【感想】 アニメ『ひぐらしのなく頃に業』 10話 沙都子の姿が痛々しくて見てて辛い話だった…

圭一「せぇい！！」

鉄平「うわっ！」

鉄平「ぐっ…。い、痛てぇ…」 

圭一「その程度で痛いだと…？」

圭一「沙都子はなぁ…！もっと痛かったんだっ！！」

圭一「うぉおおおおおお！！！」

圭一「っ！！」

圭一「はぁ…はぁ…」

圭一「はぁ…はぁ…」

レナ「圭一くん、遅いよ～！お寝坊さんなのかな？かな？」

圭一「悪い、レナ…。昨夜、変な夢のせいで中々寝付けなくて…」 

レナ「夢？どんな夢かな？」

圭一「はっきりとは思い出せないんだけど、沙都子の夢だったような…」

圭一「それより時間っ！」 

レナ「急がないと遅刻だよ～！」 

圭一「走るか。魅音の奴が怒ってるだろうしな！」

レナ「はぁはぁはぁ…。間に合ったねー…」 

魅音「あ～、やれやれ…」

圭一「あれ？梨花ちゃんと沙都子はまだ来てないのか？」 

レナ「あの二人が遅刻なんて珍しいねー」 

圭一「昨日のバーベキューではしゃぎすぎて、沙都子が熱でも出したんだろ」

圭一「ん？魅音…？」

知恵先生「おはようございます。皆さん」

知恵先生「委員長、号令」

魅音「あ…、はい」

魅音「起立」

圭一「…！」

知恵先生「遅刻ですよ、古手さん。北条さんはどうしました？」 

圭一「梨花ちゃん？」

梨花「沙都子はちょっと遅れるかもしれないのです…」

知恵先生「そうですか…」

圭一「よっ！」

圭一「梨花ちゃん、遅刻して怒られて、かわいそかわいそだなぁ～」

梨花「みー…」

圭一「沙都子はどうしたんだ？風邪か？」

梨花「……」

圭一「くそ…！」

圭一「よっ！」

岡村「取れました！前原さん！ありがとうございましたー！」

大石「どーもどーも、こんにちは！」 

圭一「？」

大石「お昼休み中、すみませんね～」

圭一「…」 

大石「ああ、怪しい者じゃないんですよ～。私、沖野宮警察署から参りました大石と申します」

圭一「警察？」

圭一「職員室なら…」 

大石「いいえ。それよりお友達を呼んでもらいたいんですがね～？」

大石「北条 沙都子さん」

圭一「…沙都子に何の用ですか？」

大石「大した用事じゃないんです。２、３聞きたい事がありまして～。ご協力いただけませんか？」

圭一「話がしたいだけなら電話でいいじゃないですか？学校に押しかけてくるなんて、どうかしてます」

大石「なっはっは！これは手厳しい」

大石「貴方、沙都子さんのマネージャーさんですかな？」 

圭一「…ッ！」

大石「あ～、君たち～！北条沙都子さんを呼んできて欲しいんですがね？」

生徒「えっと…、北条さんはお休みですけど…」 

大石「休み…？なっはっは！こりゃ、ついてない。では、このお兄さんの名前を教えてくれますか～？」 

生徒「前原圭一さん…」

大石「ほう。では貴方が前原屋敷の御曹司ですか？」

圭一「ぐっ…」

大石「良い事教えてあげましょうか？前原さん」

大石「んっふっふっふ…。こういう土地ではね、敵は作らない方がいいですよ～？さもないと…」

入江「もうそれくらいになさって下さい」 

大石「おや、これは入江先生じゃありませんか。先生の所にも、後でお伺いしようと思っていたんですよ？」

入江「その時は、令状をお持ちになって下さい。職務質問と任意同行は拒否できますから」

大石「なっはっはっは～」

圭一「…っ」

大石「では、またいずれ…」 

圭一「くそ…」

圭一「あんなに痛かったのに、あざ一つ無いなんて…」

入江「それだけあの男が手慣れている…という事ですよ」 

圭一「アイツ何なんだ…。沙都子に用があるとか言ってきて」

入江「まだ沙都子ちゃんに付き纏うつもりなんでしょうか？本当に蛇の様にしつこい男です」 

圭一「え？」

入江「前原さんは引っ越してきたばかりでしたね。『オヤシロ様の崇り』と言う話は、聞いたことがありますか？」

圭一「沙都子の両親がダム計画の賛成派で、死んだのは崇りだって話ですか？」

入江「ご存じでしたか…。ご両親を亡くした沙都子ちゃんと悟史くんは、叔父夫婦の元に身を寄せる事になりました」 

圭一「え…？その話は初めて聞きます」

入江「叔父というのは無くなった父親の弟にあたる方なんですが、残念な事に夫婦揃って尊敬に値する方々ではありませんでした」

入江「叔父夫婦は保護者になると同時に、ご両親が残した財産を全て奪い取りました」

入江「顔を合わせる度になじり怒鳴りつけ、まともな食事も与えられず、暴力も絶えなかったと聞いています」

入江「今の元気な沙都子ちゃんしか知らない前原さんには、想像もつかないでしょうね…」 

圭一「それから沙都子を変える何かがあった…ってことですよね？」

入江「ええ。一年前、綿流しの夜に叔母が死んだんです。犯人は薬物を常用していた異常者で、叔母はバットで殴り殺されていました」

圭一「…っ」 

入江「叔父はオヤシロ様の崇りを恐れて、逃げる様に雛見沢を出て行ったそうです」

圭一「それで沙都子は開放されたんですね？」 

入江「ええ。ですが、その直後に現れたのが大石蔵人です」

圭一「さっきの…！」

入江「あいつは少しおかしいんです。オヤシロ様の崇りを巡る一連の事件は、ただの事故だったと言い、異常者の犯行だったり、全て解決しているんです。それなのに、あいつだけが頑なに認めようとしない」

