【ポケモン】ホップ×マリィ(ホプマリ) 【二次創作注意】
1: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:35:12
オレがポケモンの研究者を目指し始めて、もう5年くらい経つ。
そこそこトレーナーとしては実績を積んだと自負していたが、研究者に求められるのはそれとはまた質の違う知識ばかりで、
勉強を始めた当初は色々苦労した記憶しかない。
それでも、知らない知識を知り、その知識が新たな知識の理解に繋がるととても嬉しく、何よりも楽しかった。
そうやってちょっとずつ勉強をして、同時に自分なりに研究もしていって、
その研究が少しずつ認められるようになってきたのがここ最近のことだ。
上司にして先輩研究者のソニアはガラルの歴史研究においてそれなりの地位を得て、今や大学の講師も兼任している。
昔のソニアが見たらたぶん信じられない!と驚くだろう。
正直俺も未だにソニアが大学で教鞭を振るっている姿が想像できないが。
そこそこトレーナーとしては実績を積んだと自負していたが、研究者に求められるのはそれとはまた質の違う知識ばかりで、
勉強を始めた当初は色々苦労した記憶しかない。
それでも、知らない知識を知り、その知識が新たな知識の理解に繋がるととても嬉しく、何よりも楽しかった。
そうやってちょっとずつ勉強をして、同時に自分なりに研究もしていって、
その研究が少しずつ認められるようになってきたのがここ最近のことだ。
上司にして先輩研究者のソニアはガラルの歴史研究においてそれなりの地位を得て、今や大学の講師も兼任している。
昔のソニアが見たらたぶん信じられない!と驚くだろう。
正直俺も未だにソニアが大学で教鞭を振るっている姿が想像できないが。
2: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:35:25
まぁとにかく、お世話になってる先輩が出世してることはとてもめでたいことだ。それは良い。
ただ、ソニアが大学の講師を受けて以降、この研究所は半ばオレ専用となっていた。
慣れない講師の仕事が大変なのに加え、講師として閲覧できる大学の所蔵する色々な資料はソニアにとってとても有難いものらしく、
最近は研究所に顔を出すのは週一といったところだ。
だから、今日もオレは一人でパソコンと資料に向き合いながら自分の一人自分の研究を進めている。
これがひと段落したら、またフィールドワークに出たいんだが……
「ホップ」
キーボードを叩いていると、入口からどこか朴訥とした声が響いてきた。
「マリィ」
入口に立っていたのはスパイクタウンのジムリーダー、マリィ。
一応、俺のトレーナーとしての同期といった存在だ。
「来たのか」
そう言うと、マリィはムッと口を曲げる。
ただ、ソニアが大学の講師を受けて以降、この研究所は半ばオレ専用となっていた。
慣れない講師の仕事が大変なのに加え、講師として閲覧できる大学の所蔵する色々な資料はソニアにとってとても有難いものらしく、
最近は研究所に顔を出すのは週一といったところだ。
だから、今日もオレは一人でパソコンと資料に向き合いながら自分の一人自分の研究を進めている。
これがひと段落したら、またフィールドワークに出たいんだが……
「ホップ」
キーボードを叩いていると、入口からどこか朴訥とした声が響いてきた。
「マリィ」
入口に立っていたのはスパイクタウンのジムリーダー、マリィ。
一応、俺のトレーナーとしての同期といった存在だ。
「来たのか」
そう言うと、マリィはムッと口を曲げる。
3: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:36:34
「そういう言い方はなか。わざわざ忙しい合間を縫ってスパイクタウンから来てやってるたい。もっと感謝して」
マリィの言う事はもっともだ。今の言い方じゃまるでめんどくさがってるみたいだな。オレは慌てて謝罪の言葉を口にする。
「あ、ああ。ごめん、悪かった」
「そうそう、喜ぶたい。ほら、今日のお弁当」
「また作ってきてくれたのか。いつも悪いな」
「あたしの分作るついで。別に大した手間じゃなか」
「そうは言うが……」
「あーもう。その話はもう何度もしたと。ホップ、あんたあたしがお弁当作ってくるの迷惑なん?」
「そんな事ないっ!」
反射的にそう答えると、マリィはニッコリ……いやニンマリと笑う。
「なら、問題なか。ほら、丁度お昼たい。一緒に食べよ」
そういって、マリィは談話室のテーブルに弁当を広げると、慣れた手つきで紅茶を入れる。
「ほら、さっさと来る。お腹減ったら研究なんて出来ないでしょ」
「ああ、今行く」
今では当たり前となった二人きりの昼食会。どうしてそれが当たり前になったのか、オレはふと記憶を手繰り寄せてみた。
マリィの言う事はもっともだ。今の言い方じゃまるでめんどくさがってるみたいだな。オレは慌てて謝罪の言葉を口にする。
「あ、ああ。ごめん、悪かった」
「そうそう、喜ぶたい。ほら、今日のお弁当」
「また作ってきてくれたのか。いつも悪いな」
「あたしの分作るついで。別に大した手間じゃなか」
「そうは言うが……」
「あーもう。その話はもう何度もしたと。ホップ、あんたあたしがお弁当作ってくるの迷惑なん?」
「そんな事ないっ!」
反射的にそう答えると、マリィはニッコリ……いやニンマリと笑う。
「なら、問題なか。ほら、丁度お昼たい。一緒に食べよ」
そういって、マリィは談話室のテーブルに弁当を広げると、慣れた手つきで紅茶を入れる。
「ほら、さっさと来る。お腹減ったら研究なんて出来ないでしょ」
「ああ、今行く」
今では当たり前となった二人きりの昼食会。どうしてそれが当たり前になったのか、オレはふと記憶を手繰り寄せてみた。
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4: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:36:48
・・・・・
一年ほど前、突然マリィが研究所にやってきた。正確に言うと研究所の入口の前に。
その時、オレがマリィと会うのは随分久しぶりというか、多分三年前のファイナルリーグ以来だ。
驚くオレが『どうしたんだ』と尋ねると、マリィは昔と変わらずの無表情で、『ユウリからの依頼で様子を見に来た』と答えた。
その言葉の通り、マリィはオレに『ご飯食べてる?』、『研究は大事だけど体動かすことも大事たい』、『たまにはユウリに顔見せてあげて』、
などとあれこれ聞いたりアドバイスしたりなどして、そのまま研究所に一歩も入らず帰っていった。
その後、オレはマリィに言われた通り食事や運動にも気を使い始めたのだが……ユウリとは会わなかった。
いや、会えなかったと言うべきか。
あいつはチャンピオンとして毎日毎日忙しく働いている。
それがどれだけ大変なのかはアニキの事でよく知っている。
オレもまた研究者として中々に多忙の日々を送っていた。
時にフィールドワークに出て、時に他所の地方の学会に出て、時に研究所でパソコンとにらめっこして、と。
そんな状態のオレたちがまともに休日が合うって事はほぼ無いと言ってよかった。
一年ほど前、突然マリィが研究所にやってきた。正確に言うと研究所の入口の前に。
その時、オレがマリィと会うのは随分久しぶりというか、多分三年前のファイナルリーグ以来だ。
驚くオレが『どうしたんだ』と尋ねると、マリィは昔と変わらずの無表情で、『ユウリからの依頼で様子を見に来た』と答えた。
その言葉の通り、マリィはオレに『ご飯食べてる?』、『研究は大事だけど体動かすことも大事たい』、『たまにはユウリに顔見せてあげて』、
などとあれこれ聞いたりアドバイスしたりなどして、そのまま研究所に一歩も入らず帰っていった。
その後、オレはマリィに言われた通り食事や運動にも気を使い始めたのだが……ユウリとは会わなかった。
いや、会えなかったと言うべきか。
あいつはチャンピオンとして毎日毎日忙しく働いている。
それがどれだけ大変なのかはアニキの事でよく知っている。
オレもまた研究者として中々に多忙の日々を送っていた。
時にフィールドワークに出て、時に他所の地方の学会に出て、時に研究所でパソコンとにらめっこして、と。
そんな状態のオレたちがまともに休日が合うって事はほぼ無いと言ってよかった。
5: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:37:18
結局、ユウリと会えないままその年のジムチャレンジが始まって、いつの間にか終わっていた。
他人事みたいに聞こえるかもしれないが、実際オレはその年のジムチャレンジには参加してないから仕方がない。
別にトレーナーの道を諦めたわけじゃない。
ただ、まずは研究者としてちゃんと認められなければと思ったからだ。
二足の草鞋を履くにはオレはまだ足りないものが多すぎる。
ならばまずは一つの事に集中してと思ったから。
『今年はジムチャレンジに出ない』
それを電話で伝えた時ユウリは『そっか』と寂しそうに言った。
その一言がどうにも胸に刺さった。
ジムチャレンジには不参加となったが、それでも、チャンピオンの試合だけはちゃんと見ていた。
テレビの向こうで堂々と戦い、華々しく勝利を飾るチャンピオンの姿に感動して、興奮して、
自分が、あの場に立ててない事に、あいつの前に立てなかった事に寂しさを覚えた。
他人事みたいに聞こえるかもしれないが、実際オレはその年のジムチャレンジには参加してないから仕方がない。
別にトレーナーの道を諦めたわけじゃない。
ただ、まずは研究者としてちゃんと認められなければと思ったからだ。
二足の草鞋を履くにはオレはまだ足りないものが多すぎる。
ならばまずは一つの事に集中してと思ったから。
『今年はジムチャレンジに出ない』
それを電話で伝えた時ユウリは『そっか』と寂しそうに言った。
その一言がどうにも胸に刺さった。
ジムチャレンジには不参加となったが、それでも、チャンピオンの試合だけはちゃんと見ていた。
テレビの向こうで堂々と戦い、華々しく勝利を飾るチャンピオンの姿に感動して、興奮して、
自分が、あの場に立ててない事に、あいつの前に立てなかった事に寂しさを覚えた。
6: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:37:31
それでも、感傷的だったのはその日だけで、次の日からオレは頑張って研究を進めていった。
そんなある日、マリィが再び研究所へとやってきた。
『お昼食べた?』
突然の来訪に呆気に取られていたものの、辛うじて首を横に振る。
マリィは無表情のまま、オレに弁当の入った包みを差し出した。
『なら、これ食べて』
それを受け取ると、オレが何か言う前にマリィはさっさと帰っていった。
包みの中に『ユウリが「ホップ君、私頑張ってるよ。それと……待ってる」って言ってた』と書かれた紙が入っていた。
ユウリが何を待っているのか、言わなくてもわかった。
次の日、弁当箱を受け取りにまたやってきたマリィにオレは『伝言、ありがとうユウリに会ったらオレも頑張ってるぞ。だから……待ってろって伝えて欲しい』と言った。
『わかった』と頷いてそのまま弁当箱を受け取って帰ろうとしたマリィにオレは慌てて『弁当美味しかった!!ありがとう!!』と言った。
マリィは、何も言わず恥ずかしそうに微笑んだ。
そんなある日、マリィが再び研究所へとやってきた。
『お昼食べた?』
突然の来訪に呆気に取られていたものの、辛うじて首を横に振る。
マリィは無表情のまま、オレに弁当の入った包みを差し出した。
『なら、これ食べて』
それを受け取ると、オレが何か言う前にマリィはさっさと帰っていった。
包みの中に『ユウリが「ホップ君、私頑張ってるよ。それと……待ってる」って言ってた』と書かれた紙が入っていた。
ユウリが何を待っているのか、言わなくてもわかった。
次の日、弁当箱を受け取りにまたやってきたマリィにオレは『伝言、ありがとうユウリに会ったらオレも頑張ってるぞ。だから……待ってろって伝えて欲しい』と言った。
『わかった』と頷いてそのまま弁当箱を受け取って帰ろうとしたマリィにオレは慌てて『弁当美味しかった!!ありがとう!!』と言った。
マリィは、何も言わず恥ずかしそうに微笑んだ。
7: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:37:50
何日かしたあと、マリィはまたやってきてこう言った。
『一緒にお昼食べない?』
断る理由も無かったのでオレは頷き、談話室へと促した。
4度目の訪問にしてようやくマリィは研究所へと足を踏み入れた。
その後は毎日のようにマリィは研究所にやってきてオレと昼食を食べた。
その間の会話は大体ユウリの近況とオレの近況が主なテーマだった。
だけど、昼食会の回数が増えていくうちにユウリの話題は減っていって、代わりにマリィの話題が増えていった。
『ジムリーダーは大変』だとか、『だけどやりがいがある』、とか、
『アニキ以上に頑張ってスパイクタウンを盛り上げるんだ!』とか。
特に、最後の宣言はオレも力強く頷いて応援した。
マリィはやっぱり恥ずかしそうに笑った。
時折マリィが来ない日があったが、そんな時は必ず電話が来て『今日は仕事で行けない。ごめん』とだけ言って直ぐに切られた。
マリィはジムリーダーなんだから忙しくて当然なのになんで謝るんだろうと思った。
そうやって会ったり会わなかったりを繰り返すうちにいつの間にか一年が経っていた。
『一緒にお昼食べない?』
断る理由も無かったのでオレは頷き、談話室へと促した。
4度目の訪問にしてようやくマリィは研究所へと足を踏み入れた。
その後は毎日のようにマリィは研究所にやってきてオレと昼食を食べた。
その間の会話は大体ユウリの近況とオレの近況が主なテーマだった。
だけど、昼食会の回数が増えていくうちにユウリの話題は減っていって、代わりにマリィの話題が増えていった。
『ジムリーダーは大変』だとか、『だけどやりがいがある』、とか、
『アニキ以上に頑張ってスパイクタウンを盛り上げるんだ!』とか。
特に、最後の宣言はオレも力強く頷いて応援した。
マリィはやっぱり恥ずかしそうに笑った。
時折マリィが来ない日があったが、そんな時は必ず電話が来て『今日は仕事で行けない。ごめん』とだけ言って直ぐに切られた。
マリィはジムリーダーなんだから忙しくて当然なのになんで謝るんだろうと思った。
そうやって会ったり会わなかったりを繰り返すうちにいつの間にか一年が経っていた。
8: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:38:14
・・・・・
「……ップ、ホップ!」
気が付くとマリィがオレの顔を訝し気に見つめていた。
まずい、どうやら意識が過去に飛んでいたらしい。
オレは平静を装って聞き返す。
「……ん?なんだ?」
「もう、聞いてなか?」
「すまん、ちょっと研究の事考えてた」
「それじゃあ……しかたなか」
咄嗟に付いた嘘だったが、マリィは納得してくれたみたいだ。
だが嘘を吐いたことと、それをマリィが信じた事で二重の罪悪感に苛まれてしまう。
それを誤魔化すためにオレは前からの疑問を投げかけて見た。
「……ップ、ホップ!」
気が付くとマリィがオレの顔を訝し気に見つめていた。
まずい、どうやら意識が過去に飛んでいたらしい。
オレは平静を装って聞き返す。
「……ん?なんだ?」
「もう、聞いてなか?」
「すまん、ちょっと研究の事考えてた」
「それじゃあ……しかたなか」
咄嗟に付いた嘘だったが、マリィは納得してくれたみたいだ。
だが嘘を吐いたことと、それをマリィが信じた事で二重の罪悪感に苛まれてしまう。
それを誤魔化すためにオレは前からの疑問を投げかけて見た。
9: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:38:50
「なぁ」
「何?」
「マリィはどうしてオレに弁当を作ってくれるんだ?」
「……迷惑?」
不安そうに首を傾げるマリィにオレは言い含めるように伝える。
「そんな事無い。そんな事ないが……ただ、どうしてなんだって」
「……」
「ユウリに頼まれたのか?」
「………………うん」
「……そうか」
さて、この時オレはどう思ったのだろうか。
嬉しかったのか、悲しかったのか。
前者ならユウリがオレの事を気にかけてくれていたからだ。
ろくに連絡も取らないお隣さんのオレをあいつは今でも心配してくれている。
チャンピオンとして忙しいだろうに。それは、本当に嬉しい事だ。
「何?」
「マリィはどうしてオレに弁当を作ってくれるんだ?」
「……迷惑?」
不安そうに首を傾げるマリィにオレは言い含めるように伝える。
「そんな事無い。そんな事ないが……ただ、どうしてなんだって」
「……」
「ユウリに頼まれたのか?」
「………………うん」
「……そうか」
さて、この時オレはどう思ったのだろうか。
嬉しかったのか、悲しかったのか。
前者ならユウリがオレの事を気にかけてくれていたからだ。
ろくに連絡も取らないお隣さんのオレをあいつは今でも心配してくれている。
チャンピオンとして忙しいだろうに。それは、本当に嬉しい事だ。
10: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:39:06
なら、どうして悲しい可能性があるのだろうか。
もしも、マリィがオレのところに来るのにユウリの意志が無かったとしたら、
それはたぶんマリィの意志によるものって事で、なら、それは、つまり―――――
「…………ホップ」
オレの意識がまたどこかへ飛ぼうとしていた時、マリィが呟くような声で呼んだ。
「……なんだ?」
「明日も、来ていい?」
「もちろんだ」
反射のようにそう答えた。
さっきまで何を考えてたのか、何を考えようとしていたのか、もう忘れていた。
もしも、マリィがオレのところに来るのにユウリの意志が無かったとしたら、
それはたぶんマリィの意志によるものって事で、なら、それは、つまり―――――
「…………ホップ」
オレの意識がまたどこかへ飛ぼうとしていた時、マリィが呟くような声で呼んだ。
「……なんだ?」
「明日も、来ていい?」
「もちろんだ」
反射のようにそう答えた。
さっきまで何を考えてたのか、何を考えようとしていたのか、もう忘れていた。
11: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:39:18
・・・・・
それからまたしばらく経ったある日、マリィがいつものように研究所に入ってきた瞬間、オレは諸手を上げて叫んだ。
「マリィ聞いてくれ!」
「な、なに?」
驚くマリィ。
オレは気にせず彼女の両手を取る。
「ついに俺の研究が認められたんだ!!オレ、ついに博士になれるんだ!!」
無論その研究はオレだけの力で認められたわけじゃない。ソニアはもちろんマグノリア博士からも多大なサポートを受けてやっとといった具合の物だった。
それでも、論文が認められた事には変わりがない。
オレは、やっとあの日夕焼けが照らすまどろみの森でユウリに宣言した目標に一歩たどり着いたんだ。
「っ……おめでとうホップ!!ほんと、ホント良かったっ……!」
「ああっ!」
それからまたしばらく経ったある日、マリィがいつものように研究所に入ってきた瞬間、オレは諸手を上げて叫んだ。
「マリィ聞いてくれ!」
「な、なに?」
驚くマリィ。
オレは気にせず彼女の両手を取る。
「ついに俺の研究が認められたんだ!!オレ、ついに博士になれるんだ!!」
無論その研究はオレだけの力で認められたわけじゃない。ソニアはもちろんマグノリア博士からも多大なサポートを受けてやっとといった具合の物だった。
それでも、論文が認められた事には変わりがない。
オレは、やっとあの日夕焼けが照らすまどろみの森でユウリに宣言した目標に一歩たどり着いたんだ。
「っ……おめでとうホップ!!ほんと、ホント良かったっ……!」
「ああっ!」
12: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:39:32
マリィは瞳を潤ませ、オレの手強く握り返してくる。
オレもそれが嬉しくて更に強くその手を握る。
やっと、やっとオレの夢に届いた。
まだこれで終わりじゃない。むしろ始まりだってわかってる。
それでも、スタートラインに立てたそれが、どうしようもなく嬉しい。
オレのもう一つの夢にまた走りだせることも。
「これなら、来年のジムチャレンジにも参加できるぞ!」
「……え?」
オレもそれが嬉しくて更に強くその手を握る。
やっと、やっとオレの夢に届いた。
まだこれで終わりじゃない。むしろ始まりだってわかってる。
それでも、スタートラインに立てたそれが、どうしようもなく嬉しい。
オレのもう一つの夢にまた走りだせることも。
「これなら、来年のジムチャレンジにも参加できるぞ!」
「……え?」
13: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:40:00
あの日、オレはポケモン博士になるとユウリに誓った。
だけど、それはトレーナーを、チャンピオンになる事を諦めたわけじゃない。
もっと勉強して、もっと強くなって、必ずアニキもユウリも超えた最強のチャンピオンになってやる。
そう誓ったんだ。
だけど、オレは不器用だから。どっちも全力で頑張るなんて器用なマネは出来なかった。
だから、まずは博士を目指して、その夢が達成出来たら……今度はチャンピオンになる。
そう決めていた。
「よし、今から特訓しないと……ああでも研究も疎かにしないようにしないと……うーん……ひと段落したと思ったらまたやる事山積みだな……」
研究者を辞めるわけじゃない、むしろもっと力を入れないといけない。
その上でチャンピオンを目指す。
………………これ二足の草鞋じゃないか?
