきっかけもブログでハルウララの事書いてる人のを読んだ勢いだったな
0
33. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 10:06:35 ID:QyMjU1MjA
これ元スレでよそに載せないでねって発言なかったっけ
0
35. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 11:31:54 ID:A5MDQyNzI
少し泣く

ウソつきました
だいぶ泣く
0
36. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 12:24:25 ID:k4NjY4MDg
無課金Aクラスがやっとのワイ。
何年掛けてでもウララを勝たせることを決意。
0
39. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 15:16:52 ID:k0NDg0NDg
>>36
俺もおんなじような無課金トレーナーなんだが
資金力より何世代にも渡って因子を積み重ねる根気が
一番必要なようだ・・・気が遠くなるぜ
0
37. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 12:31:28 ID:QyMDM2MjI
あの最初期ウララ有馬の人含め伝説級トレーナーには頭が下がるよ。
0
38. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 13:51:19 ID:gwMTA3NzQ
私は今日までにウララちゃんで高松宮記念、ジャパンダートダービー、帝王賞、JRCクラシック、東京大章典、スプリンターズステークスとついでにマイルチャンピオンシップ、フェブラリーステークス、JRCレディース、JRCスプリンターズ優勝してきたけどまだ有馬記念は勝てなかった。私にはまだ、覚悟が足りなかった。今年こそはウララちゃんで有馬記念を優勝する。先ずはその前哨戦として芝、短距離で最強のウララちゃんを何としても育成する。例えスコーピオン杯が過ぎても。その為に現在レンタル含めて芝因子13だけど頑張って芝因子18を作ります
0
40. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 15:31:27 ID:Q2NTM3Njg
ウマ娘やったことないけどやりたくなってきたわ。
とはいえ、しょっぱなにハルウララは育てないほうがいいのかな?
0
41. 名無しのあにまんch 2022年01月07日 17:28:06 ID:k0NDg0NDg
>>40
無課金でも相当遊べるから気軽に遊んでみてほしい
ウララは有馬に出走できさえすればクリア扱いで
優勝するというのは超上級者向けのオマケ要素なんで
初心者~中級者が無理して目指す必要はないよ
0
44. 名無しのあにまんch 2022年01月09日 04:54:57 ID:UyNTYzMDY
>>40
ガチャはサポカの方重視が吉。
誰だって勝てなきゃ面白くない。

最初の手持ちのウマ娘でもレアリティが低いだけで育てれば強くなるキャラは揃っているので「チームレース?で各レースに出すキャラほしいな」って感じにウマ娘ガチャをちょっと引いて各レースに出れるキャラを最低一人確保したらそこで止めていい。ウララは最初から持ってる。
ウララの有馬勝利に関しては執念が必要。ウララの有馬に関しては基本的に負けイベ扱いなんで負けても先に進める。
0
42. 名無しのあにまんch 2022年01月08日 01:28:58 ID:YwNzMxMzY
今日ハルウララでようやく有馬に勝つことができました。クラシック級で芝C長距離Bにできたのが奇跡だった
それでTwitter見てたらこのSSみっけて読んだら涙がめちゃくちゃ出てきた.....これクリアした人だったら余計に感情移入しちゃうわ
0
43. 名無しのあにまんch 2022年01月09日 01:13:56 ID:k2OTE2MzQ
>>42
おめでとう。その奇跡も因子育てたりの苦労がある前提。苦労の成果だね。
0
46. 名無しのあにまんch 2022年01月10日 03:53:06 ID:IxNDQxMjA
>>43
ありがとう...!!!でもまだクラシックでの有馬制覇が残ってるんだよね....それも頑張ります!!
0
48. 名無しのあにまんch 2022年01月15日 10:54:32 ID:A5MjgzNzU
現実ハルウララ「無茶言わないでよおおおお」
0

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