入江「雛見沢ではね、大石の事をこう呼んでいます。オヤシロ様の使いと…」

圭一「オヤシロ様の使い…」

梨花「…」

圭一「梨花ちゃん。沙都子のやつ、昼には来るつもりだったのか？」 

梨花「…」 

レナ「梨花ちゃんが話したくないなら、待つしかないよ。言うほどの事でもないかもしれないし…」

圭一「おい、魅音。何か知ってるんじゃないのか？」

魅音「何で…？」

圭一「朝から様子がおかしかっただろ？」

魅音「昨日の夜、町内会の人から嫌な噂聞いちゃって…」 

圭一「噂？」

魅音「沙都子には叔父がいるんだけど…」 

圭一「それって、沙都子に暴力を振るってたって奴か！？」 

魅音「あ…、うん。圭ちゃん、知ってたんだ…」

魅音「その沙都子の叔父 北条鉄平が、雛見沢に戻って来たらしいんだ」

圭一「ぁ…」

圭一「沙都子…！」

沙都子「ふっ…何ですの…？圭一さん…」 

圭一「心配したんだぞ！こんな時間まで何やってたんだ」

沙都子「おほほ…。心配性ですわね…」

レナ「沙都子ちゃん…」 

魅音「大丈夫？」 

沙都子「ごめんあそばせですわ…。ちょっと叔父様にお使いを頼まれただけですのよ」

圭一「お使いって…。学校があるのに」 

沙都子「そんな事より、お弁当に致しましょう。私、お腹が空いてますの…」

圭一「沙都子…」

魅音「よーしっ！５人揃ったからには、ぱーっと部活で盛り上がろうじゃないの！」

レナ「望むところだよ～！ねっ、沙都子ちゃん？」

沙都子「…」

魅音「今日は特別に、沙都子が好きなゲーム何でも選んでいいよ～？」

魅音「ほれ、言ってみ言ってみ～？」

沙都子「ありがたいですけど、お気持ちだけで結構ですわ…」

魅音「ちょっと、沙都子～！？敵前逃亡は罰ゲームだって…」

魅音「えっと…会則第何条だっけ…」

レナ「止めなよ、みーちゃん。無理強いは良くないよ？」

魅音「別にアタシは…」

沙都子「本当に、お気持ちだけで嬉しいんですのよ…？」

沙都子「それでは…。色々しなければいけない事がありますので…」 

魅音「沙都子…」

圭一「なぁ…、俺たちは仲間だ。そうだろ？皆…」 

レナ・魅音「うん」

圭一「梨花ちゃん、もう話してくれてもいいんじゃないか？」

梨花「みー…」

圭一「何があったんだ？」 

魅音「梨花ちゃん…」 

レナ「梨花ちゃん、お願い…」

梨花「昨日、買い物に行った沙都子が、日が暮れても帰ってこなかったのです」

梨花「！」

梨花「沙都子！」

梨花「心配したのですよ？すぐに晩御飯の準備を…」

沙都子「梨花…」

梨花「ん？」 

沙都子「私は、荷物を取りに来ただけですわ…」 

梨花「え…」

沙都子「叔父様と一緒に暮らすことになりましたの」

梨花「っ！！」

梨花「沙都子は…、身の回りの物だけを持って家を出て行ったのです」

圭一「叔父夫婦に引き取られた時と同じ状況って訳か…」 

レナ「違うよ…。全然違う」 

圭一「え？」

レナ「今は悟史くんがいない」

圭一「！」 

魅音「悟史はいつも妹の沙都子を庇ってた。意地悪な叔父夫婦から、沙都子を守る盾になってくれてた」

レナ「だけど、今は…。家で沙都子ちゃんは、叔父さんと二人きりなんだよ…」

圭一「くそっ！こういうのって虐待だろ！？通報とか出来ないのか？」 

レナ「そうだよね！証拠があれば警察に…」

魅音「一昨年の冬かな…。通報したんだよ。児童相談所に」

圭一「それでどうなったんだ？」 

魅音「すぐにお役所の人が来てくれたよ。で、沙都子と悟史に事情聴取した。ついでに叔父夫婦にもね」