自分の考えが昔とまるで変っていない事に気づいて愕然とするも、今更チャンピオンを目指すのを再延期するなんて気持ちにはなれない。
だけど、それはトレーナーを、チャンピオンになる事を諦めたわけじゃない。
もっと勉強して、もっと強くなって、必ずアニキもユウリも超えた最強のチャンピオンになってやる。
そう誓ったんだ。
だけど、オレは不器用だから。どっちも全力で頑張るなんて器用なマネは出来なかった。
だから、まずは博士を目指して、その夢が達成出来たら……今度はチャンピオンになる。
そう決めていた。
「よし、今から特訓しないと……ああでも研究も疎かにしないようにしないと……うーん……ひと段落したと思ったらまたやる事山積みだな……」
研究者を辞めるわけじゃない、むしろもっと力を入れないといけない。
その上でチャンピオンを目指す。
………………これ二足の草鞋じゃないか?
自分の考えが昔とまるで変っていない事に気づいて愕然とするも、今更チャンピオンを目指すのを再延期するなんて気持ちにはなれない。
14: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:40:30
だって、ユウリは今もチャンピオンとして王座を守っている。
今も、オレを待っていてくれる。
「だからオレは絶対に諦めない!!オレは、今度こそユウリに……」
「ホップ」
オレが強い決意を込めて拳を握りしめていると、マリィがそっとオレの名を呼んだ。
「なんだ?」
「ホップってさ、ユウリの事好き?」
「え?」
言葉の意味が一瞬分からなかった。
「ホップってさ、昔っからユウリと一緒だったんでしょ?だから、好きなんかなって」
マリィが聞いてる『好き』の意味を勘違いするほど俺は子供じゃない。
子供じゃないが……彼女の質問に答えられるかというと、
「…………わからん」
オレの回答にマリィは憮然とした表情をする。
今も、オレを待っていてくれる。
「だからオレは絶対に諦めない!!オレは、今度こそユウリに……」
「ホップ」
オレが強い決意を込めて拳を握りしめていると、マリィがそっとオレの名を呼んだ。
「なんだ?」
「ホップってさ、ユウリの事好き?」
「え?」
言葉の意味が一瞬分からなかった。
「ホップってさ、昔っからユウリと一緒だったんでしょ?だから、好きなんかなって」
マリィが聞いてる『好き』の意味を勘違いするほど俺は子供じゃない。
子供じゃないが……彼女の質問に答えられるかというと、
「…………わからん」
オレの回答にマリィは憮然とした表情をする。
15: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:40:53
まずい、とりあえずマリィの気に入る回答じゃ無かったみたいだ。
オレはしどろもどろになりながらあれこれと補足を続ける。
「ああいや、嫌いとかじゃないんだ。好きか嫌いかで言ったら間違いなく好きだ」
そう、好悪で言うなら間違いなく好だ。
昔馴染みだからアイツの性格はよく知っている。
「ただ……そう、だな。オレはずっとあいつのライバルだ。少し立ち止まったけど、やっとまたあいつを追いかけられる。それは、嬉しい。本当に嬉しいぞ」
真面目なようでどこか抜けていて、それでいてポケモンバトルの才能はピカ一で、そんなユウリはオレにとってライバルで、目標で――――憧れだ。
その感情にもしも昔馴染みへの友情や、チャンピオンへの敬意以外のものがあるとしたら。
「……オレは、もしかしたらはユウリの事が――――」
「ホップ、あたし、あたしね」
オレはしどろもどろになりながらあれこれと補足を続ける。
「ああいや、嫌いとかじゃないんだ。好きか嫌いかで言ったら間違いなく好きだ」
そう、好悪で言うなら間違いなく好だ。
昔馴染みだからアイツの性格はよく知っている。
「ただ……そう、だな。オレはずっとあいつのライバルだ。少し立ち止まったけど、やっとまたあいつを追いかけられる。それは、嬉しい。本当に嬉しいぞ」
真面目なようでどこか抜けていて、それでいてポケモンバトルの才能はピカ一で、そんなユウリはオレにとってライバルで、目標で――――憧れだ。
その感情にもしも昔馴染みへの友情や、チャンピオンへの敬意以外のものがあるとしたら。
「……オレは、もしかしたらはユウリの事が――――」
「ホップ、あたし、あたしね」
16: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:41:03
瞬間、マリィが両手でオレの顔を挟み自分へと向けさせる。
突然の事で、オレが何を言おうとしたのか吹っ飛んだ時、
「ホップの事、好いとーよ」
畳みかけるようにマリィの笑顔と、告白が脳へと飛び込んできた。
「ホップの頑張ってる姿が好き、いつだってやる気に溢れてて、目標を達成してもまた別の目標を見つけて走り出すあんたが好き」
マリィの顔は真っ赤で、唇は緊張で震えてて、
「あんたと一緒にいると、あたしももっと頑張りたいって思える。もっと、走りたいって思える。もっと……あんたの事を知りたいって思える」
だけど、絶対にオレから目を逸らさなかった。
突然の事で、オレが何を言おうとしたのか吹っ飛んだ時、
「ホップの事、好いとーよ」
畳みかけるようにマリィの笑顔と、告白が脳へと飛び込んできた。
「ホップの頑張ってる姿が好き、いつだってやる気に溢れてて、目標を達成してもまた別の目標を見つけて走り出すあんたが好き」
マリィの顔は真っ赤で、唇は緊張で震えてて、
「あんたと一緒にいると、あたしももっと頑張りたいって思える。もっと、走りたいって思える。もっと……あんたの事を知りたいって思える」
だけど、絶対にオレから目を逸らさなかった。
17: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:41:16
「だから、あたしと付き合って」
そう言い切って、オレを解放する。
でも、その瞳は答えを聞くまで絶対に逃がさないとオレを貫いている。
それだけの覚悟を込めた告白だ。
どんな結果になろうと、オレはちゃんと応えないといけない。
大きく息を吸う。
マリィを見つめ返す。
そして、
「…………ぉう」
油の切れたロボットのようにぎこちなく、小さく頷いた。
その日の晩、もっと気の利いた返事が出来ただろっ!?と、ベッドの上をのたうち回る事になった。
そう言い切って、オレを解放する。
でも、その瞳は答えを聞くまで絶対に逃がさないとオレを貫いている。
それだけの覚悟を込めた告白だ。
どんな結果になろうと、オレはちゃんと応えないといけない。
大きく息を吸う。
マリィを見つめ返す。
そして、
「…………ぉう」
油の切れたロボットのようにぎこちなく、小さく頷いた。
その日の晩、もっと気の利いた返事が出来ただろっ!?と、ベッドの上をのたうち回る事になった。
19: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:42:22
むっホプマリキテ…思ったより長いぞこれ!?
20: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:42:35
長いです
たぶん後4,5回スレ立てます
お盆のうちには終わらせるんで
また明日もスレ立てるんでよろしくお願いします
人死には出ないので安心してください
たぶん後4,5回スレ立てます
お盆のうちには終わらせるんで
また明日もスレ立てるんでよろしくお願いします
人死には出ないので安心してください
33: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:49:07
抱けー!抱くペコー!
>>20
わーい楽しみ!
不穏すぎるわ!
>>20
わーい楽しみ!
不穏すぎるわ!
21: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:42:42
思わぬ大作がお出しされた…
23: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:13
いい…
いいけどまた敗北してる…
いいけどまた敗北してる…
24: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:21
あらあら超大作ね
26: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:29
大作すぎる…
27: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:44
笑顔の練習してるマリィを初対面で自然に笑わせた男だからな…
28: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:55
分かっておったろうにのう
いかに鎧があったところでユウリから歩み寄らねば結ばれることはない
いかに鎧があったところでユウリから歩み寄らねば結ばれることはない
29: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:58
じっくり読ませてもらう…
30: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:44:59
まっとうな2次創作だこれ!
31: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:45:49
気ぶれる予感がするわね…
32: 名無しのあにまんch 2020/08/12(水) 23:47:49
抱けー!抱くのよー!
34: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 00:03:06
かーっ!見んねマリィ!
卑しかあたしたい!
卑しかあたしたい!
35: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 00:04:21
モルペコは空気を読んでボールに入ってます
36: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 00:08:35
突然オーセンティックなホプマリがやってきてこれは…
まだまだ活気がありすぎる…
まだまだ活気がありすぎる…
2: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:38:03
・・・・・
ある日のエキシビジョンマッチ後、あたしはユウリに部屋に来ないかと誘われた。
『ナンパ?』って茶化したらユウリは顔を真っ赤にして『そういうんじゃないからっ!!』と叫んだ。
その姿を見てあたしはけらけらと笑い、不貞腐れるユウリを促して彼女の部屋へと向かって行った。
・・・・・
「どうぞどうぞー」
そう言ってユウリはあたしを部屋に招き入れる。
「あいっかわらず贅沢な部屋ばい……」
シュートシティで一番デカいホテルロンド・ロゼ。
ガラルの誇る三ツ星として有名なこのホテルの一室がシュートシティにおけるユウリの拠点だった。
あたしもここを利用した事があるが、それはあくまで委員会が部屋を用意してくれる時だけ。
彼女のようにプライベートも含めて利用するような事出来やしない。
ある日のエキシビジョンマッチ後、あたしはユウリに部屋に来ないかと誘われた。
『ナンパ?』って茶化したらユウリは顔を真っ赤にして『そういうんじゃないからっ!!』と叫んだ。
その姿を見てあたしはけらけらと笑い、不貞腐れるユウリを促して彼女の部屋へと向かって行った。
・・・・・
「どうぞどうぞー」
そう言ってユウリはあたしを部屋に招き入れる。
「あいっかわらず贅沢な部屋ばい……」
シュートシティで一番デカいホテルロンド・ロゼ。
ガラルの誇る三ツ星として有名なこのホテルの一室がシュートシティにおけるユウリの拠点だった。
あたしもここを利用した事があるが、それはあくまで委員会が部屋を用意してくれる時だけ。
彼女のようにプライベートも含めて利用するような事出来やしない。
3: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:38:17
そういうところでもあたしとユウリの格差を実感してしまう。
そんな劣等感が沸き上がりかけ、あたしは慌ててそれを抑え込む。
そう、ユウリはチャンピオンであたしはジムリーダー。
差があって当然で、それをひっくり返すためにあたしたちは日夜努力しているんだ。
「マリィちゃんどうしたの?」
そうやって自分を奮い立たせているうちに、ユウリはテーブルにお菓子と紅茶を用意していた。
あたしは『なんでもなか』と首を振り、彼女の向かいの席に座った。
とりあえずともそもそとクッキーを齧っていると、ユウリは何やらもじもじとしている。
何の用?と催促してもいいのだが、まぁここはユウリが落ち着いて話せるまで待ってあげようと思う。
そうやってあたしが3枚目のクッキーに手を伸ばした時、ユウリがぽつりと話し出した。
「あの、さ。マリィちゃん。ちょっとお願いがあるんだけどさ」
「何?」
「その……ホップ君の様子を見て来てもらいたいの」
そんな劣等感が沸き上がりかけ、あたしは慌ててそれを抑え込む。
そう、ユウリはチャンピオンであたしはジムリーダー。
差があって当然で、それをひっくり返すためにあたしたちは日夜努力しているんだ。
「マリィちゃんどうしたの?」
そうやって自分を奮い立たせているうちに、ユウリはテーブルにお菓子と紅茶を用意していた。
あたしは『なんでもなか』と首を振り、彼女の向かいの席に座った。
とりあえずともそもそとクッキーを齧っていると、ユウリは何やらもじもじとしている。
何の用?と催促してもいいのだが、まぁここはユウリが落ち着いて話せるまで待ってあげようと思う。
そうやってあたしが3枚目のクッキーに手を伸ばした時、ユウリがぽつりと話し出した。
「あの、さ。マリィちゃん。ちょっとお願いがあるんだけどさ」
「何?」
「その……ホップ君の様子を見て来てもらいたいの」
4: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:38:32
そう言われた途端、あたしは顔面で『めんどくさい』を表現した。
「……自分で行けばよか」
「そう、なんだけど。その通りなんだけどさ」
ユウリはきょろきょろと視線を揺蕩わせ落ち着きがない。
「私、もう何か月もホップ君と会ってないしさ、いきなり行ったらその……なんか、ね?」
「あたしだってホップと長いこと会ってなか」
最後に会ったのは一昨年のファイナルリーグだろうか。
その時だって別にガッツリと会話したわけじゃなく、『久しぶり』とか『勝つのはあたしたい!』みたいななんて事ない会話しかした記憶がない。
というかユウリは一応年末年始には実家に戻ってホップにも会っているはずなのに。
「そう、なんだけど……でも、なんていうか、さ?私はその……」
「つまり、『大好きなホップ君に長いこと会えてなくて寂しいけどだからっていきなり会いに行っても緊張して何言いだすかわからない』って事ね」
「以心伝心なのは嬉しいけどそうハッキリ言われると私情けなさ過ぎる……」
「実際情けないんだから問題なか」
「……自分で行けばよか」
「そう、なんだけど。その通りなんだけどさ」
ユウリはきょろきょろと視線を揺蕩わせ落ち着きがない。
「私、もう何か月もホップ君と会ってないしさ、いきなり行ったらその……なんか、ね?」
「あたしだってホップと長いこと会ってなか」
最後に会ったのは一昨年のファイナルリーグだろうか。
その時だって別にガッツリと会話したわけじゃなく、『久しぶり』とか『勝つのはあたしたい!』みたいななんて事ない会話しかした記憶がない。
というかユウリは一応年末年始には実家に戻ってホップにも会っているはずなのに。
「そう、なんだけど……でも、なんていうか、さ?私はその……」
「つまり、『大好きなホップ君に長いこと会えてなくて寂しいけどだからっていきなり会いに行っても緊張して何言いだすかわからない』って事ね」
「以心伝心なのは嬉しいけどそうハッキリ言われると私情けなさ過ぎる……」
「実際情けないんだから問題なか」
5: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:38:44
こんな情けなく落ち込み項垂れるチャンピオンの姿はファンに見せられないたい……
あたしはため息を吐いて、さてどうしようかと思案する。
ユウリの頼みはぶっちゃけ断りたいというのが本音だ。
何が悲しくて友人の代理として碌に交流がない男に会いに行かなきゃいけないんだ。それも、友人の惚れてる男に。
というかそんなんホップも困るだろう。なのであたしとしては全力で断りたいとこなのだが……
「うう……ホップ君……」
テーブルに突っ伏してさめざめと泣く親友の姿を見ているとどうも何とかしてあげたいと思ってしまう。
というか泣くほど会いたいなら素直に会いに行けばいいのに……
そう思うものの、理屈で動けないのが恋する乙女心なのかなと思いあたしは再び大きなため息を吐いた。
「………………ちょっと会ってホップの近況聞いてくればよか?」
「やってくれるのっ!?」
「いつまでもチャンピオンにめそめそされてたらこっちが困るたい」
「ありがとうっ!!流石私の親友!!」
「調子よか……」
あたしの両手をがっしりと握りブンブンと振り回すチャンピオンの姿に、あたしは本日3回目の溜息を吐く羽目になった。
あたしはため息を吐いて、さてどうしようかと思案する。
ユウリの頼みはぶっちゃけ断りたいというのが本音だ。
何が悲しくて友人の代理として碌に交流がない男に会いに行かなきゃいけないんだ。それも、友人の惚れてる男に。
というかそんなんホップも困るだろう。なのであたしとしては全力で断りたいとこなのだが……
「うう……ホップ君……」
テーブルに突っ伏してさめざめと泣く親友の姿を見ているとどうも何とかしてあげたいと思ってしまう。
というか泣くほど会いたいなら素直に会いに行けばいいのに……
そう思うものの、理屈で動けないのが恋する乙女心なのかなと思いあたしは再び大きなため息を吐いた。
「………………ちょっと会ってホップの近況聞いてくればよか?」
「やってくれるのっ!?」
「いつまでもチャンピオンにめそめそされてたらこっちが困るたい」
「ありがとうっ!!流石私の親友!!」
「調子よか……」
あたしの両手をがっしりと握りブンブンと振り回すチャンピオンの姿に、あたしは本日3回目の溜息を吐く羽目になった。
6: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:39:03
・・・・・
翌日、あたしはブラッシータウンの研究所の前で立ち尽くしていた。
「…………一体何を言えばいいの?」
昨日はユウリのテンションに圧されて了承してしまったが、改めて考えるとあたしがこれからする事はだいぶ不自然というか突然だと思う。
2年間も碌に会ってなかった女がいきなり自分の職場に尋ねて来て近況を聞いてくるというのは相手からすると中々の恐怖じゃなかろうか。
そんな思いが浮かんで踵を返しそうになる足を必死に抑えて、だからと言って踏み出せないままあたしはじっと研究所の扉の前で突っ立っていた。
「……どうしよ」
「何がだ?」
驚きのあまり声が出そうになるのを表情筋で無理やり押しとどめる。
いつの間にか目の前にホップがいた。
「えっと……マリィだよな?どうしたんだこんなところで」
二年ぶりに会ったホップは前よりも背が伸びて、髪が伸びて、少し……やつれていた。
「…………久しぶり」
「お、おう」
翌日、あたしはブラッシータウンの研究所の前で立ち尽くしていた。
「…………一体何を言えばいいの?」
昨日はユウリのテンションに圧されて了承してしまったが、改めて考えるとあたしがこれからする事はだいぶ不自然というか突然だと思う。
2年間も碌に会ってなかった女がいきなり自分の職場に尋ねて来て近況を聞いてくるというのは相手からすると中々の恐怖じゃなかろうか。
そんな思いが浮かんで踵を返しそうになる足を必死に抑えて、だからと言って踏み出せないままあたしはじっと研究所の扉の前で突っ立っていた。
「……どうしよ」
「何がだ?」
驚きのあまり声が出そうになるのを表情筋で無理やり押しとどめる。
いつの間にか目の前にホップがいた。
「えっと……マリィだよな?どうしたんだこんなところで」
二年ぶりに会ったホップは前よりも背が伸びて、髪が伸びて、少し……やつれていた。
「…………久しぶり」
「お、おう」
7: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:39:15
あたしはカチカチの表情筋をほぐせないまま、とりあえずユウリに頼まれてホップに会いに来たと伝えた。
でも、その後何を聞けばいいのかわからなくなった。
あたしが頑なに無言を貫くからか、ホップは困ったように笑いかけてくる。
まずい、このままでは只の変質者でしかない。
あたしはキョロキョロと視線を彷徨わせ、何か会話の糸口は無いかと探す。
その時、入り口から見える彼のものと思われるデスクにカップ麺の容器が置いてあるのが見えた。
「……ご飯、ちゃんと食べてるの?」
「お……おう」
明らかな嘘だった。
そっからはもう流れだった。
『研究職だからってデスクワークばっかじゃ体が鈍るからちゃんと運動しろ』とか、『まずちゃんと寝ろ』とか、随分口うるさい事を言ったと思う。
それで一通り説教した後、付け加えるように『たまにはユウリに顔見せてあげて』と言った。
ホップは少し考え込んで『……ああ』と答えた。
本当にわかっているのかこの男は。と、少し不安になった。
でも、その後何を聞けばいいのかわからなくなった。
あたしが頑なに無言を貫くからか、ホップは困ったように笑いかけてくる。
まずい、このままでは只の変質者でしかない。
あたしはキョロキョロと視線を彷徨わせ、何か会話の糸口は無いかと探す。
その時、入り口から見える彼のものと思われるデスクにカップ麺の容器が置いてあるのが見えた。
「……ご飯、ちゃんと食べてるの?」
「お……おう」
明らかな嘘だった。
そっからはもう流れだった。
『研究職だからってデスクワークばっかじゃ体が鈍るからちゃんと運動しろ』とか、『まずちゃんと寝ろ』とか、随分口うるさい事を言ったと思う。
それで一通り説教した後、付け加えるように『たまにはユウリに顔見せてあげて』と言った。
ホップは少し考え込んで『……ああ』と答えた。
本当にわかっているのかこの男は。と、少し不安になった。
8: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:39:26
・・・・・
「ホップ、元気だったよ。ユウリに会いたいなぁって言ってた」
そう伝えるとユウリは嬉しそうに微笑んで、『……そっかぁ。ホップ君、私に会いたいんだぁ』と、気恥ずかしそうに髪をいじっていた。
あたしは、『せめて電話ぐらいはしてあげれば?』と言った。
ユウリは『そうだね!』と勢いよく言って、早速ホップへと電話をかけた。
ホップはちゃんと電話に出たのだろう、ユウリは嬉しそうにあれこれと近況を話している。
その後ろ姿をあたしは微笑ましい気持ちで眺めていた。
『ユウリに会いたいなぁって言ってた』
嘘を吐いた。
ホップは元気だったけど、あたしのお願いにホップは曖昧に答えただけで、ユウリに会いたいとは言ってなかった。
だけど、そう伝えればユウリは喜ぶだろうし、ホップだってきっとユウリに会いたいと思っていただろうから。
現にユウリは喜んだし、電話の向こうのホップもきっと喜んでいる。
なら、何も問題はないはず。
だけど、少しだけ……胸が痛んだ。
「ホップ、元気だったよ。ユウリに会いたいなぁって言ってた」
そう伝えるとユウリは嬉しそうに微笑んで、『……そっかぁ。ホップ君、私に会いたいんだぁ』と、気恥ずかしそうに髪をいじっていた。
あたしは、『せめて電話ぐらいはしてあげれば?』と言った。
ユウリは『そうだね!』と勢いよく言って、早速ホップへと電話をかけた。
ホップはちゃんと電話に出たのだろう、ユウリは嬉しそうにあれこれと近況を話している。
その後ろ姿をあたしは微笑ましい気持ちで眺めていた。
『ユウリに会いたいなぁって言ってた』
嘘を吐いた。
ホップは元気だったけど、あたしのお願いにホップは曖昧に答えただけで、ユウリに会いたいとは言ってなかった。
だけど、そう伝えればユウリは喜ぶだろうし、ホップだってきっとユウリに会いたいと思っていただろうから。
現にユウリは喜んだし、電話の向こうのホップもきっと喜んでいる。
なら、何も問題はないはず。
だけど、少しだけ……胸が痛んだ。
9: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:39:37
・・・・・
「とりあえず、今年もチャンピオン防衛おめでとう」
「ありがとう」
そう言ってあたしたちはグラスを合わせる。
もっとも、注がれているのはジュースだが。
恰好ぐらい付けても良かたい。
だって今日は、無事ユウリがチャンピオンの玉座を防衛したのだから。
あたしたちはレストランの料理に舌鼓を打ちながら今日の試合の事、今後の事、色々話していった。
そうやって話題を一つ一つ消費していくうちに、あたしはあの話題を口にしていた。
「それで?いい加減ホップには会えた?」
ユウリは無言で返事をする。それはつまり会えてない……いや、会ってないという事だ。
「ホントは明日実家に帰れるはずだったんだけどね……」
あたしが呆れているのに気づいたのだろう、ユウリの言葉はどこか言い訳のようだった。
「遠征……っていうのかな?」
突然のことに驚くあたしに、ユウリはグラスをゆらゆらと弄びながら答える。
「とりあえず、今年もチャンピオン防衛おめでとう」
「ありがとう」
そう言ってあたしたちはグラスを合わせる。
もっとも、注がれているのはジュースだが。
恰好ぐらい付けても良かたい。
だって今日は、無事ユウリがチャンピオンの玉座を防衛したのだから。
あたしたちはレストランの料理に舌鼓を打ちながら今日の試合の事、今後の事、色々話していった。
そうやって話題を一つ一つ消費していくうちに、あたしはあの話題を口にしていた。
「それで?いい加減ホップには会えた?」
ユウリは無言で返事をする。それはつまり会えてない……いや、会ってないという事だ。
「ホントは明日実家に帰れるはずだったんだけどね……」
あたしが呆れているのに気づいたのだろう、ユウリの言葉はどこか言い訳のようだった。
「遠征……っていうのかな?」
突然のことに驚くあたしに、ユウリはグラスをゆらゆらと弄びながら答える。
10: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:39:48
「ちょっとね、他所の地方に行く事になったんだ」
チャンピオンの遠征自体はそんな珍しいことじゃない。
何といってもチャンピオンとはその地方の代表なのだ。
ならば必然的に他所の地方の代表との交流も発生してくる。
だから、あたしが驚いたのはそこじゃなくて、
「随分急じゃなか?」
「実際急に決まったからね。その地方のチャンピオンとのエキシビジョンマッチなんだって」
前委員長の事もあってか、今の委員会は色々とイメージ回復に必死らしい。
もしかしたらダンデさんの時よりも今のチャンピオンは忙しいのかもしれない。
「……いつ帰ってこれるん?」
「しばらくは無理……かな」
「……なら、こんなとこいないでさっさとホップに会いにいかないと」
「…………今回は、いいや」
ユウリの言葉にあたしは諦めのようなものを感じた。
チャンピオンの遠征自体はそんな珍しいことじゃない。
何といってもチャンピオンとはその地方の代表なのだ。
ならば必然的に他所の地方の代表との交流も発生してくる。
だから、あたしが驚いたのはそこじゃなくて、
「随分急じゃなか?」
「実際急に決まったからね。その地方のチャンピオンとのエキシビジョンマッチなんだって」
前委員長の事もあってか、今の委員会は色々とイメージ回復に必死らしい。
もしかしたらダンデさんの時よりも今のチャンピオンは忙しいのかもしれない。
「……いつ帰ってこれるん?」
「しばらくは無理……かな」
「……なら、こんなとこいないでさっさとホップに会いにいかないと」
「…………今回は、いいや」
ユウリの言葉にあたしは諦めのようなものを感じた。
11: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:39:59
次の瞬間、あたしは勢いのまま立ち上がって、ユウリを睨みつけていた。
「何が?何がよかと?あんた、ホップの事好きなんでしょ!?ならっ!?」
そこまで言って、ここがレストランだったという事を思い出し、慌てて座り直す。
突然叫んだあたしに目を丸くしていたユウリは、グラスを呷ると決意を込めた瞳をあたしに向ける。
「……マリィちゃん、私ね。帰ってきたらホップ君に好きって伝える」
瞬間、あたしは何を言えばいいかわからなかった。
何かを言おうとしたのに、喉がまともに動かなかった。
「委員会の人とね交渉して、この遠征が終わったらしばらくお休みもらえる事になったんだ。そうしたらホップ君とちゃんと会って、話して、色々考えられる」
「……そう」
今度こそ、ユウリはあたしに返事を求めた。
あたしは、何を言えばいいのだろう。
あたしは、何を言いたいのだろう。
「…………頑張って。あたし、応援してるたい!」
それがわからないまま、あたしは笑顔で親友を応援する言葉を吐いた。
「何が?何がよかと?あんた、ホップの事好きなんでしょ!?ならっ!?」
そこまで言って、ここがレストランだったという事を思い出し、慌てて座り直す。
突然叫んだあたしに目を丸くしていたユウリは、グラスを呷ると決意を込めた瞳をあたしに向ける。
「……マリィちゃん、私ね。帰ってきたらホップ君に好きって伝える」
瞬間、あたしは何を言えばいいかわからなかった。
何かを言おうとしたのに、喉がまともに動かなかった。
「委員会の人とね交渉して、この遠征が終わったらしばらくお休みもらえる事になったんだ。そうしたらホップ君とちゃんと会って、話して、色々考えられる」
「……そう」
今度こそ、ユウリはあたしに返事を求めた。
あたしは、何を言えばいいのだろう。
あたしは、何を言いたいのだろう。
「…………頑張って。あたし、応援してるたい!」
それがわからないまま、あたしは笑顔で親友を応援する言葉を吐いた。
12: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:40:09
・・・・・
そして、次の日の朝一の飛行機に乗って、ユウリはあたしの知らない地方へと飛んで行った。
親友でありライバルが旅立った事に一抹の寂しさを覚えたものの、だからといって、別にあたしのすることが変わるわけじゃない。
いつものようにジムリーダーとしてやるべきことをやって、ちゃんと、もっと強くなれるよう努力して。
そうだ。あたしに遊んでいる暇なんてない。
頑張って、それで―――――――
『……ご飯、ちゃんと食べてるの?』
『お……おう』
脳裏に浮かんだのは、あの日の光景。
そして―――――お弁当。
「…………別に、他意はないから」
誰もいないのに、あたしは言い訳するようにそう呟いた。
そして、次の日の朝一の飛行機に乗って、ユウリはあたしの知らない地方へと飛んで行った。
親友でありライバルが旅立った事に一抹の寂しさを覚えたものの、だからといって、別にあたしのすることが変わるわけじゃない。
いつものようにジムリーダーとしてやるべきことをやって、ちゃんと、もっと強くなれるよう努力して。
そうだ。あたしに遊んでいる暇なんてない。
頑張って、それで―――――――
『……ご飯、ちゃんと食べてるの?』
『お……おう』
脳裏に浮かんだのは、あの日の光景。
そして―――――お弁当。
「…………別に、他意はないから」
誰もいないのに、あたしは言い訳するようにそう呟いた。
13: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:40:21
・・・・・
たぶんそれは、気の迷いだったんだろう。
なんとなく、あいつがカップ麺ばっか食べてるような気がして。
一回ぐらいまともな食事をさせてやらないと、なんて義務感からのもので。
だけど、味はもちろんバランスとか彩りとかそういうの色々考えて、
結果、あたしの目の前には立派なお弁当が完成していた。
達成感はある。これほど頑張ってお弁当を作った事なんて無い。
たぶんアニキに作ったやつの10倍は頑張った。
だというのに、それなりの苦戦の果てに完成したお弁当の前であたしはうんうんと唸っていた。
「なんて言って渡せばよかと……」
久しぶりに顔を出したと思ったらお弁当を押し付けてくる女。
……不審者たい。
たぶんそれは、気の迷いだったんだろう。
なんとなく、あいつがカップ麺ばっか食べてるような気がして。
一回ぐらいまともな食事をさせてやらないと、なんて義務感からのもので。
だけど、味はもちろんバランスとか彩りとかそういうの色々考えて、
結果、あたしの目の前には立派なお弁当が完成していた。
達成感はある。これほど頑張ってお弁当を作った事なんて無い。
たぶんアニキに作ったやつの10倍は頑張った。
だというのに、それなりの苦戦の果てに完成したお弁当の前であたしはうんうんと唸っていた。
「なんて言って渡せばよかと……」
久しぶりに顔を出したと思ったらお弁当を押し付けてくる女。
……不審者たい。
14: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:40:33
なにか、ホップが納得する理由がなきゃダメだ。
あたしは、あれこれ考えた末、便箋を取り出した。
そこに『ユウリが「ホップ君、私頑張ってるよ。それと……待ってる」って言ってた』と書き、お弁当箱に添えた。
……あたしは、大ウソつきたい。
わかっているのに、それを止めない自分に吐き気を覚えた。
・・・・・
久しぶりに会ったホップはやっぱりやつれ気味で、目元にうっすらとクマが浮かんでいた。
一度来たきり、連絡も何もなかったあたしが再び現れた事にホップは驚いているみたいだ。
まぁ気味悪がられないだけ良しと考えよう。
「お昼食べた?」
そう尋ねると、ホップはぎこちなく首を横に振った。
「なら、これ食べて」
押し付けるようにお弁当の入った包みを渡し、逃げるように研究所から立ち去った。
そして家に帰ってから、お弁当箱を回収しにまた行かなければいけない事に気づき、どうしようかと頭を抱えた。
あたしは、あれこれ考えた末、便箋を取り出した。
そこに『ユウリが「ホップ君、私頑張ってるよ。それと……待ってる」って言ってた』と書き、お弁当箱に添えた。
……あたしは、大ウソつきたい。
わかっているのに、それを止めない自分に吐き気を覚えた。
・・・・・
久しぶりに会ったホップはやっぱりやつれ気味で、目元にうっすらとクマが浮かんでいた。
一度来たきり、連絡も何もなかったあたしが再び現れた事にホップは驚いているみたいだ。
まぁ気味悪がられないだけ良しと考えよう。
「お昼食べた?」
そう尋ねると、ホップはぎこちなく首を横に振った。
「なら、これ食べて」
押し付けるようにお弁当の入った包みを渡し、逃げるように研究所から立ち去った。
そして家に帰ってから、お弁当箱を回収しにまた行かなければいけない事に気づき、どうしようかと頭を抱えた。
15: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:40:46
・・・・・
次の日、あたしはとぼとぼと研究所へと向かっていた。
不審者の如くいきなりお弁当を押し付け、何も言わず去っていったあたしをホップがどう思ったのか、知りたくないし聞きたくない。
それでも、足は勝手に研究所へと向かってしまう。
一体どうしてなのか。あたしは、あたしの感情がよくわからない。
そんな風に悶々としていると、研究所の前でホップが立っていた。
「マリィ」
ホップはあたしを見つけると、トコトコと駆け寄ってくる。
「なんで……」
「ん?なんか、そろそろマリィが来そうな気がしたんだ」
「……何それ」
「……わからん」
そう言って首を傾げるホップに、あたしは一瞬笑いそうになってしまう。
だけど、それをまた必死で我慢する。
そんなあたしの様子に気づかないまま、ホップはあたしに微笑みかける。
次の日、あたしはとぼとぼと研究所へと向かっていた。
不審者の如くいきなりお弁当を押し付け、何も言わず去っていったあたしをホップがどう思ったのか、知りたくないし聞きたくない。
それでも、足は勝手に研究所へと向かってしまう。
一体どうしてなのか。あたしは、あたしの感情がよくわからない。
そんな風に悶々としていると、研究所の前でホップが立っていた。
「マリィ」
ホップはあたしを見つけると、トコトコと駆け寄ってくる。
「なんで……」
「ん?なんか、そろそろマリィが来そうな気がしたんだ」
「……何それ」
「……わからん」
そう言って首を傾げるホップに、あたしは一瞬笑いそうになってしまう。
だけど、それをまた必死で我慢する。
そんなあたしの様子に気づかないまま、ホップはあたしに微笑みかける。
16: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:40:58
「伝言、ありがとう。ユウリに会ったらオレも頑張ってるぞ。だから……待ってろって伝えて欲しい」
その言葉を聞いた瞬間、あたしは自分がとんでもないことをしたと今更ながら実感した。
ユウリの言葉を偽って、ホップにユウリへの想いを口にさせた。
だけど、ユウリはそんな事知らなくて、あたしは、あたしは―――――
「……わかった」
また、嘘を吐いた。あたしは、あたしが嘘つきだと、ホップに言いたくなかった。
そして一刻も早くここから逃げ出したくて、ホップに背を向け歩き出す。
「マリィ!!」
背中にかかるホップの声。振り向きたくない、このまま走り去ってしまいたい。
だけど、あたしの体は勝手に彼へと振り返ってしまう。
「弁当美味しかった!!ありがとう!!」
眩い笑顔で、ホップはあたしにそう言った。
あたしは何と返事をすればいいのかわからなくて、なのにあたしは笑顔が堪えきれなかった。
その言葉を聞いた瞬間、あたしは自分がとんでもないことをしたと今更ながら実感した。
ユウリの言葉を偽って、ホップにユウリへの想いを口にさせた。
だけど、ユウリはそんな事知らなくて、あたしは、あたしは―――――
「……わかった」
また、嘘を吐いた。あたしは、あたしが嘘つきだと、ホップに言いたくなかった。
そして一刻も早くここから逃げ出したくて、ホップに背を向け歩き出す。
「マリィ!!」
背中にかかるホップの声。振り向きたくない、このまま走り去ってしまいたい。
だけど、あたしの体は勝手に彼へと振り返ってしまう。
「弁当美味しかった!!ありがとう!!」
眩い笑顔で、ホップはあたしにそう言った。
あたしは何と返事をすればいいのかわからなくて、なのにあたしは笑顔が堪えきれなかった。
17: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:41:09
・・・・・
家に帰ったあたしは、ベッドから動けなくなっていた。
何もしたくない。何も考えたくない。
ただそれだけだった。
ユウリになんて言えばいいのか。
ホップになんて言えばいいのか。
わからないまま、悩みと罪悪感がぐるぐると脳内を駆け巡る。
こんな事なら、最初っからユウリの頼みなんか受けるんじゃなかった。
ただでさえジムリーダーとして色々考える立場なのに、なんでこんな事になってしまったんだ。
家に帰ったあたしは、ベッドから動けなくなっていた。
何もしたくない。何も考えたくない。
ただそれだけだった。
ユウリになんて言えばいいのか。
ホップになんて言えばいいのか。
わからないまま、悩みと罪悪感がぐるぐると脳内を駆け巡る。
こんな事なら、最初っからユウリの頼みなんか受けるんじゃなかった。
ただでさえジムリーダーとして色々考える立場なのに、なんでこんな事になってしまったんだ。
18: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:41:19
苛立ち紛れに枕を壁に投げつける。
なんでお弁当なんか作ろうと思ったんだ。
なんで、嘘をついてまで彼に会おうとしたんだ。
もういい、これで終わり。もうホップとは会わない。
ホップだって、別にあたしと会わなくたってなんの問題も無い。
それでいい。
こんな気持ち抱えるぐらいなら、もう会わない方がいい。
「…………………………だけど」
だけど、
だけど、
『弁当美味しかった!!ありがとう!!』
嬉しかった。
なんでお弁当なんか作ろうと思ったんだ。
なんで、嘘をついてまで彼に会おうとしたんだ。
もういい、これで終わり。もうホップとは会わない。
ホップだって、別にあたしと会わなくたってなんの問題も無い。
それでいい。
こんな気持ち抱えるぐらいなら、もう会わない方がいい。
「…………………………だけど」
だけど、
だけど、
『弁当美味しかった!!ありがとう!!』
嬉しかった。
19: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:41:29
・・・・・
数日後、あたしはまた研究所へとやってきた。
片手にはこの間と同じようにホップのお弁当を。
もう片方の手には、あたしのお弁当を持って。
ホップは今更驚いた様子は無い。
それがなんだか嬉しくて、ホップにとって、あたしは異物じゃないんだってわかって。
胸の内が少し、晴れた気がした。
「一緒にお昼食べない?」
「ああ、いいぞ」
初めて研究所に入った時、意外と広いなとか、結構綺麗だな、とかよりも。
ごめん、ユウリ。って思った。
数日後、あたしはまた研究所へとやってきた。
片手にはこの間と同じようにホップのお弁当を。
もう片方の手には、あたしのお弁当を持って。
ホップは今更驚いた様子は無い。
それがなんだか嬉しくて、ホップにとって、あたしは異物じゃないんだってわかって。
胸の内が少し、晴れた気がした。
「一緒にお昼食べない?」
「ああ、いいぞ」
初めて研究所に入った時、意外と広いなとか、結構綺麗だな、とかよりも。
ごめん、ユウリ。って思った。
20: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:42:15
昨日も長かった
明日もきっと長いよ…
明日もまたスレ立てます
明日もきっと長いよ…
明日もまたスレ立てます
21: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:44:00
力作ありがたい…
23: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:45:25
うおお…いい…いいぞ…
24: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:45:40
むっ友情と恋心の狭間いいねぇ…
25: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:45:55
その…三人全員が笑顔になれるハッピーエンドはあるんです…?