圭一「それってマズいんじゃないのか？」 

魅音「両者の意見を聞いて、総合的に判断するんだとさ。御立派、御立派」 

レナ「結果はどうだったの？」 

魅音「様子見」

圭一「は…？何だよ、それ！」 

魅音「暴力って言っても跡が残るって程じゃ無かったし、暴言も録音してたわけじゃないからね。家の中では証人もいないし…」

圭一「その後は…？」 

魅音「わかるでしょ？より陰湿なイジメに加速していった」

魅音「あれは失敗だった…」 

レナ「…」

圭一「何も出来ないのかよ…。俺たちには…」

梨花「みー…」

知恵先生「おはようございます、皆さん」

知恵先生「古手さん…。北条さんは今日も遅刻ですか？」

梨花「…」

知恵先生「しばらく自習にします」

知恵先生「古手さん、ちょっと…」

知恵先生「北条さんの叔父さんが…。それは本当ですか？」

知恵先生「状況はわかりました」

梨花「それで…？」 

知恵先生「え…」

梨花「そこまで知って、貴方は何が出来るの？」

知恵先生「ぁ…」

知恵先生「家庭訪問に行ってみます…。もし問題がある様なら…」 

魅音「児童相談所に連絡するんですよね？」

魅音「でも、虐待の証拠がないと動いてくれませんよ」 

知恵先生「貴方たち…」

知恵先生「自習だと言ったはずです！」

圭一「そんなもんどうだっていい！大事なのは沙都子の事だ！」

知恵先生「北条さんの事を正しく伝える為にも、まずは家庭環境を知ることが先決です」

レナ「私も、今は知恵先生に任せた方がいいと思うの…」

梨花「僕も、レナに賛成なのです」

圭一「梨花ちゃんがそれでいいなら…」

知恵先生「委員長、皆を教室に」

魅音「行こう…」

知恵先生「こんにちは。北条さん…。いらっしゃいませんか？」

鉄平「なんじゃいね！おのれは」 

知恵先生「沙都子さんの叔父さんでいらっしゃいますか？私、雛見沢分校教師の知恵と申します」 

鉄平「教師？」 

知恵先生「沙都子さんに会わせて頂けますか？」

鉄平「あ？なんでおのれに、沙都子ば合わせにゃならんねん！」

知恵先生「今日、沙都子さんが学校をお休みしましたけど、連絡が無かったもので」

鉄平「沙都子はなぁ、風邪なんね。風邪で熱出してうーうー唸っとるんねん」 

知恵先生「そうですか。明日は登校出来そうですか？」

鉄平「知るかいな！そんなもん、明日になってみなきゃわからんわ！」

知恵先生「あ…！」

魅音「先生！どうでしたか？行ってきたんですよね？」

圭一「知恵先生…」 

知恵先生「皆さん、待っていたんですか？」

圭一「沙都子はどうでした？無事ですか？」

知恵先生「それが…。会わせてもらえませんでした…」 

圭一「なっ…。だったら何の為に！」

魅音「予想出来た事だけど…」

圭一「虐待の証拠になるような傷があるから、会わせられなかったんじゃないのか！？」

知恵先生「本当にごめんなさい…」 

レナ「止めなよ、圭一くん。先生は出来る範囲の事をしてくれたよ」

圭一「くそっ！でも、これで本当にはっきりした。その叔父って奴が、沙都子を家に閉じ込めてる」

知恵先生「私もこの後、児童相談所に連絡するつもりです。現状を訴えれば、きっと適切に動いてくれるはずです」

魅音「私じゃ駄目だったけど、先生からの電話ならもしかしたら…」

圭一「…っ」

圭一「様子見って…！どういう事だよ！」

圭一「動いてくれるんじゃなかったのか？」

魅音「それが…。一応児童相談所から、沙都子の家に電話はしたらしいの。その結果が…」