26: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:46:57
死人は出ないらしいからたぶん大丈夫だ…?
27: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:47:18
>>26
むしろ不穏だわ!
むしろ不穏だわ!
30: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:47:57
死人は出ませんし乙女の恋は成就します
33: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:49:41
>>30
すみません同じ男に恋する乙女が二人いるようなのですが
すみません同じ男に恋する乙女が二人いるようなのですが
32: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:49:14
どっちのだ
どっちの乙女だ
どっちの乙女だ
34: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:51:57
かー!卑しかーっ!
ってあたしばいっ!?
ってあたしばいっ!?
35: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:53:06
そうなったホップは選ばないなんて選択肢取らない奴から
おつらい…
おつらい…
38: 名無しのあにまんch 2020/08/13(木) 23:57:25
でもこれはユウリが悪いよ…
39: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 00:01:46
誰が悪いかでいえばそうなるけどこれは誰かが悪いわけじゃないんだ…自然とそうなっただけなんだ…
40: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 00:04:41
ユウリ視点が来たらまた掌が返るかもしれない…
42: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 00:05:59
流石悪タイプのジムリーダー…
なんてワルなんだ…
なんてワルなんだ…
43: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 00:06:01
ホプマリ初めて見たけどいいね…
44: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 00:18:11
昨日からずっと待ってた
超大作だけど誰も幸せになれなさそうでお辛い…
超大作だけど誰も幸せになれなさそうでお辛い…
45: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 00:23:46
この怪文書を読むために1年ぶりにあの世から帰ってきた
2: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:56:27
・・・・・
いつの間にか、初めて研究所に行ってから1年が過ぎていた。
あたしは今日もホップと一緒にお昼ご飯を食べている。
「やっぱりジムリーダーって大変なのか?」
「そりゃあもちろん。大変じゃない事なんてなか」
「やっぱりなぁ。でも、それでもちゃんとジムリーダーとして頑張ってるんだ。流石だな、マリィ」
「ふふっ、ホップがそう言ってくれるなら……うれしい」
最初の頃は自分の事なんて全然話さなかった。
ホップがユウリの事をよく聞いてきたから、あたしもそれに合わせていた。
共通の友人で、何よりもあたしたちが目指すチャンピオンだから。
だけど、いつの間にかユウリを話題にすることはなくなっていた。
それはたぶん、あたしがユウリの事を話さなくなったから。
いつの間にか、初めて研究所に行ってから1年が過ぎていた。
あたしは今日もホップと一緒にお昼ご飯を食べている。
「やっぱりジムリーダーって大変なのか?」
「そりゃあもちろん。大変じゃない事なんてなか」
「やっぱりなぁ。でも、それでもちゃんとジムリーダーとして頑張ってるんだ。流石だな、マリィ」
「ふふっ、ホップがそう言ってくれるなら……うれしい」
最初の頃は自分の事なんて全然話さなかった。
ホップがユウリの事をよく聞いてきたから、あたしもそれに合わせていた。
共通の友人で、何よりもあたしたちが目指すチャンピオンだから。
だけど、いつの間にかユウリを話題にすることはなくなっていた。
それはたぶん、あたしがユウリの事を話さなくなったから。
3: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:56:39
ホップがユウリの事を聞く前に、あたしが別の話題を話し出すようにしたから。
だって、ユウリの事を話す時のホップはどこか寂しそうで、だけど嬉しそうで。
彼の話すなんて事ない思い出が、あたしの知らないユウリを教えてくれて、
きっとユウリも、あたしの知らないホップを知ってるんだなってわかってしまって。
ホップは、あたしの事全然知らないんだろうなって気づいてしまって。
今、あたしたちの話題はホップの事か、あたしの事。
ジムリーダーは大変だとか。ポケモンを育てるとき何を考えているか。
ホップはポケモン博士を目指しているから、あたしなりの育成論みたいなのを話すと興味深そうに聞いてくれる。
ホップが話すポケモンの色んなあれこれは、悪タイプのポケモンばかり育ててるあたしにとって新鮮で、勉強になる。
そうやって彼との会話に熱中していると―――――罪悪感を忘れていられた。
だって、ユウリの事を話す時のホップはどこか寂しそうで、だけど嬉しそうで。
彼の話すなんて事ない思い出が、あたしの知らないユウリを教えてくれて、
きっとユウリも、あたしの知らないホップを知ってるんだなってわかってしまって。
ホップは、あたしの事全然知らないんだろうなって気づいてしまって。
今、あたしたちの話題はホップの事か、あたしの事。
ジムリーダーは大変だとか。ポケモンを育てるとき何を考えているか。
ホップはポケモン博士を目指しているから、あたしなりの育成論みたいなのを話すと興味深そうに聞いてくれる。
ホップが話すポケモンの色んなあれこれは、悪タイプのポケモンばかり育ててるあたしにとって新鮮で、勉強になる。
そうやって彼との会話に熱中していると―――――罪悪感を忘れていられた。
4: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:56:50
・・・・・
「マリィはどうしてオレに弁当を作ってくれるんだ?」
そう尋ねられた時、心臓が止まるかと思った。
「……迷惑?」
卑怯な答えだ。そんな事言われて頷く人じゃないって知っているのに。
案の定、ホップは直ぐにあたしの言葉を否定する。
「そんな事ない。そんな事ないが……ただ、どうしてなんだって」
碌に会ってなかった女が急にお弁当を作ってきた。疑問に思って当然だ。
そして、その理由を考えた時一番正解に近いと思う理由は一つだろう。
「ユウリに頼まれたのか?」
「………………うん」
「……そうか」
「マリィはどうしてオレに弁当を作ってくれるんだ?」
そう尋ねられた時、心臓が止まるかと思った。
「……迷惑?」
卑怯な答えだ。そんな事言われて頷く人じゃないって知っているのに。
案の定、ホップは直ぐにあたしの言葉を否定する。
「そんな事ない。そんな事ないが……ただ、どうしてなんだって」
碌に会ってなかった女が急にお弁当を作ってきた。疑問に思って当然だ。
そして、その理由を考えた時一番正解に近いと思う理由は一つだろう。
「ユウリに頼まれたのか?」
「………………うん」
「……そうか」
5: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:57:00
嘘だ。
ユウリはそんな事言ってない。もう、あたしにホップの様子を見てくれなんて頼んでない。
お弁当はあたしが勝手に作ったものだ。
それを渡す理由を、あたしは嘘で作った。
そして今また、嘘で嘘を塗り固めた。
あたしは……大ウソつきだ。
ホップに嘘をついてる。
ユウリに嘘をついてる。
あたしに、嘘をついてる。
ユウリはそんな事言ってない。もう、あたしにホップの様子を見てくれなんて頼んでない。
お弁当はあたしが勝手に作ったものだ。
それを渡す理由を、あたしは嘘で作った。
そして今また、嘘で嘘を塗り固めた。
あたしは……大ウソつきだ。
ホップに嘘をついてる。
ユウリに嘘をついてる。
あたしに、嘘をついてる。
6: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:57:13
自分がユウリを裏切っていることに気づいているのに、気づいてない振りをしている。
自分の想いに気づいているのに、気づいてない振りをしている。
だって、あたしはユウリの親友だから。
ユウリは、ホップの事が好きだから。
ホップは……ユウリの事が好きだから。
だって、気づいちゃったから。
一緒にお昼ご飯を食べて、ユウリの事をあれこれ話していて、ホップはあたしと話しているのに、時折あたしではない誰かを見ていた。
寂しそうな瞳でここにいない『ユウリ』を見ていた。
それに気づいた瞬間、胸が抉られるような痛みを覚えた。
自分の想いに気づいているのに、気づいてない振りをしている。
だって、あたしはユウリの親友だから。
ユウリは、ホップの事が好きだから。
ホップは……ユウリの事が好きだから。
だって、気づいちゃったから。
一緒にお昼ご飯を食べて、ユウリの事をあれこれ話していて、ホップはあたしと話しているのに、時折あたしではない誰かを見ていた。
寂しそうな瞳でここにいない『ユウリ』を見ていた。
それに気づいた瞬間、胸が抉られるような痛みを覚えた。
7: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:57:36
「…………ホップ」
「……なんだ?」
だからあたしは、
「明日も、来てよか?」
「もちろんだ」
今日も親友を裏切っている。
「……なんだ?」
だからあたしは、
「明日も、来てよか?」
「もちろんだ」
今日も親友を裏切っている。
8: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:58:09
・・・・・
こんな事もうやめよう。今更過ぎる決意を固めたきっかけは、一通のメールが来たからだった。
送ってきたのはあたしの親友にして遠征中のチャンピオン、ユウリ。
内容は……『もうすぐ帰れそう!』。
……終わりの時が来たんだ。
勝手に間借りしていた彼女の居場所を返す時が来たんだ。
だからもう、ホップとは会わない。
あたしのしてきた事を知ったらきっとユウリは傷つく。
あたしがどうしてそんな事をしてたのか考えて、答えに気づいてしまう。
そうなったら、もうユウリと親友でいられない。
そんなの、嫌だ。
チャンピオンでも、ライバルでも、あたしはユウリと友達でいたい。
一緒にご飯食べたり、買い物したり、愚痴ったり、思った事を気兼ねなく話せる。
そんな関係でいたい。
だから――――ホップと会うのは今日で最後にしよう。
こんな事もうやめよう。今更過ぎる決意を固めたきっかけは、一通のメールが来たからだった。
送ってきたのはあたしの親友にして遠征中のチャンピオン、ユウリ。
内容は……『もうすぐ帰れそう!』。
……終わりの時が来たんだ。
勝手に間借りしていた彼女の居場所を返す時が来たんだ。
だからもう、ホップとは会わない。
あたしのしてきた事を知ったらきっとユウリは傷つく。
あたしがどうしてそんな事をしてたのか考えて、答えに気づいてしまう。
そうなったら、もうユウリと親友でいられない。
そんなの、嫌だ。
チャンピオンでも、ライバルでも、あたしはユウリと友達でいたい。
一緒にご飯食べたり、買い物したり、愚痴ったり、思った事を気兼ねなく話せる。
そんな関係でいたい。
だから――――ホップと会うのは今日で最後にしよう。
9: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:58:26
・・・・・
決意を固め、研究所へとやってきたあたしを迎えたのは輝くような笑顔のホップだった。
「マリィ聞いてくれ!」
「な、なに?」
ホップは駆け寄ってきて、あたしの両手を強く握る。
いつもより高い彼の体温があたしの中に流れ込んで、こちらの体温も上がっていく。
動揺するあたしに対して、ホップは感無量と言った様子だ。
「ついにオレの研究が認められたんだ!!オレ、ついに博士になれるんだ!!」
その瞬間、あたしもホップと同じ気持ちになった。
目元が熱くなり、涙さえ浮かんでくる。
「っ……おめでとうホップ!!ほんと、ホント良かったっ……!」
「ああっ!」
たった1年ぐらいだけど、あたしはホップが頑張ってきた事を知っている。
食事さえ疎かにして、研究に没頭してたのを知っている。
決意を固め、研究所へとやってきたあたしを迎えたのは輝くような笑顔のホップだった。
「マリィ聞いてくれ!」
「な、なに?」
ホップは駆け寄ってきて、あたしの両手を強く握る。
いつもより高い彼の体温があたしの中に流れ込んで、こちらの体温も上がっていく。
動揺するあたしに対して、ホップは感無量と言った様子だ。
「ついにオレの研究が認められたんだ!!オレ、ついに博士になれるんだ!!」
その瞬間、あたしもホップと同じ気持ちになった。
目元が熱くなり、涙さえ浮かんでくる。
「っ……おめでとうホップ!!ほんと、ホント良かったっ……!」
「ああっ!」
たった1年ぐらいだけど、あたしはホップが頑張ってきた事を知っている。
食事さえ疎かにして、研究に没頭してたのを知っている。
10: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:58:38
そんな彼の努力が認められた。
彼の夢が叶った。
それが嬉しくて、嬉しくて。
「これなら、来年のジムチャレンジにも参加できるぞ!」
「……え?」
なのに、その言葉を聞いた瞬間、スッと頭から熱が引いた。
「よし、今から特訓しないと……ああでも研究も疎かにしないようにしないと……うーん……ひと段落したと思ったらまたやる事山積みだな……」
ホップは楽しそうに今後の展望を呟く。
きっと、あたしがどんな表情をしているのか見えていないんだろう。
ああそうだ、そうだった。
ホップは、諦めてなかったんだ。
彼の夢が叶った。
それが嬉しくて、嬉しくて。
「これなら、来年のジムチャレンジにも参加できるぞ!」
「……え?」
なのに、その言葉を聞いた瞬間、スッと頭から熱が引いた。
「よし、今から特訓しないと……ああでも研究も疎かにしないようにしないと……うーん……ひと段落したと思ったらまたやる事山積みだな……」
ホップは楽しそうに今後の展望を呟く。
きっと、あたしがどんな表情をしているのか見えていないんだろう。
ああそうだ、そうだった。
ホップは、諦めてなかったんだ。
11: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:58:52
『ユウリに会ったらオレも頑張ってるぞ。だから……待ってろって伝えて欲しい』
今も、ユウリを追いかけているんだ。
ユウリの事が、好きなんだ。
あたしはそれを応援すればいい。
そしていつか、そう遠くない未来。
彼と彼女が結ばれるのを信じて、祝福すればいい。
それがあたしにとって一番幸せな事で、あたしにとって何よりも大事な友情を守る事で、それが――――――
「だからオレは絶対に諦めない!!オレは、今度こそユウリに……」
―――――そんなの、嫌だ。
今も、ユウリを追いかけているんだ。
ユウリの事が、好きなんだ。
あたしはそれを応援すればいい。
そしていつか、そう遠くない未来。
彼と彼女が結ばれるのを信じて、祝福すればいい。
それがあたしにとって一番幸せな事で、あたしにとって何よりも大事な友情を守る事で、それが――――――
「だからオレは絶対に諦めない!!オレは、今度こそユウリに……」
―――――そんなの、嫌だ。
12: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:59:11
「ホップ」
「なんだ?」
「ホップってさ、ユウリの事好き?」
「え?」
唐突な質問にホップは呆気にとられた様子だ。
「ホップってさ、昔っからユウリと一緒だったんでしょ?だから、好きなんかなって」
「…………わからん」
曖昧な返答。
それを聞いたあたしが不機嫌になったとでも思ったのか、ホップは慌てて続ける。
「ああいや、嫌いとかじゃないんだ。好きか嫌いかで言ったら間違いなく好きだ」
そうだろう、ホップがユウリを嫌いなんて事あり得ない。
嫌いな人を何年も追いかけたりしないだろう。
会う事が少なくなっても、それでもお互いの事を心配してたのは想い合ってるからに決まっているだろう。
「ただ……そう、だな。オレはずっとあいつのライバルだ。少し立ち止まったけど、やっとまたあいつを追いかけられる。それは、嬉しい。本当に嬉しいぞ」
ただ、ホップは気づいていないだけなんだ。
「なんだ?」
「ホップってさ、ユウリの事好き?」
「え?」
唐突な質問にホップは呆気にとられた様子だ。
「ホップってさ、昔っからユウリと一緒だったんでしょ?だから、好きなんかなって」
「…………わからん」
曖昧な返答。
それを聞いたあたしが不機嫌になったとでも思ったのか、ホップは慌てて続ける。
「ああいや、嫌いとかじゃないんだ。好きか嫌いかで言ったら間違いなく好きだ」
そうだろう、ホップがユウリを嫌いなんて事あり得ない。
嫌いな人を何年も追いかけたりしないだろう。
会う事が少なくなっても、それでもお互いの事を心配してたのは想い合ってるからに決まっているだろう。
「ただ……そう、だな。オレはずっとあいつのライバルだ。少し立ち止まったけど、やっとまたあいつを追いかけられる。それは、嬉しい。本当に嬉しいぞ」
ただ、ホップは気づいていないだけなんだ。
13: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:59:28
自分がユウリをどう思っているのか。
近すぎて、遠すぎるから。
だけど、その距離はきっとたった一言で縮まる距離で、ユウリはやっとその距離を縮める決意をした。
そしてホップも今、自分がユウリをどう思っているのか気づこうとしている。
このままならきっと、二人は結ばれる。
「……オレは、もしかしたらはユウリの事が――――」
あたしは、そんなの嫌だ。
「ホップ、あたし、あたしね」
ダメ。ダメだ。そんな事、言っちゃいけない。
頭の上っ面にそんな言葉が響く。
あたしがしようとしている事はただの横やりだ。
ユウリの信頼を、友情を裏切る最悪の行為だ。
………………だから?
近すぎて、遠すぎるから。
だけど、その距離はきっとたった一言で縮まる距離で、ユウリはやっとその距離を縮める決意をした。
そしてホップも今、自分がユウリをどう思っているのか気づこうとしている。
このままならきっと、二人は結ばれる。
「……オレは、もしかしたらはユウリの事が――――」
あたしは、そんなの嫌だ。
「ホップ、あたし、あたしね」
ダメ。ダメだ。そんな事、言っちゃいけない。
頭の上っ面にそんな言葉が響く。
あたしがしようとしている事はただの横やりだ。
ユウリの信頼を、友情を裏切る最悪の行為だ。
………………だから?
14: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:59:43
意思が纏まらない、止めたいのに止められない。
止めたくないから止められない。
口が勝手に動く。
何もかもぶち壊すために。
あたしの意志を無視して、あたしの本心に従って。
そして、
「ホップの事、好いとーよ」
何かが砕け散る音が、頭の中に響いた。
止めたくないから止められない。
口が勝手に動く。
何もかもぶち壊すために。
あたしの意志を無視して、あたしの本心に従って。
そして、
「ホップの事、好いとーよ」
何かが砕け散る音が、頭の中に響いた。
15: 名無しのあにまんch 2020/08/14(金) 23:59:55
「ホップの頑張ってる姿が好き、いつだってやる気に溢れてて、目標を達成してもまた別の目標を見つけて走り出すあんたが好き」
好き、ずっと好きだった。
数年ぶりに会って、少し大人になったホップを見て、あたしは胸が高鳴った。
ユウリのためだって思ってたのに、いつの間にかあたしがホップに会いたくなっていた。
彼の元へ行く理由を、嘘で作ってでも。
「あんたと一緒にいると、あたしももっと頑張りたいって思える。もっと、走りたいって思える。もっと……あんたの事を知りたいって思える」
唇が震える。
きっと、顔は真っ赤になっている。
だけど、絶対に目は逸らさない。
彼の金色の瞳から、絶対に目を離さない。
だって、あたしは…………ホップが好きだから。
罪悪感なんてもう、塗り潰されていた。
「だから、あたしと付き合って」
好き、ずっと好きだった。
数年ぶりに会って、少し大人になったホップを見て、あたしは胸が高鳴った。
ユウリのためだって思ってたのに、いつの間にかあたしがホップに会いたくなっていた。
彼の元へ行く理由を、嘘で作ってでも。
「あんたと一緒にいると、あたしももっと頑張りたいって思える。もっと、走りたいって思える。もっと……あんたの事を知りたいって思える」
唇が震える。
きっと、顔は真っ赤になっている。
だけど、絶対に目は逸らさない。
彼の金色の瞳から、絶対に目を離さない。
だって、あたしは…………ホップが好きだから。
罪悪感なんてもう、塗り潰されていた。
「だから、あたしと付き合って」
16: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:00:18
・・・・・
研究所に静けさが戻る。
あたしはただ、待っている。
ホップの答えを。
それは、どこか判決を待つ罪人のような気持ちだった。
一秒がその何十倍にも長く感じる。
心臓の早鐘は鳴りやむ気配がない。
早く答えて欲しいと思うと同時に、答えなんて聞きたくないと逃げ出したくなる。
そのせめぎ合いに心が悲鳴を上げ始めた時、
「…………ぉう」
ホップが、ぎこちなく頷いた。
その瞬間の気持ちを表現するには、あたしの知っている言葉じゃ足りない。
代わりに、瞳から涙がこぼれた。
研究所に静けさが戻る。
あたしはただ、待っている。
ホップの答えを。
それは、どこか判決を待つ罪人のような気持ちだった。
一秒がその何十倍にも長く感じる。
心臓の早鐘は鳴りやむ気配がない。
早く答えて欲しいと思うと同時に、答えなんて聞きたくないと逃げ出したくなる。
そのせめぎ合いに心が悲鳴を上げ始めた時、
「…………ぉう」
ホップが、ぎこちなく頷いた。
その瞬間の気持ちを表現するには、あたしの知っている言葉じゃ足りない。
代わりに、瞳から涙がこぼれた。
17: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:00:31
怖かった。
もしも断られたらって。そうなったらもう、あたしはホップのそばにも、ユウリのそばにもいられないって。
今はもう、そんな気持ちは消し飛んでいる。
だって、ホップは頷いてくれたから。
「ホップ……」
「な、なんだ?ていうかその……泣いて、」
ぎゅっとホップに抱き着く。
彼の体がビクリと跳ねるのを感じた。
構わず強く抱きしめる。
何も言わず、じっと彼の体温を感じる。
あたしは、幸せだった。
もしも断られたらって。そうなったらもう、あたしはホップのそばにも、ユウリのそばにもいられないって。
今はもう、そんな気持ちは消し飛んでいる。
だって、ホップは頷いてくれたから。
「ホップ……」
「な、なんだ?ていうかその……泣いて、」
ぎゅっとホップに抱き着く。
彼の体がビクリと跳ねるのを感じた。
構わず強く抱きしめる。
何も言わず、じっと彼の体温を感じる。
あたしは、幸せだった。
20: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:03:36
最近の生きがい助かる
21: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:07:46
みんな幸せになれ…
24: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:14:35
読み応えあるな
25: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:16:12
チャンピオンは幸せになれるのかなこれ…
26: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:16:58
女の友情は儚か
27: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:21:41
死なないけど生きた屍になりかねない
31: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:32:44
永続キョダイゴクエンはやめてくれんか…
33: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:35:49
「」ウリ視点からすると信頼していた親友に昔から好きだった幼なじみをNTRされて…
これはおつらい…
これはおつらい…
35: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:39:32
チャンピオンになって得たものは義務と裏切りだ
どうだすごいだろう
しかも裏切ったのは親友だ
どうだすごいだろう
どうだすごいだろう
しかも裏切ったのは親友だ
どうだすごいだろう
36: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:43:08
>>35
こんな惨めな栄光ってある?
こんな惨めな栄光ってある?
38: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 00:54:14
>>36
私は誰より強いんだが口癖になるチャンピオン…
私は誰より強いんだが口癖になるチャンピオン…
2: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:30:06
・・・・・
ホップと結ばれた。
そんな幸せに浸れたのはほんの数日だけだった。
幸せな気分で朝目覚めて、幸せな気分で夜眠りについて、
ある日の朝、罪悪感があたしの心を飲み込んだ。
「ちゃんと、ユウリに謝らないと……」
ベッドの上でそう呟く。
親友の想い人を奪うという大罪。
どれだけ言い訳しようともあたしはユウリを裏切った。
謝ったって償えない。
もしも償う方法があるとすればそれは――――ホップを諦める事。
ホップと結ばれた。
そんな幸せに浸れたのはほんの数日だけだった。
幸せな気分で朝目覚めて、幸せな気分で夜眠りについて、
ある日の朝、罪悪感があたしの心を飲み込んだ。
「ちゃんと、ユウリに謝らないと……」
ベッドの上でそう呟く。
親友の想い人を奪うという大罪。
どれだけ言い訳しようともあたしはユウリを裏切った。
謝ったって償えない。
もしも償う方法があるとすればそれは――――ホップを諦める事。
3: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:30:21
だけどもう、あたしにその選択することは出来ない。
あの日、ホップと想いが結ばれた時本当に嬉しかった。
世界の色が変わって見えた。
握った手を一生離したくないって思った。
もうすぐユウリが帰ってくる。
その時ちゃんと謝ろう。
あたしのした事を包み隠さず話そう。
ユウリは怒るだろう、あたしを罵倒するかもしれない。
でも、それは当然のことだ。
ユウリはあたしを信頼してくれたのにあたしはその信頼を裏切った。
だから、仕方がない。
たとえ絶交されるとしてもそれは自業自得なのだから。
……そう自分に言い含めても、これから先の事を考えると心がズシリと重くなるのを避けられなかった。
あの日、ホップと想いが結ばれた時本当に嬉しかった。
世界の色が変わって見えた。
握った手を一生離したくないって思った。
もうすぐユウリが帰ってくる。
その時ちゃんと謝ろう。
あたしのした事を包み隠さず話そう。
ユウリは怒るだろう、あたしを罵倒するかもしれない。
でも、それは当然のことだ。
ユウリはあたしを信頼してくれたのにあたしはその信頼を裏切った。
だから、仕方がない。
たとえ絶交されるとしてもそれは自業自得なのだから。
……そう自分に言い含めても、これから先の事を考えると心がズシリと重くなるのを避けられなかった。
4: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:30:32
・・・・・
あたしが重い決意を固めた日の正午。
いつも通り研究所に向かうと、入り口でホップが突っ立っていた。
「マリィ、その……ちょっといいか?」
「何?」
ホップはどこか落ち着きがなくて、どうしたのだろうとあたしも首を傾げる。
「あれだ、この間のその……お前の告白なんだが」
そこまで言われて『もしかして』と思った。
気の迷いだったとか、やっぱりやめようとか。そういうことを言われるのではと。
不安が足元に纏わりつく感覚がした。
でも、すぐにそれは杞憂だとわかった。
「オレ、ちゃんと返事できなかった。もっとその……しっかりと返事をしたい」
ホップは恥ずかしそうに頭をかく。
でもすぐにその金色の瞳が真っ直ぐあたしを見つめる。
あたしが重い決意を固めた日の正午。
いつも通り研究所に向かうと、入り口でホップが突っ立っていた。
「マリィ、その……ちょっといいか?」
「何?」
ホップはどこか落ち着きがなくて、どうしたのだろうとあたしも首を傾げる。
「あれだ、この間のその……お前の告白なんだが」
そこまで言われて『もしかして』と思った。
気の迷いだったとか、やっぱりやめようとか。そういうことを言われるのではと。
不安が足元に纏わりつく感覚がした。
でも、すぐにそれは杞憂だとわかった。
「オレ、ちゃんと返事できなかった。もっとその……しっかりと返事をしたい」
ホップは恥ずかしそうに頭をかく。
でもすぐにその金色の瞳が真っ直ぐあたしを見つめる。
5: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:30:46
「マリィ、オレが博士になれたのもお前が色々サポートしてくれたからだ」
そんな事ない。
そう言おうとすると、ホップがそれを押しとどめる。
とりあえず聞いてくれ。って事か。
「お前だってジムリーダーで忙しいだろうに、それでもオレに色々してくれたこと。本当に……感謝してる」
そんなの、あたしが勝手にしたことなのに。
むしろいきなり押しかけてきたあたしを受け入れてくれた事を感謝しているのに。
「博士になれたからってオレが駆け出し研究者なのは変わりない。だから、まだまだ至らぬところはあると思う。きっと、またお前に迷惑をかけると思う」
迷惑なんかじゃない。
ホップがあたしを頼ってくれるなら、それはとっても嬉しいことなんだから。
「でも……それでも、オレはお前と一緒にいたい。オレは……マリィの事が好きだ」
『好きだ』。そうハッキリ言ってもらえることがこんなに嬉しいだなんて思わなかった。
宙に浮くような多幸感。
世界中の恋人たちが飽きずに愛を囁く理由がようやくわかった気がした。
そんな事ない。
そう言おうとすると、ホップがそれを押しとどめる。
とりあえず聞いてくれ。って事か。
「お前だってジムリーダーで忙しいだろうに、それでもオレに色々してくれたこと。本当に……感謝してる」
そんなの、あたしが勝手にしたことなのに。
むしろいきなり押しかけてきたあたしを受け入れてくれた事を感謝しているのに。
「博士になれたからってオレが駆け出し研究者なのは変わりない。だから、まだまだ至らぬところはあると思う。きっと、またお前に迷惑をかけると思う」
迷惑なんかじゃない。
ホップがあたしを頼ってくれるなら、それはとっても嬉しいことなんだから。
「でも……それでも、オレはお前と一緒にいたい。オレは……マリィの事が好きだ」
『好きだ』。そうハッキリ言ってもらえることがこんなに嬉しいだなんて思わなかった。
宙に浮くような多幸感。
世界中の恋人たちが飽きずに愛を囁く理由がようやくわかった気がした。
6: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:31:15
「だから……これからもその……よろしく、お願いします」
「……ん。よろしく」
「……なんかあっさりだな」
そんな事言われたって困る。
あたしは別に話すのが得意ってわけじゃないのだから。
それに、
「だって、あたしはもうホップに好きって言ったし。ホップはもうあたしと付き合うって決めてたし」
「まぁ……そうだな」
「……でも、嬉しか。ちゃんと好きって言ってくれて」
告白を受け入れてくれた時とはまた違う。
じんわりと、胸の奥から温かくなっていく。
笑顔が苦手なあたしが、思わず微笑んでしまうぐらい心地よい感覚。
「うん……うん。本当に嬉しか。嬉しかばい」
なるほど、これも幸せって感覚なんだと。
あたしは理解できた。
「……ん。よろしく」
「……なんかあっさりだな」
そんな事言われたって困る。
あたしは別に話すのが得意ってわけじゃないのだから。
それに、
「だって、あたしはもうホップに好きって言ったし。ホップはもうあたしと付き合うって決めてたし」
「まぁ……そうだな」
「……でも、嬉しか。ちゃんと好きって言ってくれて」
告白を受け入れてくれた時とはまた違う。
じんわりと、胸の奥から温かくなっていく。
笑顔が苦手なあたしが、思わず微笑んでしまうぐらい心地よい感覚。
「うん……うん。本当に嬉しか。嬉しかばい」
なるほど、これも幸せって感覚なんだと。
あたしは理解できた。
7: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:31:29
「……そうだ」
そしてこの感覚をもっと味わいたいと思った時、あたしの脳内にある方法が思い浮かんだ。
「ホップはあっさりなのが不満と?」
「い、いや不満とかじゃ……」
「なら、さ……キス、して」
「っ……」
キス。口づけ。接吻。
愛し合う者同士がその愛を伝える方法として最も有名なもの。
あるいは恋人として一歩進む儀式。
恋人になってすぐのあたしたちがするにはまだ早いかもしれないけど、別に良いと思う。
だって、あたしは今こんなにもホップとキスしたいのだから。
そしてこの感覚をもっと味わいたいと思った時、あたしの脳内にある方法が思い浮かんだ。
「ホップはあっさりなのが不満と?」
「い、いや不満とかじゃ……」
「なら、さ……キス、して」
「っ……」
キス。口づけ。接吻。
愛し合う者同士がその愛を伝える方法として最も有名なもの。
あるいは恋人として一歩進む儀式。
恋人になってすぐのあたしたちがするにはまだ早いかもしれないけど、別に良いと思う。
だって、あたしは今こんなにもホップとキスしたいのだから。
8: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:31:41
「嫌?」
「そうじゃないけど……いきなりだな」
「あたしが告ったのもいきなりだったと」
「……そう、だったな」
「だから、ほら」
「………………おう」
あたしの肩を掴み、ホップが大きく深呼吸する。
きっとホップから見たらあたしは落ち着いているんだろうな。
……そんな事無いのに
心臓の早鐘はもっと騒ぎ立てる。
頬の紅潮が止まらない。
だけど、楽しみでしょうがない。
あたしは、こんなにも『女の子』だったんだと、ようやく実感する。
「………………いくぞ」
「うん、いつでも来い」
「そうじゃないけど……いきなりだな」
「あたしが告ったのもいきなりだったと」
「……そう、だったな」
「だから、ほら」
「………………おう」
あたしの肩を掴み、ホップが大きく深呼吸する。
きっとホップから見たらあたしは落ち着いているんだろうな。
……そんな事無いのに
心臓の早鐘はもっと騒ぎ立てる。
頬の紅潮が止まらない。
だけど、楽しみでしょうがない。
あたしは、こんなにも『女の子』だったんだと、ようやく実感する。
「………………いくぞ」
「うん、いつでも来い」
9: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:32:12
初めて触れた彼の唇は、思っていたよりもずっと温かくて、震えていて。
それはきっと、あたしもなんだろうなって。ぼんやりと思った。
そして、今はこの温かさをもっと感じていたい。
もっと、温かくなりたい。
そう思ったから、
「……ホップ、今日ってソニアさん来るん?」
「い、いや」
……アニキには絶対に言えなか。
この秘密は墓までもっていくけん。
そう、ひそかに決意して。
「なら、今日は長居するけん」
「え、あ……お、おう」
「ホップ」
「な、なんだ?」
それはきっと、あたしもなんだろうなって。ぼんやりと思った。
そして、今はこの温かさをもっと感じていたい。
もっと、温かくなりたい。
そう思ったから、
「……ホップ、今日ってソニアさん来るん?」
「い、いや」
……アニキには絶対に言えなか。
この秘密は墓までもっていくけん。
そう、ひそかに決意して。
「なら、今日は長居するけん」
「え、あ……お、おう」
「ホップ」
「な、なんだ?」
10: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:32:43
自分がこんなにも大胆で、こんなにも……その、あれ。
…………欲しいんだなって思う人だとは思わなかった。
でも、仕方がない。
仕方がなか。
もう、決めちゃったから。
スカートのすそを掴み震えを抑える。
ホップにもあたしの緊張が伝わってるんだなって、その表情でわかる。
そして今度こそあたしの表情は真っ赤で震えて、期待を隠せていないんだと思う。
「あたしたち、恋人同士で、何よりも……もう子供じゃなか。だから……」
あたしはまた、もう一歩踏み出そうと思う。
「少しぐらい、危ないことしても良いと思うよ?」
いくらなんでも大胆過ぎた……と思ったのは、全部が終わってからだった。
…………欲しいんだなって思う人だとは思わなかった。
でも、仕方がない。
仕方がなか。
もう、決めちゃったから。
スカートのすそを掴み震えを抑える。
ホップにもあたしの緊張が伝わってるんだなって、その表情でわかる。
そして今度こそあたしの表情は真っ赤で震えて、期待を隠せていないんだと思う。
「あたしたち、恋人同士で、何よりも……もう子供じゃなか。だから……」
あたしはまた、もう一歩踏み出そうと思う。
「少しぐらい、危ないことしても良いと思うよ?」
いくらなんでも大胆過ぎた……と思ったのは、全部が終わってからだった。
11: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:33:11
・・・・・
研究所から出ると、日は沈み、辺りは真っ暗になっていた。
「本当に送っていかなくていいのか?」
一人で帰ろうとするあたしに、ホップは心配そうにそう言ってくる。
「だから大丈夫だって。大体送るって言ったってすぐそこの駅からタクシーで町ひとっ飛びたい」
「それは、そうだが……」
なんというか、ホップは思っていたよりも小心者な部分があるみたいだ。
でも、それはつまりそれだけあたしの事を想ってくれている証拠だって思えば、そんな所も愛おしく思えてくる。
「……心配してくれてありがと。気持ちだけ受け取っとく」
「……ああ」
やっぱり心配そうに返事をするホップにあたしはため息を我慢できなかった。
研究所から出ると、日は沈み、辺りは真っ暗になっていた。
「本当に送っていかなくていいのか?」
一人で帰ろうとするあたしに、ホップは心配そうにそう言ってくる。
「だから大丈夫だって。大体送るって言ったってすぐそこの駅からタクシーで町ひとっ飛びたい」
「それは、そうだが……」
なんというか、ホップは思っていたよりも小心者な部分があるみたいだ。
でも、それはつまりそれだけあたしの事を想ってくれている証拠だって思えば、そんな所も愛おしく思えてくる。
「……心配してくれてありがと。気持ちだけ受け取っとく」
「……ああ」
やっぱり心配そうに返事をするホップにあたしはため息を我慢できなかった。
12: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:33:21
「……もう、しかたなか」
背伸びして、ホップの首に手を回す。
ゆっくりと、彼とあたしの唇を合わせる。
そしてまたゆっくりと、あたしたちの唇は離れていく。
「……ん。おやすみ、ホップ」
「……おう、おやすみマリィ」
名残惜しいのはきっとあたしだけじゃないんだなって、ホップの顔を見て確信できた。
背伸びして、ホップの首に手を回す。
ゆっくりと、彼とあたしの唇を合わせる。
そしてまたゆっくりと、あたしたちの唇は離れていく。
「……ん。おやすみ、ホップ」
「……おう、おやすみマリィ」
名残惜しいのはきっとあたしだけじゃないんだなって、ホップの顔を見て確信できた。
13: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:33:35
・・・・・
夜の道をあたしは一人駅へと向かって歩いている。
暗いと言ったって周囲には街灯の明かりが道を照らしているから、危ないなんて事はないだろう。
いざとなったらあたしのポケモンたちに頑張ってもらうし。
「まぁーったくホップは心配性たい」
そんな文句を言いながら、あたしは笑顔を抑えきれない。
しかたがない。嬉しいものは嬉しいのだから。
きっと帰って寝る瞬間も、朝起きた時も、これからも。あたしは幸せなんだろう。
笑みが一つ零れるたびに明日が楽しみになってくる。
「ふふん、明日はどんなお弁当作ってあげようか―――」
「マリィちゃん」
夜の道をあたしは一人駅へと向かって歩いている。
暗いと言ったって周囲には街灯の明かりが道を照らしているから、危ないなんて事はないだろう。
いざとなったらあたしのポケモンたちに頑張ってもらうし。
「まぁーったくホップは心配性たい」
そんな文句を言いながら、あたしは笑顔を抑えきれない。
しかたがない。嬉しいものは嬉しいのだから。
きっと帰って寝る瞬間も、朝起きた時も、これからも。あたしは幸せなんだろう。
笑みが一つ零れるたびに明日が楽しみになってくる。
「ふふん、明日はどんなお弁当作ってあげようか―――」
「マリィちゃん」
14: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:33:49
背筋が、凍り付いた。
思考が、停止した。
今の声は、
あたしの名を呼んだ人は、
思考が、停止した。
今の声は、
あたしの名を呼んだ人は、
15: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:34:01
視線の先、街灯の下に人影が一つ。
その顔は明かりから外れていて見えない。
でも、でも。
あたしは確信をもって彼女の名を呼ぶ。
「ユウ、リ……」
あたしの親友で、チャンピオンがそこにいた。
「なん、で」
「え?ああ、そっか。マリィちゃんにも言ってなかったね」
ユウリの声はいつもと何も変わらず明るくて、
なのに彼女の表情は暗がりに紛れてまったくわからない。
その顔は明かりから外れていて見えない。
でも、でも。
あたしは確信をもって彼女の名を呼ぶ。
「ユウ、リ……」
あたしの親友で、チャンピオンがそこにいた。
「なん、で」
「え?ああ、そっか。マリィちゃんにも言ってなかったね」
ユウリの声はいつもと何も変わらず明るくて、
なのに彼女の表情は暗がりに紛れてまったくわからない。
16: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:34:22
「実はね向こうでの仕事が早めに終わってね、私だけ一足先に帰らせてもらったんだ」
「そ、そうなんだ」
「元々私が休み欲しい!って言ってたのは委員会側も知ってたし、良ければって」
ユウリは嬉しそうに両手を広げる。
「で、せっかくだからサプライズ!皆には内緒で帰ってきて驚かせようかなって!」
「そ、そう」
「それでさっき空港についてね?だから最初にホップ君に会いに来たんだよ?まだ実家にだって顔見せてないんだから」
「そ、それなら」
ホップに会いに行って来れば――――
「ねぇマリィちゃん」
「そ、そうなんだ」
「元々私が休み欲しい!って言ってたのは委員会側も知ってたし、良ければって」
ユウリは嬉しそうに両手を広げる。
「で、せっかくだからサプライズ!皆には内緒で帰ってきて驚かせようかなって!」
「そ、そう」
「それでさっき空港についてね?だから最初にホップ君に会いに来たんだよ?まだ実家にだって顔見せてないんだから」
「そ、それなら」
ホップに会いに行って来れば――――
「ねぇマリィちゃん」
17: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:34:34
ユウリが、一歩踏み出す。
スポットライトにその全身を晒す。
真っ暗だった彼女の表情がはっきりと、見て取れる。
あたしを見つめるその表情は―――――
「なんで、ホップ君とキスしてたの?」
氷で出来た能面のようだった。
スポットライトにその全身を晒す。
真っ暗だった彼女の表情がはっきりと、見て取れる。
あたしを見つめるその表情は―――――
「なんで、ホップ君とキスしてたの?」
氷で出来た能面のようだった。
19: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:36:29
死人は出ないけど行方不明者が出るやつですよね?