圭一「様子見だって言うのか？そんな馬鹿な話が…っ！」

沙都子「朝っぱらから騒々しいですわね」

圭一「沙都子っ！？」 

沙都子「少しは御静かになさいませ」

レナ「沙都子ちゃん！その…、大丈夫だった？」 

魅音「児童相談所から連絡来たんでしょ？どういう話になったわけ？」 

沙都子「連絡したのはどなたですの？まったく…、飛んだ迷惑でしたわ」

レナ「皆、沙都子ちゃんの事心配してたんだよ？迷惑だなんて言わないで」

圭一「それで、どうなったんだよ！？」

沙都子「どうもこうもありませんわ。風邪が治ったから学校に来ただけのことですのよ？おーっほっほっ！」

圭一「何言ってんだ…？沙都子…」

梨花「…」

圭一「梨花ちゃん、あれはどういう事だよ？」

梨花「沙都子は、児童相談所からの電話を何でもないと言って切ってしまったそうです」

圭一「…っ！馬鹿野郎…っ！そんなの叔父が脅したに決まってるだろ！本人は否定したって、虐待は事実なんだ！」

梨花「実は…、これが三回目なのです」 

圭一「三回目…？」

梨花「過去に二度、虐待の通報があったのです」 

圭一「一昨年の冬に魅音が通報したって話は聞いたが、その前にもあったのか…？」

梨花「沙都子の死んでしまったお父さんは、本当のお父さんではないのです」 

圭一「え…」

梨花「沙都子と悟史は、お母さんの連れ子でした。沙都子は叔父夫婦に預けられている以前も、あまり良好な家族関係ではなかったのです」

梨花「沙都子は、義理のお父さんを追い出したくて、嘘の虐待話で児童相談所に電話したことがあるのです」

圭一「つまり、沙都子は嘘を付くかもしれないから、様子見って事になってるのかよ…！」

梨花「…」

圭一「何だよ…それ…」

沙都子「さーて、お昼でございますわね」 

梨花「みー」 

梨花「やっぱりお昼は５人揃わないとダメだよね～」 

魅音「同感、同感」

梨花「はい、どうぞです」 

沙都子「いつまでもお弁当作ってもらっては悪いですわね」 

梨花「いいのですよ。沙都子のお弁当を作るのは、僕の楽しみなのです」

沙都子「梨花…」

梨花「沙都子には、焦げたハンバーグを入れて、かわいそかわいそなのです！にぱー☆」

魅音「ははは！梨花ちゃんらしいね！」 

圭一「そう言う魅音の弁当は～？」

魅音「私はまた、夕飯の残り物詰め合わせ～」

レナ「レナのおかずも昨日の煮物だよ？」 

梨花「一晩おいた大根が、実に美味しそうなのです」

圭一「おっ、これはかなり旨そうだ！」

圭一「よって、沙都子の分はなし！俺が食って、感想だけ聞かせてやろう」 

沙都子「何ですってー！」

沙都子「ふっ！」 

圭一「うわっ！」

沙都子「私にもおよこしなさいな」 

圭一「無念…」

沙都子「おーほっほっほ」

沙都子「はーむ…」

沙都子「圭一さんの分の御大根が、実に美味しいですわ」

圭一「まったく…」

沙都子「はっ…！」

圭一「え…」

魅音「どうしたの？沙都子…」 

沙都子「はっ…はっ…はっ…」 

圭一「沙都子…」

沙都子「うっ…」

圭一「大丈夫かよ…？」

沙都子「いやー！！」

魅音「沙都子…！？」

沙都子「いや～…！ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」

沙都子「もう嫌です！もう嫌です！止めて下さい！許して！許して！」

沙都子「あぁあああ～～～～～！！もうヤダ、もうヤダ…！」

沙都子「ああああ…いやぁああああ！！！助けて！助けて！にーにー！！」

圭一「何だよ…。何だよ…これ…」