20: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:37:22
スパイクタウンが完全に廃墟になっちゃう……
22: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:37:43
だれも幸せになれなさそうじゃないですか!やだー
23: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:38:44
死人はでないが行方不明者が出ないとは言ってないからな…
24: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:39:30
本当に死人出ないのこれ!?
チャンピオンの首吊り死体かスパイクタウンジムリーダーの惨殺死体が出そうだよ!?
チャンピオンの首吊り死体かスパイクタウンジムリーダーの惨殺死体が出そうだよ!?
26: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:39:53
死人は出ませんし乙女の恋は成就しました
32: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:46:17
>>26
成就した(過去形)からいいってものではないんだぞ
成就した(過去形)からいいってものではないんだぞ
28: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:41:09
それでもホップなら…ホップなら何とかしてくれるはず…
29: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:43:14
選ばれるのは1人だけなんだ
30: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:44:08
見んねモルペコ!
31: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:46:15
卑しかあたしばい!
34: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:48:09
ホップはいい男だから仕方無いみたいなとこあるし…
36: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:49:13
ロンゲはどう思う?
37: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:49:34
(ロンゲの墓)
38: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:50:25
まあ…そうだろうな
39: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:52:37
もうムゲンダイナの力で別世界からホップ連れてきて2人で分け合えば幸せになるんじゃねえかな…
40: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:53:15
>>39
ホップがいなくなった世界はどうなるんですか
ホップがいなくなった世界はどうなるんですか
41: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:53:21
ネズさんとダンデはどう思う?
47: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:58:14
>>41
ネズさんは間に入ってくれそうだけど
ダンデは本人同士の問題だし自分たちで解決しろとかいいそう
ネズさんは間に入ってくれそうだけど
ダンデは本人同士の問題だし自分たちで解決しろとかいいそう
43: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:53:37
また敗北するの…
45: 名無しのあにまんch 2020/08/15(土) 23:56:07
キスのシーン見てるってことは致してるシーンも覗いてるんだよな…
54: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 00:06:03
>>45
チャンピオンが見たのは別れ際の熱っぽくってやたら長いキスだけです
チャンピオンが見たのは別れ際の熱っぽくってやたら長いキスだけです
48: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 00:00:07
ホップ視点だと自分に親身になってくれた女性を普通に好きになって告白されたからOKしただけなんだけどな…
49: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 00:00:26
男1女2の三角関係で男側の兄なんてどうにもできなさそう
51: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 00:03:03
ホップが2人まとめて抱けば解決するのでは?
53: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 00:05:27
>>51
それができるキャラだったらムゲン団なんて作られなかったわ
それができるキャラだったらムゲン団なんて作られなかったわ
52: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 00:03:54
エキスパンションパス買わなきゃ…
2: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:45:31
・・・・・
「なんで、ホップ君とキスしてたの?」
そう聞かれて、あたしはただ震える事しかできない。
だけど、ユウリは沈黙を許してはくれない。
「ねぇ、マリィちゃん」
「……ごめんユウリ」
「何が?何がごめんなの?」
「あた、あたしは……ホップと、付き合ってるたい」
「なんで、ホップ君とキスしてたの?」
そう聞かれて、あたしはただ震える事しかできない。
だけど、ユウリは沈黙を許してはくれない。
「ねぇ、マリィちゃん」
「……ごめんユウリ」
「何が?何がごめんなの?」
「あた、あたしは……ホップと、付き合ってるたい」
3: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:45:45
そう言って深く頭を下げる。
ユウリはどんな表情をしているのだろうか。
わからない、でも今は謝る事しか出来ない。
「ごめん、ごめんユウリっ……!」
「……いつから?いつからホップ君と付き合ってたの?」
「……この間、から」
「いつからホップ君のことが好きだったの?」
「……たぶん、あんたに頼まれてホップの様子を見に行った時から」
「……そっか。そうなんだぁ」
「っ……ユウリ!!あたしはッ――――」
瞬間、頬に衝撃が走る。
ユウリに打たれたのだと遅れて理解する。
ユウリの表情は未だ、氷のようで、その口から出てくる言葉は冷たくて、だけど噴火前の火山のように震えていた。
ユウリはどんな表情をしているのだろうか。
わからない、でも今は謝る事しか出来ない。
「ごめん、ごめんユウリっ……!」
「……いつから?いつからホップ君と付き合ってたの?」
「……この間、から」
「いつからホップ君のことが好きだったの?」
「……たぶん、あんたに頼まれてホップの様子を見に行った時から」
「……そっか。そうなんだぁ」
「っ……ユウリ!!あたしはッ――――」
瞬間、頬に衝撃が走る。
ユウリに打たれたのだと遅れて理解する。
ユウリの表情は未だ、氷のようで、その口から出てくる言葉は冷たくて、だけど噴火前の火山のように震えていた。
4: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:45:58
「ねぇマリィちゃん。マリィちゃんはさ、私がホップ君の事好きだって事知ってたでしょ?ずっと前から」
「……うん」
再び頬を打たれる。
「なのにさ、なんで?」
「……ごめん」
「私がホップ君に告白するんだって言った時、どう思ったの?」
「……応援、したいって」
そう言った瞬間、鳩尾にするどい衝撃が走る。
それがユウリのつま先によるものだと分かった時、すでにあたしは地面へとへたり込んでいた。
「馬鹿にしてるの?」
「ちが、違っ……ユウ、り」
呼吸が乱れ上手くしゃべれないあたしをユウリは冷たく見下ろす。
「何が?何が違うの?」
「ホントに……ホントに、応援したいって思ってたのっ……」
「……うん」
再び頬を打たれる。
「なのにさ、なんで?」
「……ごめん」
「私がホップ君に告白するんだって言った時、どう思ったの?」
「……応援、したいって」
そう言った瞬間、鳩尾にするどい衝撃が走る。
それがユウリのつま先によるものだと分かった時、すでにあたしは地面へとへたり込んでいた。
「馬鹿にしてるの?」
「ちが、違っ……ユウ、り」
呼吸が乱れ上手くしゃべれないあたしをユウリは冷たく見下ろす。
「何が?何が違うの?」
「ホントに……ホントに、応援したいって思ってたのっ……」
5: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:46:13
ああ、あたしはまた嘘をついている。
本当は、わからなかった。
ユウリを応援したいのか、そうじゃないのか。
わからないままあたしは口先だけのセリフを吐いて、ユウリを元気づけて、
そして裏切った。
そしてあたしはまた、口先だけのセリフを吐いてしまう。
「だって……ユウリは、あたしの……親友だから……」
氷に、ユウリにヒビが入る。
あたしはとうとう、どうしようもなく間違えたんだと、その瞬間悟った。
本当は、わからなかった。
ユウリを応援したいのか、そうじゃないのか。
わからないままあたしは口先だけのセリフを吐いて、ユウリを元気づけて、
そして裏切った。
そしてあたしはまた、口先だけのセリフを吐いてしまう。
「だって……ユウリは、あたしの……親友だから……」
氷に、ユウリにヒビが入る。
あたしはとうとう、どうしようもなく間違えたんだと、その瞬間悟った。
6: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:46:26
「ふざけるな」
罵倒される。
「ふざけるなっ」
殴りつけられる。
「ふざけんなッ!?」
それらは全部当然の怒りで、どうしようもなくあたしの自業自得で、
「何が、何が親友なのッ!?私の事、騙してたくせにッ!?」
涙を流しながら怒り狂うユウリに、あたしはただただ申し訳なさしかなくて、
「私の事、笑ってたの?馬鹿にしてたのっ?」
「そんな事ないっ……あたしは、本当にユウリの事を……」
「だったらなんでっ!?」
ただただ、頭を下げ許しを請う事しか出来なかった。
「ごめんっ……ごめんユウリっ……」
「……マリィちゃん、許して欲しい?」
突然の提案に、あたしは呆然と彼女を見る。
罵倒される。
「ふざけるなっ」
殴りつけられる。
「ふざけんなッ!?」
それらは全部当然の怒りで、どうしようもなくあたしの自業自得で、
「何が、何が親友なのッ!?私の事、騙してたくせにッ!?」
涙を流しながら怒り狂うユウリに、あたしはただただ申し訳なさしかなくて、
「私の事、笑ってたの?馬鹿にしてたのっ?」
「そんな事ないっ……あたしは、本当にユウリの事を……」
「だったらなんでっ!?」
ただただ、頭を下げ許しを請う事しか出来なかった。
「ごめんっ……ごめんユウリっ……」
「……マリィちゃん、許して欲しい?」
突然の提案に、あたしは呆然と彼女を見る。
7: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:46:37
「私の言う事、一つ聞いてくれれば許してあげる」
屈みこんで、あたしを説き伏せるように、
「ホップ君と別れて。それで、もう二度と会わないで」
最後通牒を告げた。
「……」
「ホップ君と別れてくれたらこの事は忘れてあげる。許して欲しいなら、それしかないよ?」
それは、そうだろう。
ルール違反を犯したのはあたしだ。
ホップはあの性格だ。あたしが別れを告げたらきっと悲しむし傷つく。
それでも、ユウリがいればきっと大丈夫だと思う。
ユウリが今怒り狂っているのは他でもないあたしのせいだ。
これまで彼女が怒る姿なんて一度だって見た事がない。
チャンピオンとしての気苦労を背負いながら、それでもどこか『普通の女の子』なユウリは、
会話も、笑顔も苦手なあたしの事を親友だって、言ってくれた。
あたしも、それに応えたかった。
屈みこんで、あたしを説き伏せるように、
「ホップ君と別れて。それで、もう二度と会わないで」
最後通牒を告げた。
「……」
「ホップ君と別れてくれたらこの事は忘れてあげる。許して欲しいなら、それしかないよ?」
それは、そうだろう。
ルール違反を犯したのはあたしだ。
ホップはあの性格だ。あたしが別れを告げたらきっと悲しむし傷つく。
それでも、ユウリがいればきっと大丈夫だと思う。
ユウリが今怒り狂っているのは他でもないあたしのせいだ。
これまで彼女が怒る姿なんて一度だって見た事がない。
チャンピオンとしての気苦労を背負いながら、それでもどこか『普通の女の子』なユウリは、
会話も、笑顔も苦手なあたしの事を親友だって、言ってくれた。
あたしも、それに応えたかった。
8: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:46:47
『その……ホップ君の様子を見て来てもらいたいの』
だからあの時、ユウリの頼みを引き受けた。
めんどくさかったけど、それでも親友の恋をちょっとでも手助けしたかったから。
…………その挙句がこれか。
あれほど助けになりたかった親友を裏切って、あたしは今親友の怒りを買い、蔑まれている。
仕方がない。自業自得だ。
声に出さず言う。
仕方がないから、自業自得だから、ユウリの言う通りホップと別れるのも仕方がないから。
――――――そんなの絶対に嫌だ。
「嫌……だ」
「……」
「嫌……それだけは、絶対に嫌たい……だって、だって……」
だからあの時、ユウリの頼みを引き受けた。
めんどくさかったけど、それでも親友の恋をちょっとでも手助けしたかったから。
…………その挙句がこれか。
あれほど助けになりたかった親友を裏切って、あたしは今親友の怒りを買い、蔑まれている。
仕方がない。自業自得だ。
声に出さず言う。
仕方がないから、自業自得だから、ユウリの言う通りホップと別れるのも仕方がないから。
――――――そんなの絶対に嫌だ。
「嫌……だ」
「……」
「嫌……それだけは、絶対に嫌たい……だって、だって……」
9: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:46:57
這いつくばったまま、涙を流す。
脳裏に浮かぶのはホップとの思い出。
一つ一つ思い出すたびに罪悪感が湧き上がってくる。
だけど、だけど、それでも。
「あたしは、ホップの事……好いとーと……」
好きなんだ。
どうしようもなく、ホップの事が。
親友を裏切ってでも、欲しいと思ったから。
自己嫌悪に苛まれても、それでも彼と結ばれたいと思ったから。
あたしは、ホップの事が……誰よりも、大好きなんだ。
「……なんなのあなた」
ユウリは心底軽蔑するような目であたしを見る。
「私の事親友だって、言ってたくせに。ホップ君の事応援するって言ったくせに」
だんだんと、その語気が荒くなっていく。
脳裏に浮かぶのはホップとの思い出。
一つ一つ思い出すたびに罪悪感が湧き上がってくる。
だけど、だけど、それでも。
「あたしは、ホップの事……好いとーと……」
好きなんだ。
どうしようもなく、ホップの事が。
親友を裏切ってでも、欲しいと思ったから。
自己嫌悪に苛まれても、それでも彼と結ばれたいと思ったから。
あたしは、ホップの事が……誰よりも、大好きなんだ。
「……なんなのあなた」
ユウリは心底軽蔑するような目であたしを見る。
「私の事親友だって、言ってたくせに。ホップ君の事応援するって言ったくせに」
だんだんと、その語気が荒くなっていく。
10: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:47:08
「全部全部、嘘じゃないっ。私を騙してっ、私の大事な人を隠れて奪ってっ!」
何も言い返せない。
ユウリのいう事はどうしようもなく正しくて、他でもないあたしが罪だと認識しているから。
なのに、
「私の方が先にホップ君を好きだったのにッ!?私の方が、ずっと長くホップ君と一緒だったのにッ!?」
ユウリの言葉があたしのメッキを剥がしていく。
友情だとか、理性とかそんな薄っぺらいもので覆っていた本心が露わになっていく。
剥がされ、削り取られ、あたしの本性が頭をもたげてくる。
「だったら」
勝手に口が開く。
鼓膜に響く自分の声は初めて聴く冷たい声で、
何も言い返せない。
ユウリのいう事はどうしようもなく正しくて、他でもないあたしが罪だと認識しているから。
なのに、
「私の方が先にホップ君を好きだったのにッ!?私の方が、ずっと長くホップ君と一緒だったのにッ!?」
ユウリの言葉があたしのメッキを剥がしていく。
友情だとか、理性とかそんな薄っぺらいもので覆っていた本心が露わになっていく。
剥がされ、削り取られ、あたしの本性が頭をもたげてくる。
「だったら」
勝手に口が開く。
鼓膜に響く自分の声は初めて聴く冷たい声で、
11: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:47:36
「だったらなんで、好きって伝えなかったん」
その時初めて、ユウリがたじろいだ。
「あたしなんかよりもずっとホップと一緒にいたくせに……あたしなんかよりもずっとホップに好かれていたくせにっ……」
「え……?」
「気づいてなかったの?……バッカみたい。ホップはね、あんたのことが、好きだった……」
あたしが、ホップとの会話からユウリの話題を消すのにどれだけ苦労したと思っているんだ。
何度話題を変えたって、ホップはユウリの事を想いだして、口にする。
その度に心がやすり掛けされているようだった。
そして何よりも……ユウリの事を口にして寂しげに笑うホップを見るのが辛かった。
「会えない事を寂しいって思ってたッ!!あんたが会いたいって言った時嬉しそうだったッ!!いつだって、あんたの事を心配していたッ!?なのに、なのにッ!?あんたは、会おうとしなかったッ!!」
その時初めて、ユウリがたじろいだ。
「あたしなんかよりもずっとホップと一緒にいたくせに……あたしなんかよりもずっとホップに好かれていたくせにっ……」
「え……?」
「気づいてなかったの?……バッカみたい。ホップはね、あんたのことが、好きだった……」
あたしが、ホップとの会話からユウリの話題を消すのにどれだけ苦労したと思っているんだ。
何度話題を変えたって、ホップはユウリの事を想いだして、口にする。
その度に心がやすり掛けされているようだった。
そして何よりも……ユウリの事を口にして寂しげに笑うホップを見るのが辛かった。
「会えない事を寂しいって思ってたッ!!あんたが会いたいって言った時嬉しそうだったッ!!いつだって、あんたの事を心配していたッ!?なのに、なのにッ!?あんたは、会おうとしなかったッ!!」
12: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:48:43
開き直ったあたしは、汚泥を吐くのを止められない。
「ホップの事が好きだったくせにッ!臆病風に吹かれて、適当に言い訳してッ!!自分からも、ホップからも逃げ出したッ!?」
だって、それは間違いなくあたしの本音で、ずっと抱えて腐り果てた本性だから。
「だから、あたしがもらったのッ!!ホップに好きって伝えたのッ!!」
我慢なんてもう出来なかった。
友情よりも男を選んだ。
あたしにはもう、ホップしかいないって思った。
「そしたら……頷いてくれた。あたしの事、受け入れてくれた。あたしの事……好きって言ってくれた。ホップはね、あんたよりもあたしを選んだと」
いつの間にかあたしは立ち上がってユウリを見つめていた。
「そんなのッ……そんなのッ!?」
ユウリの表情から余裕も怒りも消え去り、焦りと動揺がその声には満ちている。
だからあたしは――――ここでユウリに止めを刺すことにした。
「ユウリ、あたしね、今日はずっとホップと一緒にいたと」
「え……」
「ホップの事が好きだったくせにッ!臆病風に吹かれて、適当に言い訳してッ!!自分からも、ホップからも逃げ出したッ!?」
だって、それは間違いなくあたしの本音で、ずっと抱えて腐り果てた本性だから。
「だから、あたしがもらったのッ!!ホップに好きって伝えたのッ!!」
我慢なんてもう出来なかった。
友情よりも男を選んだ。
あたしにはもう、ホップしかいないって思った。
「そしたら……頷いてくれた。あたしの事、受け入れてくれた。あたしの事……好きって言ってくれた。ホップはね、あんたよりもあたしを選んだと」
いつの間にかあたしは立ち上がってユウリを見つめていた。
「そんなのッ……そんなのッ!?」
ユウリの表情から余裕も怒りも消え去り、焦りと動揺がその声には満ちている。
だからあたしは――――ここでユウリに止めを刺すことにした。
「ユウリ、あたしね、今日はずっとホップと一緒にいたと」
「え……」
13: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:48:54
ユウリが見たのは別れ際のキスだけ。
それだけで、彼女はこんなにも取り乱した。
なら。
「ねぇ……あたしとホップ、さっきまで何してたと思う?」
上着をはだけ、首筋を晒す。
そこに刻まれた彼の『印』をまざまざと見せつける。
「ユウリ……ホップは、とっても優しかったよ」
零れた笑みは間違いなく優越感によるもので、この時のあたしは間違いなく……ユウリを見下していた。
「ッ……ああああああああああああああッ!?」
ユウリがあたしに飛び掛かり胸倉を掴み上げてくる。
あたしの笑みは止まらない。
「友達だと思ってたのにッ!?親友だと思ってたのにッ!?このッ―――泥棒猫ッ!!」
「……何言ってると?」
それだけで、彼女はこんなにも取り乱した。
なら。
「ねぇ……あたしとホップ、さっきまで何してたと思う?」
上着をはだけ、首筋を晒す。
そこに刻まれた彼の『印』をまざまざと見せつける。
「ユウリ……ホップは、とっても優しかったよ」
零れた笑みは間違いなく優越感によるもので、この時のあたしは間違いなく……ユウリを見下していた。
「ッ……ああああああああああああああッ!?」
ユウリがあたしに飛び掛かり胸倉を掴み上げてくる。
あたしの笑みは止まらない。
「友達だと思ってたのにッ!?親友だと思ってたのにッ!?このッ―――泥棒猫ッ!!」
「……何言ってると?」
14: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:49:08
力任せに彼女の腕を解き、突き飛ばす。
倒れこんだユウリを見下ろして、あたしはかつて親友だった人に最後の言葉を吐き捨てた。
「泥棒ってのは、『人のモノを』盗ったやつたい――――ホップがあんたのモノだったことなんて一度だってなか」
それで終わり。
呆然と虚空を見やるユウリを置いて、あたしは去っていく。
しばらくして、世界を呪う悲鳴のような声で誰かがあたしの名前を呼んだ。
あたしはそのまま家に帰って、寝て、朝起きて――――――血が出るほど泣き叫んだ。
倒れこんだユウリを見下ろして、あたしはかつて親友だった人に最後の言葉を吐き捨てた。
「泥棒ってのは、『人のモノを』盗ったやつたい――――ホップがあんたのモノだったことなんて一度だってなか」
それで終わり。
呆然と虚空を見やるユウリを置いて、あたしは去っていく。
しばらくして、世界を呪う悲鳴のような声で誰かがあたしの名前を呼んだ。
あたしはそのまま家に帰って、寝て、朝起きて――――――血が出るほど泣き叫んだ。
15: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:49:18
・・・・・
あれからまた数ヵ月が経った。
いよいよ今年のジムチャレンジが目前に迫ったとあって、ホップはウキウキとその準備を進めている。
あたしもまた、ジムリーダーとして腕を磨いて、今年こそトップを取ろうと目論んでいる。
そんなある日、あたしはいつものように研究所にいた。
ホップがあれこれとジムチャレンジに向けて考えてる隣で、あたしはテレビを見ていた。
映っているのはチャンピオンの試合だ。
現チャンピオンは就任当時から強かった。
相手の動きを読んでいるかのように正確で時に意外な行動で、観客はもちろん対戦相手も湧かせるようなチャンピオンだった。
だけど、ある日を境にそのバトルスタイルを大きく変えた。
相手を徹底的に叩く。
相手の攻撃を全て捌き、相手の起死回生の一撃さえ打ち砕く。
それはある意味強さという『華』をこれ以上ないくらい咲き誇らせるやり方だ。
相手の『華』を奪い自分の『華』を大きくする。
それは、周囲を枯らす毒の華。
あれからまた数ヵ月が経った。
いよいよ今年のジムチャレンジが目前に迫ったとあって、ホップはウキウキとその準備を進めている。
あたしもまた、ジムリーダーとして腕を磨いて、今年こそトップを取ろうと目論んでいる。
そんなある日、あたしはいつものように研究所にいた。
ホップがあれこれとジムチャレンジに向けて考えてる隣で、あたしはテレビを見ていた。
映っているのはチャンピオンの試合だ。
現チャンピオンは就任当時から強かった。
相手の動きを読んでいるかのように正確で時に意外な行動で、観客はもちろん対戦相手も湧かせるようなチャンピオンだった。
だけど、ある日を境にそのバトルスタイルを大きく変えた。
相手を徹底的に叩く。
相手の攻撃を全て捌き、相手の起死回生の一撃さえ打ち砕く。
それはある意味強さという『華』をこれ以上ないくらい咲き誇らせるやり方だ。
相手の『華』を奪い自分の『華』を大きくする。
それは、周囲を枯らす毒の華。
16: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:49:31
その急すぎる方針転換は様々な憶測を呼んだものの、結局チャンピオンの『もっと強くなりたいって思ったから』というインタビューで決着となった。
少なくともそれのやり方は今は受け入れられている。
ガラルの頂点が何よりも強いという事は観客にとっても嬉しいものなのだろう。
ただ、それがいつまで続くかはわからない。
いつまで、彼女がそれに耐えられるかわからない。
「……」
テレビの向こうで、チャンピオンが当然のように勝利を収めた。
「……ユウリ」
いつの間にか、ホップもテレビを見ていた。
だけど、その瞳は強きチャンピオンを讃えるものじゃなくて、悲しくて、心配そうな瞳だ。
ホップはただ心配しているのだ。
チャンピオンじゃなくて、昔から知っている友人を。
「……マリィ、ユウリはさ。たぶん色々模索しているんだ」
「……」
「オレが昔そうだったように色々考えて悩んで、自分の道を探しているんだ」
少なくともそれのやり方は今は受け入れられている。
ガラルの頂点が何よりも強いという事は観客にとっても嬉しいものなのだろう。
ただ、それがいつまで続くかはわからない。
いつまで、彼女がそれに耐えられるかわからない。
「……」
テレビの向こうで、チャンピオンが当然のように勝利を収めた。
「……ユウリ」
いつの間にか、ホップもテレビを見ていた。
だけど、その瞳は強きチャンピオンを讃えるものじゃなくて、悲しくて、心配そうな瞳だ。
ホップはただ心配しているのだ。
チャンピオンじゃなくて、昔から知っている友人を。
「……マリィ、ユウリはさ。たぶん色々模索しているんだ」
「……」
「オレが昔そうだったように色々考えて悩んで、自分の道を探しているんだ」
17: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:49:42
あたしはホップの言葉に何も返さない。
だって、チャンピオンが変わった理由は間違いなくあたしにあるのだから。
それを知らないからホップはこうもあたしに優しく語り掛けてくる。
「だからさ、ユウリの事嫌いにならないでくれ。あいつは、お前の親友なんだろ?」
「……うん。わかってる」
親友。
もう遠い言葉だ。
それを捨てたのも、汚したのも、壊したのも、あたしなのに。
喉の奥から苦いものがこみ上げてきた時、ホップが恐る恐るあたしの名前を呼んだ。
「あ、あとな、マリィ」
「何?」
「その……だな、ジムチャレンジが終わってからの話なんだが……」
「?」
「…………オレたち、一緒に住まないか?」
「……え?」
だって、チャンピオンが変わった理由は間違いなくあたしにあるのだから。
それを知らないからホップはこうもあたしに優しく語り掛けてくる。
「だからさ、ユウリの事嫌いにならないでくれ。あいつは、お前の親友なんだろ?」
「……うん。わかってる」
親友。
もう遠い言葉だ。
それを捨てたのも、汚したのも、壊したのも、あたしなのに。
喉の奥から苦いものがこみ上げてきた時、ホップが恐る恐るあたしの名前を呼んだ。
「あ、あとな、マリィ」
「何?」
「その……だな、ジムチャレンジが終わってからの話なんだが……」
「?」
「…………オレたち、一緒に住まないか?」
「……え?」
18: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:49:52
「ナックルシティにさ、良い部屋を見つけたんだ。駅とスパイクタウンの両方に近くて、オレが研究所に行くにもお前がスパイクタウンに行くにも便利な所でさ」
突然の話にあたしが驚いているのをどう思ったのか、ホップは慌てた様子であたしを宥めてくる。
「そんなすぐ決めて欲しいわけじゃないんだ。それこそジムチャレンジが終わってから答えを貰えればいい。ただ……」
これだけは、ちゃんと、ハッキリと言葉にする。
「オレは、お前と一緒に暮らしたい。それは、伝えておく」
そんな決意がホップの表情から見て取れた。
「……もう、ホップは。男なら『オレについてこい!』とか威勢のいいこと言えんと?」
「う……」
たじろぐホップにあたしは思わず笑ってしまう。
「……まぁよか。あたしはホップのそういうところも好きたい」
「な、なら」
「ん。スパイクタウンを出るのは寂しいけど……まぁ女の子はいつか実家をでるものたい」
「あ、ありがとうっ!」
そう言ってホップはあたしを抱きしめる。
あたしも、ホップを強く抱きしめる。
突然の話にあたしが驚いているのをどう思ったのか、ホップは慌てた様子であたしを宥めてくる。
「そんなすぐ決めて欲しいわけじゃないんだ。それこそジムチャレンジが終わってから答えを貰えればいい。ただ……」
これだけは、ちゃんと、ハッキリと言葉にする。
「オレは、お前と一緒に暮らしたい。それは、伝えておく」
そんな決意がホップの表情から見て取れた。
「……もう、ホップは。男なら『オレについてこい!』とか威勢のいいこと言えんと?」
「う……」
たじろぐホップにあたしは思わず笑ってしまう。
「……まぁよか。あたしはホップのそういうところも好きたい」
「な、なら」
「ん。スパイクタウンを出るのは寂しいけど……まぁ女の子はいつか実家をでるものたい」
「あ、ありがとうっ!」
そう言ってホップはあたしを抱きしめる。
あたしも、ホップを強く抱きしめる。
19: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:50:05
あたしは、今日も幸せだ。
大切な人を踏み台にした幸せを今日も享受している。
大切な人を踏み台にした幸せを今日も享受している。
20: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:50:18
――――チャンピオン!いよいよ今年のジムチャレンジが始まりますがいかがでしょうか!
『そうですね、ダンデさんの運営するバトルタワーの影響もあってかここ数年ガラルのトレーナーのレベルは上がっていると思います。私も、うかうかしてられないですね』
――――今年はあのホップ選手も参戦を表明していますがライバルの復帰はやはり脅威に感じていますか!
『もちろんですよ。ホップく……ホップ選手とは長い付き合いです。
数年ぶりの参戦だからと言って彼にブランクを期待するような事出来ません。
むしろ、昔よりもずっと強くなっているでしょうね』
――――ならばやはり今年一番警戒しているのはホップ選手ということでしょうか?
『んー……警戒してるっていうよりは期待の方が大きいかな?公の場で彼と戦うのは本当に久しぶりで、本当に……楽しみですから』
――――楽しみ、ですか
『ええ。本当に、本当に久しぶりで……楽しみで……今からもうワクワクしてます』
――――なるほど、ホップ選手は長年のライバルですものね
『ただ、警戒してるって事ならば、マリィ選手ですね』
『そうですね、ダンデさんの運営するバトルタワーの影響もあってかここ数年ガラルのトレーナーのレベルは上がっていると思います。私も、うかうかしてられないですね』
――――今年はあのホップ選手も参戦を表明していますがライバルの復帰はやはり脅威に感じていますか!
『もちろんですよ。ホップく……ホップ選手とは長い付き合いです。
数年ぶりの参戦だからと言って彼にブランクを期待するような事出来ません。
むしろ、昔よりもずっと強くなっているでしょうね』
――――ならばやはり今年一番警戒しているのはホップ選手ということでしょうか?
『んー……警戒してるっていうよりは期待の方が大きいかな?公の場で彼と戦うのは本当に久しぶりで、本当に……楽しみですから』
――――楽しみ、ですか
『ええ。本当に、本当に久しぶりで……楽しみで……今からもうワクワクしてます』
――――なるほど、ホップ選手は長年のライバルですものね
『ただ、警戒してるって事ならば、マリィ選手ですね』
21: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:50:32
――――マリィ選手ですか?
『はい。彼女も最近色々覚えたみたいで。裏をかかれやしないかとハラハラしています』
――――チャンピオンはマリィ選手とも長年の友人ですしホップ選手の事も含め、やはり親しい仲だからこそ、その強さを理解しているという事でしょうか
『そうですね、そんな感じです』
――――ありがとうございます。それでは最後に一言、お願いできますでしょうか
『はい』
チャンピオンはカメラの向こうの誰かを見て、ほほ笑んだ。
『ホップ君、私待ってるよ』
そして、カメラの向こうの誰かを見て、氷で出来た能面のような顔を見せ、去っていた。
去り際に、彼女呟きをマイクが拾う事は無かったが、
あたしにははっきりと読み取れた。
『はい。彼女も最近色々覚えたみたいで。裏をかかれやしないかとハラハラしています』
――――チャンピオンはマリィ選手とも長年の友人ですしホップ選手の事も含め、やはり親しい仲だからこそ、その強さを理解しているという事でしょうか
『そうですね、そんな感じです』
――――ありがとうございます。それでは最後に一言、お願いできますでしょうか
『はい』
チャンピオンはカメラの向こうの誰かを見て、ほほ笑んだ。
『ホップ君、私待ってるよ』
そして、カメラの向こうの誰かを見て、氷で出来た能面のような顔を見せ、去っていた。
去り際に、彼女呟きをマイクが拾う事は無かったが、
あたしにははっきりと読み取れた。
22: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:50:52
マリィちゃん―――――――絶対に、許さない
24: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:52:29
これで終わりです
総字数大体2万6千文字
5日で書いたにしては中々のもんじゃないかと思ってます
読んでくれた方お付き合いありがとうございました
総字数大体2万6千文字
5日で書いたにしては中々のもんじゃないかと思ってます
読んでくれた方お付き合いありがとうございました
25: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:53:11
超大作だった…
38: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:04:01
これまだホップのこと諦めてないじゃん…
23: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:52:14
自分が加害者になりたくなくて相手に問題を押し付けたらおしまいよ
おしまいだった
おしまいだった
27: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:54:38
おつかれ
毒々しい華があちこちで咲き誇ってて素晴らしい
毒々しい華があちこちで咲き誇ってて素晴らしい
28: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:56:01
うn
出来が良いから気分が悪くなるな
出来が良いから…
出来が良いから気分が悪くなるな
出来が良いから…
29: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:56:07
重い…これ時間が解決してくれるんです?
31: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:57:59
>>29
時間が悲しみと怒りを押し流す前に片方が死ぬんじゃないかな!
時間が悲しみと怒りを押し流す前に片方が死ぬんじゃないかな!
30: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:57:31
ユウリもマリィも悪く書いちゃいましたが私自身はなんというか健全なユウホプがすっごく好きだし
ユウリと仲良くしてるマリィめっちゃ可愛いなぁ!!って感じです
誤解されないように言っておきますが、私はただ硬い友情で結ばれた女の子が男を巡って醜い争いをするのが性癖なだけです
ユウリと仲良くしてるマリィめっちゃ可愛いなぁ!!って感じです
誤解されないように言っておきますが、私はただ硬い友情で結ばれた女の子が男を巡って醜い争いをするのが性癖なだけです
32: 名無しのあにまんch 2020/08/16(日) 23:58:52
>>30
よく言った
読んでて楽しくないのに楽しかったありがとう
よく言った
読んでて楽しくないのに楽しかったありがとう
35: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:00:35
>>30
誤解とは一体…
誤解とは一体…
36: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:01:08
>>30
ありがとう
ひさびさに気持ち悪い笑顔になれたよ
ありがとう
ひさびさに気持ち悪い笑顔になれたよ
33: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:00:12
仮にこの後マリィがチャンプになってホップと結婚もしたとする
祝福と称賛の声がマリィちゃんにザクザク突き刺さるやつ…
祝福と称賛の声がマリィちゃんにザクザク突き刺さるやつ…
34: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:00:34
こっからチャンピオンが幸せになる未来が見えねえ…マリィは死ぬまで後ろめたさを抱きながらも幸せな結婚幸せな家庭を築きそうなのに
37: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:02:19
もしこの先チャンピオンが何らかの形でいなくなったらマリィはどう思うんだろう
個人的にはショックを受けつつどこかほっとした自分がいることに気づいて吐いて欲しい
個人的にはショックを受けつつどこかほっとした自分がいることに気づいて吐いて欲しい
40: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:04:51
10年後くらいに抜けない棘に耐えかねて謝りにいった所でグサリ!
する未来が見えた
泥棒が悪いよ泥棒がー
する未来が見えた
泥棒が悪いよ泥棒がー
41: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:05:02
楽しかったけどこのマリィが幸せだと気分悪いから何かしらの報いは受けて欲しいな
42: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:06:16
>>41
もう
受けてる
もう
受けてる
45: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:06:45
>>41
生涯後ろめたさと罪悪感に苛まれ続けるのは間違い無いと思う…
生涯後ろめたさと罪悪感に苛まれ続けるのは間違い無いと思う…
43: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:06:39
いいや
やっぱり無敗のチャンピオンになってもらってホープ君に負けてもらうね!
やっぱり無敗のチャンピオンになってもらってホープ君に負けてもらうね!
47: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:07:53
ユウリにだって出会いがこれからだってある筈だし…
56: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:12:25
>>47
出会いがあったとしても裏切られて奪われた事実と記憶は消えないんだ…
出会いがあったとしても裏切られて奪われた事実と記憶は消えないんだ…
58: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:12:33
>>47
友情を捨てて恋を奪った女が友情も恋も失った女の目につく所にいる限りは無理ではないでしょうか…
友情を捨てて恋を奪った女が友情も恋も失った女の目につく所にいる限りは無理ではないでしょうか…
50: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:09:01
完全無敵のチャンピオン概念と化してホプマリ夫婦を粉砕し君臨する覇者ルートか
あえて敗北してチャンピオンの背負う呪いをマリィに残す呪縛ルートか
あえて敗北してチャンピオンの背負う呪いをマリィに残す呪縛ルートか
51: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:09:54
ユウリにも今後出会いはあるかもしれないが同じ英雄の片割れで初めての冒険に連れて行ってくれた男の子はホップだけだからな…
52: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:12:02
む ムゲンダイナ…
ムゲンダイナはどこ…
ムゲンダイナはどこ…
53: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:12:20
やっぱりチャンピオンが悪いよなぁ…
55: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:12:22
強いトレーナーと強いポケモンが集まったところでムゲンダイナアアアアするとトレーナーやポケモンからパワーを奪い取ってブラックナイトが起こせるかもしれない
59: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:14:05
なんていうか君が望む永遠を思い出すドロドロさだった…
60: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:14:20
何で今になってムゲン団ルートが蘇るんだよ!?
61: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:15:21
これ総帥が辿ったルートよりきついんじゃねえかな…
64: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:16:20
>>61
仮に過去へ戻ったら真っ先にマリィ殺しに行きそうというか
憎しみの対象が自分以外にあるからもっと救いのない踏み外し方しそう…
仮に過去へ戻ったら真っ先にマリィ殺しに行きそうというか
憎しみの対象が自分以外にあるからもっと救いのない踏み外し方しそう…
63: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:15:54
総帥ルートだとマリィは味方サイドだったからな…
65: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:16:25
すれ違い展開すると仕方ないとはいえホップの察し悪くなりがちよね
後で真相に気付いちゃったら…とか思うと胃が痛い
まあどっちにしろ手遅れなんだけど
後で真相に気付いちゃったら…とか思うと胃が痛い
まあどっちにしろ手遅れなんだけど
67: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:17:11
「マリィに手出しはさせませんよ」
「やめるんだユウリ君!ホップの幸せを壊すような事はさせないぞ!」
…二人共余裕で粉砕しそうだ
それよりミツバさん辺りから「いや〜それユウリちゃんもだいぶダメでしょ」とか言われるほうがダメージ入りそう
「やめるんだユウリ君!ホップの幸せを壊すような事はさせないぞ!」
…二人共余裕で粉砕しそうだ
それよりミツバさん辺りから「いや〜それユウリちゃんもだいぶダメでしょ」とか言われるほうがダメージ入りそう
70: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:20:07
>>67
部外者が大人ぶって正論並べるのがどうして腹立たしいかよくわかる
部外者が大人ぶって正論並べるのがどうして腹立たしいかよくわかる
68: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:18:00
このルート通ったユウリはマリィはもちろんその子供にも殺意向けるよね…
77: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:25:57
>>68
外見はホップそっくりなのに目だけがマリィそっくりとかだったりしたら耐えきれないだろうなって思うよね
外見はホップそっくりなのに目だけがマリィそっくりとかだったりしたら耐えきれないだろうなって思うよね
71: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:21:19
憎い恋敵の子だけどホップの子でもあるので矛先がどこにも向けられなくなる
69: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:18:28
譲る事は出来ず自分が悪者のままなのも耐えきれず
愛する夫と引き換えに相手を殺す以外に恨みから逃れる術を失ったのだ!
愛する夫と引き換えに相手を殺す以外に恨みから逃れる術を失ったのだ!
72: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:21:46
流石悪タイプのジムリーダー…
すげぇワルだぜ…
すげぇワルだぜ…
74: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:23:31
これチャンピオンにとって2人が友人だったのもう過去形ですよね…
76: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:25:32
エピローグだとマリィはユウリの事をチャンピオンとしか言ってないんだな…
78: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:26:53
>>76
自分から関係致命的にぶち壊しておいて親友呼びできたら神経太すぎる
自分から関係致命的にぶち壊しておいて親友呼びできたら神経太すぎる
79: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:29:07
キスマーク見せつけてるあたりのマリィちゃんが悪タイプすぎて…しゅき…
80: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:29:16
ユ
悪
悪
私
悪
悪
私
81: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:34:42
ホップには是非とも二人が決別しててその原因が自分だと知ってほしい
83: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:36:07
>>81
そして真実を知ってユウリの元にたどり着いた時には全てが終わってもう取り返しがつかなくなってるといいと思う
そして真実を知ってユウリの元にたどり着いた時には全てが終わってもう取り返しがつかなくなってるといいと思う
86: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:38:15
>>83
マリィと子供を亡き者にされて衝動のままユウリを殺してて何もかも失うホップいいよね…
マリィと子供を亡き者にされて衝動のままユウリを殺してて何もかも失うホップいいよね…
91: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:40:41
>>86
いいやユウリがマリィとホップの目の前で恨み言吐きながら死んで永遠に消えない傷を残す方がいいね!
いいやユウリがマリィとホップの目の前で恨み言吐きながら死んで永遠に消えない傷を残す方がいいね!
82: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:35:52
ちゃんと憎めてるなら大丈夫一撃破壊光線をぶちこめば全部解決だ
88: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:39:58
このチャンピオンからは衝動的に殺すとかじゃなくて生き地獄に落とす系の情念を感じる
89: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:40:13
でも伝えないのがダメですよね?
自業自得じゃないですか
自業自得じゃないですか
93: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:41:34
>>89
ムゲン団立ち上げ時からある基本設定過ぎてダメだった
ムゲン団立ち上げ時からある基本設定過ぎてダメだった
90: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:40:25
痛ましい気持ちなのに気持ち悪い笑顔になるのが止められない…
94: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:41:50
圧倒的な強さと 苛烈な闘いで 長年 ガラルの民を魅了し恐れられている「ガラルの女帝」。
ホップ博士の幼馴染で 共にジムチャレンジを戦い抜いたこともあった。
かつては エンタメ性の高い華麗な戦い方が目をひく 明朗で優美なトレーナーだったというが
今や その面影はなく 常に 氷の仮面を被っている。
何故 彼女は変わってしまったのだろうか。
ホップ博士の幼馴染で 共にジムチャレンジを戦い抜いたこともあった。
かつては エンタメ性の高い華麗な戦い方が目をひく 明朗で優美なトレーナーだったというが
今や その面影はなく 常に 氷の仮面を被っている。
何故 彼女は変わってしまったのだろうか。
96: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:42:02
おかしい…ムゲン団は鎧島と共に夢幻と消えたはずでは…
95: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:41:53
まずユウリが帰ってきてホップくんに告白してきちんと振られておけばこうは拗れなかったんだろうけどな
98: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 00:42:55
このチャンピオンチャンピオンであることが唯一の鎖というかチャンピオンですらなくなった時に何しでかすか分からねえ…
11: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:06:25
第一回のホップ視点だと気ぶりレスが多かったのにマリィ視点に入ってからどんどん「」が慄きだしてダメだった
16: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:08:49
>>11
リアル以上に生々しく感じるレベルの湿った女の描写だったから…
リアル以上に生々しく感じるレベルの湿った女の描写だったから…
17: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:10:37
いやだってホップから見るとユウリと疎遠になったな…ぐらいな所にいきなり現れて自分を心配して忙しい合間を縫って毎日のようにお弁当作ってきてくれる健気な女の子なんだもの
18: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:10:56
いいよね…私は愛されたけどあなたは愛されてないでキスマーク見せつけるマリィ…
21: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:11:24
>>18
この時点で刃傷沙汰にならなかったのが奇跡
この時点で刃傷沙汰にならなかったのが奇跡
20: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:11:05
半ば逆張りでユウマリ友情話が書けそうだけどあのパワーに対抗できる気がしない
23: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:11:53
ホップがユウリに対する気持ちに気づく寸前で告白したのも打点が高い
30: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:15:42
>>23
ホップがユウリの話題話さないように頑張って話題変えてたって地の文読む限り君最初からユウリ蹴落としてホップ落とすつもりだったよね?ってなる
ホップがユウリの話題話さないように頑張って話題変えてたって地の文読む限り君最初からユウリ蹴落としてホップ落とすつもりだったよね?ってなる
25: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:13:25
相手が一通りマジ切れしたタイミングでカウンター決めるのが狡猾すぎる
27: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:14:42
ホップに愛されたいという気持ちだけは真実
それ以外はすべて嘘偽りを塗り重ねながら生きていくんだろうな…
それ以外はすべて嘘偽りを塗り重ねながら生きていくんだろうな…
28: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:15:11
>>27
でも愛する家族ができたから死ねないし幸せに暮らすんでしょ
許せないよね
でも愛する家族ができたから死ねないし幸せに暮らすんでしょ
許せないよね
33: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:16:21
外から見たらどんなに幸せに見えても絶対に幸せに離れないよ
37: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:17:49
>>33
>幸せに離れないよ
誤字なんだろうけど誤字に見えねぇ!
>幸せに離れないよ
誤字なんだろうけど誤字に見えねぇ!
44: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:22:31
>>37
ホップには盾のお守りをあげるね
マリィとしあわせにはなれないでいてもらうためのお呪いだよ
ホップには盾のお守りをあげるね
マリィとしあわせにはなれないでいてもらうためのお呪いだよ
39: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:20:15
流石にホップも訝しんで問いただすだろうけど自分に不利になることは絶対口にしないという嫌な信頼感がある…
42: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:21:50
ホップには全てを知ってもらいたい
50: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:23:45
ビート君はどう思う?
51: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:24:00
巻き込まないでください
53: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:26:50
オーロンゲはどう思う?
57: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:27:42
(オーロンゲの墓)
54: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:27:14
……………
56: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:27:32
し、死んでる…
55: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:27:14
あいつなら胃痛で死んだよ
60: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:27:56
こいついつも死んでるな
69: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:30:21
ち…ちガッ…あくまで逆境を乗り越えて突き進む姿が好きなのであって全力で暗雲に潜っていくのはちょっと…ガァ…
71: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:31:28
トーナメントで再開した時のザシアンとザマゼンタ気まずそう
75: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:32:33
拗らせて総帥にまでなったルートと親友に裏切られたルートどっちがマシかな…
78: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:33:09
総帥は親友に裏切られて寝とられた訳じゃないし…
88: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:35:32
総帥は剣盾2の主人公ですら浄化しきれず剣盾3までもつれ込むパターンもあったからな…
89: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:36:18
総帥は浄化の芽があったけどこっちのユウリはどうあっても救いが見えない…
101: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:38:45
このユウリマリィを殺しても狂ったように笑い続ける姿しか見えないし
ホップと結ばれる未来だけは絶対あり得ない気がする
ホップと結ばれる未来だけは絶対あり得ない気がする
112: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:41:12
だがポケモンの世界で重婚が禁止されてるというルールはないはず
114: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:41:53
>>112
この2人今更共存できるの…?
この2人今更共存できるの…?
119: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:44:06
どうして皆幸せになれないのさあ…
121: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:45:04
もしホップが事実を知ってもなおマリィの味方についたらどうなるんだろうね…
124: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:45:37
>>121
仮に事実を知ったとしてもマリィが自分を支えてくれたって事実は変わらないからなぁ…
仮に事実を知ったとしてもマリィが自分を支えてくれたって事実は変わらないからなぁ…
128: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:46:39
自分がフラれた上でホップとマリィがくっつくならまだ悲しみつつ祝福できたと思うが失恋の機会すら奪われた…
129: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:47:14
>>128
ユウリが先に告ってたらホップとくっついてたからな…
ユウリが先に告ってたらホップとくっついてたからな…
7: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:19:18
何もしなかった人が悪いよね
11: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:21:54
>>7
奪った側が悪いし奪った上で相手のせいにしたからもっと悪いよ
奪った側が悪いし奪った上で相手のせいにしたからもっと悪いよ
9: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:20:47
あたしも…女だから…
10: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:21:38
別にムゲン団とか大それた目的や組織は立てなさそう
ただただ人間らしい憎悪に燃えそう
ただただ人間らしい憎悪に燃えそう
14: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:23:07
肝心のホップ君にも嘘と隠し事してるという不誠実ぶりは流石あくジムリーダー…
25: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:28:20
>>14
いつか秘密にしているのに耐えきれず受け入れてくれると信じて打ち明けるんだろうな
多分受け入れられるけど軽蔑された未来を思うと興奮する
いつか秘密にしているのに耐えきれず受け入れてくれると信じて打ち明けるんだろうな
多分受け入れられるけど軽蔑された未来を思うと興奮する
34: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:31:52
>>25
真実を告白する時も自分が悪者になりそうな部分は捻じ曲げて話しそう…
真実を告白する時も自分が悪者になりそうな部分は捻じ曲げて話しそう…
15: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:23:39
ちゃんと公約通り人死には出なかったし乙女の恋は成就したからな
17: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:24:11
>>15
人死はあのあと出そうだがな…
人死はあのあと出そうだがな…
16: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:23:58
欺瞞をかんじる…!
22: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:25:57
かけがえのない親友を対価に恋人を錬成した
等価交換だ
等価交換だ
36: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:32:26
マジもんの泥棒猫じゃないですか…
37: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:33:00
>>36
人のモノを盗ったら泥棒だけどホップはチャンピオンのモノじゃないじゃないですか
人のモノを盗ったら泥棒だけどホップはチャンピオンのモノじゃないじゃないですか
39: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:34:06
>>36
ホップは最初から一度もあんたのものじゃなか
ホップは最初から一度もあんたのものじゃなか
38: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:33:45
最初からちょっとユウリに劣等感も抱えてて若干ざまあみろと思ってる部分もあるのは否定できないと思う
42: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:35:12
なるほどこれがピカレスクロマンですか
49: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:37:13
一切あの件に関わってないビート君は幸運でしたね
51: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:38:54
>>49
ビートくんはピンクキメてるからな
ビートくんはピンクキメてるからな
63: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:43:43
マリィがそんな事するかァ〜〜〜〜!!
65: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:44:14
>>63
この世界はムゲン団総帥にとってショックだった
この世界はムゲン団総帥にとってショックだった
70: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:46:22
>>65
ヨロイ島でもう自分みたいなバカなことをする世界は無くなったと油断していたからね…
ヨロイ島でもう自分みたいなバカなことをする世界は無くなったと油断していたからね…
71: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:46:22
>>65
大半の「」ウリに大ショックの世界だよ
総帥世界ですら最後まで総帥に付き合ってくれたマリィがこんなひどい事をするなんて…
大半の「」ウリに大ショックの世界だよ
総帥世界ですら最後まで総帥に付き合ってくれたマリィがこんなひどい事をするなんて…
66: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:44:18
ここまで救われる未来が見えないユウリは初めて見たかもしれん…
75: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:47:29
ホップと致した事すら武器にするの卑しすぎる…
85: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:50:19
でもブラックナイトでガラル消滅一歩手前で手持ちかつホップとの繋がりだった姉上に後ろから切られて愛情も友情もポケモンへの信頼も失って死ぬユウリはある種の美しさがあると思う
もはや悪役だけど
もはや悪役だけど
89: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:53:15
>>85
主人を裏切って啜った命は美味いか
主人を裏切って啜った命は美味いか
99: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:58:15
>>89
貴女は最早英雄ではない
…厄災です
どれほどひどい裏切りを受けた結果であってもガラルの守護者たる私が貴女に従う訳にはいきません
貴女は最早英雄ではない
…厄災です
どれほどひどい裏切りを受けた結果であってもガラルの守護者たる私が貴女に従う訳にはいきません
112: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:02:02
>>99
都合の悪い時だけ饒舌になりやがって…
人間が厄災に成り下がるまで懐で待ってたんだろう!
都合の悪い時だけ饒舌になりやがって…
人間が厄災に成り下がるまで懐で待ってたんだろう!
87: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:52:17
ホップがユウリの事好きだとわかるやいなやユウリの話題全消しに奔走してたのマジで卑しかばい
90: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:54:41
こんなんポケモンバトルじゃねぇっ!
ただの殺し合いだっ!!
ってなりそう
ただの殺し合いだっ!!
ってなりそう
92: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:54:58
>>90
お前の始めた戦争だろうが!!!
お前の始めた戦争だろうが!!!
95: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:56:57
マリィ視点の冒頭でいい部屋に住んでるユウリに格差と劣等感を感じてたマリィちゃん卑しい…
103: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 20:59:56
あの終わりのインタビューだとチャンピオンはホップのこと諦めてなさそうなんだよな…
109: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:01:45
>>103
大変な仕事終えて今度こそ好きな人に告白するんだ!って場面で何もかも既に奪われていたと知ったんだ
諦められるわけが無い
大変な仕事終えて今度こそ好きな人に告白するんだ!って場面で何もかも既に奪われていたと知ったんだ
諦められるわけが無い
110: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:01:46
マリィがこんなことやったって知ったらネズさんは発狂してもおかしくない
115: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:02:38
>>110
マリィもユウリももう子供じゃないだから…で済ませそう気もする
マリィもユウリももう子供じゃないだから…で済ませそう気もする
122: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:05:02
ネズさん過保護だけど過干渉はしなさげというか最後には妹の意思を尊重しそうなので……
一言本当にそれでいいのかと問うくらいはすると思うが
一言本当にそれでいいのかと問うくらいはすると思うが
124: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:05:38
ネズさんはマリィの罪を知りその償いの犠牲になるんだ
兄を殺して手に入れた愛は美味いか
兄を殺して手に入れた愛は美味いか
126: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:07:13
ネズさんがどれだけのことをしてももう遅いんだ……
128: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:08:45
ここは間をとってネズさんがホップを落とせばいいんじゃないですか?(錯乱)
134: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:10:57
>>128
気持ち悪いわー!
気持ち悪いわー!
129: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:08:46
部外者が口挟んでも火傷するだけだしなぁ
131: 名無しのあにまんch 2020/08/17(月) 21:10:02
もう遅いの理解してるネズさんが死ぬまで苦しみますよとボソッと呟くのか……
138: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:49:41
ブラックナイト(原作)
ブラックナイト(世界崩壊)
ブラックナイト(昼ドラサスペンス)
ブラックナイト(世界崩壊)
ブラックナイト(昼ドラサスペンス)
139: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:49:47
狭い狭い一本の道を通って落下した末に辿り着いた無限の可能性から抜け出てきたと思ったらまた狭い狭い一本の道を通って落下し始めた
144: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:53:11
>>139
無数に並行世界があるとするなら
中にはこういう世界線もあるんだろうなあ
無数に並行世界があるとするなら
中にはこういう世界線もあるんだろうなあ
140: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:50:38
まぁこれはなんていうか裏ルートみたいな認識で読んでるよ
142: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:52:23
このマリィ自己保身に長けてるから少なくとも周りの人に不利な事は言わないよね…
言っても同情される範囲でしか言わないというか
言っても同情される範囲でしか言わないというか
146: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:53:36
>>142
別に露骨にハメたとか妨害したとかじゃなくて言ってしまえば恋敵のいないうちに頑張って好きな男に尽くしたってだけだからな…
別に露骨にハメたとか妨害したとかじゃなくて言ってしまえば恋敵のいないうちに頑張って好きな男に尽くしたってだけだからな…
151: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:55:15
反動で何の凹凸もないほのぼのなホプユウ光が読みたい気分だ
155: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:56:07
正論を口にするな縫い付けるぞ
157: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:56:43
>>155
一番ダメージ出るタイミング狙ってぶちまけたからな…
一番ダメージ出るタイミング狙ってぶちまけたからな…
134: 名無しのあにまんch 2020/08/18(火) 00:48:22
道中曇るけど最後に幸せになる女の子のが好きなのであって
最後まで曇り続けるのはその…すきだけど…お辛い
最後まで曇り続けるのはその…すきだけど…お辛い
続き: 【ポケモン】ホップ×マリィ(ホプマリ)後日談 【二次創作注意】